子どもの頃からカプコンのゲームが大好きで、「逆転裁判」シリーズや「ロックマンエグゼ」シリーズを夢中でプレイしていました。
高校生の時にゲームのCGデザイナーという職業を知って興味を持ち、独学で3DCGソフトを触ったりするように。そして、本格的にゲーム業界への就職を目標に専門学校に進学しました。
当時は今ほどネット上での就活というのは盛んではなかったんですが、学校の先生に勧められてある就活サイトに作品をアップしたところ、カプコンの採用担当の方に声をかけていただき、それがきっかけで入社することに。ラッキーすぎて「人違いなのでは・・・」と不安になるほどでした（笑）。背景職として採用され、研修後にアサインされたのは「モンスターハンターワールド：アイスボーン」の開発チーム。
いきなりそんな大型タイトルのチームに入って、自分にできることがあるんだろうかと、最初は少し心配でした。

背景アセットの制作には一点ごとに発注書があり、それに沿って3DCGのデータを作成していきます。
実際にアセットを作っていく上では、コンセプトアートの世界観を再現することも大切ですが、限られたリソースを効率的に活かす視点も必要になってきます。最近はフォトリアルな表現を追究したゲームが増え、アセット制作も3Dスキャンしたデータを基に作ることが多くなりました。
とはいえ、リアルさを追究しながらも、その後の作業を受け持つ人が扱いやすいデータや、ゲームとして使えるデータを作るという、バランス感覚は大切だと思います。
今はHoudini（※）というツールをアセット制作に採り入れ、効率化とクオリティ向上を図っています。ハードもどんどん進化していますし、ユーザーに満足してもらえるグラフィックを提供するためには、クリエイターもアップデートし続けなくてはと思います。

※ Houdini：カナダのサイドエフェクト社（Side Effects Software Inc.）が開発している3DCGソフトウェア。VFXに使用されることが多かったが、近年3DCG制作ツールとして映画やゲームなど多くの業界で注目されている。