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経営方針

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2019年7月11日現在

取締役が会社を経営するにあたり、その経営の基礎となる基本方針を掲載しています。基本理念をはじめ、経営指標や配当政策、中長期の経営戦略、対処すべき課題について項目別にご説明いたします。

PDFが開きます 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (PDF: 448KB)(2019年3月期 有価証券報告書より)

1. 経営の基本方針

当社グループは、ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、多くの人に「感動」を与えるソフト開発をメインとする「感性開発企業」を経営理念としております。

また、当社株主、顧客および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めるとともに、共存共栄を基軸とした経営展開を図っております。

2. 目標とする経営指標

事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

経営指標としては利益の確保に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。

また、連結配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

経営計画 - 「中期経営計画」

3. 中長期的な会社の経営戦略

成長シナリオを進めていくためには、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しており、以下の施策により業績の向上に邁進してまいります。

(1) ワンコンテンツ・マルチユース戦略の推進

当社は、「モンスターハンター」、「バイオハザード」および「ストリートファイター」など国内外で大ヒットした人気タイトルを豊富に保有しており、映画、アニメ、文房具、玩具および飲食品など各方面で使用されています。これらのIPを活用した版権ビジネスは、安定した利益が確保できることに加え、成長余力があるため積極的な事業展開を図ってまいります。

(2) セグメントの取組み

ア. デジタルコンテンツ事業

ワールドワイドで不動の地位を築いた「モンスターハンター」や「バイオハザード」、「ストリートファイター」など、当社は、看板タイトルを多数所有しておりますが、マーケティング活動や市場動向に対応した既存顧客の深耕や新規ユーザーの開拓に一層努めてまいります。また、ダウンロード販売が欧米を先駆けとして増大しておりますが、成長著しいアジアでもネットワークインフラの進展に伴い、ダウンロード版の売り上げが伸びております。こうした環境を背景に売り切り型のパッケージ販売以外に利益率が高く、在庫リスクが少ないダウンロード販売を国内外で注力することにより収益向上を目指してまいります。

イ. アミューズメント施設事業

近年、アミューズメント施設は「安・近・短」の身近な娯楽施設として見直されております。こうした環境のもと、「地域一番店」を旗印に一定の集客が見込まれる大型商業施設への出店を中心とした店舗展開を推進するとともに、家庭用ゲームやスマートフォンなどでは味わえない「景品獲得ゲーム」、「写真シール機(プリクラ等)」や「メダルゲーム」などにより、コアユーザーの若者を囲い込むほか、中高年齢者を対象にした「ゲーム無料体験ツアー」の実施や幼児向け「キッズコーナー」の設置等により新規ユーザーの開拓など、広範な利用者の増加に努め、毎期安定した収益を確保してまいります。

ウ. アミューズメント機器事業

パチスロ機部門は、型式試験方法の影響などによる遊技人口の減少や顧客の投資抑制等により市場規模が縮小スパイラルに陥るなど、構造的な変化の波が押し寄せています。こうした環境の影響により同部門は、近年苦戦を強いられていますが、局面打開を図るため組織改革に加え、ユーザー嗜好に対応した商品の開発や業務提携による商品ラインアップの拡充を行うとともに、環境の変化に対応して事業構成を見直すなど、事業の再構築により現状を打破し、回復軌道に乗せてまいります。

(3) eスポーツ事業の取り組み

eスポーツの競技人口は全世界で1億人超となっていますが、国内でも昨年からプロスポーツチームが参加するリーグの立ち上げや大手企業等がスポンサーになる動きが広がるなど、業界の垣根を超えた異業種からの参入等により、急速に盛り上がっております。当社は、長年にわたり米国現地法人を通じて「CAPCOM Pro Tour (カプコンプロツアー)」を開催するなど、eスポーツに関する豊富な経験や運営ノウハウを蓄積しております。このような環境のもと、今年2月に開幕した「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」を皮切りに、米国でも4月に「STREET FIGHTER LEAGUE: Pro-US」(ストリートファイターリーグ)を開幕するなど、経営資源の集中により新規事業の開拓に向けて、中長期的な視点から収益モデルを構築してまいります。

(4) 海外展開の拡大

国内市場の成熟化に伴い成長戦略を推進していくためには、海外市場の開拓が肝要であります。日本のゲームはアニメ、マンガとならんで「クールジャパン(かっこいい日本)」と呼ばれ、海外の若者たちの人気を集めており、今やゲームは世界の共通語となっております。当社は、ハリウッドで映画化された「バイオハザード」や「ストリートファイター」など、海外で人気のあるタイトルを数多く抱えていることに加え、これから成長が見込まれるアジア市場でも『モンスターハンター:ワールド』の大ヒットによりファン層が着実に増大しており、商機の拡大を図るため積極的なグローバル展開により攻勢をかけてまいります。

(5) グループ経営の最適化

グループ全体のパフォーマンスを上げるため、マネジメント機能の強化、情報の共有化や業務の効率化を進めるほか、選択と集中によるスクラップ・アンド・ビルドにより重点分野の集約や不採算事業の縮小、撤退を行います。また、環境の変化に対応したスピード経営により海外現地法人の再編や企業間ネットワークの拡充などを進めるとともに、国内外の関係会社と求心力を高めた事業展開によりカプコングループの最適化を図り、企業価値を高めてまいります。

4. 経営環境および対処すべき課題

当業界は、家庭用ゲームにおいてキャラクターの自然な動きやリアルな描写を表現するため、AI(人工知能)やVR(仮想現実)の導入に加え、高精細なグラフィックの活用など、ハイテク化が進展すると思われます。

こうした情勢のもと、当社は海外での知名度向上やブランド価値の増大など人気ゲームとの相乗効果を創出するため、これまで「ストリートファイター」および「バイオハザード」がハリウッドで映画化されているほか、「モンスターハンター」や「ロックマン」も同じく実写映画化が予定されるなど、世界トップ水準のコンテンツを制作しております。
近年、国内市場が成熟傾向の状況下、持続的成長を図るためには、市場規模が大きい海外売上の一層の拡大が不可欠であります。
このため、海外で人気のあるゲームをはじめ、多様な顧客ニーズに対応した訴求タイトルの開発、販売により顧客満足度の向上や競争力の優位性を確保してまいります。また、急成長のeスポーツ事業では、米国で培った豊富な経験や運営ノウハウの活用に加え、資金や人材の投入など、本格的参入により確固たる地歩を占めてまいります。さらに、成長分野や重点部門に経営資源を注力するほか、既存部門の強化や不採算部門の縮小、撤退を進めるなど、環境の変化に対応して事業の再構築を行い、求心力を高めた事業展開により経営効率アップを目指すとともに、以下の当社の強みを活かした経営戦略や重点施策によりグループ全体の企業価値を高めてまいります。

(1) 当社の強み

ア. 強力な開発体制

当社は、顧客満足度を高めた魅力的なコンテンツの開発により、毎期ミリオンタイトルを輩出しており、開発体制は厚みを増しています。また、中期的な開発マップに基づき経営資源を家庭用ゲームの開発に傾注するとともに、内作比率の向上により市場ニーズに対応した多様なコンテンツを開発し、アドバンテージを築いてまいります。このため、開発人員の増強および開発環境の整備などを通じて、開発期間の短縮や開発コストの抑制等により収益管理の強化を図るなど、コア・コンピタンス(中核的競争力)である開発体制の拡充に取り組んでおります。

イ. 海外で人気のあるタイトルを多数保有

当社は、これまでハリウッドで映画化された「ストリートファイター」や「バイオハザード」など、欧米でヒット作を続出させたことにより、海外で人気のあるブランドタイトルを多数保有しており、世界有数のコンテンツホルダーであります。近年、『モンスターハンター:ワールド』の大ヒットにより海外における当社のプレゼンスは着実に高まっておりますが、「カプコンブランド」を一層浸透させることにより欧米市場のほか、成長著しいアジアでも商機の拡大を目指してまいります。

ウ. IP(知的財産)を活用したワンコンテンツ・マルチユース展開

当社は、数多くのミリオンタイトルを創出した結果、豊富なコンテンツ資産を保有しております。これら人気タイトルとのシナジー展開により映画、アニメ、玩具および飲食品などにおいて、認知度の高いゲームキャラクターが各方面で有効活用されており、ライセンスビジネスによる収益源の多角化は、毎期安定した利益を確保しております。

エ.マルチプラットフォーム展開

プレイステーション 4、Xbox One、Nintendo Switchやパソコンなど、異なるハードの開発ツールを共通化できる当社独自のゲームエンジン(開発統合環境)である「MTフレームワーク」や「REエンジン」を活用して、同じソフトを複数のハードに供給するマルチプラットフォーム展開により売上増大や収益向上に寄与しております。

オ.デジタル戦略の推進

好採算で持続的な利益が見込まれるダウンロード販売が増加していることに加え、デジタルマーケティングによるユーザー動向の調査、分析により多様な反応や属性など、的確な顧客情報の把握が可能となるため、市場ニーズに対応した開発やプロモーション活動により販売の拡大に努めております。

(2) 情報セキュリティの強化

近年の個人情報管理体制の重要性に鑑み、情報漏洩の未然防止やEUの「一般データ保護規則(GDPR)」対応など、国内外の様々なサイバーリスクの対策が不可欠です。この一環としてコンピュータウイルスや不正アクセスなど、外部からのサイバー攻撃による情報システムの機能不全や混乱を防ぐため、専門知識を有する人材の確保、育成や社内教育の徹底、定期的なチェックなどにより、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでまいります。

(3) 事業継続性の確保

近年は、台風や地震など大規模な自然災害が全国各地で発生しておりますが、各種の緊急事態が起きた場合において、迅速かつ適切な対応を図ることにより被害、損失や重要業務への影響を最小限に抑えるとともに、早期復旧により事業活動が継続できるよう、危機管理体制の強化を推し進めてまいります。

(4) 働き方改革の推進

2019年4月から働き方改革関連法が順次施行されるなど、時間外労働の削減等の対応が急務となっております。当社は、ここ数年ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を推進する一環として長時間労働の削減を図るため、有給休暇促進策の実施や安全衛生委員会を毎月開催するなど、従業員の健康維持、増進を図っております。また、事業所内保育所の設置など、子育て支援等により従業員が活躍できる環境づくりを進めるとともに、優秀な人材の確保や活用を図るため、働きがいのある企業風土の醸成に取り組んでまいります。

(5) 人材の育成、確保

当社のようなゲームソフト会社にとって従業員は、まさに「人財」であり重要な経営資源と認識するとともに、持続的な成長を進めるためには、優秀な人材の育成、確保が不可欠であります。このため、部長研修、管理職候補者研修や新人研修などの階層別研修を充実させるとともに、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等により士気の高揚や潜在能力が顕在化できるよう努めております。また、多様な人材を活用するため、ダイバーシティ(多様性)を推進するとともに、性別、国籍、年齢等に関係なく採用、評価等を行っており、先進的かつ独創性のある人材発掘などに努めております。

(6) 資本政策の基本方針

ア.配当政策

経営指標の一つである連結配当性向は、30%を基本方針としており、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

イ. 自己株式の取得

経営環境の変化や財務内容等を勘案し、株主価値の向上に資すると判断できる場合は、機動的に自己株式の取得を行ってまいります。
当期は、株主還元の一環として公開買付けにより2,737,100株を取得いたしました。

ウ.総還元性向

株主還元の度合いを示す総還元性向[(配当金+自己株式取得総額)÷当期純利益]にも留意しており、バランスの取れた資本戦略により市場の信頼獲得に努めてまいります。当期は、上記のとおり自己株式を取得したことにより総還元性向は向上しました。

(7) 政策保有株式の基本方針

ア.政策保有株式については、継続的取引関係がある企業との関係強化、緊密化を図る一方で、慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除するとともに、将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するかどうかなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案のうえ、最小限に留めており期末現在で3銘柄のみ保有しています。

イ.当該保有株式に関しては、取引内容や取引金額などを参酌するとともに、継続して保有することに伴う便益や株価変動リスクなどを検証しております。この結果、簿価が50%以上下落するなど持続して保有する経済合理性が乏しいと判断した場合は、経済情勢等を勘案のうえ、当該保有先との対話を経て、適切な時期に削減や売却を行います。

ウ.議決権行使については、取引先の経営状況や重大な不祥事などを総合的に勘案のうえ、社内手続きを経て議案ごとに賛否を決定しております。

(8) 株主、機関投資家等との建設的な対話

当社は、経営方針や成長戦略等について理解促進を図るため、毎年、株主や機関投資家などと積極的に対話(面談)を行うとともに、株主、機関投資家、顧客などステークホルダーの皆様のご期待に添うよう努めております。また、統合報告書や当社のホームページなどを通じて株主総会や決算内容等の情報を提供していることに加え、「カプコンIRサイト」においても最新の情報発信を行うほか、ご要望ご質問などに対して迅速かつ、適切に対応するよう心掛けています。

(9) IR・SR活動

前項に基づき、IR・SR活動に注力しており、毎年400件を超える株主や国内外の機関投資家の訪問、来訪に加え、トップマネジメントミーティングや決算説明会などを通じて経営方針や財務情報等を語ることにより信頼関係を築き、カプコンファンの増大を図っております。当期は、外部から主に以下の評価を得ることができました。

統合報告書 GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」において、4機関以上の運用機関から高い評価を得た「優れた統合報告書」11社のうちの1社に選定
「第21回日経アニュアルリポートアウォード」優秀賞
IRサイト 日興アイ・アール株式会社「2018年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」総合ランキング第1位
大和インベスター・リレーションズ株式会社 2018年「インターネットIR表彰」最優秀賞

(10) ESGの取組み

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)の頭文字を取ったものです。当社は、良き企業市民として社会的責任を果すためESGの観点から環境(LED照明への切り替えによるCO₂排出の抑制、取扱説明書などの電子化による紙資源の削減等)、社会(子供達を対象にした出前授業、当社のゲームを活用した地方創生等)および統治(社外取締役比率の向上、指名・報酬委員会の設置等)を勘案した経営戦略を推進しており、ステークホルダーの皆様(株主、機関投資家、顧客、取引先、債権者、従業員、地域社会等)との信頼を構築することにより企業価値の向上に努めております。

カプコンのCSR

(11) コーポレート・ガバナンスの取組み

当社は、ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、人々に感動を与える「感性開発企業」を基本理念とし、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。また、経営の健全性や透明性を高めるため、任意の指名・報酬委員会およびコンプライアンス委員会を設置するなど、ガバナンスが機能する組織体制を構築することによりリスクの回避や不祥事の防止に努めております。一方で、成長戦略を推し進めるため、成長分野への投資や提携戦略、M&Aなど、積極果敢に機動的な事業展開を行ってまいります。