CAPCOM

Profile

是松 匡亮
プログラマー(技術研究開発)
2007年入社

現在までのMain Project

カプコン独自のゲームエンジン「RE ENGINE」の開発チームで、その開発および採用タイトルのサポートを担当。「バイオハザード7 レジデント イービル」「デビルメイクライ5」「バイオハザードRE:2」「バイオハザードRE:3」など有名シリーズを多数サポートしてきた。

次世代エンジン誕生までの長い道のり

カプコンでは2005年から自社独自のゲームエンジンとして「MT FRAMEWORK」を開発し、「デッドライジング」以降さまざまなゲームを世に送り出してきましたが、それに代わる次世代のゲームエンジンとして開発されたのが「RE ENGINE」です。私自身、入社後に「MT FRAMEWORK」の開発に携わった後に、次世代エンジンの開発プロジェクトに参画し、2014年頃までは「Panta Rhei」というエンジン開発に取り組んでいました。このプロジェクトを採用したタイトルは日の目を見ておりませんが、その経験を活かして誕生したのが「RE ENGINE」です。「RE ENGINE」によって開発された最初のゲームは、2017年に発売された「バイオハザード7 レジデント イービル」。この時は本当に嬉しかったですね。ようやく「MT FRAMEWORK」に代わる、次世代の新エンジンを世に送ることができたという実感がありました。

拡張性と互換性が「RE ENGINE」の武器

ゲームエンジンは、開発して完成して終わりというものではありません。「バイオハザード7 レジデント イービル」のリリースから、すでに数年が経ちましたが、この間もずっと「RE ENGINE」の開発は継続して行っています。新しいタイトルの開発がスタートするたびに、「次はもっと面白いゲームを、もっとすごいゲームを作ろう」という思いがタイトル開発チームにはありますから、それに応えていくためには、エンジンも新たな機能の拡張や、UIなど使い勝手の面でも向上させていく必要があります。カプコンのゲーム開発を15年にわたって支えてきた「MT FRAMEWORK」ですが、大幅な新機能の追加や仕様変更が難しく、また、同じエンジンで開発していてもタイトルごとの互換性はないという弱点がありました。その問題を「RE ENGINE」で解決できたのは大きな進歩だと言えます。

唯一無二のエンジンであり続けるために

「RE ENGINE」の開発現場は、レンダリング、ツール、AIといった分野ごとにグループが分かれています。私が担当しているのはランタイムと呼ばれるグループ。ランタイムはゲームそのものを動かす全体の骨格のようなものです。今はひとつのタイトルでも、PlayStationやXboxなど複数のプラットフォームに対応した開発が要求されます。そこに対応していくのもランタイムの仕事ですので、ランタイムグループにはそれぞれのプラットフォームに対する深い知識を持ったエキスパートが揃っています。新しいプラットフォームや技術が次々に開発され、ゲーム業界を取り巻く状況も常に変化しています。今後も「RE ENGINE」が、ゲーム業界をリードする唯一無二のゲームエンジンであり続けるためにも、私たちの仕事に終わりはないと思っています。

ある1日のスケジュール

10:00〜 チャットとメールの新着メール確認、返信
11:00〜 案件リストから実装する機能をいくつか選んで設計と実装
12:30〜 昼休憩
13:30〜 実装した機能のテスト/マネジメント業務
15:00〜 設計についてタイトル制作チームと議論
16:00〜 チャットで報告されたバグ情報の修正
17:00〜 部署メンバーから受けた技術的な相談に乗る
18:30〜 退勤

この日の仕事のポイント

設計から実装は、簡単なものなら30分ほどで終わるものもありますが、手のかかるものだと2,3日かけて悩むものもあります。実装して、使ってもらった上で意見を聞いて、再び調整して、という繰り返しですね。部内の若手からの技術的な相談には、どんな些細なことでもしっかり応えるようにしています。私自身も入社間もない頃は、そういう先輩方の存在にずいぶん助けられたので、今は自分がそういう存在になれるよう、常に意識しています。

休日の過ごし方

頭をオフに切り替えるために、仕事と関係ないプログラムを書くことも。最近はカメラを新しく購入したので、文化や歴史を感じる場所を訪れて写真を撮るのも楽しみのひとつです。

My Possibility 〜私の感じる無限の可能性〜

自社で独自のゲームエンジンを開発している会社はそんなに多くありませんし、さらにその中でも世界的に知名度のあるタイトルの開発に使用されているエンジンはごくわずかです。そんな中でカプコンは早い段階からエンジンの内製にこだわり、「RE ENGINE」という強力なゲームエンジンを生み出すことができました。現状に甘んじることなく、今後も「RE ENGINE」を世界と戦えるエンジンとして開発し続けていくことで、世界と戦えるゲームを世に送り続けるバックアップをしていきたいですね。