特集:開発人材のダイバーシティ(2)

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言語・文化の壁を越え、カプコンらしさを世界へ発信

グローバル開発推進室 ローカライズディレクター ジェフリー ウィンダム(2010年度入社)

ターゲット地域に合わせゲームを一からつくる

入社以来、「ストリートファイター」や「バイオハザード」シリーズなど、数多くのタイトルのローカライズに携わってきました。ローカライズとは単なる翻訳ではなく、海外の現地ユーザーが違和感なくゲームを楽しめるよう工夫することです。カプコンの保有タイトルの実に9割は海外で販売しており、英語だけでなくフランス語やイタリア語などの担当者が、ゲームを一からつくり上げる気持ちでローカライズに取り組んでいます。中でも、ローカライズディレクターは、通常の翻訳者とは異なり、開発初期から開発チームの一員として各タイトルに配属されます。海外ユーザーの視点に立って文化の違いや直訳では伝えきれないニュアンスを伝え、演出や仕様について積極的に意見を出します。また開発メンバーとの密なコミュニケーションを通して、問題発生を未然に防ぎ、スムーズに制作が進められるよう努めています。

言語・文化の異なる国にもメイド・イン・ジャパンを届けたい

ローカライズは、海外ユーザーの好む表現に100%合わせる訳ではありません。海外ゲームの真似ではないので、日本のゲームがもつ良さを活かしつつ、海外ユーザーに楽しんでもらうため細心の注意を払って表現などを調整します。カプコンのゲームの良さは、やり込めばやり込むほど味が出てくるところ。これからも、面白さへの深いこだわりの源泉とも言える「カプコンらしさ」を損なうことなく、現地ユーザーに「面白い!」と思ってもらえるゲームを開発チームと一丸となってつくっていきたいですね。

さまざまなバックグラウンドの持ち主が最大限に力を発揮できるカプコンの開発現場

アニメーション室 アニメーター 木下 陽子(1997年度入社)

人と「違う」ことが創造力の源

カプコンでは、性別、国籍などに関係なく、多様な人材が得意分野の能力を発揮できる環境が整っています。様々なバックグラウンドの持ち主から出されるアイデアには刺激されることを実感しており、私自身もゲーム開発により貢献できるよう努めています。

モンスターが人に与える恐怖の演出についての相談があった際、「メインモンスターは真正面から迫りくるストレートな怖さだから、対のモンスターは間逆の精神的にじわじわと追いつめる怖さを演出するのはどうか」と提案すると、同僚の男性から「男性には思いつかない意見だね」と言われました。自分では性別を意識したことはなかったのですが、女性クリエイターとして新たな表現の切り口を提供できたのかなと感じました。

若手とベテラン、それぞれが強みを出し合って

「モンスターハンター」シリーズのモーション制作のリーダーを担当したり、『バイオハザード6』や『ドラゴンズドグマ』など多くの主力タイトルに携わってきました。気がつけばもうベテランと言われる領域です。今年10周年を迎える「モンスターハンター」では、モンハンのファンとして入社した新人も加わりました。若手は満ちあふれるエネルギーとともに斬新なアイデアを出しながらゲームづくりを学び、ベテランの私たちは豊富な経験を還元しながらクオリティの維持向上に力を発揮しています。若手とベテランが互いの強みを活かし、刺激を与え合いながら、最大限の相乗効果を生み出していく。それがカプコンの開発現場なのです。

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