経営者の視点(辻本憲三)

辻本 憲三 プロフィール

1940年、奈良県に生まれる。畝傍高校(定時制)を卒業後、親戚の経営する食品問屋に就職し、仕事のかたわら経理を学ぶ。22歳で独立し、1966年には大阪市内に菓子店を開業。その後、綿菓子製造機の行商を始める。
1970年ごろ、子供向けパチンコ機との出会いをきっかけにゲーム機の販売を開始。顧客を全国に拡大し、1974年にはゲーム機の製造販売会社であるアイ・ピー・エム株式会社を創立した。インベーダーゲーム機の販売で大成功したが、ブームの終焉によって苦戦を余儀なくされる。
その後ソフト開発に目を向け、1983年に株式会社カプコンを創業。当時は主に業務用ゲーム機器の開発を行っていたが、ファミコンブームの到来に合わせ家庭用ゲームソフト事業にも参入し、「ロックマン」や「ストリートファイター」シリーズをはじめ国内外でヒット作品を次々に生み出す。1990年には株式を公開。数度の構造改革を敢行し、カプコンを世界的なゲームメーカーに育て上げた。2007年、経営に専念するため代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。