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2022年4月18日

『モンスターハンター ライダーズ』サウンドインタビュー

こんにちは、タンタンです! 2022年2月19日で配信2周年を迎えた、Android/iOS用RPG『モンスターハンター ライダーズ』。 今回は2周年を記念し、『モンスターハンター ライダーズ』サウンドの裏側について、サウンドディレクターの黒岩理加さん、コンポーザーの茅根美和子さんにお話を聞いていきたいと思います!

 ▲左から黒岩理加さん、茅根美和子さん。今回はリモートでお話を伺いました!

「ああ、これこれ!これがモンハンだわ」と思ってもらう音作り

タンタン
早速ですが『モンスターハンター ライダーズ』のサウンドコンセプトって何でしょうか?
黒岩
『モンスターハンターシリーズ』を楽しんだことのあるユーザーさんに「ああ、これこれ!懐かしい!これがモンハンだわ」と思ってもらう音作りを目指したことです。人によって「モンスターハンターのサウンドといえばこれ!」というのは違うと思いますが、『モンスターハンター ライダーズ』では、『モンスターハンターポータブル』ぐらいから『モンスターハンタークロス』をプレイしたことのある人が「ああ、これこれ!」と思ってもらえるような音を入れる事を目指しました。例えば、「龍天災」というコンテンツの時に流れる戦闘曲がありますが、この曲は「このモンスターならこれ!」と思い浮かべるようなBGMを再生するようにしています。ですから、実はモンスターハンターポータブルシリーズ以降一度も使われることのなかった「幻の某モンスターのBGM」もあえて復活させて使ったりしています。
タンタン
おお!昔からプレイしていた人は嬉しかったのではないでしょうか?!BGM以外にも他に工夫した点はありますか?
黒岩
『モンスターハンター ライダーズ』では、バトルを何度もプレイする人の中には、自動でバトルが進むようにしてスマホを放置しておいておくという方もいると思います。そういう人たちのため、画面を見なくても音だけで状況がわかるようにしています。バフ・デバフなどのステータスや状態異常などにはSEをしっかり鳴らすのもその一つです。また、長時間同じ音や音楽が流れていても、疲れないようなサウンドを目指して作っていますね。
タンタン
色々なユーザーさんに楽しんでもらえるサウンドづくりっていいですね

テーマ曲は前向きでありながらも様々な感情が込められた曲です

タンタン
次は、BGMのことについてコンポーザーの茅根さんに聞いてみたいと思います。 ゲームが始まって早速流れる曲がタンタンとっても好きなのです!モンハンって感じがしながらもどこか王道のRPG要素を感じる曲ですね! どういった気持ちで作曲されたんですか。
茅根
コンポーザーの茅根です。仰る通り、モンスターハンターの音楽的系譜に則りながらも今回のゲームに合わせて JRPG的な要素やエモーショナルな音楽性を取り入れています。 基本的には、どんな時も前向きに冒険し、戦いに挑むキャラクター達のひたむきさや、その生き様の美しさを意識して作曲しています。 また、ネタバレになるので詳しくは割愛しますが、ゲーム内ではシリアスな場面もあったりするので、ストーリーの展開を匂わせるように少し切ない要素も含ませました。 テーマ曲のフレーズをアレンジした曲ですので、どこにテーマフレーズが隠されているのか探していただけたら嬉しいです。
タンタン
前向きでありながらも様々な感情が込められた一曲なのですね!お二人に質問ですが、お気に入りの曲とかありますか?
茅根
一番と言えばやはりテーマ曲でしょうか。音楽の指針となる非常に重要な楽曲なので、かなり気合を入れて制作しました。基本的にはホーム画面曲と同じく冒険感やひたむきさ、エモーショナルさを意識しています。テーマとなるフレーズが出来た時は「きたー!これだー!」と小躍りした記憶があります(笑)

▲メインテーマ

黒岩
私もテーマ曲はテーマ曲なんですけど、コラボ開催中に流れるホーム画面曲の曲ですね。あの曲を聴くとなんだかとっても心が洗われる気がするんです。ちょっと感傷的になるというか、勝手な想像ですが、この曲は秋の曲だなと思っています。 メインの通常流れるホーム画面の曲が「春」。夏のシーズンの画面の曲は「夏」、そしてこの曲が「秋」で、ホリデーシーズンに流れる曲が「冬」。そんな感じでホーム画面の四季シリーズだなと、勝手に思っています(笑)。 ちなみに、2月28日に完結したエピローグストーリーでは、この黒岩おすすめの曲をメインに使ってサウンドの演出しています。

▲ホーム画面で流れる通常曲

タンタン
お二人ともおすすめがテーマ曲なんですね。そういえば、サントラって発売されてますよね?
茅根
サントラは昨年1周年を記念して発売されております!関わってくださったコンポーザーさんの方々のコメント付きでカプストーン内に掲載していますので、よろしければ見て、聴いてみてくださいね。

イベントストーリーは公式youtubeチャンネルで一挙配信中!

タンタン
SEやボイスについて、サウンドディレクターの黒岩さんにお話し伺います。 最初のタップしたときの音が、懐かしいモンスターハンターのスタートボタンの音で感動しました!
黒岩
そうです、我々は通称「大決定音」って言ってる音なんですが…あの音を使ってます! コンセプトでも言った通りですが、過去のモンスターハンタータイトルでよく使われているシステム音やステータス音を使うようにしています。もちろん、モンスターの鳴き声や武器の音などもできる限りオリジナルを再現するような形で制作しました。
タンタン
やっぱりそうですよね!他にも聞いたことがある音がちらほらと!
黒岩
例えば、据え置きの『モンスターハンター:ワールド』のシステム音と初代のPS2で発売されたモンスターハンターで、システム音は全然違うんです。時代によって、絵の表現に合わせて音も少しずつ変わってるんですね。より操作に邪魔にならない耳障りにならない自然な音というか、デフォルメされてない、元のリアルな素材が感じられる音というか、そういう音になってるように思います。 でも、『モンスターハンター ライダーズ』のサウンドのコンセプトは「ああ、これこれ!これがモンハンだわ」と思ってもらう事です。 なので、あえて古いシステム音をベースに作っています。決定音で「ガチャ」となると「ああ、これこれ!」という安心感を出すことでマリィ達ライダーと一緒に世界に没入してもらえるかなと考えました。 といっても、サウンドの音質的な事をいうと、実は過去のものをそのまま使ってるわけじゃないです。少しずつリファインしてたりします。 スマホから音を鳴らして聞こえが良いように音質を変えたりして、そこはスマホゲームとしての快適性は担保ができるようにしています。
タンタン
なるほど!あえて古いシステム音を使ってるけど、音はスマホ用に調整しているのですね!そんな細かいことをしているとは気が付きませんでした
黒岩
サウンドエフェクトって、より馴染む良い音を作れば作るだけ、耳障り良くて変化が気が付きにくくなるんです(苦笑)。でもそれはつまり、「皆さんが楽しんで遊んでくれている」って事なんですけどね。耳に残るけど耳障りもいいサウンドエフェクトを作るって難しいんですよ!
タンタン
むむっ、難しい!サウンドエフェクトって奥が深いですね。次にイベントストーリー中のサウンドの話を聞かてください。
黒岩
このタイトルでは、人気のある声優さんを沢山収録しましたね。「いいんですか?こんな大御所さんを配役しても!!」って思ったこともあります。収録で印象的だったのは…脚本は『逆転裁判』で有名な「巧舟」さんが書いてるのですが、あるイベント中に、キャラクターが「異議あり!」と叫ぶシーンがあるんですよ。そのボイスを収録した時、逆転裁判の世界とモンスターハンターの世界が融合したような、不思議な感覚を味わいました(笑)。
タンタン
そんなことがあったんですね
黒岩
ストーリーのサウンドは、主にサウンド担当者とプランナーのシナリオ担当者と相談してデモ中にサウンドを入れているんですが、人物の登場のタイミング、文字送りとボイスのテンポ感、BGMの入りや画面のフェードのタイムなどを緻密に作ってました。サウンド担当者は私の隣の席にいたのですが、だいぶ試行錯誤して作っていたのがとっても印象的です。何度も何度もプレイして「操作した手触り感」を確認しながら、音質や発音の調整をして作っている様子を横で見ていて「職人技だな」と思いましたね(笑)。今公式YouTubeチャンネルでイベントストーリーを一挙配信中ですので、よければご覧下さい!
タンタン
これは凄い!よりプレイヤーの人たちにストレスなく遊んでもらうためのクリエーターのこだわりなんですね! では、最後にユーザーの皆様に向けて一言お願いします。
黒岩
配信前から携わっているので2年以上関わっていますが、特に配信スタートからは本当にあっという間の2年間でした。皆様に満足いただけるサウンドになっておりますので、ぜひ、ゲーム中の音を聴きながら、モンスターハンター ライダーズの世界を楽しんでください!
茅根
ゲームをプレイして頂いている皆様、本当にありがとうございます。ゲーム内に登場するキャラクター達の様に、BGMも様々なコンポーザーによるカラフルな楽曲群に仕上がっていますので、耳を傾けていただけましたら幸いです!