開発部ブログ

シナリオの《ヨクバリポイント》

シナリオディレクター:山﨑

更新日時:2013年06月24日

みなさん、こんにちは。
江城プロデューサーからご紹介にあずかりました『逆転裁判5』シナリオディレクターの山﨑です。

思い起こせば、今回のシナリオ執筆は、“ヨクバリ”な自分との戦いでもありました。
シナリオのアイデアをチームメンバーと一緒に考えたのですが、みんなから「ああしたい!」「こうしたい!」とたくさんのアイデアが出てきました。僕自身も、やりたいことがたくさんありました。それをどれだけ実現できるか? 自分のヨクバリにどこまで応えられるか? 思い切りチャレンジしてみたつもりです。

もちろんそのアイデアの中には、闇に葬るべきボツネタも多数あります。
今回は、僕のメモに残された赤面もののボツネタも交えながら、シナリオの《ヨクバリポイント》をご紹介したいと思います。

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【ヨクバリポイント・その1】
3人の弁護士、それぞれの物語!

『逆転裁判5』では、成歩堂 龍一王泥喜 法介希月 心音の3人の弁護士が登場します。

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今回、成歩堂 龍一が主人公に復活します。しかし、普通に復活するだけでは面白くありません。そこで、ナルホドくんには2人の部下を持つ《新米所長》になってもらうことにしました。手のかかりそうな2人の部下をもって、ナルホドくんはちゃんと《所長》としてふるまえるのでしょうか?
そしてもちろん、『逆転裁判4』の主人公・王泥喜 法介も忘れてはいけません。彼もまた物語のキーパーソンとして登場します。包帯とジャケットを身に付けた謎めいた姿の裏側には、どんなドラマが隠されているのでしょう?
さらに、『逆転裁判5』は、新米弁護士の希月 心音ちゃんの成長物語でもあります。彼女は、先輩たちの背中を見ながらどんな弁護士になっていくのでしょうか?

3人の弁護士の三者三様の物語。ちょっと“ヨクバリ”すぎですかね?
でも、昔のメモを見てみると、「『5』だから、5人組の弁護士軍団が登場! 結成“ナルホド5”!」などと恐ろしいことが書いてありました。うーん。それはさすがにヨクバリすぎでしょう。実現しなくて良かった‥‥。

【ヨクバリポイント・その2】
新ライバル検事は、究極的に悪く手強く!

ライバルの設定を考えるのはいつも大変です。シリーズに今まで登場したライバルたちに負けないインパクトと個性を持ったキャラクターを考えなければなりません。
今回のライバル検事夕神 迅も、囚人検事という今までにない設定を考えました。
ある意味シリーズ“最凶”の検事になったと思います。

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恐ろしく頭がキレる上に、心理学を学んでいるユガミは、“口八丁手八丁”で裁判長や傍聴人の心理を操作してしまいます。さらには性格もひんまがっているので、いやらしい手口で弁護士たちを翻弄します。あまりにも手強すぎて、執筆中もなかなか倒せなくて困ったほどです。

今回、とにかく手強い検事を出したかった僕は、色々なアイデアを考えました。
数々のボツ案を見てみると‥‥。
「推定年齢200歳! 不老不死の検事!」
「すべての証人を買収する! 億万長者検事!」

などと書いてありました。
うーん。どちらもたしかに手強そうですが、観点がなんかズレているような気も‥‥。

【ヨクバリポイント・その3】
とにかく奇想天外でインパクトのある事件を!

シナリオを執筆するとき、まず最初に考えるのは“事件のシチュエーション”です。
事件の概要を聞いただけで興味を持ってもらえるように、魅力的なナゾやあっと驚くシチュエーションを目指します。今回も、1話でいきなり“法廷が爆破”され、2話では“妖怪が人を殺す”事件が起きます。

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だいたいは、執筆中に「どう解決したらいいんだよ!」とアイデアを呪うことになります。3話以降も“執筆者殺し”のオカシナ事件の数々が待っていますので、ご期待ください。

こちらもボツネタを振り返ってみると‥‥
「殺人事件消失事件! 殺した記憶はあるのに死体も殺人の痕跡もない!」
「人形殺人事件! なぜ人形は殺されたのか?」

など、インパクトしか考えていない事件がたくさんでてきました。
面白そうですが、死体も殺人の痕跡もなかったら裁判が起きなさそうですし、人形が殺されても殺人にはならないですよね‥‥。

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そんなこんなで、玉石混合、多種多様なアイデアを検討して、作り上げたシナリオは、とても“盛りだくさん”な内容になりました。まるで“満漢全席”のように、オイシイ要素が満載になっています!

しかし、“ヨクバリ”を続ければ続けるほど、シナリオ執筆のハードルもあがっていきます。
それは、僕自身の“ヨクバリ”によって生まれた修羅の道。執筆は、本当に大変でした。死にかけながらも、なんとか無事に執筆を終えることができてほっとしています。

ただ‥‥ひとつだけ気になっていることが。

僕の“ヨクバリ”は、シナリオだけにとどまりませんでした。グラフィック、プログラム、サウンド、色々な役職の方に、ムリなお願いをさせていただくことも多かったです。
そんなときは、
「どうかお願いします! 僕を一発殴ってくれてもいいですから!(笑)」
なんて、ジョーダン混じりにお願いしていました。もちろん、みなさん笑顔で対応してくださいました。

そのたびに発券されていた《山﨑を1発殴っても良い券》。何枚発行されたのか想像がつきません。今のところ使用されたことはないのですが‥‥制作が完全に終わった後がほんのちょっとだけコワイです。
そういえば、今度チームの《打ち上げ》があるのですが‥‥。
一瞬チームメンバーから無数の昇龍拳を受けて打ち上がる自分の姿が頭に浮かびました。‥‥まさか、まさかね。

それでは、今回はこのあたりで失礼致します。
生きていたら、またお会いしましょう!

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次回は、アートディレクターの布施さんの登場です。
『逆転裁判5』の数々のキャラクターを生み出してくださった布施さん。
どんな制作秘話が飛び出すのでしょうか?
どうか、お楽しみに!

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