重要課題

ゲームメーカーの事業特性を活かして持続可能な社会づくりに貢献

eスポーツの盛り上がりや世界保健機構(WHO)によるゲーム障害の国際疾病認定など、近年ではゲームは単なるエンターテインメントではなく、社会的に大きな影響をもたらすものとして認知されています。当社は、ゲームメーカーとしてステークホルダーとの健全な関係を構築すると同時に、事業活動を通じて、世界的人材の育成や新市場の創出により、社会的・経済的価値を生み出すことが、企業としての持続的な成長に繋がると考えています。

また、「持続可能な開発目標(SDGs)」の「すべての文化・文明は持続可能な開発に貢献する」という考えと、当社の企業理念にある「ゲームというエンターテインメントを通じて遊文化をクリエイトし、人々に笑顔や感動を与える」という考えは近しい理念であると認識しています。そこで当社は持続的な経済成長および持続可能な社会との両立のため、以下に定める当社ESGの基本方針のもと、ESGにおいて選出した4つの重点課題に取り組むことで、持続可能な社会づくりへ貢献していきます。

持続可能な開発目標(SDGs)

SDGsとは、2015年9月にニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える国連加盟国によって採択された、貧困を撲滅し、持続可能な世界を実現するため、世界で優先的に解決すべき17の目標です。

SDGs

重要課題

  1. 人材の確保・育成
    8 働きがいも経済成長も9 産業と技術革新の基盤をつくろう

    当社では、「世界一面白いゲームを作る」という理念のもと優秀な開発者の確保・育成に努めています。
    持続的成長と変化に即応するため、2022年から、報酬制度の改定、株式報酬制度導入、就業環境の改善、そして継続的な社内向け概況説明会の実施などを推進しています。また、多様な人材採用と制作力強化にも注力。これらの取組みを通じて、次の10年の大きな変化に備えた人材投資戦略を進めています。

    【KPIの進捗】

    コンテンツ開発者数 (名)
    ・内作比率 (%)

    (3月31日に終了した各事業年度)

    当社では、「世界一面白いゲームを作る」という理念のもと優秀な開発者の確保・育成に努めています。パイプライン拡充、品質向上のため、開発人員の増強は特に重要であると認識し、近年では毎年約150名規模の新卒採用を継続しています。

    【2022年度の取り組み成果】

    社員向け概況説明会を実施

    2023年3月期より、当社の事業概況に関する社員向け説明会を実施しています。この説明会では、この10年の経営方針に基づく成長の軌跡とその要因・課題を共有し、質疑応答や意見交換も行いました。

    社員向け概況説明会
  2. ダイバーシティの推進
    5 ジェンダー平等を実現しよう10 人や国の不平等をなくそう

    当社では、社員の特性と才能を最大限に引き出し、組織全体のイノベーションと生産性を向上させることを目指して、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。女性、外国人、中途採用者の採用、育成、活用に努め、多様な視点と才能が集まる環境を追求しています。そのために、仕事と生活の両立、働き方の多様化、海外展開力の強化、専門スキルを確保するための研修などを推進しています。

    【KPIの進捗】

    女性社員比率・
    外国人従業員比率 (%)

    (3月31日に終了した各事業年度)

    ユーザーのグローバル化に伴い、ゲーム開発においても多様性の重要度が増しています。そのため、当社ではダイバーシティの推進、とりわけ女性や外国人が活躍できる環境を整えています。その結果、両者に関する数値は継続的に上昇しており、当社のコンテンツの創出に寄与しています。

    【2022年度の取り組み成果】

    外国籍従業員の就業環境の改善

    海外から日本への引っ越しを伴う場合の住居確保の支援、一時帰国のための特別休暇制度の導入(2023年4月1日付)に加え、外国籍従業員のニーズを把握するための経営陣と外国籍従業員との意見交換会等を実施しました。

    外国籍従業員の就業環境の改善
  3. 社会との健全な関係構築
    5 質の高い教育をみんなに17 パートナーシップで目標を達成しよう

    当社は、企業理念に基づき、「良き企業市民」を目指し、社会の共通課題の解決に積極的に取り組んでいます。とくに、差別の禁止と人権の尊重、貧困で困窮する子供たちへの支援活動、地方創生への貢献、文化・技術振興支援などに注力しています。また、子供たちを対象とした「企業訪問」の受け入れや「出前授業」を実施するなど、健全なゲーム文化の普及のための取組みも推進しています。

    【KPIの進捗】

    教育支援実施回数(回)

    (3月31日に終了した各事業年度)

    2005年より開始した当社の教育支援活動は、15年以上にわたる活動の結果、一定の認知度を獲得し、2018年3月期からは年間対応件数30件を目安に安定的に実施しています。2021年3月期は新型コロナウイルスの影響により減少しましたが、翌年以降はオンライン授業の導入により平時の水準に回復しています。

    【2022年度の取り組み成果】

    オンライン出前授業の需要が増加

    オンライン授業の導入により、離島の学校をはじめ運用対象が拡大しています。2023年3月期のオンライン実施率は80%(前期比15ポイント増)と、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、需要が増加しました。

    オンライン出前授業
  4. コーポレート・ガバナンスの充実
    16 平和と公正を全ての人に

    当社はコーポレート・ガバナンスを経営の重要課題と認識し、その強化に取り組んでいます。経営の透明性、健全性、遵法性の確保に努めるとともに、ステークホルダーへの説明責任、迅速かつ適切な情報の開示、経営者および各層の経営管理者の責任の明確化、内部統制の確立に努めています。今後も、環境の変化に対応できる体制の構築を進め、株主、顧客および従業員などステークホルダーの皆様の満足度向上に注力しています。

    【KPIの進捗】

    社外取締役比率(%)

    (各事業年度における6月末時点)

    当社では、「経営の透明化・見える化」を目指し、任意の指名・報酬委員会の設置等、諸種のガバナンス改革を実施してきました。社外取締役を積極的に選任しており、2023年3月期には新たに2名の社外取締役を選任し、全取締役に占める社外比率は46.7%となりました。

    【2022年度の取り組み成果】

    社外取締役を増員

    2023年3月期は、取締役会の実効性評価を踏まえ、一層の機能強化のため、社外取締役に対する現場視察や意見交換会実施による情報提供のほか、取締役会専任部署の設置によるサポート体制強化等に取り組みました。

    社外取締役