コーポレート・ガバナンスに関する体制と取り組み | 取締役
当社グループは、「経営理念」に基づき、「ビジョン」に掲げる当社グループのありたい姿を目指し、事業活動を通じて当社グループの中長期にわたる安定成長の実現と企業価値向上に努めています。このため、経営の透明性、健全性を高めるとともに、環境の変化に対応できる体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでおります。
ここでは、これまで取り組んできたコーポレート・ガバナンスの体制と仕組みづくりについてご説明します。
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カプコン コーポレート・ガバナンス ガイドライン (2025年6月23日)
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コーポレート・ガバナンス報告書 (2025年6月23日)
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社外取締役
社外の視点でガバナンスの実効性を確保
社外取締役はコーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう、指名・報酬委員会およびコンプライアンス委員会の中核メンバーとなっているほか、適法性の確保や違法行為、不正の未然防止に注力するとともに、取締役会においても積極的な意見交換や助言を行うなど、経営監視機能の強化に努めています。監査等委員以外の社外取締役は秘書室のスタッフ、また、監査等委員である社外取締役については、内部監査部等の専従スタッフが、それぞれ補助業務を行っています。
当社の社外取締役7名は、すべて独立役員の基準を満たしていますので、7名全員を株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ています。また、当社は「社外取締役の独立性に関する基準」を定めており、当該基準に抵触しない者を独立性のある社外取締役と判断しています。
「社外取締役の独立性に関する基準」は、「株主総会」 2025年定時株主総会招集通知をご参照ください。
社外取締役の選任理由
| 氏名 | 選任理由 |
|---|---|
| 社外取締役 | |
| 水越 豊 | コンサルタント業界における長年の経験や知見により経営分析や経営戦略の策定などに精通するとともに、経済動向に関する高い見識や国際感覚をもとに独立した立場から積極的な意見や提言を行っており、外部の観点から取締役会の監査・監督の強化に寄与することが期待できるため。 |
| 武藤 敏郎 | 財務省、日本銀行および事業会社において培ってきた財政・金融その他経済全般やコーポレート・ガバナンスに関する高い見識を有しているため、大所高所からの経営全般にわたる客観的な提言や助言を行っており、独立した立場から取締役会の監査・監督の強化に寄与することが期待できるため。 |
| 廣瀬 由美 | 税理士や長年にわたる税務行政において培ってきた専門知識と豊富な経験に加え、財務および会計に関する相当程度の知見を有するとともに、健康経営に関する高い見識も有しているため、外部の視点から積極的な意見や提言を行っており、これらの経験、知見などから取締役会の監査・監督の強化および人材戦略の深化に寄与することが期待できるため。 |
| 幸田 真音 | 国際金融に関する高い識見を有していることに加え、政府等の審議会委員等を歴任された経験や上場会社の豊富な社外役員経験により実業界にも精通しているため、独立した公正な立場から積極的な意見や提言を行っており、これらの豊富な知見、経験や作家活動にて発揮されている深い洞察力と客観的な視点から取締役会の監査・監督の強化に寄与することが期待できるため。 |
| メットキャフ康子 | 米国公認会計士(USCPA)として、長年にわたる米国監査法人での監査、税務、コンサルティングの経験から、国際的な企業経営および企業統治の分野における高い見識と、財務および会計に関する相当程度の知見を有しており、これらの豊富な知見、経験とグローバルな視点から取締役会の監査・監督の強化に寄与することが期待できるため。 |
| 社外取締役(監査等委員) | |
| 上良 睦彦 | 税務行政における専門知識と豊富な経験に加え、財務および会計に関する相当程度の知見を有しているため、これらの高い見識に基づき、外部の視点から助言やアドバイスを行っており、独立した客観的な立場から取締役会の監査・監督の強化に寄与することが期待できるため。 |
| 小谷 渉 | 長年警察行政に携わっており、サイバーセキュリティや情報セキュリティの分野に精通するとともに、法律全般にわたる広範な専門知識や豊富な経験をもとに、社外取締役として当社の経営に中立かつ客観的な視点で提言や助言を行っており、リスク管理や適法性確保の観点から取締役会の監査・監督の強化に寄与することが期待できるため。 |
取締役会実効性評価
当社は、個別アンケートやインタビューなど、各取締役の個々の意見を求めやすい方法で取締役会の実効性評価を行っています。2025年3月期における評価の結果、以下の取り組みなどにより、おおむね肯定的な評価を得ており、取締役会は実効的に機能していることを確認しています。2025年3月期における評価の結果、以下の取り組みなどにより、おおむね肯定的な評価を得ており、取締役会は実効的に機能していることを確認しています。
- ・中長期的な企業価値向上に向けた、取締役および執行役員の報酬制度検討
- ・社外取締役との意見交換会等の継続実施による、取締役の相互理解の促進
2026年3月期は、引き続き以下の課題について重点的に取り組んでいきます。
- ・取締役会における中長期的な重要課題や戦略に関する議論の深化
- ・全社的なリスク管理体制の高度化と取締役会による監督強化
当社取締役会は本評価結果を踏まえ、今後も取締役会の実効性向上に努めていきます。
役員報酬
企業価値向上と株主との一層の価値共有のため役員報酬制度を改定
当社は、2024年6月開催の株主総会において、当社の取締役(社外取締役および監査等委員を除く。以下、「対象取締役」という)について、当社グループの中長期的な企業価値向上に向けた取り組みをより強化し、安定的な利益成長に向けたインセンティブを付与するとともに、株主の皆様と一層の価値共有を図ることを目的として、以下のとおり報酬制度の見直しを行いました。
(1) 金銭報酬枠の改定
基本報酬と別枠で、当社グループの業績の成長度等に応じて変動する業績連動性を高めた賞与を設定
(2) 株式報酬制度の導入
業績等の成長目標の達成度を指標とする業績連動型株式報酬制度を導入
取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針
1. 取締役(監査等委員を除く)の報酬等の決定方針
取締役(監査等委員を除く)の報酬等については、客観性と透明性を確保するため、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で取締役会が社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会(委員の過半数は社外取締役)に諮問し、同委員会は次の方針をもとに審議・答申し、取締役会で決定します。
(1) 取締役(社外取締役および監査等委員を除く)の報酬等は、役位、職責等に応じた堅実な職務遂行を促すための基本報酬(固定報酬)に加え、業績連動性を高め、中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度および報酬構成とし、業績連動報酬(変動報酬)は、短期インセンティブとしての賞与および中長期インセンティブとしての株式報酬で構成します。
(2) 社外取締役(監査等委員を除く)の報酬等は、客観的かつ独立した立場から当社の経営を監督するという役割に鑑みて、業績との連動は行わず、基本報酬(固定報酬)のみとします。
2. 監査等委員である取締役の報酬等の決定方針
監査等委員である取締役の個人別の報酬等は、独立性の確保から業績との連動は行わず基本報酬(固定報酬)のみとし、常勤および非常勤等を勘案のうえ、株主総会で決議された総額の範囲内で各監査等委員である取締役の協議により決定します。
取締役報酬の詳細は【IR資料室】 有価証券報告書をご参照ください。
対象取締役の報酬体系
| 報酬の種類 | 概要 | |||
|---|---|---|---|---|
| 固定報酬 | 金銭 | 基本報酬 |
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| 業績連動報酬(変動報酬) | 短期 | 金銭 | 賞与 |
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| 中長期 | 株式 | 業績連動型 株式報酬 |
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(注)1. TSR:Total Shareholder Return(株主総利回り)の略。キャピタルゲインと配当を合わせた、株主にとっての総合投資利回り。以下、「TSR」という。
2. 業績連動報酬(変動報酬)は、以下の場合、支給されない、または返還される。
(a) 当社取締役会において定める一定の非違行為、当社取締役会において定める一定の理由による退任等がある場合は、報酬を受ける権利を喪失する。
(b) 指名・報酬委員会での審議・答申の結果を踏まえて当社取締役会で定めるところにより、重大な不正行為、不正行為を理由とする決算修正または重大な会計上の誤りによる決算修正が発生した場合には、受け取った報酬の全部または一部を返還する。
業績連動報酬(変動報酬)の算定方法
(1) 賞与
【算定式】
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(注)1. 評価期間は毎年4月1日から翌年3月31日までの1事業年度とする。
2. 2025年4月1日から2026年3月31日までを評価期間とする賞与より、算定式を上記のとおり変更しています。
(2) 業績連動型株式報酬
【算定式】
①「基準株式数」は、以下の算定式により算定される数とする。
- (a)「基準額」は、対象取締役の基本報酬総額の50%とする。
- (b)「対象取締役の役位、職責等に応じた係数」は、対象取締役の役位、職責等に応じて当社取締役会において決定する。
- (c)「基準株価」は、評価対象期間(注)開始の前月の東京証券取引所における当社普通株式の終値の平均値とする。
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(注)評価対象期間は毎年4月1日から3年後の3月31日までの連続する3事業年度とする。
②「業績等成長目標達成度」は、評価対象期間の(i) 親会社株主に帰属する当期純利益の成長目標達成度および(ii) 「当社TSR」を「東証株価指数(TOPIX)の成長率」と相対比較した当社株式成長率の結果に応じて算定され、0%から150%までの範囲で変動する評価係数とする。
| 評価指標 | 評価割合 (ウエイト) |
評価係数変動幅 | 評価方法 |
|---|---|---|---|
| (i)親会社株主に帰属する 当期純利益 |
50% | 0%~150% | 評価対象期間中に毎期10%の成長を達成した場合の累計額と比較し、 達成度が41%以上となった場合、50%から150%の範囲で評価係数とする。 |
| (ii)TSR (TOPIX比較) |
50% | 0%~150% | 評価対象期間における当社TSRを同期間のTOPIX成長率と比較し、 成長率が50%以上となった場合、50%から150%の範囲で評価係数とする。 |
| 合計 | 100% | 0%~150% | – |
報酬の構成割合
対象取締役の基本報酬、賞与、業績連動型株式報酬の比率は、業績等により構成割合が変動するため設定していませんが、中長期的な会社業績と企業価値の持続的な向上、株主との利益意識の共有を図るために適切な報酬制度および報酬構成とすることを方針としています。
(参考)対象取締役の報酬構成イメージ(2026年3月期)
当社の経営目標である連結営業利益10%成長達成時の賞与支給額および業績連動型株式報酬制度の基準額
(基本報酬を100とした場合の割合)
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(注) 上記の図は、一定の会社業績および当社株式の単価を基に算出した2026年3月期における対象取締役の報酬のイメージであり、会社業績および当社株式の株価の変動等に応じて上記割合も変動します。
役員報酬(2025年3月期)
提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
| 役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数 (名) |
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|---|---|---|---|---|---|---|
| 基本 報酬 |
賞与 | 業績連動型 株式報酬 |
退職 慰労金 |
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| 取締役 (監査等委員および社外取締役を除く) |
1,271 | 745 | 371 | 155 | – | 7 |
| 監査等委員 (社外取締役を除く) |
23 | 23 | – | – | – | 1 |
| 社外取締役 | 61 | 61 | – | – | – | 6 |
| 社外監査等委員 | 36 | 36 | – | – | – | 4 |
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注)業績連動型株式報酬は、2025年3月期における費用計上額であり、2024年4月1日から2027年3月31日までを評価対象期間とする当該報酬について、各指標の達成率について一定の推計ないし想定を行い、業績等成長目標達成度を1.25として計算した額を評価対象期間である3年で除した額です。


