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開発者インタビュー2009

07.MC開発部 / 部長 手塚 武

多様化する端末、地域の特性 ―国内外市場で様々なニーズへ迅速に対応。

―   はじめに、国内モバイル市場の動向について教えてください。
手塚  日本では携帯電話機メーカーへの報奨金制度が廃止され、端末の値段が上昇したため販売台数も減少しています。これまでは端末を購入する場合、新しい機能や付随するコンテンツ等を重要視するユーザーが多かったのですが、端末の売れ行きが減少したことで、デジタルコンテンツ市場も鈍化しているのが現状です。
また無料でゲームが遊べる非公式サイトの台頭でカジュアルゲームについてはユーザーの移行が顕著になってきているようです。
―   携帯電話におけるゲームの優先度は低くなっているのでしょうか。
手塚  携帯電話コンテンツの中でゲームの優先度は決して低くありません。お客様や端末機メーカー、キャリアのニーズは未だに旺盛ですが、有料の携帯電話コンテンツ全体に勢いがないように思います。ゲームメーカーである当社としては、新規端末向けにゲームを制作したいのですが、実際には端末自体の販売が苦戦しているため、大規模な制作は難しい状況です。以前は新規端末用のゲームを開発した場合新規端末の発売直後に携帯電話会社側からの告知サポートがありましたが、今では支援も弱まっておりせっかく高機能端末に対応しても開発費をリクープできない可能性が高くなってきています。
ただ、これらは非公式サイトの無料ゲーム市場においては当てはまりません。多くのユーザーを無料で集めて一部のユーザーから課金するいわゆる「フリーミアム」モデルで成功している会社はありますので、「携帯電話でゲームを遊ぶこと」は一般化したと言って良いと思います。我々の持つプレミアムなコンテンツを如何に広めるか、届けることができるかが鍵だと考えています。
―   海外市場の動向について教えてください。
手塚  海外においてはiPhoneをはじめ、ようやく高機能化したスマートフォンが普及してきたので、表現の自由度も飛躍的に向上しています。iPhoneの発売以降、携帯電話会社が専用のアプリケーションを配信するためのプラットフォームを発表したり、コンテンツ配信のためのポータルサイトを開設しています。今後OSメーカーやWebサービス業者も積極的にモバイルコンテンツの配信ビジネスに参入するでしょう。カプコンとしては、地域や端末を問わずグローバルに配信できる仕組みを構築したいと考えています。
―   iPhoneの普及によって、開発体制にも変化がありましたか?
手塚  iPhoneが登場したことで、欧米でも端末の高性能化が急激に進みました。これまでは地域ごとに性能の格差が大きく、多種多様な端末へ対応させることに苦労していましたが、高性能機がグローバルで浸透したことによって、性能の差が少なくなりましたね。そのため、結果的に開発行程は効率化されていると思います。
―   アジアでも高機能端末が増えてきているようですね。
手塚  そうですね。例えば韓国でも、日本ほどではないですが、携帯電話端末の性能は向上しています。これまでに『ロックマンX』、『逆転裁判』および『バイオハザード』などの3Dゲームを配信しています。現地の企業より、端末自体の機能性をアピールできるということで『バイオハザード』をプリインストールのゲームとして採用していただき、非常に高い評価をいただいた例もあります。
―   携帯電話会社からゲーム開発のオファーを受けることは多いのでしょうか?
手塚  はい。豊富なコンテンツが当社の強みでもあるので、国内外の企業からご依頼をいただくことはよくありますね。当社はアーケードゲームの開発・販売をしていたため、家庭用ゲーム機が普及していないエマージング地域においてもブランドが確立しています。 中国、インド、ブラジルなどの地域はどんどん所得が上がっていますが、家庭用ゲーム機の普及までもう一歩と言うところです。いちはやく携帯電話用ゲームで少ないリスクでカプコン自体をブランディングしていけば、家庭用ゲーム機が爆発的に普及し始めたときに優位なポジションを占めることができるのではないかと考えています。 すでにEAやGAMELOFTは短期的な採算性を捨ててもシェア取りに走っています。 長期的にはこれが携帯電話用ゲームビジネスの本質だと思います。
―   アジア市場においては日本のシェアが一番大きいのでしょうか?
手塚  そうですね。日本の市場が圧倒的な割合を占めていて、コンテンツの投下量も格段に多いです。ただ韓国は独自の発展をしており見逃せない市場です。サムスンやLGと言った世界的な端末機メーカーもありますし、オンラインゲームビジネスで培った独自の課金モデルや携帯電話らしさを生かしたコンテンツの開発力は非常に高いです。当社の売上比率としては高くありませんが多くの企業と交流し情報収集を心がけています。
―   韓国ではどのようなゲームが主流なのでしょうか。
手塚  韓国では、安価で長期間遊べるものが人気です。低価格で購入した後、少しずつ課金して新しいコンテンツを追加する「マイクロビリング」という機能が多数のゲームに取り入れられており、1つのゲームで長時間遊べるスタイルが定着しています。日本でも「アイテム課金」などマイクロビリングの機能は増えてきていますが、韓国市場ほどの精密さと普及度ではないように思います。単純に無料ゲームにアイテム課金をするだけではお客様はなかなか満足していただけません。如何に自然に課金するか、心理学の世界ですね。
―   台湾の市場はどのように推移しているのでしょうか。
手塚  台湾は端境期であり、端末の高機能化が予想以上に早く進んでいます。ただ、開発体制に関しては、現地開発会社のマネジメントが上手くいかないケースもあります。開発が比較的容易なゲームであれば現地の開発会社でも移植可能ですが、作り込まれたゲームや技術力が必要なものは、やはり対応に苦労する場合も多いですね。
―   地域ごとにゲームの特性は異なるのでしょうか?
手塚  はい、全く異なります。例えば韓国の場合、先ほどのように「長く遊べるゲーム」の人気が高いので、私たちもゲーム中にそのような要素を取り入れたりしています。『バイオハザード』や『ロックマンX』も、日本ではゲームのダウンロード販売のみですが、韓国では武器やコスチュームなどの追加アイテムを販売する仕組みを導入するなど、地域の特性に合わせて試行錯誤を重ねています。
当初、我々は日本で配信したゲームとなるべく同じものを配信しようと考えていましたが、全く通用しませんでした。昨今日本のゲームが世界に受け入れられなくなってきているという話を多く聞くようになりましたが、携帯電話ゲームにおいてはお客様がいわゆる「ゲーマー」ではないため、国民性や地域性がより顕著に出ます。
今では現地の意見を良く聞きコンテンツに反映できるよう努力しています。
ただ、僕は昔アーケードゲームの開発をしていたのですが、ゲームの面白さの核については全世界の人に受け入れられる普遍的なものがあると確信しています。
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  1. 07.MC開発部 / 部長 手塚武
  2. 05.執行役員 / P&S事業統括 江川陽一
  3. 06.カプコン・インタラクティブ・カナダ, INC. / Head of Americas and EMEA Studio 世古学
  4. 03.編成室 / 部長 竹内潤
  5. 04.CS品質管理室 / 室長 小林周太郎
  6. 01.編成室 / プロデューサー 辻本良三
  7. 02.編成室 / プロデューサー 小林裕幸

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