『モンスターハンターライズ』

一人でも協力プレイでも。
気軽にスイッチを入れて、
つい遊びたくなる
新しい狩猟体験のフィールドへ

常務執行役員 CS第二開発統括

辻本 良三

TSUJIMOTO RYOZO

2007年発売の『モンスターハンターポータブル2nd』以降、一貫してシリーズのプロデューサーを務める。 最新作『モンスターハンターライズ』でもプロデューサーとしてタイトル全体を統括する。

図表:販売戦略イメージ

多様なプレイ環境に最適化した新しい“モンハン”を

みんなと協力して遊べるアクションゲーム、それが第一作目から変わらない「モンスターハンター」のコンセプトです。携帯機としても遊べるNintendo Switch向けのタイトル開発が決まったとき頭に浮かんだのは、記録的大ヒットとなった『モンスターハンター:ワールド(以下MH:W)』とは違った、携帯機モードも強く意識したモンスターハンターを生み出したいという思いでした。持ち運んで遊べるゲーム機には、特有のテンポ感や「いつでも、どこでも」という遊び方が求められます。じっくり腰を据えて楽しむ据え置き専用機向けの『MH:W』とは違う感覚で、気軽に仲間と「一狩りいこうぜ!」と楽しめる完全新作にしようと決め、プロデューサーの門脇とディレクターの一瀬を中心に、『モンスターハンターライズ(以下MHRise)』の開発を開始しました。

「RE ENGINE」でグラフィックとアクションの両立を実現

『MHRise』では、ハンティングアクションに新しい風を送り込むべく、自社独自の開発エンジン「RE ENGINE」を採用しました。「いつでも、どこでも、気軽に」のコンセプトのもと、フィールドを縦横無尽に移動できる「翔蟲(かけりむし)」というアクションや、狩りのオトモに騎乗可能なイヌ型の「オトモガルク」を追加し、シームレスに繋がったフィールドを高速で移動できるようにしました。そして、Nintendo Switchとして最高水準のグラフィックと短いロード時間の両立を実現。いずれも、テレビなどの大画面でなくてもストレスなく遊べるよう工夫した結果です。

こうした新しい狩猟体験を実現できたのは、「RE ENGINE」によるところが大きいと感じています。開発チームとエンジンがゲームづくりの両輪となり、『MHRise』の表現やアクションの可能性を広げています。

今も、これからも新しい“狩り”の楽しみを

コロナ禍もあり開発は困難の連続でしたが、メンバーたちはそれを乗り越え、プライドをもってこのタイトルを開発してくれました。次のタイトルを担う人材も着実に育っています。うれしいことに、『MHRise』を楽しんだユーザーが『MH:W』も購入するなど、相乗効果も現れています。

シリーズとしては、現在、累計7,500万本(2021年6月末時点)を販売するブランドに成長しましたが、私たちはこれで満足しているわけではありません。世界中にはまだ“モンハン”を知らない人がいますし、ゲーム開発にはまだ先が広がっています。新しいゲーム環境に、新しい遊び方を。常にチャレンジを続け、10年先も、20年先も、世界中に「一狩り」旋風を巻き起こしていきたいと思っています。

CS第二開発統括 編成部
プロデューサー

門脇 章人

Kadowaki Akihito

『MARVEL VS. CAPCOM 3』、『戦国BASARA4』にてプロデュース業務を担当。『モンスターハンタークロス』海外版からモンスターハンターの開発メンバーとなり、本作でプロデューサーを務める。

2020年9月にシリーズ最新作『MHRise』のタイトルコールを行い、Nintendo Switchソフトであることに加え、発売日や値段、購入特典の内容を公表し、予約受付も開始しました。従来のタイトルと比べ、最初にユーザーの関心が高い情報を一気に発表することで、より多くの興味をひく戦略をとりました。以降は、SNSを使い、ゲームの要素を動画や写真で多数に切り分けて世界中に同時発信し、ユーザーとゲーム情報の接触頻度を上げることに注力しました。さらに発売前には、オンラインで協力プレイが可能な体験版を2度配信し、ユーザーの興味を喚起し続けました。世界中でファン獲得を目指し、発売後もイベントクエストなどのダウンロードコンテンツを通して運営ノウハウを磨き、『MHRise』をシリーズの新しい柱に育てていきます。

カプコンDNAを受け継ぐ
正統派ハンティングアクション『MHRise』を世界へ

Project management

ユーザー一人ひとりが思い描く“モンハン”の期待を超える楽しみを届けたい

CS第二開発統括 編成部 第一編成室

一瀬 泰範 Ichinose Yasunori

プロデューサーの辻本から「『MH:W』とは立ち位置が違うものにしたい」という構想を聞き、どうすれば『MHRise』を新ブランドとして確立できるか考えました。導き出した答えは、Nintendo Switch向けに進化したアクション主体のハンティングゲーム。内製のゲーム開発エンジン「RE ENGINE」を活用し、ビジュアルのクオリティを保ちながら、シームレスなフィールドでよりアクション面を強化するという難しい仕様に挑戦しました。狩りの舞台は、『モンスターハンターポータブル 3rd』以来となる「和」の世界。従来作よりキャラクター性を掘り下げた登場人物や「翔蟲」、「オトモガルク」などの新要素を取り入れながら、短時間プレイでも満足できる厳選したクエストを開発するなど、ゲームをつくり込んでいきました。今後も、ユーザーの皆様に「楽しい」と感じていただける瞬間を提供します。ご期待ください。

Sales strategy

携帯ゲーム機でここまで表現できるのか!という驚きの体験を

技術研究統括 基盤技術研究開発部 基盤エンジン開発室

宮部 浩太朗 Miyabe Kotaro

「『MHRise』は「RE ENGINE」で行う!」この決定を受け、私はタイトル開発チームに「RE ENGINE」のエンジニアとして加わりました。クリエイターとエンジン開発を担う技術部門とをつなぎ、Nintendo Switchで安定したパフォーマンスと最高のクオリティを両立できるよう努めるのがミッション。主にグラフィックスの技術選定と実装、そしてゲーム全体のパフォーマンスの最適化を担当しました。シームレス化されたステージに最大4人通信プレイ、オトモ4体、大型モンスター3体、さらに多くの小型モンスターと環境生物を動かすのは至難の業。その上でハードウェアの性能を限界まで使って美しいビジュアルと短いロード時間による快適なゲーム体験を提供できるよう工夫を重ねました。ゲームを支える、一見地味に見える部分にも注目してもらえたことはエンジニア冥利に尽きます。

Advanced game development

グローバルタイトルに成長した”モンハン”デジタル化を好機とし、世界中のファンに情報を発信

マーケティング戦略部 販売戦略室 CS第二販売戦略チーム

瀬上 礼佳 Segami Ayaka

パンデミックの影響で外出が制限される中、一人でも多くのユーザーに『MHRise』を楽しんでもらいたい。そう願いながら、プロモーションおよび販売の骨子となる戦略立案とロードマップの策定、各国との連携を行いました。前作『MH:W』の販売本数の約8割は海外であるため、グローバル市場は戦略の要。国内だけでなくグローバルでもWin-winなキャンペーンができるよう心掛けました。リアルイベントがことごとく中止となり、プロモーションは一気にデジタルシフト。デジタルイベントの公開時間や言語対応など、それぞれの施策において世界の各地域の要望を取り入れながら調整を図るのに苦労しましたが、各地域の担当者と緊密なコミュニケーションを取りながら進めました。各国の担当が一丸となって取り組み、発売1週間で500万本を突破したときは感無量でした。今後もチームとともに、グローバル展開に努めていきます。

Digital marketing

開発チームの熱意とゲームの魅力をInstagramで発信し、新規ファン獲得を目指す

マーケティングPR部 インタラクティブPRチーム

矢島 英
Yajima Hana

『MHRise』の認知度を向上させるため、SNSでの情報発信やWeb番組の配信、パブリシティなどを活用してPR活動を行うのがインタラクティブPRチームのミッションです。その中で私は、主に公式Instagramの立ち上げと運用を担当しています。Instagramは若年層や女性がボリュームゾーンであり、新たなターゲット開拓が目標です。開発チームと積極的に意見交換し、鮮度の高い情報をリアルタイムで発信していきました。毎週金曜日には「オトモ」たちのかわいいイラストや、コメントを投稿するなど、ユーザーの興味を惹き、『MHRise』のファンになっていただけるよう努めています。入社1年目だった私にSNS運用を任せてくれる社風に感謝しつつ、世界に羽ばたく『MHRise』とともに成長していきたいと思います。

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