ゲームをインターネットに繋いで複数人でプレイする、それは既に当たり前のことですが、近年のゲーム業界ではネットによる更なるイノベーションが起きています。
最大の変革は、ゲームのデジタル配信による「流通革命」です。近年、この流れが大きく加速しており、それは当社の業績にも明確に現れています。ダウンロードコンテンツ(DLC)の売上構成比の上昇により、在庫返品率が改善し、営業利益率が好転しています。
また、デジタル配信の拡大に伴い、これまで海賊版の氾濫によりパッケージ販売が実質不可能であったアジア地域においても、業績が向上しました。
今後のゲームの販売戦略では、このデジタル配信をいかに活用できるかが成功のポイントになります。多大な労力・コストを要する海外販売網がなくとも世界中にゲームを届けることができ、海外の大手ゲームメーカーとも互角に戦える環境が整いつつあります。
また、「多言語への対応」も重要なポイントです。ネット経由でどこでもゲームを購入できる現在、新興国の市場が突然、有望なマーケットに変ぼうすることも十分あり得ます。これを見越して2016年3月期に発売した新作ゲームでは、14種の言語に対応しています。
(詳細) 【IRサイト】最新開発レポート2016 P.3「開発責任者が語るカプコンの
開発方針01」(PDF:8.92MB)
こうした新しい「流れ」を踏まえ、コンシューマビジネスでのDLCの充実や、オンラインビジネスを軌道にのせるための施策に取り組んでいきます。
デジタルコンテンツ事業は、企業価値の源泉であるオリジナルコンテンツを生み出すなど、売上の68%を占める中核事業です。私は、中期経営目標達成の鍵はこの事業にあると考え、経営資源の約80%を投入しています。デジタルコンテンツ事業の成長のためには、コンシューマ事業のさらなる拡充に加え、苦戦しているオンラインビジネスを立て直し、成長軌道に乗せることが必要です。そのための戦略を、「成長戦略」にてご説明します。
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