INTERVIEW, TOPICS, タイトル特集

2023年12月20日

タイトルアップデート第3弾リリースまであと少し!「EXOPRIMAL」SE・ボイス制作インタビュー➀

こんにちは、タンタンです! 今回はタイトルアップデート第3弾 のリリースを2024年 1/18(木)に控える、「EXOPRIMAL」のSE・ボイス制作の裏側について、全2回に渡りインタビューをお届けします!

今回はサウンドディレクターの神田さん、リードサウンドデザイナーの宇野さん、サウンドデザイナーの鉢迫さん、三上さん、渡邊さん、東海林さん、ライさん、大野さん、サウンドプログラマーの夏苅さんにSE・ボイス面でのお話を伺いました。 上段左から、神田、宇野、大野、東海林、ライ
下段左から、鉢迫、渡邊、三上、夏苅(敬称略)
(東京開発:神田、宇野、大野、ライ、東海林、渡邊、三上、夏苅)
(大阪開発:鉢迫)

東京拠点メインのサウンド開発体制

タンタン
それでは早速、サウンドディレクターである神田さんにお話を伺っていきたいと思います!まずは開発体制について伺いたいのですが、メンバーを拝見すると東京拠点の方が多いようなのですが、サウンドについては東京拠点をメインに制作されたのでしょうか?
神田
はい、カプコンというと大阪のイメージが強いかと思いますが、本タイトルのサウンドは東京主幹で制作にあたっており、タイトル作業のほとんどは東京側の開発環境や、 2つの完備された7.1.4chのイマーシブスタジオ にて制作されています。

実は、プログラマー、企画、グラフィックデザイナーと大勢の開発の仲間が東京におり、開発チームそのものは東阪連合です。我々カプコンサウンドチームも東阪にあり、サウンドの開発のピークは、大阪から強力なコンポーザーや凄腕のサウンドデザイナーが合流してくれて 東阪一丸 となって開発にあたりました。認知UPを願い、「東京にもカプコンあるぞ」の宣伝です(笑)よろしくお願いします。

「テクノロジー」と「肉体」が対峙する構図をブーストする

タンタン
次にサウンドコンセプトについて伺わせてください!前回のBGM編ではサウンドコンセプトのキーワードとして、「マッシヴ&オーバー」「相反するコントラスト」というものが上げられていましたが、SEやボイス制作においてこれらのキーワードをどのように表現に落とし込んでいったのでしょうか!?
神田
はい、正確には「マッシヴ&オーバー」という言葉は、ゲームデザインコンセプトで、これは巨大・大量・重い、それらがさらに大仰・度を超えているというようなプレイ体験に求めるフィールをキーワードにしたものですが、サウンドでそれを体現する為に、あらゆる 「コントラストを描く」 ことで 「テクノロジー」と「肉体」が対峙する構図 をブーストし、ならではの体験を生み出そうと試みました。コントラストを交差させ強調し描くことや、コントラストの対象同士を同じ時間軸で同時に内包してしまうことで混沌とした音像の中から新しい音ざわりを生み出そうと掲げたテーマでした。DJプレイに例えると分かりやすいかもしれませんが、ブレイクからの流れが大きいインパクトを生んだり、マッシュアップMIXのような 違うジャンル同士の共存が新しいサウンドに聞こえたり、喧嘩しているのに勢いがある。 あのフィールです。

これらをサウンドデザイン面では、恐竜には肉体表現を求め、リヴァイアサンには機械的な表現をさらには、恐竜は動で、リヴァイアサンは静、カットシーンでは仲間のクルーは動で、プレイヤーは静。恐竜はフォトリアルで、エグゾスーツはアイコニック、ウォーゲームの導線、導入は深海にいるような静寂をメンタルとして表現し、バトルをフィジカルなものとしてとらえ、再び帰還してくるホームでは静に。カットシーンもバトルの張りつめた非日常への対比として、生活感を感じさせるように多くのシーンを描いています。このように あらゆるところに対比を配置して 表現を試みています。

神田
本ゲームは単純な対峙でなく「AIと恐竜」と「人間の戦い」の物語なので、プレイヤーの皆さん「人間=エグゾスーツ」のサウンドデザインはこれら対比をつなぐ、 両方を併せ持つ存在 として描いています。 (メカニカルな外骨格、近未来武器各種、に対して内部は筋繊維や血流のような流体を彷彿とさせる要素など) このような感じで、サウンドデザイナーそれぞれの解釈や個性はありますが、基本的にこういったことをテーマルールに、対峙や、対比対象が合わさった時の表現をディレクションの「ひとつのものさし」として世界観を構築していきました。「マッシヴ&オーバー」というワードは対比となる状況がないと、それになり得ないからです。

タンタン
なるほど~!SEやボイスにおいて、コンセプトはそうやって絡んでくるのですね!

オーガニックではなく、無果汁メロンソーダ!?

タンタン
続いてはリードサウンドデザイナーとしてSEを監修された宇野さんにお話を伺いたいと思います!SEの制作をリードするにあたってこれらのサウンドコンセプトはどのように意識されたのでしょうか?
宇野
ゲーム自体の特徴でもある情報量の多さ、それに起因する鳴らすべき音の多さ、音楽もSEも「マッシヴ&オーバー」に、というリクエストにどう答えるか?常に飽和状態の中でどう伝わる音にするか?ということに苦心しました。

まず 「エグゾファイターたちがいる世界を彩る音とはどういうものか?」 についてお伝えします。彼らのいる世界は全ての物事が過酷で過剰であるとともに、急に空から大量の恐竜の雨が降ってきたりと、ある種突き抜けたバカバカしさ、カオス感もあるわけです。動力の背景となるエネルギーやテクノロジーも、リアリティはありますが我々の世界とは違うものですし、現実世界のリアルな音をそのまま表現しても彼らの世界では物足りなく感じてしまいます。そのため、いかにリアルで現実の音に近づけるかというよりも 彼らの世界における説得力、誇張やユニークさ を重要視しました。 オーガニックというよりはケミカル感、 わざとらしいメロン味がする毒々しい緑色のメロンソーダ みたいな(笑)。無果汁なのに、見た目や香り、ネーミングや幼少期からのすり込みが組み合わさることで、感覚が「メロン味」と認識するんですよね。音もそれと同様に、ビジュアルや手ごたえ、すり込み等、様々な要素が組み合わさった時に、感覚として本物の音よりも 「それらしく聞こえる音」 を目指しました。

バイオハザードシリーズを担当していたサウンドデザイナーにも加入してもらったのですが、最初にサウンドデザインの方向性を説明するためにバイオハザードが天然素材にこだわった無化調ラーメンだとすると、「EXOPRIMAL」は「背脂たっぷり、味濃いめ、麺固め、ニンニクマシマシみたいなラーメンです」というような話をするとすぐに方向性を理解してくれました(笑)。

宇野
ただ、「マッシヴ&オーバー」を目指してそれぞれの音を派手にするだけでは音がインフレして破綻してしまいます。そこでもう一つの 「相反するコントラスト」 というコンセプトが重要になってきます「アタッカー/タンク/サポート」といったエグゾスーツの役割、それぞれの武器、通常恐竜とネオソー、ミッションのオブジェクトなど全ての領域においてそれぞれの差別化を突き詰めることでコントラストを浮き彫りにすることを意識しました。

これは世界観やビジュアルの表現に合致した音を作るということのみならず、ゲームプレイの中で音がユーザーに状況や情報を伝える機能や役割の面にも寄与します。「マッシヴ&オーバー」と「相反するコントラスト」この二つが主軸としてあることで過剰で混沌とした世界の中で サウンドデザインがどう進むべきかを照らす灯台 になったと思います。

タンタン
オーガニックというよりはケミカル感…なんとなくタンタンにも分かる気がします!

音の「ストーリー」と「リズム」

タンタン
サウンドコンセプトについてお話がありましたが、本ゲームの目玉であるエグゾスーツや恐竜の制作ではこの2つのキーワードについてどう意識されたのか?それぞれ伺っていきたいと思います!まずはエグゾスーツの「マッシヴ&オーバー」について意識したポイントを教えてください!
宇野
エグゾスーツにおいては、 アクションの気持ち良さや手応え、音の迫力やインパクト を表現するという所が「マッシヴ&オーバー」というコンセプトに紐づく部分になりますが、エグゾスーツの音単体で聴くと「マッシヴ&オーバー」な音でもゲームプレイの中で聴くと全然目立たない、わかりにくいということが度々ありました。監修の際はよく 「自分の思っている1.5~2倍くらい大袈裟に音を作ってください」 と言っていましたね。

あとは、 見た目にこだわりすぎないで作って欲しい とも良く言っていました。エフェクトに合わせるとビリビリ系などがやっぱり多くなってきてしまうので、同じような音になりがちですし いかに変わった音や印象に残る音をプラスαするか、 というところにはこだわっていました。たとえばニンバスの攻撃銃への切り替えなんかは、動きや見た目だけでは絶対あんな変わった音にならないのですが、まあ面白いからいいかと(笑)。

大野
エグゾスーツの制作においては音の 「ストーリー」 を大事にしました。先ほど宇野さんが仰ったとおり、単体で聞いたら「気持ちいい!かっこいい!」といった印象の音を作ってもゲームに入って同じ印象を受けるとは限りません。特に音数の多いタイトルなので、音のONとOFF、つまり音の中でも 主張する部分とあまり主張しない部分 を整理するという考え方は必要不可欠になってきます。

そこで一つの音の中にも「ストーリー」を考えて制作することで、どこでインパクトを付け、どこで静かになるかが明確になるよう構成しています。それにより、「マッシヴ&オーバー」なフィーリングであるインパクトが伝わり易くなるよう心がけました。

宇野
「ストーリー」という点については、エグゾスーツに限らずSE制作の一つの指針になっていた部分でもあります。たとえばデッドアイのグレネード発射音などは1~2秒の短い音ですが、良く聞くと 「カチッ!」という機構の音→「ドッ!」という射出のインパクト→「シューン…」という飛んでいく音 という順番になっています。

またそれぞれの周波数も順番に 「高→低→高」 と違う帯域を使う音で構成されています。フレーム単位のほんの差でもタイミングをずらすことでそれぞれの素材の良さが活かされて、 劇的にディティールが認識しやすくなる ことがあります。これらはマスキング (大きい音や周波数の差によって前後の小さな音が聞こえなくなったりする現象) を回避する意味合いもあります。

大野
その「ストーリー」の中でも、映像と合わせた時の、音の 「リズム」 も大切にしていたポイントです。例えば、ムラサメのオーバードライブ「明鏡止水」では、前述のリズム感を優先して、 あえて動きと音を少しずらしています。

音の構成としては、 「カチャッ!」という刀を抜く音→「ブンッ!」という爆速で駆け抜ける音→「ジャキジャキ!」という切り刻む音→少し落ち着いて納刀する という一連の中にインパクトと間を含む、 ストーリーを持ったデザイン を意識して構成していますが、その上で、この一連の音とムラサメの動きとの同期よりも音の「リズム」を優先して、切り刻むインパクトが鳴る時間を実際の描画よりも長く取って気持ちよさをプッシュしたり、動きに対して、あえて音が少し遅れて聞こえるようにすることで、音よりも早く動いているというように印象づけ、技の強力さや速さを表現しています。

タンタン
なるほど…!「EXOPRIMAL」といえばコンセプト通り「ド派手」なイメージですが、その裏側にこういったテクニックが隠されているのですね!
三上
スーツ自体の音作りそのものではない部分でも、「マッシヴ&オーバー」なプレイヤーの手応え、気持ち良さという部分を後押しする為の取り組みをしています。

その取り組みの一つとして、ラプトル系の群れ恐竜に攻撃が当たった際に鳴る ダメージボイス を、攻撃が当たった体数によって鳴らし分けるという制御を行っています。これに関しても、音の一番聞こえる部分を少し後ろ目にデザインしてリアクションとして伝わりやすくするなど、 見た目や攻撃音などと合わさった時の「ストーリー」や「リズム」 は意識して制作していますね。

この仕組みによって時には 1000体ほど登場する大量の群れ恐竜 を、スキルを使って一掃する気持ち良さを後押し出来たかなと思っています。

ただ、一口に体数で鳴らし分けるといってもこの仕組みを作るのがかなり大変で…(笑)。細かいですが、プログラマーと何度も話しあってやっと実現出来た苦労した部分です。音作り以外の部分でもこういったことを積み重ねて、 「EXOPRIMALならでは」 のゲームスタイルに合った気持ち良さを表現しています。

▼体数ごとに分かれているラプトルのダメージボイス

タンタン
音作り以外の部分でも細やかな仕掛けが施されているのですね!

「何かヤバい奴がいる!」という印象を与えたかった

タンタン
では引き続いて恐竜の「マッシヴ&オーバー」について意識したポイントを伺いたいと思います!
渡邊
「マッシヴ&オーバー」というキーワードについて、迫力やインパクトのある音という点はエグゾスーツとも共通していますが、タイトル立ち上げ当初、恐竜は リアルな質感の音 を基調に制作を進めていました。しかし、開発が進んでゲームの全体像が見えてきた時に、 エグゾスーツが乱戦を繰り広げる中で、恐竜の音が埋もれてしまいがちになってしまったんです。

そこで、求めていた「マッシヴ&オーバー」のイメージに合わせるため神田さんや宇野さんとも相談しながらリアルで迫力がある音というだけではなく、エグゾスーツのようにある程度 「誇張した要素」 も含ませる形で調整していきました。 特に ネオソー はそこを意識して制作しましたね。

渡邊
その誇張した要素のことを、チーム内では 「アイコニック」 と呼んでいます。ネオソーは通常の恐竜と比べて、より多くのアイコニックな要素を盛り込んでいるのですが、通常の恐竜とは違ったアイコニックさを出すために、ネオソーの世界観設定に着目しました。

ネオソーとは、恐竜がボルテックスから時空を超えて出現する際に、不安定なエネルギーに高い含有量で浸食された、ドロドロとした油状のものを纏った変異個体です。この設定からサウンドでは 「何かヤバい奴がいる!」 という印象を与えたいと思ったんです。

その発想から、動作音や足音にドロドロとした泥やスライムの様な音を混ぜたり、咆哮する際に、喉の奥に絡まった液体がプルプルと震える様なデザインにして 「狂気、不気味さ」 という方向性をベースに、通常の恐竜とのバランス感を調整しつつ制作しています。

また、彼らの特徴として、炎や氷、レーザーといった特殊能力を有しています。これらの 特殊能力によるアクションがネオソーの大きな個性 となっているので、各ネオソーの象徴となるような、印象に残りやすい音をつけています。

例えば、ネオ・ティラノサウルスというキャラクターでは、ドライアイスと金属を共鳴させた金属の軋みや響きの音を収録し、レーザーやブレスのアクションの効果音に織り交ぜることで、 ユニークさとある種の違和感 を表現しています。こういった取り組みによって、 乱戦の中でも埋もれないインパクトや迫力 を表現しています。

▼ネオ・ティラノサウルスのレーザー攻撃音の素材収録風景

▼収録した素材を使用して、完成したレーザー攻撃音

タンタン
すごい音!確かに違和感を感じる音で印象的ですね…!

エグゾスーツは「機械と肉体の狭間の存在」

タンタン
それでは続いて「コントラスト」というキーワードについてエグゾスーツの制作ではどう意識されたのでしょうか?
大野
コントラストの文脈で言うと、エグゾスーツは 「機械と肉体の狭間の存在」 とサウンドでは定義していました。相反する要素がぶつかり合うという「EXOPRIMAL」の世界観の中では、どちらにも属さない 異質な存在 になるのですが、その部分を所々で印象付けることで存在をより際立たせたいと考えました。

その為、近未来のテクノロジーを使ったスーツではあるのですが、「機械」の部分だけではなく 「肉体」の部分 も表現として盛り込んでいます。例えば、エグゾスーツを変えるアクションの音に、内部からあふれる液体や 人工筋肉を表現する生々しい音 を強調して制作したり、動く時に鳴る動作音に、スーツ自体の「ガチャガチャ」した音と合わせて、 人工筋肉が収縮する際の軋み音 も鳴らしています。

大野
また、コントラストというキーワードに紐づく工夫はSEだけでなく、エグゾスーツのボイス表現にも盛り込んでいます。「機械」の部分は人工物であることを印象付けるエフェクトをボイスにかけることで表現し、「肉体」の部分はあえて 「人間らしさ」 を活かしたボイスにすることで表現しています。

「人間らしさ」を活かしたという部分は一見当たり前のように聞こえますが、 本作ではリヴァイアサンという人工知能が存在するため、無機質でデジタルなキャラクターとは反したポジションにしたかったんです。 その為、機械だけどそれぞれが個性と感情を持つものとして、ボイス収録の際の演技プランも組み立てています。エグゾスーツごとに個性を持った、ユニークなボイスが入ることでよりキャラクターに愛着が湧きカプコンらしさも取り入れたデザインになったと思います。

タンタン
確かにエグゾスーツそれぞれにキャラクター性があり、愛着が湧くものになっていますね!

肉体としての息遣い血肉通う生き物を感じるデザイン

タンタン
「コントラスト」というキーワードについて、こちらも引き続き恐竜について伺いたいと思います!
鉢迫
強大なパワーという点に関してエグゾスーツと恐竜は同じではあるものの、近未来の機械が多く登場し、リヴァイアサンが支配する「EXOPRIMAL」の世界観の中で、「機械」と「肉体」のコントラストの正に 「肉体」 に当たる部分なので、 肉体としての息遣い血肉通う生き物を感じるデザイン を意識して恐竜たちの効果音を制作していました。

その中でも、恐竜の声はゲームでのアクションのわかりやすさが重視されるため、 リアルだけではない、少し異質さのある特徴的な素材 を利用した音を実際に収録しています。

例えば、 ステゴサウルス はプレイヤーをスローにする攻撃の際、背びれを振るわせてアピールするのですが、その時の効果音として 木の板を引きずる時に出る振動音 を使って背びれの揺れを表現しました。それと合わせて、要所に呼吸音を感じる素材を入れたり、頭や首などの骨格による音の響き方、音程、口角や喉の皮膚など、まさに 生き物を感じて貰えるようなディティール の部分も意識しています。また、 カルノタウルス の声には顎の皮膚の揺れに、プラスティックバインダーを捲る音や金属を引っ掻く音などを混ぜ、声のテンションや肺からの大量の空気が喉、口角を伝わって発せられる声の勢いを表現しました。

渡邊
今鉢迫さんがご紹介くださった恐竜以外でも、恐竜は 色々な素材の音 を収録して制作しています。

アンキロサウルス は、普通の動作音とは別に、体を強く動かして甲殻と甲殻が擦れる様な分かりやすい「メキメキ」音が欲しかったので、 木の板やプラスチックを壊したり、セロリや太い春雨をしならせた音 を収録し、その音をベースに攻撃する直前などの予兆音を作ったりしています。

他には、 ディロフォサウルス は、口から毒煙を頻繁に吐き出す恐竜なので、喉を意識した音を収録しました。毒を口内で溜める時は、 うがいのブクブクや咀嚼音、 襟をパタパタする時は 革服のはためきとおもちゃのガラガラ を混ぜ、 吐き出す時は果物をかじり付いたり握り潰す「ベチャッ」とした音を収録して使用しています。

▼カルノタウルスの鳴き声の完成版

▼ステゴサウルスの咆哮時のボイスとSEの完成版

▼アンキロサウルスの動作音の完成版

▼ディロフォサウルスの威嚇音、毒を吐き出す音の完成版

タンタン
プラスティックバインダーやうがいの「ブクブク音」…色々なアイデアの音を実際に鳴らして、その音から恐竜の音は作られているのですね!
三上
血肉通う生き物を感じるデザインという観点でいうと、環境音もその点にこだわりを持って制作しています。ロケーションに合った素材を揃える為タイトル開発序盤で背景班のロケ取材にサウンドも同行し、ビキトア島のモデルとなった場所の 現地の鳥などの生き物の鳴き声や環境の音 を収録しに行きました。
神田
ブームマイクやDPAのサラウンドマイクを用い、ステージの表現に必要なロケーションを求めて、様々な場所で撮影や環境音、効果音を収音しましたがサウンドの僕らは重たい機材と、高い湿度の中、なかなかに過酷なロケで…(笑)。ただ、自分達がその場に実際におもむき、その雰囲気や、そこで鳴っている音を直に感じることは、ロケーションをサウンドで表現する上でも生きていて価値のある取り組みだと感じています。
ライ
「EXOPRIMAL」は近未来の施設や街というロケーションが多いのですが、自然音が必要なステージでは出来るだけ 忠実に再現 するために、可能な限りその時に収録した音を使用しています。今後配信されるステージでもふんだんに使用しているのでぜひ聞いてみてください。
タンタン
細かい所にも世界観を表現するためのこだわりが詰まっているのですね!どこに使われているのか想像しながらプレイしたいと思います!
 

今回は「コンセプトがどうSEやボイスの制作に反映されているのか?」 といった部分をインタビューして参りました!
次回もぜひお楽しみに~!