2013年1月21日
エクストルーパーズ
発売記念サウンドスタッフインタビュー! Vol.2
エクストルーパーズ』発売記念特集Vol.2!
ゲームサウンドは面白い!ゲームサウンドには夢がある!そうに決まっている!
『エクストルーパーズ』 に込めたカプコンサウンドのメッセージとは!?(^ω^)
今回はDJサンドウがセルフインタビュー!
コンポーザー北川保昌との対談形式でお届けいたします!
- お待ちかねのエクストルーパーズ特集!2回目だよ♪ どうぞ~!
3DS版に関しては史上最大音量を目指したんですよね!
なんてったって音楽がテクノ、クラブミュージックですからリズムマシーンのキック 「ドン!ドン!」ってのが空気を揺らさないと意味ないワケですよ!
- サンドウ
- どうも!では!改めて自己紹介を!宝塚歌劇大好きDJサンドウです。石田昌也先生の作品に何回人生を救われたことか! 西村耕次先生の楽曲は素晴らしい!「DJ」とは、大好き(D)瀬奈じゅん様(J)の略です!瀬奈様ご結婚おめでとうございます!エクストルーパーズでの私の肩書きはサウンドディレクターです。よろしくお願いします!
- 北川
- カプコンの北川景子さんこと北川保昌です。コンポーザーです。コンポーザーとは曲を作る人のことです。
- サンドウ
- ということで!更にお話を続けましょう!
- 北川
- こだわりとして、3DS版に関しては史上最大音量を目指したんですよね!
- サンドウ
- そう!音を出せない通勤電車とかならヘッドフォンでプレイされると思うんですけど、音を出せる状況でプレイする場合はスピーカーから鳴らしたいですし、大きな音を出したいじゃないですか!
- 北川
- 発売中の3DSのソフトを目いっぱい掻き集めてきて、全部の音量を測定したんです。
これは小さい、これが平均値だからこれが基準?これは大きいけど最大ボリュームにするとスピーカーがビビって割れてるね、とか。 - サンドウ
- いくら音が大きくても、スピーカーがビビって割れるのはさすがにマズイんで、
もう、何回やり直したか分からないってくらい、少しでも美しく鳴らせる状態で音を大きくする努力をしました! - 北川
- なんてったって音楽がテクノ、クラブミュージックですからリズムマシーンのキックの「ドン!ドン!ドン!ドン!」ってのが空気を揺らさないと意味ないワケですよ!
- サンドウ
- いや~、これに関しては途中から意地になったっていうか(笑)
まだ上げれるよ!ここの周波数カットしたらまだBGMいける!
この部分だけSEを下げたら、ボイスをガッと!出せるので体感的にはデカく感じる!あきらめたらそこでゲームセットですよ!とかね、大声が飛び交っていました!本当に燃えましたよ! - 北川
- 最大音量にこだわった男達(笑)ドラマ化出来ますね!
- サンドウ
- キャラクター性を前面に打ち出したゲームなんで、もちろん一番目立たせるべきは豪華声優陣によるボイスなんです。それが快適に聞こえないとなんの意味もない!
その為に、ボイスを鳴らしている最中は回りで鳴っているBGMやSEのボリュームを下げております。いわゆる「ダッキング」ってやつですね。 - 北川
- もちろんそれらのをボリュームをリアルタイムでコントロールしているんです。ゲームは映画と違ってインタラクティブなメディア!いつBGMのどの部分に重なってボイスが鳴るか分からないんです!
もちろんボイスが鳴っていない時にBGMや迫力ある演出のSEの音量が小さいとこれまた意味がないワケで!
- サンドウ
- 更に踏み込んで説明すると、エクストルーパーズというゲームの「遊びの部分のゲーム性」ってことだけに絞って簡潔に表すと
「プレイヤーが弾を撃って敵を倒すゲーム」
と言えると思うんです。つまりプレイヤーキャラクターが武器を発砲した時の音というのが、エクストルーパーズというゲームにおいて、かなり重要なSEとなるワケですね。
インタラクティブ性という面から説明しますと、「敵を倒す為に、弾を撃ちたいからボタンを押したら弾が出た」ということです。この弾が出る音=発砲音は絶対に聞かせたい!聞かせたいけど!ただ単に音量を上げるとボイスに勝ってしまう!というワケで「武器を発砲する一瞬だけ」回りの音を下げるワケです。
ここまでは分かりますかね? - 北川
- 分かるんじゃないですかね!
- サンドウ
- 続けます!しかし同じ発砲SEでも、味方キャラクターや敵キャラクターが撃った音というのは、ゲーム性から考えてもそこまで重要ではないワケです。つまりプレイヤーが発砲した時以外は下げないワケです。
同じように「自分が敵に攻撃をヒットさせた時」は聞かせたい!
「自分が敵から攻撃を受けた時」は音はあまり立たせたくない!
ので同様の仕組みを入れております。例えばショットガンという武器がゲームに登場します。
我々サウンドデザイナーはショットガンという武器がゲームに出ます、という企画が立ち上がると、当たり前ですが「ショットガンの発砲SE」を制作するのです。
でも!1つ「バキュン!」という音が出来ました!やったー!おしまい!ではないのですね。
ここから鳴らし方、聞かせ方の仕組みを考える段階に入ります!
ちなみに鳴らし方には「正解」というモノはありません。
いかにそのゲームに合った鳴らし方を構築出来るかが毎回の勝負です。エクストルーパーズにおきましては、ショットガンという武器の発砲SEの鳴らし方を、撃つ人や状況によって7パターンのバリエーションを持っています。
残念ながら詳細は秘密です!というワケで長々と喋ってしまいましたが、
もちろんボイスや発砲SEは重要ですが、
全てはゲームをトータルでみた時のバランスなんですけどね! - 北川
- バランスにこだわった男達(笑)映画化出来ますね!
そうそう!今回は音のデフォルメやリアリティを追求する為に取材ロケにも出ましたよね! - サンドウ
- ですね!やっぱり実際に経験しないとリアルを感じることは出来ないですからね!
「リアリティ」や「デフォルメ」を表現するには
リアルを知っていた方がより説得力は上がると思います!なんの世界でも一緒なんでしょうね~。。。
そう!例えば「料理」は結構「サウンド」と似ていると思いますよ!本物を知った上でこそ出来る代用品での味や食感の再現とかね!我々はほとんど毎日パソコンの前で作業をしているんですけど、事件は会議室で起こっているんじゃない!(以下省略)ということでロケに出たのはホントに有意義でしたよ!
- 北川
- 再現VTRを作ったので、ちょっと見てもらいましょ~!
- サンドウ
- 上のロケ再現VTRの結果生まれたアイデアをゲームに反映したのが下の動画の演出ですね!「リアリティ」や「デフォルメ」がよく伝わるのではないでしょうか!
- 北川
- 曲のアイデアも色々なところからインスパイアを受けました!シンセサイザーに愛を感じております!
BGMギャラリーを、よくあるただのサウンドテストには絶対したくなかった!これは苦労しましたね!先ずゲームサウンド制作のセオリーをかなり無視していますから(笑)力技でめちゃめちゃしています!
- 北川
- ゲーム中で集めたメダルで、好きなBGMを購入!
それをジュークボックスのように聴ける
「WIZのBGM ギャラリー」っていうのがあるんですね。
これをですね!私はよくある!ただ単に!BGMを再生させるだけの!
サウンドテストには!絶対したくなかったんです! - サンドウ
- ですよね!ここは何か仕掛けたいなと!色々考えましたね!
- 北川
- 先ずBGM再生中にユーザーさんが任意で、
高音をカットしたり、低音をカット出来る仕組みをいれました!
いわゆる、ハイパスフィルター、ローパスフィルターってやつです。
クラブでDJがミキサーで行う操作のイメージです!3DS版では Yボタンを押しながら+(十字ボタン)の上下
PS3版では □ボタンを押しながら+(方向キー)の上下で操作出来ます!あっという間にあなたもDJです!
これ説明書にも攻略本にも載せてないですから!
究極の隠し要素ですね! - サンドウ
- そしてその「WIZのBGM ギャラリー」で任意のBGMを鳴らしっぱなしで、その場から離れベースに戻ると!なんと!広いホールのような形状のベースで実際に音楽を鳴らしているような臨場感で鳴り続けます!
- サンドウ
- これは苦労しましたね!先ずゲームサウンド制作のセオリーをかなり無視していますから(笑)詳しくは言えませんが!力技でめちゃめちゃしています。
- 北川
- ですね!
そうそう!ホールでの響きに関しては研究もしましたね!
爆音で鳴らしたら一体どんな感じで響くのかを身体で感じる為に
ロケにも出ました!
- 北川
- 演奏出来るオマケ要素もつけたんですよね!ドラムの音や、SEや、ボイスをBGMに重ねて鳴らして演奏出来るという!
3DS版では
Lボタンでバスドラム、Rボタンでスネアを再生。
Yボタンを押しながら(Y、B同時押しで選択降順)
+(十字ボタン)の左で音選択、右でシンバル、SE、ボイス等を再生。PS3版では
L1ボタンでバスドラム、R1ボタンでスネアを再生。
□ボタンを押しながら(□、×同時押しで選択降順)
+(方向キー)の左で音選択、右でシンバル、SE、ボイス等を再生。という仕様になっております!
はい!これも説明書や攻略本には一切載せておりません! - サンドウ
- 究極の遊びゴコロ!色々楽しみ方はあると思いますが、
例として皆で楽しく演奏している様子をご覧くださいませ!
- 2人
- 是非皆様でエクストルーパーズの新しい遊びを発見してください!
いかがでしたか?エクストルーパーズ特集2回目。更に!まだまだ続きますよ!