特集:開発人材のダイバーシティ

 

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真のグローバル企業を目指して多様な人材活用(ダイバーシティ)を推進

CS開発人材管理統括 信山 斉之

多様な価値観の衝突から新たな創造が生まれる

人種、宗教、障害の有無、性別、年齢にかかわらず雇用機会を創出し、多様な働き方を実現するというのがダイバーシティの意義ですが、とりわけユーザーの趣味・嗜好の多様化が進むゲーム業界において、多様な人材の活用は、企業としての優位性をつくり上げるうえで重要なテーマです。もちろん異なる価値観をもつ者が集まれば意見の衝突が発生します。しかし、相互理解を進めることで異なる価値観同士が化学反応を起こし、今まで世の中になかった面白いものを生み出すことができるのです。

CS開発人材管理統括部門では採用にあたって外国人枠や女性枠といった枠は設けていません。現在、約900名の開発者が従事しており、そのうち女性20%、外国人5%となっています。能力重視で採用してきた結果が人材の多様性に表れています。開発職としては比較的女性が多いのが特徴ですが、出産後も活躍を続ける「ママさんクリエイター」も増えています。これは短時間勤務や育児休業、産前・産後休業といったサポート制度が功を奏した結果と言えるでしょう。職場内保育施設の設置も前向きに検討しており、今後も女性社員が能力を発揮できる環境整備に努めていきます。

海外向けタイトルに活きる外国人クリエイターの視点

海外採用ではプログラマーをはじめ、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インドネシアなど外国人の比率が上昇しています。グローバル市場の変化に即応できるゲームを開発するため、日本人にない視点、発想、センスが必要となるからです。例えば、海外向けゲームでは、起動してから実際にプレイできるまでに没入感を高めていく演出を入れましたが、外国人クリエイターから「海外ユーザーには冗長な印象を与える」と指摘を受けたことがありました。このように異文化の視点からゲーム内容を調整することが可能となったのも外国人採用の大きな成果です。

ただし、一般的に外国人社員は上昇志向が強く自分のキャリアアップに直結しない職場であれば離職することもいといません。このため当社でもキャリアパスの明示や外国人管理職の積極的な登用など、外国人社員のモチベーション向上につながる施策を更に充実させていきます。カプコンがこれからのゲーム業界をけん引する真のグローバル企業となるために、ダイバーシティの推進は不可欠だと確信しています。

 

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