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開発者インタビュー2017

小野 義徳

執行役員
CS第三開発統括 第二開発部長

「ストリートファイター」シリーズを始め、各種格闘ゲームタイトルを手掛け、現在は格闘タイトル全体の統括プロデューサーを務める。

INTERVIEW 01: 無限の可能性を広げる対戦格闘ゲームを目指して新たなクロスマッチングタイトルを提供する

21年前に遡り「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズを紐解く

過去にもマーベル・エンターテインメント社(以降マーベル社)とタッグを組んだと聞いています。
マーベル社とは21年前にアーケードゲーム機として発売された『X-MEN VS. STREET FIGHTER』で初めてタッグを組みました。
日本市場でアメリカンヒーローの存在感を高めたいマーベル社と、北米を中心としたグローバル市場に攻勢をかけたいカプコン双方の戦略が一致したことにより実現しました。

当時はどのような状況だったのでしょうか。
当時は、当社の「ストリートファイター」シリーズをはじめ、格闘ゲームが世界的に流行していました。一方で、アメリカで放送されていたマーベル社のテレビアニメが日本でも吹き替えで放送され始めた時期でした。
『X-MEN VS. STREET FIGHTER』の発売はどのような影響を与えたのでしょうか。
マーベル社と組み、同社のIPを活用したことで認知度を高めることができ、カプコンの社名や「ストリートファイター」シリーズのブランドを築くことができました。また、当タイトルが「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズの原型となっており、現在まで「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズを継続することができたのは、21年前のチャレンジが残した大きな功績だと思っています。
その後、「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズは、どのような形で展開したのでしょうか。
2008年の『ストリートファイターIV』発売により、世界的な格闘ゲームブームが再来しました。このブームに関して、北米の一部のプレイヤーからは2000年発売の『MARVEL VS. CAPCOM 2』の影響が大きいという意見もありました。前作から10年近く時間が経過していた中、コラボレーションの依頼をいただいたことがきっかけとなって、6年前の2011年に『MARVEL VS. CAPCOM 3』を発売することができました。
この10年、マーベル社の作品が映画化され世界中で好評を博しており、その影響からも『MARVEL VS. CAPCOM 3』にとって同社の後押しは大きかったのでは?
その当時は、『アベンジャーズ』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の公開により、コミックやアニメーションに加えて、マーベルのキャラクターが一種のカルチャーとして認知される時期でした。当社としては、「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズを再度立ち上げ、勢いづかせたい時期だったため、同社の協力は大きな影響を与えてくれました。
他にも、各社とクロスマッチングしたタイトルが発売されていますね。
竜の子プロダクション社(現タツノコプロ社)とコラボレーションした『タツノコ VS. CAPCOM』やバンダイナムコゲームス社とコラボレーションした『ストリートファイター X 鉄拳』などを発売しました。
その時から「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズの開発は進められていたのでしょうか。
「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズを引き続き進めていきたいという思いがありましたが、マーベル社と話し合いができたこともきっかけとなって、『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』の開発を実現することができました。

コアユーザーを満足させるゲーム性とマーベルファンを楽しませるストーリー性により新たな境地を切り開く

「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズ最新作『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』のタイトル名について教えてください。
「INFINITE」というタイトルには重要な意味があります。これは、マーベルの世界の中で重要な意味を果たす「インフィニティストーン」にちなんでいます。
なぜ「4」を使用しなかったのでしょうか。
カプコンとマーベルの全てのファンに対して、ゲームを気軽にチャレンジしてもらえるようにしたかったことが理由の一つです。また、前作から期間が空いていることもあり、あえてシリーズの続編であることを意識させないためにタイトルに数字を用いませんでした。
ちなみに、マーベルファンはカプコンとは違ったファン層なのでしょうか。
「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズには、2つの層のファンがいると考えています。
ひとつはカプコンのファンで、「ストリートファイター」など、これまでの格闘ゲームブームや現在のeスポーツの盛り上がりを支えてきたプロゲーマーをはじめとするコアなゲームユーザーです。一方で、マーベルのファンは、はっきりとした善と悪が織りなすストーリー展開や感情移入しやすいキャラクターが多く、デートムービーとして老若男女が楽しめることからも、性別・年齢問わず幅広い層がターゲットとなっています。
それぞれ異なった層なのですね。
ですから、本作ではその2つのユーザー層の心を掴むことに重点を置いています。
ひとつは、「カプコンの対戦格闘ゲームが大好きだ!」というコアユーザーを満足させるゲーム性であり、もうひとつは、マーベルファンに「難しかったけど、面白かった」と親しみを感じてもらうストーリー性です。
なお、対戦格闘ゲームの面白さを知ってもらうために、よりルールを理解してもらう必要があります。今回、システムが複雑になることで難しくなりがちな操作を一新し、プレイ操作が慣れるまでの時間が苦にならず、格闘ゲームを快適に感じることができるゲーム設計を行うとともに、キャラクターたちのストーリーがそれぞれリンクする映画のようなストーリーモードを用意しているので、初心者もストーリーを楽しみながら、対戦格闘ゲームのルールや面白さに触れることができるようになっています。

そのようなことは簡単にできることなのでしょうか。
マーベル社は「アベンジャーズ」など、同社の多種多様なキャラクターを取り入れた展開が非常に得意です。彼らが展開している映画やドラマでの強みを生かしたゲームづくりを取り入れています。
では、その強みは『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』でどのように展開されたのでしょうか。
本作は、マーベルとカプコンのIPを知り尽くしたライターであるPaul Gardner氏を含めたチームが、「マーベルとカプコンのキャラクターがどのように関連して戦っていくのか?」、「カプコンの悪役キャラクターがどのような行動を起こし、マーベルの悪役キャラクターとどのように結託するのか?」など、マーベルとカプコンの世界が融合した世界にそれぞれのキャラクターを登場させた場合を想定して、ストーリーモードのシナリオを作成いただいています。 なお、ストーリーモードにはシネマティックなシーンが80分以上収録されています。これは映画で言うと上映時間の半分以上、ドラマで言うとスペシャルドラマ分の時間に相当するもので、非常に作りこんでいます。ゲームプレイを含めると、ストーリーモードだけで十分な時間楽しんでいただける内容となっています。

『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』は、マーベル側のストーリーでもあるような展開になっているのですね。
はい。一方で、ゲームの中でもマーベルの世界観を取り込んだ部分があります。本作のストーリーは、6つのインフィニティストーンを巡って戦うものですが、ゲーム内でもインフィニティストーンに様々な機能をもたせていて、必殺技になったりします。
インフィニティストーンは、コミックやこれまであるいは現在公開されている映画でも題材とされており、本作をプレイすることでマーベル社のコミックや映画にもさらに興味が持てるようになっています。
『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』はグローバルでの発売ですが、特に人気がある地域はどこなのでしょうか。
例えば、カプコン側のシリーズのひとつである「ストリートファイター」だと、北米が6割です。一方で、マーベルに関しては、北米が8割です。
北米が大きなマーケットとなるのですね。では、開発にあたって、北米拠点が果たした役割は大きかったのでしょうか。
はい。
カプコンUSAのマーケティング部門からの要望や、マーケティング結果から得られた指摘・指示は重要視して開発に取り組みました。

具体的にはどのような部分なのでしょうか。
例えば、ゲーム内に表示されるゲージなどの見た目ですね。
日本のスタッフは凝ったつくりにしたいという思いから、装飾したものを作成するのですが、今のアメリカでのトレンドはフラットであり、デザインを変更してほしいという要望がありました。
マーベル社とはどの程度打ち合わせをされていたのですか。
ほぼ一日おきくらいで、マーベルゲームス社とテレビ会議を行っていました。
その会議で双方の意見が分かれることもあったのですか。
ほぼ毎回ですね。
ゲームのつくり方に関してはカプコンに任すという一定のところで線を引いたうえで、主に映像の表現方法やマーベル側のキャラクターが関与する部分など、マーベルIPの見せ方で非常にこだわりのある意見が出されていました。すべては良いゲームをつくるために向けたマーベル社の思いであり、カプコンも良いゲームをつくりあげるために、両社が協力して進めていきました。
それはカプコンの開発にとって良い刺激となったのですか。
はい。キャラクターデザイナーのアイデンティティや商品を効果的に表現する意識などを垣間見ることができました。主たるマーケットの価値観に耳を傾けることで、当社の開発陣の中では出てこない意見を得ることができました。今後、カプコンが海外向けタイトルを制作する際に参考となる情報が多く得られ、開発者にとって良い気づきの機会になりました。

『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』が今後のゲーム業界にもたらす影響とは?

対戦格闘ゲームジャンルの、現在の状況について教えてください。
対戦格闘ゲームは「閉じた市場」と言われることもあり、話題性に比べてゲーム人口規模は大きくありません。その理由は、相手と競い合い、相手をどう負かせるか、という競争心に火をつけるジャンルであり、相手に勝つために時間をかけて技の研究や練習を行い熟練した技術を得るための"修行"が欠かせないからです。
日々鍛錬しているコアユーザーは圧倒的に強くなり、初心者は歯が立たないことから、一部のユーザーのみの「閉じた市場」となり、他のジャンルに比べて爆発的にユーザー数が増加することはないのです。
しかし、「YouTube」でのプレイ動画配信やゲーム競技会「eスポーツ」の開催・観戦が人気となり、これまでユーザーではなかった人も見て楽しめるという新しい流れが生まれつつあります。
そのなかで『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』は、どのようなポジションを目指すのでしょうか。抱負を聞かせてください。
本作は、コアユーザーにとって歯応えのある競技性を持った内容を目指し、コアユーザーでない方に対して格闘ゲームの楽しみをカジュアルに感じていただけるかを追求したタイトルとなっています。 将来的には、当社が注力するeスポーツ活用することを想定しており、プレイしたそれぞれの層が、出場者とスペクター(観戦者)に分かれ、盛り上げてくれること期待しています。 コアユーザーもカジュアルユーザーもお楽しみいただける内容となっていますので、是非ご期待ください。

  • INTERVIEW 01 無限の可能性を広げる対戦格闘ゲームを目指して新たなクロスマッチングタイトルを提供する /執行役員 CS第三開発統括 第二開発部長/小野 義徳
  • INTERVIEW 02 世界水準の最新技術で進化した“モンハン”でグローバルに向けて挑戦する /執行役員 CS第三開発統括/辻本 良三
画像:統合報告書2017

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