Prof ile

加藤 あずさ
サウンド(コンシューマーゲーム開発)
2009年

現在までのMain Project

製品用BGMの制作と実装、演出システムの考案、ファンイベント用のBGM手配などサウンドに関わる一連の業務を担当。代表作は「ドラゴンズドグマオンライン」「戦国BASARA4」「バイオハザード6」。

作品の“らしさ”を損なわないために

カプコンに入社して初めて担当したのは「逆転裁判1~3」を携帯ゲーム機から据え置き機のダウンロード用に移植するための作業でした。携帯ゲーム機のスピーカーとテレビのスピーカーでは音の聴こえ方がまったく異なるため、曲を移植する際には、そのゲームのイメージを崩さないように配慮する必要があります。そのためには、各楽曲データの中身を見ることが重要になるのですが、名曲と呼ばれる数々の楽曲データに触れられたことは貴重な経験になりました。現在、作曲やミックスを行う際にも、移植を手がけた経験が活かされています。

BGMは、ゲーム体験の“手ざわり”のひとつ

ゲームサウンドは、カッコいいBGMや効果音をつくっただけでは完成しません。ゲームに音楽を実装して、実際にコントローラーでキャラクターを操作することで、“音の手ざわり”を確認することがとても重要なのです。その上でリテイクや微調整を繰り返し、ゲームの世界に音を馴染ませていきます。その積み重ねで、最終的に制作した音がゲームにバッチリ合ったときの達成感は、この仕事でしか得られないものです。サウンド制作はデザイナーやプログラマーの各作業と並行して行われるので、それぞれの作業が完成に近づくことは、製品のクオリティが具体化していくことでもあります。各セクションとの協働によって、作品をカタチにしていく喜びを日々実感していますね。

自分ならではの強みを持つことの大切さ

ゲーム開発の仕事は、他セクションとの連携プレイの連続です。そのため、共に開発を手がける仲間が何を表現したいのかを汲み取ることが必要とされます。「開発とは他者との協力プレイ」という前提をしっかり踏まえた上で、自分が表現したいことを突き詰めていく。それがクリエイターのあるべき姿なのです。カプコンにはその意味でも優秀なクリエイターが数多く在籍しており、それぞれが深い専門性を持っています。そういった方から話を聞くたびに新鮮な刺激を受け「私も、もっと自分の専門分野を極めていこう」と決意を新たにできます。学生のみなさんも、今のうちから「これだけは誰にも負けない!」という分野をつくるよう心がけてください。それが将来、あなたにとって大きな武器になります。

ある1日のスケジュール

9:30~ 出社 メールチェック
10:00~ プログラマーと新BGMシステムについての打ち合わせ
12:00~ ランチ
13:00~ 午前の打ち合わせ内容をもとに、動作検証用の仮実装素材を用意
15:00~ コンポーザー定例ミーティング
16:00~ 楽曲制作

この日の仕事のポイント

楽曲制作は、まとまった時間を確保して、一気に集中して行うのが理想です。しかし、この日のケースではミーティングが多いため、それが叶いません。そこで、前日に完成させていた曲をミックスし、ゲームのSEやボイスに馴染むように調整する作業を行いました。客観的な視点が求められるミックス作業は、短時間の作業でも高い効果が得られます。あえてミーティングが多い日にミックス作業を行うことが有効な場合もあるのです。

休日の過ごし方

観光名所や美術館に足を運び、音楽に限らず様々な表現やアイデアをインプットするように意識しています。写真は神戸の異人館街に行ったときのものです。

My Possibility 〜私の感じる無限の可能性〜

インターネットが普及したことで、ゲームをプレイするユーザーと、ゲームを供給する側の距離がとても近くなりました。今やネットワークを通じて誰かと体験を共有することが当たり前になっています。今後は、今以上にユーザーとメーカーが一緒になってつくり上げていくコンテンツが増えていくでしょう。業界の内側からの視点だけでは浮かんでこないアイデアが生まれ、いずれ市場を大いににぎわす。そんな未来がやってくる日も、そう遠くないと思います。