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経営方針

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2020年6月19日現在

取締役が会社を経営するにあたり、その経営の基礎となる基本方針を掲載しています。基本理念をはじめ、経営指標や配当政策、中長期の経営戦略、対処すべき課題について項目別にご説明いたします。

PDFが開きます 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (PDF: 472KB)(2020年3月期 有価証券報告書より)

1. 経営の基本方針

当社グループは、ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、多くの人に「感動」を与えるソフト開発をメインとする「感性開発企業」を経営理念としております。

また、当社株主、顧客および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めるとともに、共存共栄を基軸とした経営展開を図っております。

2. 目標とする経営指標

事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

経営指標としては利益の確保に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。

また、連結配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

経営計画 - 「中期経営計画」

3. 中長期的な会社の経営戦略

成長シナリオを進めていくためには、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しており、以下の施策により業績の向上に邁進してまいります。

(1) セグメントの取組み

ア. デジタルコンテンツ事業

(ア) 当期の増益要因の一つは、ダウンロード販売の拡大によるものですが、これからもインターネット環境の進展等、デジタル化の流れによりパッケージ販売からダウンロード販売への転換を加速してまいります。

(イ) ダウンロード販売は、ディスクや包装容器の製造費用が不要となることに加え、流通コストや在庫リスクを軽減できるほか、販売時期や販売地域に応じて価格を弾力的に設定できます。また、違法コピーや中古販売も極少するとともに、長期間にわたる販売が可能となるため、毎期安定した利益を確保することができます。

(ウ) デジタルマーケティングに基づきユーザーのプレイ履歴を一元管理し、顧客の嗜好を分析、予測するほか、市場ニーズに対応した開発や多様な顧客動向に即応したデジタル展開により販売価格をリアルタイムに変えるなど、効率的な販促活動を進めてまいります。

(エ) デジタル戦略を推進するためには、利用者勧誘等のためのマーケティングが不可欠なため、プレイ履歴の的確な分析、行動予測など最新のテクノロジーを駆使できる専門知識や高いスキルを有するデジタル人材の確保が重要となります。このため、当該人材を外部から獲得するほか、社内研修や実践教育などにより必要な人材の育成、レベルアップに取り組んでまいります。

イ. アミューズメント施設事業

近年、アミューズメント施設は「安・近・短」の身近な娯楽施設として見直されております。こうした環境のもと、「地域一番店」を旗印に一定の集客が見込まれる大型商業施設への出店を中心とした店舗展開を推進するとともに、家庭用ゲームやスマートフォンなどでは味わえない「景品獲得ゲーム」、「写真シール機(プリクラ等)」や「メダルゲーム」などにより、コアユーザーの若者を囲い込むほか、中高年齢者を対象にした「ゲーム無料体験ツアー」の実施や幼児向け「キッズコーナー」の設置等により新規ユーザーの開拓など、広範な利用者の増加に努め、毎期安定した収益を確保してまいります。

ウ. アミューズメント機器事業

パチスロ機部門は、型式試験方法の影響などによる遊技人口の減少や顧客の投資抑制等により市場規模が縮小スパイラルに陥るなど、構造的な変化の波が押し寄せています。こうした環境の影響により同部門は、近年苦戦を強いられていますが、局面打開を図るため組織改革に加え、ユーザー嗜好に対応した商品の開発や業務提携による商品ラインアップの拡充を行うとともに、環境の変化に対応して事業構成を見直すなど、事業の再構築により現状を打破し、回復軌道に乗せてまいります。

(2) eスポーツ事業の強化

(ア)2019年の茨城国体において国体史上初となるeスポーツ大会が行われたほか、2022年開催の中国・杭州のアジア競技大会では、eスポーツが正式種目になる予定であり、様々な活性化策により今後ますます注目を集めるものと思われます。

(イ)eスポーツは、「5G」向けのコンテンツとしても注目を浴びており、海外に先行された日本でもプロスポーツチームが参加するリーグの立ち上げや大手企業等がスポンサーになる動きが広がるなど、業界の垣根を超えた異業種からの参入等により、急速に盛り上がっております。

(ウ)当社は、長年にわたり米国現地法人を通じて「Capcom Pro Tour」を開催するなど、eスポーツに関する豊富な経験や運営ノウハウを蓄積しているため、新規事業の開拓に向けて経営資源を投入しております。

(エ)一方で、黎明期の国内は種をまいている段階であり、クリアすべき法規制やプロゲーマーの育成等、環境の整備や克服すべき課題もあります。このため、本事業をマネタイズ(収益化)するためには、中長期的な観点からビジネスモデルを構築する必要があり、本格的な収穫の時期を迎えるには、まだ一定期間を要するものと思われます。

(3) グローバル展開の拡大

(ア)国内市場の成熟化に伴い成長戦略を推進していくためには、海外市場の開拓が不可欠です。

(イ)当社は、これまでハリウッドで映画化された「ストリートファイター」や「バイオハザード」など、欧米でヒット作を続出させたことにより、海外で人気のあるブランドタイトルを多数保有しており、世界有数のコンテンツホルダーです。

(ウ)近年は、『モンスターハンター:ワールド』の大ヒットにより海外における当社のプレゼンスは着実に高まっておりますが、「カプコンブランド」を一層浸透させることにより欧米のほか、現地法人の再編等により今後も成長が見込まれるアジア地域での販売拡充に注力するとともに、南米等の新規市場の開拓を進めるなど、積極的な海外展開により、商機の拡大を図ってまいります。

4. 経営環境および対処すべき課題

当業界は「5G」の商用サービスが2020年から国内でも開始されたことに伴い、高速大容量かつ低遅延の通信が可能となるため、スマートフォンでも高精細で多数のユーザーが同時にプレイできるクラウドゲームの登場が予定されるなど、選択肢が多様化するものと思われます。また、異業種企業からの本格的な市場参入も想定されるなど、新たなビジネスチャンスを巡って地殻変動の波が押し寄せてまいりました。

業界を取り巻く環境が急激に変化する状況下、当社は経営の根幹をなす家庭用ゲームソフトの開発に注力するため優秀な人材の確保、育成により開発陣の充実を図ることに加え、ダウンロード販売の拡大など、採算性が高いデジタル戦略を推進するほか、マネジメント体制の強化により競争優位性を構築し、毎期安定した収益が確保できるよう努めてまいります。また、国内市場は成熟化傾向や少子高齢化が進む状況下、成長シナリオを実現するためには海外展開の拡充が不可欠です。このため、主戦場である欧米に加え、成長著しいアジアにおいて、海外で人気があるコンテンツの投入により顧客満足度の向上を図るとともに、販売シェアの増大によりアドバンテージを築いてまいります。

さらに、将来の成長戦略の一つと位置付けているeスポーツビジネスにつきましては、プロ選手を養成する「eスポーツアカデミー」(仮称)の創設や地方チーム、女性リーグの設立を計画するなど、市場拡大を見据えて人材や資金の投入により地固めを行ってまいります。また、環境の変化に対応した組織改革を行うほか、成長分野への集中投資や不採算事業の見直しなど、選択と集中による経営資源の効率的な配分により、事業ポートフォリオの最適化を目指すとともに、企業価値の向上に傾注してまいります。このため、以下の重点施策や当社の強みなどを活かして、持続的な成長に努めてまいります。

(1) 当社の強み

ア. 強力な開発体制

当社は、顧客満足度を高めた魅力的なコンテンツの開発により、毎期ミリオンタイトルを輩出しており、開発体制は厚みを増しています。また、中期的な開発マップに基づき経営資源を家庭用ゲームの開発に傾注するとともに、内作比率の向上により市場ニーズに対応した多様なコンテンツを開発し、競争力を高めてまいります。このため、開発人員の増強および開発環境の整備などを通じて、開発期間の短縮や開発コストの抑制等により収益管理の強化を図るなど、コア・コンピタンス(中核的競争力)である開発体制の拡充に取り組んでおります。

イ. IP(知的財産)を活用したワンコンテンツ・マルチユース展開

当社は、数多くのミリオンタイトルを輩出した結果、豊富なコンテンツ資産を保有しております。これら人気タイトルとのシナジー展開により映画、アニメ、玩具および飲食品などにおいて、認知度の高いゲームキャラクターが各方面で活用されており、ライセンスビジネスによる収益源の多角化は、毎期安定した利益を確保しております。
当社の「モンスターハンター」を題材にしたハリウッド映画の世界公開も予定されておりますが、今後も映画、テレビ等とのメディアミックス展開により、カプコンのブランド価値を高め、バリューチェーン(価値の連鎖)を創出してまいります。

ウ. マルチプラットフォーム展開

プレイステーション 4、Xbox One、Nintendo Switchやパソコンなど、異なるハードの開発ツールを共通化できる当社独自のゲームエンジン(開発統合環境)である「REエンジン」や「MTフレームワーク」を活用して、同じソフトを複数のハードに供給するマルチプラットフォーム展開により売上増大や収益向上に寄与しております。

(2) 情報セキュリティの強化

近年の個人情報管理体制等の重要性に鑑み、情報漏洩の未然防止やEUの「一般データ保護規則(GDPR)」対応など、国内外の様々なサイバーリスクの対策が不可欠です。この一環としてコンピュータウイルスや不正アクセスなど、外部からのサイバー攻撃による情報システムの機能不全や混乱を防ぐため、専門知識を有する人材の確保、育成や社内教育の徹底、定期的なチェックなどにより、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでまいります。

(3) 事業継続性の確保

近年は、台風や地震など大規模な自然災害が全国各地で発生しておりますが、各種の緊急事態が起きた場合において、迅速かつ適切な対応を図ることにより被害、損失や重要業務への影響を最小限に抑えるとともに、早期復旧により事業活動が継続できるよう、危機管理体制の強化を推し進めてまいります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出によりアミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業および在宅勤務によるコンテンツ制作業務への影響が懸念されます。
中でもアミューズメント施設事業におきましては、一定期間の店舗休業による減収が想定されることに加え、アミューズメント機器事業も販売先であるホールオペレーターの営業自粛により需要減退を注視する必要があります。他方、コンテンツ制作業務につきましては、開発プロセスの見直し等、創意工夫や英知を結集して影響の極小化に努めてまいります。
一方、基軸部門のデジタルコンテンツ事業におきましては、近年、積極的に推進してまいりましたデジタル販売が奏功しているため、全世界の小売店が営業自粛の状況下においても継続的な業績貢献が期待されます。
当社としましては、新型コロナウイルスによる事業環境変化に留意しつつ、引き続き強固な経営基盤の構築に注力してまいります。

(4) 人事戦略

(ア)当社のようなゲームソフト会社にとって従業員は、まさに「人財」であり重要な経営資源と認識するとともに、持続的な成長を進めるためには、優秀な人材の育成、確保が不可欠です。このため、部長研修、管理職候補者研修や新人研修などの階層別研修を充実させるとともに、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等により士気の高揚や潜在能力が顕在化できるよう努めております。

(イ)多様な人材を活用するため、ダイバーシティ(多様性)を推進するとともに、性別、国籍、年齢等に関係なく採用、評価等を行っており、先進的かつ独創性のある人材発掘などに注力しております。

(5) 資本政策の基本方針

ア.配当政策

経営指標の一つである連結配当性向は、30%を基本方針としており、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

イ. 自己株式の取得

経営環境の変化や財務内容等を勘案し、株主価値の向上に資すると判断できる場合は、機動的に自己株式の取得を行ってまいります。

ウ.総還元性向

株主還元の度合いを示す総還元性向[(配当金+自己株式取得総額)÷当期純利益]にも留意しており、バランスの取れた資本戦略により市場の信頼獲得に努めてまいります。

(6) 政策保有株式の基本方針

ア.政策保有株式については、継続的取引関係がある企業との関係強化、緊密化を図る一方で、慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除するとともに、将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するかどうかなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案のうえ、最小限に留めており期末現在で3銘柄のみ保有しています。

イ.当該保有株式に関しては、取引内容や取引金額などを参酌するとともに、継続して保有することに伴う便益や株価変動リスクなどを検証しております。この結果、簿価が50%以上下落するなど持続して保有する経済合理性が乏しいと判断した場合は、経済情勢等を勘案のうえ、当該保有先との対話を経て、適切な時期に削減や売却を行います。

ウ.議決権行使については、取引先の経営状況や重大な不祥事などを総合的に勘案のうえ、社内手続きを経て議案ごとに賛否を決定しております。

(7) 株主、機関投資家等との建設的な対話

当社は、経営方針や成長戦略等について理解促進を図るため、毎年、株主や機関投資家などと積極的に対話(面談)を行うとともに、株主、機関投資家、顧客などステークホルダーの皆様のご期待に添うよう努めております。また、統合報告書や当社のウェブサイトなどを通じて株主総会や決算内容等の情報を提供していることに加え、当サイトにおいても最新の情報発信を行うほか、ご要望ご質問などに対して迅速かつ、適切に対応するよう心掛けています。

(8) IR・SR活動

当社は、時勢に先んじてIR・SR活動に注力しており、毎年350件を超える株主や機関投資家の訪問、来訪に加え、トップマネジメントミーティングや決算説明会などを通じて経営方針や財務情報等を語ることにより信頼関係を築き、カプコンファンの増大を図っております。2020年3月期は、外部から主に以下の評価を得ることができました。

統合報告書 GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」に選定
日本経済新聞社「第22回日経アニュアルリポートアウォード」優秀賞
IRサイト 大和インベスター・リレーションズ株式会社
2019年「インターネットIR表彰」最優秀賞
日興アイ・アール株式会社
「2019年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」最優秀サイト
モーニングスター株式会社 ゴメス・コンサルティング事業部
「Gomez IRサイトランキング2019」総合ランキング第2位

(9) ESGの取組み

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)の頭文字を取ったものです。当社は、良き企業市民として社会的責任を果すためESGの観点から環境(LED照明への切り替えによるCO2排出の抑制、取扱説明書などの電子化による紙資源の削減等)、社会(子供達を対象にした出前授業、当社のゲームやeスポーツ事業を活用した地方創生等)および統治(社外取締役比率の向上、女性、外国人を活用したダイバーシティの推進、指名・報酬委員会の設置等)を勘案した経営戦略を推進しており、ステークホルダーの皆様(株主、投資家、顧客、取引先、債権者、従業員、地域社会等)との信頼を構築することにより企業価値の向上に努めております。

カプコンのCSR

(10) SDGsとESGの関係

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連が定めた2016年から2030年までの15年間で世界が達成すべき持続可能な開発目標(17の目標)です。ESGは、現状から改善策を実行するフォア・キャスティング型となっております。これに対して、SDGsは将来から逆算して必要な施策を設定、実施するバック・キャスティング型となっており、環境、経済、社会の3要素から構成され、ESGと関連性も高く包含する側面も有しております。これらは、総花的に取り組むのではなく、当社の事業や実態に応じた活動を進めております。この一環として、デジタル販売促進による廃棄プラスチック(ディスク、包装容器の廃止等)の削減、働きがいのある職場環境(事業所内保育所の設置等)、子供の虐待防止活動への支援(当該団体、施設等への寄付金の支出等)、従業員の健康維持、増進(長時間労働の削減を図るため有給休暇促進策の実施)などを推進しております。

(11) その他企業集団の現況に関する重要な事項

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、在宅勤務等の要請が出されたことに鑑み、従業員や取引先等の感染防止策を一層推進するためおおむね緊急事態宣言期間中はすべての事業所を閉鎖し、全従業員(一部の事業継続要員を除く)を対象に在宅勤務を実施しております。