

Y・M
テクニカルアーティスト
2025年入社
カットシーン中の眼に入る明るさの調整
ライトセクションの方から「カットシーン中にキャラクターの目が白く発光してしまう」という報告を受ける
→報告いただいたシーンを調査して原因となる要素を推理する、目の角膜部分のシェーダーとFog(環境の霧を表現する効果)との描画問題であった
→目の角膜シェーダーを修正し、霧の影響で白く発光しないように修正
→ライトセクションの方に再度確認いただいたところ、「霧が濃い場合での発光はなくなって良かったが、いままでと比較して霧が薄い部分では逆に暗すぎるように見えてしまう」という意見をもらう
→目の角膜シェーダーに追加の実装を行い、霧が薄いときにはそこそこ発光しつつ、霧が濃いところでは悪目立ちしないよう発光を抑えるように変更する
→ライトセクションの方に再度確認いただき、カットシーン中の見た目が良くなったことを確かめる
担当タイトルへのレイトレーシング導入を担当する仕事が難しかったと感じました。
タイトルアサインから3ヶ月ほどの時期にいただいたお話だったのですが、同じタイトルにはレイトレーシングの導入経験のあるテクニカルアーティストはおらず、社内の情報を探していくところから着手をはじめました。
テクニカルアーティストのセクションにはタイトルを超えた情報共有が活発に行われている場所があり、私もそこに参加して先発タイトルのテクニカルアーティストの方から事例を伺うことができました。先輩は別の業務があるにも関わらず、設定状況について直接確認していただく機会も設けていただき、非常に助かりました。
また、タイトル内でもライトセクションのリードの方やアートディレクターの方と関わる機会となり、仕事の幅が広がりました。特にライトセクションのリードの方とは丁度お隣の席であったため、レイトレーシングの見た目を確認していただいたことをきっかけに、逆に仕事の依頼をお声がけいただけるようにもなりました。
さらに加えてレイトレーシングの導入はプロデューサー陣からの要望として開始された仕事であったため、経営陣側の販売戦略がゲーム制作の現場に繋がる様子が分かり、プロの現場を大枠から把握する貴重な経験となりました。
テクニカルアーティストの仕事は制作全体に与える影響が大きいため、自分が作ったものが役に立っている実感をすぐに得やすい役職だと感じました。
別件でエンジンのログを確認しているときに、多くのアセットが毎日読み込みを最初からやり直している状態であると気がついたことがあります。思いついた修正案と共にリーダーに報告したところ直ぐに制作環境へと反映され、チーム全体で発生していた待ち時間を短縮することができました。好奇心のある方であれば、これまでの先輩方が実は気がついていなかった大きな改善のチャンスを見つけることができると思います。
また、私はタイトルアサインとなった8月から次年3月の8ヶ月間で、エンジン側エフェクトのアセット制作、Houdiniでの破壊シミュレーション制作、カットシーン用とインゲーム用それぞれのシェーダー実装のほか、開発用のツール実装、エンジン開発者の方とのエンジン改善相談まで経験してきました。その時々のタイトル状況に応じて自分が最も活躍できる場所を探るため、さまざまな仕事を体験できることがテクニカルアーティストの魅力であると感じています。
シェーダーの制作業務に関して、任せていただける領域が広がりました。
タイトルでのOJTを含めた初期はテクニカルアーティストの先輩がまとめてくださっていた要件をもとに、それに答えた実装の部分を担当していました。そういった小さいシェーダー仕事を5つほど担当するうちに依頼者である他セクションの方と直接やり取りをした方が良いことも増え、セクション間の定例ミーティングに参加するようになりました。
「Shell法の毛並み表現は意外と重いが、奥行きがあるように見せるシェーダーで代用できないか?」「この作品の海にはどのくらい制御可能な白波が必要か?」先輩方を見て、シェーダー実装の技術だけでなく表現の要望について話し合う力も大切であると学びました。今はエフェクトや背景のアセット制作をされているセクションの方から要望を聞き、それを実装可能な要件として整理していくところからの仕事も受け始めています。作成したシェーダーを実際に使うセクションの方との繋がりが強まったことで、自分の仕事が製品に貢献している様子を直接確認できるようになりました。
大阪で初めての一人暮らしとなり、それを機会に自炊を始めました。開発ビルの近くにスーパーがあり、自炊するだけでなくお惣菜を買う場合にも便利です。借り上げ社宅が会社から近いため、自炊は平日も含めて続けられています。
休日は大阪城の南にあるお店で新しい調味料を探っています。ナツメグ、セージ、マスタードシード、柚子粉末… 今は実家よりも豊富な種類の調味料がキッチンに並んでいます。
大学院生の頃にテクニカルアーティストという職種について研究室の教授から紹介を受け、そこで初めてテクニカルアーティストという仕事を知りました。大学ではサークル活動に近い枠組みでゲーム制作を行っていました。その段階ではテクニカルアーティストという職種を知りませんでしたが、3DCGのアセット制作とプログラミングの両方に関わって制作に参加していました。この経験が、美術と技術を両立させるテクニカルアーティストという職の考え方を育ててくれたと感じています。
大学院はメディアサイエンス専攻で3DCGの研究をしていました。会社の中では、大学院での研究とは異なった切り口から産業側の最先端に触れることができています。表現の研究という意味では大学院の研究室と近い雰囲気を感じています。
私の仕事では、学生の頃からゲームの作られ方に興味を持っていたことが役に立っています。専門誌の特集記事であったり(CG World)、ゲーム制作者同士での情報交換を行うイベント(GDC、CEDEC)など、ゲーム業界の情報は仕事に就いていなくても知ることのできる情報源があります。実際の業務でも他社や自社の先行作品を調べる必要があることは多いため、ゲーム制作のためにどのような仕事が行われているのか調べておくと良いと思います!
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