INTERVIEW

2016年12月5日

モンスターハンター ストーリーズ 発売記念特集 vol.1
~サウンドコンセプト編~

サウンドコンセプトと、ボイス収録についてのこだわりに注目!
今回は、大好評発売中のモンスター ハンターストーリーズ(以下、MHST)のサウンドについて、タンタンが開発者へ突撃インタビュー!
第1回目は、サウンドディレクターの黒岩さんと、サウンドマネージャーの小池さんです。

モンスターハンターブランドのRPGなんです!

タンタン
お二人は具体的にどんな仕事をしてるんですか?
黒岩
サウンドディレクター(以下、SD)は、大黒ディレクターと方向性など相談しつつ、サウンド全体のコンセプトを考えて行きます。そして、担当するサウンドスタッフと一緒に制作をしてくのが仕事です。
あっ、メンバーに「お菓子を買ってくる」のが本当の役目かもしれません(笑)
小池
サウンドマネージャーとして、サウンドの予算管理、制作進行、外注対応や契約など制作にかかわるお手伝いを主に行いました!
また黒岩SDの全体的なサポートを行いましたー
タンタン
モンスターハンター ストーリーズのサウンドコンセプトはどんなものでしょうか?
黒岩SD
サウンドの全体的なコンセプトは、「従来から遊んでいる人にも満足してもらえるようなもの」と、「あくまで『モンスターハンター(以下MH)ブランドのRPG』であるという事を考えて作りましょう!」 という感じですね。
黒岩SD
やっぱりトゥーン調の絵なので一見すると「子供向け?」と思われそうですよね。
ストーリーもゲーム性も大人が十分楽しめるものですから既存MHユーザーが手に取って「安定のMHサウンド」と思ってもらうのと同時に、初めてMHシリーズを手に取ってもらう方にも「サウンド面でもMHの世界観にどっぷり浸ってもらおう」というのが目的です。

例えば、音楽だったら、いつもの「MHの曲」というだけでなくRPGの持つ主人公や周囲の状態など描写を丁寧にできるような楽曲がいいなぁとか。
効果音だったら、環境音中心の音構成にして、滝の音や鳥の声だけでなくそこに存在するモンスターやオトモン達の存在感も感じてプレイしてもらえるように工夫したり。
カーソルや決定・キャンセル音、回復音、アイテムゲット音などの、お約束の音は敢えて変えずに使う事で「これぞモンハン」の所は残す、みたいな感じです。
これをきっかけに本家のモンハンも興味が出てくれるとありがたいですねー

モンハン語でのボイス収録

タンタン
小池さんは、マネージャーとしてこだわったところやチャレンジした所はありますか?
小池
ボイス収録を行うにあたって、アニメとの連動した声優キャスティングでしたので、キャラクターに命を吹き込み大切な要素として、大黒ディレクターを中心とし開発メンバーやプロモーションチームと協同で進めました。
今回は、スケジュール調整やサウンド予算などの調整が大変でした。
プロデューサーや企画、他セクション担当の方などと相談を何回も行い、一緒に解決をしていった感じですかね。

チャレンジしたことは…モンハン語(造語)でのボイス収録でしょうか…(笑)

タンタン
「モンハン語」でボイス収録!?「モンハン語」ってなんですか??
黒岩SD
いやぁ、収録時、声優さんもだいぶ大変だったと思います(笑)

モンハン語とは、会話の初めに話す一言、「はぁい!」「やぁ!」みたいな掛け声のイメージで作られた造語です。
従来のMHシリーズでも、一定の意味を持つモンハン語は存在していたのですが、あくまで本家はアクションゲームなので、その造語一つ一つが若干あいまいなところが多かったんです。
MHSTでも最初はいつものモンハン語をと思っていたのですが、ストーリーを読み込んでいくうちに、ちゃんと意味と単語をリンクさせようと…。
従来のMHの造語よりもルールをしっかりつけて、語源の成り立ちや簡単な文法等作って日本語を翻訳していくという、「いばらの道」を選択しました(笑)

黒岩SD
私は、過去のMHシリーズの開発でも、何度かモンハン語を作ったことがありました。
リアルな世界でも寒い地方と暑い地方では、発音や発声が違いますよね。それと同じように、MHの街や村の設定資料を見て、「●●語風」とか、「こんな感じのいい方」というのを決めて作っています。
今回も設定など気にして作っていまして、北の国の方の言語や発音からインスピレーションを得ています。
語尾や映像の尺と台本のセリフの長さが合わなくて、映像に合わせて日本語台本を意訳してからモンハン語にしたシーンもありますし、キャラによっては固有の言い回しとかもあったり…。
作業しながら思ったのは、映画の字幕製作者って凄いなぁという事でした。キャラの個性や特徴に合わせて翻訳してセンスのいい字幕を作っていくのって職人技だと思います!
タンタン
モンハン語って凄い!そうやって一つ一つ作って行ったんですねー
小池
ボイスの一部は社内で開発者やサウンドセクションの人にお願いして収録に参加して頂きました。
小池
序盤デモシーンの「ナルガ襲来」などで実際に使用した、村人のガヤ収録を撮影した動画がありますので、ご覧ください。
僭越ながら私も参加しています(笑)

ガヤって、場の雰囲気を作る重要なボイスなんですねっ!
タンタン
わぁー、みなさん演技もうまいんですねー
黒岩SD
みなさん、慣れてますよねー(笑)
実際、全体収録・男女分けて収録・主になるガヤを単独と、細かく分けて数テイクずつ録り、それを編集して使っています。
MHSTでは街の人の声やムービーガヤでもそのシーンに合わせたモンハン語を積極的に入れるようにしています。
製品版でよーく聞いてみると、ガヤ中に聞き覚えのある単語が聞こえてくるかもしれません!
タンタン
ところで、開発中、楽しかった点とか、裏話みたいなのありますか?
小池
楽しかったのは、みなさんの進捗を見ていること(笑)
ゲーム制作後半の佳境を迎えてくるとゲームにさまざまはサウンドが入ってくるので、制作しているサウンドメンバーはしんどかったと思いますが、一つ一つ完成形となるところを見られるのはいつでも楽しく、わくわくします。
黒岩SD
チームのHPに毎日日報を書いていたのですが、「その他」という項目に、「日報を書いて○日目」という書き出しで簡単なコメント書いていたら、開発終盤には400日を軽く超えていました。
コメントは人によって様々で、その一つ一つに「人となり」が表れていて、ここを読むのが毎日のひそかな楽しみでした(笑)
タンタン
最後にこのゲームをプレイしていただく方にメッセージをお願いします!
小池
モンスターハンターとは一味違った世界観をストーリーズでは楽しんでいただければ嬉しいです。
そして、毎週日曜日あさ8:30~放送中の「モンスターハンター ストーリーズRIDE ON」と11月16日より配信となった「オトモンドロップ モンスターハンター ストーリーズ」も合わせて楽しんでいただけたらと思います!
黒岩SD
新たなシリーズとして出発したモンスターハンター ストーリーズですが、サウンドも色々な事にチャレンジをしながら制作にあたりました。
音楽も効果音も丁寧に作られていると思っていますので、プレイ中、ぜひヘッドフォンして聞いてみてください!

黒岩さん、小池さんありがとうございました。
次回はBGM編です!
お楽しみに♪