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開発者インタビュー2016

木下 研人/ CS第三開発統括 第四開発部 第二開発室 ディレクター/ プランナーとして『モンスターハンター』や『ドラゴンズドグマ』シリーズを手掛ける。ディレクターデビュー作はコンシューマ向けの『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』。

INTERVIEW 04: 新たな事業領域の確立に向けて5年先まで継続できるオンラインゲーム運営体制を構築する

コンシューマゲームからの新たな試み  PCゲームへの挑戦

まずは木下さんの経歴と担当してきた業務を教えてください。

2001年に中途採用で入社し、『アウトモデリスタ』というレースゲームや「モンスターハンター」シリーズのプランナーを担当していました。その後、『モンスターハンターポータブル 3rd』をサポートしていた際に、『ドラゴンズドグマ』のディレクターの伊津野さんに声を掛けられプロジェクトに参加したことが、現在ディレクターをするきっかけになっています。ディレクターは、『ドラゴンズドグマ』の内容を拡張させた『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』から担当しています。
『ドラゴンズドグマ オンライン』と『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』は、同時開発だったそうですね。
お客様からはマルチプレイに対する要望がありましたが、『ドラゴンズドグマ』をワールドワイドで発売した直後でもあり、まずはバージョン1.5という位置づけで、ダークアリズンの制作を優先しました。ただ同時に、社内からオンライン版も開発すべきだとの提案もあったため、その先の展開としてオンラインに特化した作品の準備を並行して行っていました。
ユーザーの要望と社内の考えが一致したわけですね。
はい。『ドラゴンズドグマ』ではポーンというAIで動く従者を引き連れ、自由度の高いアクションを楽しめる特徴があったことから、マルチプレイに対する要望も多くのユーザーからいただきました。ただ、単にマルチプレイにするのではなく、オンラインゲームとして継続して遊べるゲームスキームにするために、ゲームデザインをイチから組み直し、バザーや多人数コンテンツ、コミュニティ要素などを搭載することにしました。
具体的にはどのような点を変更したのでしょうか。
世界観をはじめポーンの扱いやアクション面など、ゲームのストロングポイントとなる部分はしっかり踏襲しながらも、ストーリーのエンディングだけを目指すのではなく、続くコンテンツを楽しんでいただき、それを継続できるゲームスキームにする必要がありました。
『ドラゴンズドグマ』のゲームデザインから、継続オンラインゲームとしてデザインを組み替えるところはとても苦労しました。

オンライン版発売までの苦難  MMO(Massively Mutiplayer Online:大規模多人数オンライン同時参加)仕様のサーバー構築までの道のり

『ドラゴンズドグマ オンライン』はカプコン初のMMOゲームになりましたね。
当社の既存のオンラインゲームである『モンスターハンター フロンティア』は、コンシューマゲームをベースに作られたサーバー管理タイプの先駆タイトルであり、そのチームのスタッフからもデータ管理の重要性や、拡張面においての苦労など、いろいろと話を聞かせて貰っていました。そういったお話も踏まえて『ドラゴンズドグマ オンライン』は、全てのキャラクターデータやゲーム進行をサーバーで管理するといったところに踏み込む、カプコンの初プロジェクトに至りました。
『ドラゴンズドグマ 』として初めてのオンライン化で、なぜそこまでこだわったのですか。
ドラゴンズドグマのアクションとしての良さはMO(Multiplayer Online:複数人オンライン同時参加)で活かしつつ、それ以外はMMOの楽しさを取り入れて継続サービスをしたかったからです。ポーンを連れて冒険ができる強みと、多人数のプレイヤーが賑わう場所、同時に多人数で遊べるコンテンツを作り広げて行きたかったためです。

MMO仕様にすることで、ユーザーが想定外の遊び方をすることへの対応など、進行面やストーリー面の構築が大変だったのではないですか。
そうですね、制作側としては非常にハードルが高かったです。しかし、大事なことはユーザーにとってアクションの良さやゲームコンテンツの面白さが損なわれないことであって、それが実現できれば、ゲームのデータがどのように管理されているかの細かな部分はユーザーの体験には影響しないと考えました。MOとMMOの良い部分を形にすること、また、自社側でサーバーを構築し運用することで、トラブル対応や細かなアップデートも柔軟にできるようになり、それがユーザーメリットに繋がると考えていました。
しかし、サーバー構築は大変だった・・・
本当に大変でした(笑)。今ここで語り尽くせないくらい、サーバー担当の部隊が頑張ってくれました。開発のスタート時、MMOゲームのノウハウに長けたサーバーエンジニアは社内でも限定されていました。そこで公募を実施したところ、サーバー構築に携わったことはないけど『ドラゴンズドグマ』を愛するメンバーがチャレンジしたいと手を上げてくれました。これは非常に大きい収穫だったと思っています。
非常に意欲が高い精鋭が集まったわけですね。それで、どのようなところから手をつけたのでしょうか。
始めは、CEKというカプコンの韓国のスタジオにサーバー構築のプロフェッショナルの方たちがいたので、来日していただいてカンヅメでノウハウを吸収する研修をしてもらいました。サーバーの基礎を構築した後も、安定度が悪かったり、パフォーマンスが一部だけ出なくて、通信の遅延が発生することがしばしばでした。また、タイトル開発とサーバーの安定化を並行していたため、ある要素が実装されたら安定しなくなったとか、この要素が入ったから通信のレートが落ちたなどの問題が起きたり・・・。その中で、サーバーの費用がいくらかかるのかとか・・・。サーバーが使用不可となった時の対応とか・・・。
チャレンジするプロジェクトならではの紆余曲折があったわけですね。
サーバー側でゲームを動作させる以外にも、サービスインが近づくにつれ安定化や冗長化などにも手を出していく必要がありました。しかし、サーバー担当のスケジュール進捗も順調ではなく、同時にゲームデザインへの指摘もあった状況でしたので、優先順位を決めてやっていくしかないと。初めてやる以上、どうしてもクラッシュ・アンド・ビルドで進めないといけなかったところもありましたが、毎日来る荒波にサーバー担当やプログラマーは愚痴を言いながらも本当によく向き合ってくれました。

5年先を見据えたオンラインの可能性 今後の方向性について

大型アップデートであるシーズン2の遊びどころを聞かせてください。
『ドラゴンズドグマ オンライン』では5匹のドラゴンが重要な存在となっています。シーズン1は、1匹目となる白竜と数多のプレイヤー覚者が登場する世界。仲間と共に悪しき錬金術師と黄金竜を討ち果たすまでがストーリーの見どころでした。シーズン2では、新しい大陸、新しいドラゴンが登場し、物語としてもゲームフィールドとしても継続した世界観を形作っています。『ドラゴンズドグマ オンライン』の世界で冒険を続けてもらえるよう、新しいフィールドやストーリーの制作には力を入れました。シーズン1で得た知見により、オンラインゲームならではの展開を作れたと思っています。
その他システム面において、新たな見どころを聞かせてください。
2つあります。1つ目はアクションで、スピリットランサーという槍を使う新しいジョブを用意しているのですが、オンラインゲームでも自由度を損なわない触り心地を強化しているので、期待していただきたいです。2つ目として、ロールプレイングや世界観を楽しめるコンテンツの拡張を行っています。アクションが苦手な方でも、自分のペースでこのゲームに付き合ってもらえるよう、パートナーとして選んだポーンとマイハウスで同居する要素を用意しています。今後はプレイヤー同士が集まれるクラン拠点を解放する予定です。クランメンバー全員で拠点拡張を共有していけることを考えています。
オンラインゲームならではのシナリオとはどういうものでしょうか。
バージョンアップデートごとにエピソードを区切るので、どうしても間隔が空いてしまうのですが、ユーザーに次のアップデートまでの期間、期待感を維持してもらえるように、エピソードの終わりにナレーションを入れるなどの工夫をしています。継続してゲームを遊んでいただける展開作りというものが、シナリオやコンテンツのそれぞれの面で見えてくるようになってきました。

課金のポイントや方法はどのようにして決められたのでしょうか。
ゲームデザインを軸にして考えた部分がやはり大きかったです。無課金で楽しめることを前提に、お金を払うことでよりゲームにのめり込めるポイントを意識して設計しています。まずは無料で遊べたうえで、ユーザーそれぞれの生活の中でのゲームに使える時間、ゲームに対しての欲求に照らし合わせて、お金を払って楽しむかどうか、というところに課金のポイントを入れているのが、設計ポリシーです。
PCオンラインゲーム市場全体は、どのようなトレンドなのでしょうか。
日本に限定すると、PCはRPGオンラインゲームのユーザーが減ってきているように感じています。PCでないと遊べないという強いコンテンツ力を持ったタイトルが減ってきていると思っており、同時にPlayStation4やXbox ONEなどのコンシューマープラットフォームに、魅力的なオンライン要素を積んだコンテンツが増えてきていると思っています。海外の市場、たとえば韓国などのPCゲームの人気が根強い国では、まだまだ勢いが衰えず盛んだと思いますが、日本に関してはPCオンラインゲームの在り方が少し変わってくるのではと思っています。
現在、海外市場で人気があるのはどのようなジャンルでしょうか。
シューティング系、もしくはファンタジー系のMMOは人気が高いと思います。
『ドラゴンズドグマ オンライン』はファンタジー系のMMOですから、人気のジャンルということですね。今後は、海外展開、特にアジアなどへの展開も視野に入れていくということでしょうか?
そうですね。海外ではPCゲーム市場の成長がまだまだ見込める国が多く、日本でのサービスの地盤が固まったら、海外での展開を視野に入れていきたいですね。
そのためにも、まず日本でシーズン1、シーズン2、シーズン3とバージョンアップを展開していくということですね。
ストーリーは、オンラインゲームにとってコンテンツのひとつであると考えています。ストーリーだけを追いかけていくのではなく、それぞれのバージョンで世界観/ストーリーを広げていき、その先に続くコンテンツを遊ぶ、という提供を少なくとも5年、サービスを続けたいと考えています。
最後に、これからの抱負をお願いします。
遊んでいただいたユーザーからフィードバックをいただけるのが、開発にとってもうれしい励みになります。要望をもとにユーザーの皆様に喜んでもらえることを分析し、フィードバックで答え合わせをしながら、毎日全力を尽くしてやっていきたいです。アクションを楽しんでくださっている方も、ゆっくり時間をかけて楽しみたいなという方も、どちらの遊び方でも『ドラゴンズドグマ オンライン』を楽しんでいただけるように、これからもコンテンツの展開に力を注いでいきたいと考えています。

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  • 01. スマホで疑似恋愛体験 女性中心で開発した新しい女性向けゲーム /CS第一開発統括 第一開発部 第四ゲーム開発室 室長/原 美和
  • 02. 最強のゾンビアクションゲームで北米・欧州ファンを唸らせろ! /カプコン・ゲーム・スタジオ・バンクーバー, INC. スタジオ ディレクター/ジョー・ニコルス
  • 03. すべては"恐怖"のために。開発体制から変革した、新しい「バイオハザード」 /常務執行役員 CS第一開発統括/竹内 潤
  • 04. 新たな事業領域の確立に向けて5年先まで継続できるオンラインゲーム運営体制を構築する /CS第三開発統括 第四開発部 第二開発室 ディレクター/木下 研人
  • 05. "二つとない"、世界No.1のゲーム開発を志し、変化を恐れず挑戦を続ける /取締役専務執行役員 /江川 陽一
画像:統合報告書2016

最新版統合報告書でも開発者インタビュー(要約版)がご覧いただけます。

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