CAPCOM

時に雄弁に、時に寡黙に。音楽でゲーム体験をもっと鮮烈に。

Profile

大木 優拓
コンポーザー
2018年入社

現在までのMain Project

入社後、サウンドプロダクション室 ミュージックチームに配属され、研修期間中に携わった「モンスターハンターライズ」を皮切りに、「モンスターハンターストーリーズ2」をはじめ数々のタイトルでゲーム音楽の作曲を手掛ける。

ゲームの世界でコンポーザーとして働くということ

幼い時からずっと音楽が身近にありました。エレクトーンから始まって、ピアノにギター、トランペットやチューバなどあらゆる楽器を経験。高校生の頃からは作曲のおもしろさにも目覚め、将来は音楽に携わる仕事がしたいと思っていました。
ゲームも好きで、中学生ぐらいから友人と「モンスターハンター」を一緒にプレイしたりしていましたが、「ゲーム音楽を作る仕事」についてはあまり想像したことがありませんでした。ゲームそのものはゲーム会社が作って、音楽はどこか別の会社に発注するのかなと考えていたので。
ちょうど就職活動を始めた頃、カプコンのサウンドのメンバー(現在の上司や先輩)によるセミナーが私の通う大学で開催され、そこで初めてゲーム音楽のコンポーザーという職業があることを知りました。会社員でありながら作曲家として働く、そんな道があることに驚くと同時に、「自分が音楽でやりたいことはこれだ!」という確信を感じました。

ゲーム音楽に求められるバランス感覚

入社後にまず驚いたのは、研修期間中にもかかわらず「モンスターハンターライズ」の中の楽曲をひとつ任せてもらえたこと。なにしろゲーム音楽を作曲するのは初めての経験でしたから、嬉しい反面、苦労もありました。
単純にひとつの曲として完成させるだけなら、いろいろな要素を盛り込んで厚みを出すこともできますが、あくまでもゲームのBGMなのでいろいろなバランスを考慮する必要があります。
そのBGMが流れるのが戦闘シーンであれば、攻撃の爽快感を感じてもらうためのSEを邪魔しすぎないことが大切ですし、ムービーシーンであればダイアローグを引き立てながら雰囲気を盛り上げる工夫が必要です。どんなタイトルの、どんなシーンのBGMなのかによって、作曲の過程も考え方も全く変わります。曲としてたっぷり語る方がいいのか、逆に語りすぎない方がいいのか、そのタイトルの世界観にマッチしたコード進行になっているのか。
最初のうちは、そういったバランス感覚をつかむのが少し難しかったですが、そういうところこそがゲーム音楽のコンポーザーならではの仕事の醍醐味かもしれませんね。

カプコンのゲームの「顔」となる曲を作りたい

2年目に「モンスターハンターストーリーズ2」のリードコンポーザーを任されたときは、チャンスだ!という喜びと、プレッシャーでちょっと泣きそうな気分が半々でした(笑)。
いま振り返ってみると、スケジュール管理などは、まだまだ甘かったなと思います。依頼を請けて作曲する機会は学生時代からあったので、時間とクオリティのバランスは意識しているつもりでした。
しかし、やはりプロとして、ゲーム開発全体の中で足並みを揃えていくことを学べたのは、とてもいい機会だったと思います。時には軽くスランプに陥ることもあったりしますが、作曲そのものに飽きることはないですし、いつも楽しんで仕事ができていると思います。
これからの目標のひとつは「カプコンと言えばこの曲!」というような曲を世に送り出すことですね。あの「モンスターハンター」シリーズの『英雄の証』のような、誰もが聴いた瞬間に「あっ、これ!」っていう、そんな曲を一生のうちにひとつでも書くことができたら・・・最高ですよね。

ある1日のスケジュール

10:00~ 出社・メールチェックや事務作業
10:45~ タイトルのチームで朝礼
11:30 チーム内で進捗共有ミーティング
12:30~ 昼休憩
13:30~ 前日制作した楽曲の実装
15:30~ 楽曲制作
18:30~ 帰宅

この日の仕事のポイント

この日は午後に実装を行いました。バトルシーンなどは、SEとBGMを合わせて実装してみないとバランスが読めない部分もあるので、「BGMが、ちょっとSEの邪魔をしているな・・・」と感じたときなどは、実装後にプロジェクトデータに戻って微調整を行うこともしばしば。
この日は社内業務のみでしたが、日によっては外部のスタジオなどでオーケストラの収録に立ち会ったり、外部のコンポーザーと打ち合わせを行ったりすることもあります。

休日の過ごし方

プライベートでも、休日は趣味で作曲を楽しんでいます。作曲自体がストレス発散になるので、仕事で制作している曲とは全く違うジャンルの曲作りを楽しむことが、食事でいう「味変」になっているようなイメージですね(笑)。

My Possibility 〜私の感じる無限の可能性〜

BGMはゲームをプレイする人の没入感を大きく左右するものだと思います。だからこそ、ゲームという表現がますます進化していく中で、VRのように現実と変わらないゲーム体験が当たり前になった時、ゲーム音楽に求められる表現はどういうものになっていくのか興味があります。
ゲーム自体の進化とともに、進化していくゲーム音楽、その一翼を担っていきたいです。