環境への取り組み

エンターテインメント企業としての環境対応

当社グループ連結売上高の約80%を占めるデジタルコンテンツ事業はソフトウェアの開発・販売を主な事業とし、一般的な製造業に比べ環境負荷および気候関連リスクは低いと認識されています。

そのような状況において当社は、これまで「ゲームというエンターテインメントを通じて『遊文化』をクリエイトし、人々に感動を与える『感性開発企業』」という経営理念のもと、コンテンツのデジタル販売推進や設備の入れ替えなどにより、環境への負荷低減に取り組んできました。

今後も、TCFD提言などの枠組みや指標を参考にしながら、現在問題提起されている気候変動をはじめとする社会の共通課題の解決に積極的に取り組んでいきます。

CO2排出量の削減

全社的な省エネ施策の推進により、CO2排出量を削減


各事業所でLED照明への切り替え等、
省エネへの取り組みを推進

当社は、炭素税の導入による事業コストの増加や炭素規制やプラスチック利用規制による原材料や生産・調達コストの上昇といったリスクへの対応として、全事業所の継続的な節電実施や、アミューズメント施設における省エネへの取り組み等により電力消費の削減に取り組んできました。2023年3月期のCO2排出量は、新事業所の追加やアミューズメント施設の新規出店等により前期比で増加したものの、安定的に推移しています。

事業者クラス分け評価制度で8年連続のSクラスを獲得

新事業所の追加やアミューズメント施設の新規出店等により足元のエネルギー使用量が増加しているものの、当社のエネルギーの使用に係る原単位は安定的に推移しています。こうした取り組みにより、資源エネルギー庁が2016年より実施している、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(工場等に係る措置)に基づく「事業者クラス分け評価制度」では、S・A・B・Cの4段階中、8年連続でSクラスを獲得しています。

(単体)
エネルギーの使用に係る原単位 前年度比
2018 0.05994 98.1%
2019 0.05869 97.9%
2020 0.05583 95.1%
2021 0.05186 92.9%
2022 0.05497 106.0%
2023 0.05918 107.7%

(3月31日に終了した各事業年度)

※ 資源エネルギー庁の定める計算方法に基づき算出。
資源エネルギー庁ホームページ https://www.enecho.meti.go.jp/

商品流通における工夫

ゲームソフトのデジタル販売による資源削減

従来ではゲームソフトに紙媒体として同梱されていた取扱説明書ですが、近年ではゲームソフト内にデータ化して内蔵することにより、ペーパーレス化を図っています。これにより、年間にゲームソフト約4,170万本分の紙の消費を抑えています。

加えて、現在ではゲームソフトをダウンロードして購入するデジタル販売が進み、紙資源に加えディスクや半導体、ソフトを収めるケース等に使用されている資源の削減が可能になりました。2023年3月期はデジタルで販売したゲームソフト約3,730万本分の資源を削減しています。

更に、デジタル販売では従来と異なり、商品を工場から店舗や倉庫に運ぶ必要がなくなることから、コストと同時に温室効果ガスの削減も可能になりました。引き続きゲームソフトのデジタル販売を促進し、将来的には、全てをデジタルで販売することにより、実質的な資源消費ゼロを目指します。

開発・製造における取り組み

パチスロ機での環境負荷低減

日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)の取り組みに賛同し、電力使用の抑制を目的とした統一機能「エコ機能」の搭載および一部パーツリサイクルを導入したパチスロ機の製造・販売を行っています。

使用済み遊技機の処理状況

リサイクル量 サーマルリサイクル※1
2018 74.4% 25.6%
2019 83.7% 16.3%
2020※2 00.0% 00.0%
2021 99.77% 00.0%
2022 91.6% 8.2%
2023 75.8% 24.0%

(3月31日に終了した各事業年度)

※1 熱源として温水、暖房等に利用した量

※2 2020年は新筐体への切り替わり年度で、使用済み遊技機の下取回収がありませんでした。

職住近接の推進

当社では、事業拠点近域の借り上げ社宅手配や開発拠点の隣接地への駐輪場設置により、事業拠点の周囲5キロメートル圏内への居住および自転車通勤を推奨しています。これは主に通勤時間の短縮によるワークライフバランス推進を図るものですが、同時に交通機関の使用に伴う温室効果ガス排出の削減効果も発揮しています。

駐輪場

再生可能エネルギー由来の電力を導入

2020年10月に日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」では、2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標としています。当社においても、自社所有ビル等におけるCO2排出量の2050年での実質ゼロを目指します。

カーボンニュートラル実現のためには、CO2を排出しない再生可能エネルギーの導入が重要とされています。

当社においても、2022年6月より関西圏の自社所有ビル等に対して、再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力を導入しました。これにより、日本国内における当社電力使用量のうち約27%が同エネルギーによって賄われています。加えて、2023年4月から当社東京支店においてグリーン電力を導入しています。更に、節電対策を施した自社データセンターの使用などの取組みを行うとともに、再生可能エネルギー使用を促進している大手クラウドサービス企業や大手データセンターサービス企業を利用することで、更なる環境負荷低減に努めています。

気候変動にかかるガバナンスおよびリスク管理

(1) コーポレート経営会議[議長は代表取締役会長(CEO)]は、気候変動にかかるリスクおよび機会について対応方針および施策等を審議します。

(2) これらの審議の結果を踏まえ、代表取締役または担当役員の指示により関連部門が取組みを推進し、代表取締役またはコーポレート経営会議に報告します。

(3) 取締役会は、気候変動にかかる重要な事項について、代表取締役またはコーポレート経営会議より報告を受け、監督します。