CAPCOM

for Mid-Career 経験者採用

ディレクター

佐藤 盛正 Morimasa Sato

2014年7月入社
第1開発部 / ディレクター

「自分たちが作っているゲームが
おもしろいかどうか」。
そこに、カプコンという会社のすべてがある。

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前職
東京のゲーム会社に就職後、多人数対戦型ロボットゲームのAM開発に従事。
現職
『バイオハザード レジデントイービル』チームに配属後、シナリオディレクター等を経て、『バイオハザード ヴィレッジ』のディレクターに抜擢。現在に至る
将来
既存の枠組みに囚われない、社内外をアッと言わせるゲーム作りを目指す。

マンネリ化する仕事への疑問と、
CS開発を諦めたくない思い。
新しい視座を得るためのチャレンジとして、
カプコンへ。

大学卒業後、2006年に東京のゲーム会社に入社しました。CS(家庭用ゲーム)の開発を希望していましたが、入社後に配属されたのがAM(アーケードゲーム)開発の部署で、立上げ間もない多人数対戦型ロボットゲームの開発チームだったんです。右も左も分からないまま、ストーリーやロボットのカスタマイズなど、ゲームの核になる部分の開発を一から全部任されました。まさか新人の自分がそんなことをやるとは思っていなかったのでびっくりしました。正直きつかったですが、その反面、成長できるいい機会だったと思います。

転職を考えたのは30歳の時。前述の対戦型ロボットゲームは、リリース後も半年に1回のアップデートがずっと続いていたので、入社以来ずっと同じタイトルにかかりきりでした。もちろんやりがいはありましたが、物足りなさやマンネリ感も感じていました。元々やりたかったCSの仕事をやらないまま、惰性でやっていていいのかという疑問もありました。ゲームクリエイターとしての自分自身のキャリアを考えた時、社内での異動ではなく、どうせなら全く違う環境で新しい視座を得るための挑戦をするべきだと考えたんです。

転職エージェント経由でカプコンを含む数社からオファーをいただきました。ずっと東京暮らしだった自分にとっては、大阪に生活を移すのもちょっとした冒険でした。ですが、元々ホラーが大好きで『バイオハザード』シリーズの大ファンだった私にとっては、CSを作るなら『バイオハザード』のカプコンと言えば夢の職場です。面接では、いかにホラーが好きかを延々話しましたね。あと、「昇竜拳は出せません」と(笑)。

憧れの『バイオハザード』チームの一員に。
前職との仕事の進め方の違いに、
いい意味で驚きました。

採用が決まってホッとしたものの、都合よくいきなり『バイオハザード』チームに配属されるとは考えていませんでした。数年間は別のタイトルで実績を積んで、いつかはと。ところが、採用前の面接で『バイオハザード』愛を語りまくったおかげで、当時立上げのタイミングだった『バイオハザード7 レジデント イービル』のディレクターと、入社後に直接話す機会をもらったんです。そこで「そんなに好きならうちのチームに」と。会議室を出てエレベーターホールで、「よっしゃー!」って一人でガッツポーズしたのを覚えています(笑)。

入社して驚いたのは、前職とは仕事の進め方が全然違うということ。前の会社でプログラマーやアーティストに依頼する際は、ものすごく詳細な仕様書をHTMLで作成していたのに対して、カプコンではその種の書類は非常にザックリ。正直「え、これでいいの?」とびっくりしました。ですが、仕事はまったくザックリでも適当でもない。開発に関わっている全員がコミュニケーションを図り、ああでもないこうでもないと熱いディスカッションを重ねながら、とにかく「より良く」「もっとおもしろく」という目標に向かってフレキシブルに仕事を進めている。こんなにクリエイティブかつ合理的なやり方があるのかと、ちょっとしたカルチャーショックを受けました。これは、カプコンではプロジェクトマネージャーという役割が上手く機能していることも大きいと思います。チーム全員が無理なく仕事を進めやすいようにスケジュールなどをしっかりと管理していることで、チームの実力も最大限に発揮できる仕事環境になっていると思います。

「出る杭をどんどん伸ばす」、
それがカプコン。
入社3年目にして『バイオハザード』
最新作のディレクターに。

『バイオハザード7』ではシナリオディレクターとして、ストーリー全体を構築する役割に就きました。ちょうど体験版に当たる『ビギニングアワー』の企画も進んでいたんですが、どうもその内容が私にはピンと来なくて・・・。そこで「自分ならこんな風にしたいです」ということを提案したところ、いきなりディレクターをやることに。初めてのディレクションでした。それが好評だったこともあり、その後、DLCの『End of Zoe』のディレクターもやらせてもらいました。カプコンの良いところの一つは、そんな風に「出る杭をどんどん伸ばす」ところですね。おもしろいゲームをユーザーに届けるためには、肩書も社歴も関係ない、そんな会社だと思います。

そして、入社して3年目の2016年、ついに『バイオハザード ヴィレッジ』のディレクターとして、チームを牽引することに。正直なところプレッシャーは凄まじかったです。普通のキャリアパスならリーダーとして経験を積んで、やがてディレクターに・・・という流れなんだと思いますが、何しろヒラからいきなり『バイオハザード』シリーズ最新作のディレクターですから。戸惑いはあったものの、経験豊富なベテランを揃えてチームを固めてもらえたおかげで、私自身がディレクターとして育ててもらったと感謝しています。

ビッグタイトルのディレクターとして
おもしろいゲームを作ることの、
苦しみと喜びを味わった。

『バイオハザード ヴィレッジ』の開発を振り返って一番きつかった出来事は、開発終盤段階に東京で行ったフォーカステスト(一般ユーザーを招いて行われるテストプレイ)ですね。開発中のデモは映像的には相当完成に近づいていたし、ゲームとしてはもう仕上げに近い状態まで来ていました。ですが私自身は、気持ちのどこかで本当の手応えを感じてはいなかったんです。本当にこれでいいのか? おもしろいゲームだと胸を張って言えるのか? そう自問しながらも、残り少ない開発スケジュールのことを考えて無理やり自分を納得させていたんです。フォーカステストでの評価は惨憺たるものでした。やっぱりそうか・・・と。気づいていながら、何もやってこなかった自分を責めましたね。その後、修正を行ったものの、社内の品質管理部によるデモプレイでも評価はボロボロでした。そこで完全に腹を括りましたね。ストーリーを根幹から変えて、ゲームの展開も一から見直しました。ディレクターとして、スタッフにはもう謝るしかない。でも、スタッフもみんな分かってるんです。いいゲームを出したい、おもしろいゲームを作りたい、その思いがあるから「佐藤が旗振るなら付き合うよ」と言ってがんばってくれました。

ありえない段階からの修正をとにかく全部やりきって、最後にスタッフが夜遅く残って組み込み作業をしているのに付き合っていた時。組み込みの済んだ新バージョンの『バイオハザード ヴィレッジ』を、そのスタッフがプレイしているのを、ぼんやりと眺めていました。プレイを終えたスタッフが振り返って言った言葉が、「これ、いけますね」。その時初めて、自分の中で「これだ!」という手応えを感じました。どうしたらいいのかもわからず迷走し続けた苦しい期間があったものの、最後の最後にすべてが「カチッ」と音を立ててハマった、そんなカタルシスを感じました。

グローバルな舞台で戦える、
エキサイティングな仕事。
それを支えているのは、
この驚くほど自由な気風です。

ディレクターとして産みの苦しみを嫌というほど味わった『バイオハザード ヴィレッジ』でしたが、SNSを通して世界中のプレイヤーの「泣いた」「感動した」という感想を目にすると、本当にやりきって良かったと思いました。そして、そんな挑戦を許してくれた会社にも感謝しています。こうやってグローバルなユーザーの声がフィードバックされるのも、世界を相手にゲームを発信しているカプコンならではだと思います。グローバルな市場環境を持ちながらも、これほど自由な気風のある会社はなかなかないんじゃないでしょうか。おもしろいゲームを作るという共通の目的のもとには、アーティストもプログラマーもディレクターも社内的に地位のある人だろうと、フランクに意見を交わし合い、垣根のない議論ができる。その自由さこそがカプコンという会社の魅力であり、強みだと思います。

カプコンに入社するまではディレクターと言う仕事がよく分かっていませんでしたが、『バイオハザード ヴィレッジ』でディレクターを経験して、紆余曲折あったものの「ああ、これが自分の天職なんだ」という気持ちです。前職では想像もしていなかったような、自分のやりたいことをフルにやらせてもらっている、そんな感覚です。この環境を活かして、次、また次と、新しいゲームを作り出していきたい。理想を言えば「えっ? カプコンがこんなゲームを?」というような、そんなゲームを作りたい。次にあいつが作るのはどんなゲームだろうって、社内からもユーザーからも期待されるような存在になれればと思っています。

カプコンへの転職を
考える人へのメッセージ

一言で言えば、カプコンは「おもしろい会社」。逆に言えば、おもしろいことよりも安定を求めている人や、指示されたこと以上のことはやりたくないというタイプの人には、カプコンは向いていないかもしれませんね。とにかく、おもしろいゲームを作ることがすべて。

だからこそ、おもしろいアイディアは誰が出しても採用されてきちんと評価されるし、それが成果として報酬や待遇にも反映されます。世界をアッと驚かせる、そんなゲームを一緒に作っていきましょう。