社会への取り組み

カプコンでは社会から信頼される良き企業市民として、従業員のダイバーシティ推進やスキルアップのほか、人気ゲームキャラクターを活用した地域活性化や治安向上に貢献しています。

健全なゲーム文化の普及

子供達を対象にした「出前授業」を10年以上に渡って実施

ゲームは比較的新しい文化であり学術的研究の歴史も浅いため、一般社会では教育的側面よりも悪影響論が根強く喧伝されています。また、近年ではWHOによる疾病認定や、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」の制定が議論を呼んでいます。しかしながら、ゲームクリエイターという職種は「将来なりたい職業」として子供達に高い人気を誇っていることや、2020年より小学校でプログラミング教育が必修化され、子供向けのプログラミング教室など様々な取り組みが実施されつつある昨今、ゲームクリエイターを志す子供は今後益々増加すると考えられます。また、小学生で53.4%、中学生では80.8%と、スマートフォン利用率が年々増加する中、スマートフォン向けのゲームアプリも人気を博しており、ゲームと子供達との距離はより近づいています。

このような状況下、当社は持続可能な経済成長および社会形成の一助となるべく、ゲームに対する社会的理解を促したいとの考えから、小中学生を中心に企業訪問の受け入れや出前授業を積極的に実施しています。そこでは、ゲームソフト会社の仕事内容とそのやりがいや難しさを紹介する「キャリア教育支援」、自分の判断でゲームと上手に付き合えるようになるための「ゲームリテラシー教育支援」、苦手意識を持ちやすい算数・数学が仕事につながっていることを紹介する「カプコンお仕事×算数・数学授業」の3つのプログラムを展開し、教育現場から一定の評価を獲得しています。また、以前から教育現場の要望があったことや、新型コロナウイルス禍でも円滑に授業が実施できることを踏まえ2021年度から「オンライン授業」に対応。これまでより広範な地域へ柔軟に対応できるよう、常に新しい取り組みを続けています。

これらの結果、これまでに企業訪問として403件、3,355名(2022年3月末現在)を受け入れるとともに、出前授業は、2021年6月に静岡県島田市立川根中学校で初のオンライン授業を実施するなど、累計174件、15,726名(2022年3月末現在)を対象に開催しました。

出前授業の感想紹介(2021年度の一部を抜粋)

・コミュニケーション能力や学校の勉強も大切なのだと生徒が気付くことができ、大変ためになりました。(中学校教師)

・特に印象に残っているのは,ゲームを楽しくやめる方法です。そこでご褒美の大小を使い分けるといわれて、そんな方法もあるんだと驚かされました。(中学校生徒)

・学校で使用するタブレットでの学習プログラムなどを作っていただけたら子供達がより一層ゲーム感覚で学習に取り組めて良さそうだな、と思いました。(小学校教師)

社会福祉支援

安定した環境創出に向けた支援

ゲームメーカーにとって、子供は自社商品を手に取り遊んでもらえる”顧客”であると同時に、社員となる可能性を持った潜在的な”担い手”でもあります。ゲームを遊ぶために、安定した環境が必要なことは言うまでもありませんが、職業を選択するうえでも教育は必要不可欠です。2022年3月期においては、子供の未来応援基金をはじめとし青少年の健全な育成に取り組んでおられる3団体に合計1億円の寄付を行いました。

また近時、世界の耳目を集めているウクライナ難民支援においても国連難民高等弁務官事務所に1億円の支援金を付託しました。

子どもの貧困対策関連
団体 支援金額
独立行政法人 福祉医療機構 子供の未来応援基金 5,000万円
認定特定非営利活動法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ 4,000万円
特定非営利活動法人 子どもセンターぬっく 1,000万円
ウクライナ難民への支援
団体 支援金額
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所) 1億円

※ 日本の公式支援窓口「特定非営利活動法人 国連UNHCR協会」を通じて支援

文化・技術振興支援

大阪から世界へ「遊びの未来」を発信

当社は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において大阪府・市・2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会が出展する「大阪パビリオン」に協賛し、出展参加することを決定しました。「遊びの未来」をテーマに掲げ、当社における最先端の 技術・開発力とグローバルブランドを生かしたコンテンツ体験を共創し、世界にミライを発信します。

スポーツ振興支援

スポーツへの支援を通じて、心身の健全な発達に寄与

当社は、2022年4月より日本バレーボール協会(JVA)の「バレーボール競技の更なる普及および振興を図り、もって児童・青少年の健全な育成および国民の心身の健全な発達に寄与し、または豊かな人間性を涵養する」という目的に共感し、バレーボール男女日本代表チームの国内外での活動およびバレーボール競技の振興をサポートしています。また、2022年8月には株式会社セレッソ大阪とのトップパートナー契約を締結しました。当社が掲げるスローガンである「大阪から世界へ」を、ゲームとサッカーの双方で実現すべく、当社創業の地を代表するサッカークラブであるセレッソ大阪を支援していきます。


公益財団法人日本バレーボール協会とのオフィシャルスポンサー契約を締結


株式会社セレッソ大阪とのトップパートナー契約を締結

地方創生への貢献

人気ゲームの集客力・認知度を活用した社会貢献活動

2021年の夏に東京で行われた大規模スポーツイベントの開会式では、選手団の入場曲としてゲーム音楽が使用されるなど、ゲームコンテンツの求心力は世界中で認められています。同様に、カプコンのゲームコンテンツも、「ワンコンテンツ・マルチユース戦略」のもと、ゲームに限らず幅広い分野に展開することで、老若男女を問わず高い知名度や人気を誇ります。

当社ではゲームを通じて人を幸せにするという企業理念のもと、ゲームコンテンツが持つ人を引き付ける力を活用し、2000年代後半より、本社のある大阪に限らず、全国各地での①観光産業の振興を支援する経済振興、②郷土の歴史・文化の啓蒙を支援する文化啓蒙、③警察との連携による防犯啓発、④選挙管理委員会と連携した選挙の投票啓発の4つの地方創生活動を行っています。

  1. 観光産業の振興を支援する経済振興
  2. 郷土の歴史・文化の啓蒙を支援する文化啓蒙
  3. 警察との連携による防犯啓発
  4. 選挙管理委員会と連携した選挙の投票啓発

また、今後は日本各地でのeスポーツ活動を支援し、ゲームで遊ぶことそのものを通じた地域活性化も視野に入れた活動を検討しています。

利用者の声

大阪府警察本部生活安全部 少年課長 助中 伸理 氏

大阪府警察本部生活安全部
少年課長

助中 伸理 氏

近年、大阪では、少年の間で大麻乱用が増加しており、大阪府警では、その対策として、インパクトのある抑止効果の高い広報コンテンツを模索しておりました。その中でカプコン様には、本対策の趣旨をご理解いただき、「大逆転裁判」のキャラクターによる大麻乱用防止を力強く訴えるオリジナルポスターを制作していただきました。

同ポスターは、マスコミ等で取り上げられるなど大きな反響を呼ぶとともに、社会に警鐘を与え、少年の大麻乱用防止にも大きな成果があったものと考えております。

カプコン様には心から感謝申し上げます。今後とも、大阪の将来を担う少年達の明るく健やかな育成のためにご支援をお願い申し上げます。