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決算レビュー(日本基準)

2024年3月期 第3四半期 連結累計期間の経営成績について図表やグラフ等をまじえて説明しています。

1. 経営成績等の概況

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スクロール
売上高 営業利益 経常利益 親会社株主に
帰属する
四半期純利益
1株当たり
四半期純利益
106,179百万円
(前期比33.3%増)
47,704百万円
(前期比43.1%増)
49,460百万円
(前期比47.4%増)
34,636百万円
(前期比46.7%増)
165円63銭
  • 売上高(累計)

    見込み

  • 営業利益(累計)

    見込み

  • 経常利益(累計)

    見込み

  • 親会社株主に帰属する当期純利益(累計)

    見込み

2024年3月期 第3四半期連結累計期間におきましては、さらなる進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の継続的な強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長のため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、人事組織の強化や「クリエイティブスタジオ」の新設、パートナーシップ制度の導入、福利厚生制度の拡充など職場環境のさらなる改善等を実施しました。加えて、開発力・技術力の持続的強化のため、コンシューマゲーム開発における3DCG制作技術を強みとする開発会社を完全子会社化するなど、企業価値の向上を図ってまいりました。

このような経営戦略のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当第3四半期連結累計期間におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、3,260万本と前年同期2,910万本を上回り、当社グループのコンテンツ価値向上に大きく寄与しました。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めました。また、アミ ューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの導入や当社グループの人気IP活用等によるリピート販売などの施策により、収益の向上を図りました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,061億79百万円(前年同期比33.3%増)、営業利益は477億4百万円(前年同期比43.1%増)、経常利益は494億60百万円(前年同期比47.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は346億36百万円(前年同期比46.7%増)となりました。

なお、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、昨年6月に創業40周年を迎えました。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」の開設に加え、より一層のブランド浸透を図るなど様々な施策を講じております。

セグメントの状況

1. デジタルコンテンツ事業

  • 売上高(累計)

    見込み

  • 営業利益(累計)

    見込み

  • 営業利益率(累計)

    見込み

当事業におきましては、当社グループのeスポーツ展開をリードするシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を昨年6月に発売し、グローバルに幅広く支持されました。その結果、298万本を販売し、業績向上に貢献しました。

加えて、12月に米国で開催された世界最大級のゲーム表彰式典「The Game Awards 2023」において、『ストリートファイター6』が優れた格闘ゲームとして「Best Fighting」を受賞しました。さらに、『バイオハザード ヴィレッジ』のプレイステーションVR2対応無料ダウンロードコンテンツが優れたVR / ARゲームとして「Best VR /AR」を受賞し、当社IPが全世界で高い評価を得るなど、タイトル販売に弾みをつけました。

また、リピートタイトルにおいては、「モンスターハンター」シリーズの完全新作『モンスターハンターワイルズ』の制作発表に併せ、同シリーズのリピートタイトルの販売が好調な結果となりました。さらに、3月発売の『バイオハザードRE:4』が、プレイステーションVR2対応の無料タイトルアップデートなどの継続的な施策により、累計648万本を販売し、リピート販売拡大に寄与しました。加えて、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策等を行い、『バイオハザードRE:2』などのシリーズタイトルを中心に販売しました。その結果、リピートタイトルの販売本数が2,670万本と前年同期2,200万本を上回り、収益を押し上げました。

モバイルコンテンツにおいては、「モンスターハンター」シリーズの最新モバイルゲーム『モンスターハンターナウ』(iOS、Android用)が9月に配信されました。同ゲームのグローバルダウンロード数は1,000万を突破し、IPの認知拡大に寄与しました。

この結果、売上高は814億36百万円(前年同期比33.0%増)、営業利益は473億61百万円(前年同期比36.8%増)となりました。

2. アミューズメント施設事業

  • 売上高(累計)

    見込み

  • 営業利益(累計)

    見込み

  • 営業利益率(累計)

    見込み

当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により経済活動が回復した状況下、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図りました。

当第3四半期連結累計期間において、昨年4月に子供向け遊具施設の「キッズバネット静岡店」、6月に体験型施設の「クレイジーバネット イオンモール新居浜店」(愛媛県)および12月にカプセルトイ専門店の「カプセルラボ 原宿竹下通り店」(東京都)をオープンしましたので、施設数は48店舗となっております。

また、『モンスターハンターナウ』をより楽しんでいただける場所を各店舗に設置するなど、他事業との相乗効果を図りました。

この結果、売上高は138億47百万円(前年同期比21.9%増)、営業利益は15億47百万円(前年同期比52.6%増)となりました。

3. アミューズメント機器事業

  • 売上高(累計)

    見込み

  • 営業利益(累計)

    見込み

  • 営業利益率(累計)

    見込み

当事業におきましては、パチスロ市場がスマートパチスロのけん引により堅調に推移している環境下、当社グループのスマートパチスロ第一弾となる『戦国BASARA GIGA』を昨年8月に発売し、15千台を販売しました。加えて、第二弾として1月稼働の『バイオハザード ヴィレッジ』を昨年12月に10千台出荷し、収益に貢献しました。

また、2022年8月発売の『新鬼武者2』および昨年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が、市場での高稼働を受け、リピート販売が順調に推移しました。

この結果、売上高は80億20百万円(前年同期比116.8%増)、営業利益は45億60百万円(前年同期比120.5%増)となりました。

4. その他事業

  • 売上高(累計)

    見込み

  • 営業利益(累計)

    見込み

  • 営業利益率(累計)

    見込み

その他事業につきましては、当社グループのタイトルブランドの価値向上に向け、CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』が昨年7月に全世界で公開されました。加えて、Netflixにおいてアニメシリーズ『鬼武者』が11月に全世界で配信されるなど、引き続き主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ展開などに注力しました。

また、eスポーツについては、昨年7月から開催の国内チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」において、シリーズ最新作の『ストリートファイター6』を投入し、10月から北米、11月から欧州においても同チームリーグ戦を開始しました。さらに、8月から世界各地で開催の「CAPCOM Pro Tour 2023」において、当社史上最高の賞金総額200万ドル以上に拡大して実施するほか、シンガポール等でのイベント実施によるeスポーツの振興など、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を講じました。

この結果、売上高は28億75百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は6億42百万円(前年同期比47.4%減)となりました。

2. 財政状態に関する説明

資産

資産につきましては、前連結会計年度末に比べ55億59百万円増加し、2,229億25百万円となりました。主な増加は、「ゲームソフト仕掛品」76億46百万円、未収入金の増加等により「流動資産その他」66億12百万円および「現金及び預金」58億92百万円であり、主な減少は、「売掛金」132億88百万円によるものであります。

負債

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ170億57百万円減少し、391億79百万円となりました。主な減少は、「未払法人税等」107億25百万円、「繰延収益」43億99百万円および「賞与引当金」33億7百万円によるものであります。

純資産

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ226億16百万円増加し、1,837億45百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」346億36百万円および「為替換算調整勘定」23億52百万円であり、主な減少は、「剰余金の配当」142億78百万円によるものであります。

3. 業績予想と見通し

2024年3月期の連結業績予想につきましては、2023年5月10日決算発表時の業績予想を変更しておりません。

2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)

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スクロール
売上高 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する
当期純利益
1株当たり
当期純利益
通期 140,000百万円
(前期比11.2%増)
56,000百万円
(前期比10.2%増)
56,000百万円
(前期比9.0%増)
40,000百万円
(前期比8.9%増)
191円28銭
  • 注)当社は年次での業績管理を行っているため、通期のみの開示としております。

2024年3月期は大型新作の投入とデジタル販売の強化により、全ての利益項目において7期連続で最高益更新、営業利益は11期連続増益を目指します。

デジタルコンテンツ事業を中核に、『ストリートファイター6』を含む新作大型タイトルの投入および、デジタル販売を中心としたグローバルでのリピート販売の拡大により、年間販売本数は過去最大を見込みます。

加えて、アミューズメント施設事業は、新店および既存店の貢献、アミューズメント機器事業では新機種投入、その他事業では、eスポーツへの投資促進のほか、キャラクターコンテンツや映像ビジネスへの取り組み強化などにより、全セグメントにおいて増収増益を計画しています。

今後の見通し

当社グループは、通信規格の高速大容量化への移行、コンテンツの提供チャネルの増加、デバイスの多様化、グローバルベースでのユーザーの拡大など、事業環境が大きく変化を遂げている状況下、中長期的な企業価値向上に向けた安定的な利益の確保が経営の重要課題と認識しております。

このため、「毎期10%営業利益増益」の達成を中期経営目標と定め、グローバルにさらなるブランド価値の向上とユーザーニーズの把握に努め、ユーザー数の拡大を図ることにより、主力事業のデジタルコンテンツ事業を成長させてまいります。その持続的な成長のために、原動力となる人材投資戦略を引き続き推し進めてまいります。

また、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、2023年6月に創業40周年を迎えます。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」を開設するなど、様々な施策を講じてまいります。

今後とも企業価値の持続的向上を図り、中長期においてさらなる飛躍を目指してまいります。

(1) 人材投資戦略

当社グループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取組みを、優先課題として位置づけております。

中期経営目標の達成のため、中核的競争力である開発体制の拡充を図るには、研究開発やコンテンツ制作にかかる人的資本への投資・活用における開発人員の増強と生産性向上が重要であると認識しております。

そのため、当社グループは毎年100名以上の開発人員の採用を推し進めており、2023年3月期末における開発人員数は2,460名となっております。

加えて、当社グループは事業環境の変化に対応するため、性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行うなど、多様性のある人材の確保・育成への投資に努めております。

この結果、女性管理職は29名(管理職に占める割合は11.6%)、外国人管理職は3名(管理職に占める割合は1.2%)、中途採用者の管理職は140名(管理職に占める割合は56.0%)となっております。なお、当期から管理職の集計について関係法令に則った方法に変更しております。

また、人材投資戦略のさらなる推進のため、次の施策等に取り組むことにより従業員エンゲージメントを高めるとともに、企業価値の向上を図ってまいります。

ア. 経営層による人材課題への対応

  • 各種説明会等を通じた意見交換による経営層と従業員の直接対話の継続

イ.将来を支える人材の確保と育成、働く環境の再整備

  • 人権を尊重する会社風土の醸成
  • 人事評価制度の刷新
  • 採用戦略の再構築
  • 福利厚生制度の拡充、パートナーシップ制度の導入

ウ.開発体制を支えるオフィス環境、開発設備の拡充

  • 事業所拡大による開発オフィスの拡充
  • 国内最大級のモーションキャプチャースタジオを備えた「クリエイティブスタジオ」の新設