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【成長戦略1】開発戦略: コンシューマビジネスの改善

図表:DLC戦略の強化

営業利益率20%の高収益体制を構築するために

ここでは、中期経営目標を達成するための成長戦略の1つ目として、「コンシューマビジネスの改善」についてご説明します。CEOメッセージでも触れました通り、現在のコンシューマ市場は、DLC市場の拡大や上位タイトルによる市場寡占化の進行など大きく変化しています。前期(2013年3月期)は、DLC対応の遅れなどの問題が発生し業績に影響を及ぼしましたが、迅速な改善策(第1ステージ)の推進により、当期(2014年3月期)は売上・営業利益・営業利益率とも大きく改善しました。

コンシューマ市場は、次世代機の登場に伴う開発費の高騰や海外メーカーとの競合激化により、投資家の皆様から収益性の下落を懸念されています。しかしながら、2018年においても未だゲーム市場の約3分の1を占める主要なマーケットであると予測されることに加え、当社においては多数の人気コンテンツを保有し、収益性の高いDLC売上比率の向上により、20%以上の営業利益率を確保できる中核事業の1つと位置付けています。

したがって、第1ステージで成果を出した改善策を更に推進することで、営業利益率20%の高収益体制を構築していきます。

そのため、当社では、(1)DLCの強化、(2)内作への移行による品質の向上およびノウハウの蓄積、(3)タイトルラインナップの再編、の3点を推進し、中長期的に持続的成長を可能にするタイトルポートフォリオを形成していきます。

施策1 DLCの強化による収益改善とユーザーの囲い込み

「DLCの強化」(上図)では、前期に続きDLCの販売拡大により、現在の当社のDLC売上比率18%を改善していきます。DLC比率向上のメリットとしては、(1)DLC配信により製造コストの削減や在庫リスクを回避できること、(2)継続的なDLCの配信により、ユーザーを囲い込み追加収入を長期間安定的に獲得できること、などが挙げられます。これは、投資家の皆様が指摘するコンシューマビジネスでの開発費の高騰や(ヒットタイトルに依存する)ボラティリティの高さへの懸念に対する対策の1つです。

グラフ:DLC売上比率推移(当社と市場平均の比較)

前期から推進する改善施策、特に(1)における本編DLCの注力で既に効果は表れており、DLC売上高は前期比87%増、DLC比率も7ポイント増となりました。

今後は(1)に加えて(2)の強化により、コンシューマ市場のDLC比率31%に比肩してまいります。具体的には、(1)大型タイトル『モンスターハンター4G』のパッケージおよび本編DLCの並行販売や、Steamを通じた本編DLCの販売を拡大するほか、(2)「ストリートファイター」などの大型タイトルを発売後、追加コンテンツを戦略的に逐次投入し、ライフタイムを長期化していきます。

施策2 内作への移行による品質の向上 およびノウハウの蓄積

「内作への移行による品質の向上およびノウハウの蓄積」では、2010年3月期からの海外開発会社の積極的な活用を改め、当期から内作重視の開発体制にシフトしています。これは、市場の著しい技術革新に対して、海外開発会社との仕様等の契約条件の変更に時間を要し、市場ニーズに合致したタイトルが適宜発売できなかったり、技術対応に遅れた開発会社が増加したことによるものです。

当社としては次世代機の登場やDLC市場の拡大など市場環境の変化が激しい現況では、内作中心の開発体制に移行することで、次世代機の最新技術を習得し、品質を向上させるとともに、追加コンテンツの戦略的投入など運営ビジネスのノウハウを蓄積していきます。前期からの改善施策の推進で効果は既に表れており、内作比率は前期の約55%から、当期は約64%と約9ポイント改善しました。

グラフ:開発者数と内作比率の推移

また、皆様からの懸念として、人員の手配や人件費増加に伴う収益性の悪化が指摘されますが、これに対しては(1)新卒を中心に毎年開発人員を100名採用し、2021年度までに2,500名体制にすること、(2)52週マップにより開発人員の配置管理を強化し、稼働率を改善すること、(3)外注費用の削減、などによりコスト(原価率)の抑制は可能と考えています。これらの施策により、次期(2015年3月期)の売上原価率は64%と、当期に比べ6.7ポイント改善する見込みです。

施策3 タイトルラインナップの再編による 業績安定化

「タイトルラインナップの再編」では、(1)次世代機および現行機の双方をにらんだマルチプラットフォーム対応を推進するとともに、(2)当社の保有する人気シリーズタイトルを約2.5年ごとに発売していきます。

図表:長期ポートフォリオ戦略

理由として、(1)は、1つのタイトルを、人気はあるが普及途上の「次世代機」と普及台数は多いが人気がピークアウトした「現行機」の両機種で発売することが収益の最大化になるからです。(2)は、大型タイトルの開発期間は通常3~4年を要するため、ヒット作を少数しか保有していない場合、毎期シリーズ作品を投入することが難しく、業績の谷間ができてしまいます。したがって、業績を安定させるには多数の人気作品を保有するか、発売期間を短縮することが重要となるからです。当社は、「バイオハザード」や「ストリートファイター」など多数の大型タイトルを保有しているものの、業績の安定化および成長の両面を追求するため、上記(1)および(2)を進めることで、単年度の投入タイトル数を増加させ、収益を拡大します。

これら3つの戦略を重ね合わせるとともに、中期的な戦略マップ(60ヵ月マップおよび52週マップ)の運用徹底により、市場の急速な変化にも柔軟に対応可能な開発体制のもと、人気タイトルを多機種でかつ約2.5年サイクルで発売します。更に、タイトル投入の空白期間に新規アイテムやシナリオなどを継続的にダウンロード販売することにより、続編が発売されるまでユーザーを囲い込み、ファンとして固定化するとともに、追加課金収入を得ることで収益の最大化および収益性の改善を図ります。

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