『モンスターハンタークロス』イラストレーターインタビュー
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さてモンハン部の皆さん、「カプコン伝説」というマイカプコンコラムをご存知ですか?
つい最近まで、カプコンの歴史を中心に、いろいろなゲームの歴史・伝説エピソードを紹介していたコラムです。
その第17、18回では「モンハンCG特集」として、北島サブミッションさんとSHOEIさんに、歴代モンハンイラストの秘密をインタビューしました。

第17回:モンハンCGイラスト特集!(前編)
第18回:モンハンCGイラスト特集!(後編)

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今回は、 「カプコン伝説」モンハンイラストレーターインタビューの続編として、『モンスターハンタークロス』のモンスターイラストについて、北島サブミッションさん、SHOEIさんに加え、森気楼さんにお話をうかがいました!

……え、あの対戦格闘ゲームイラストで有名な森気楼さんが『モンスターハンター』に参戦!?

あのリアルタッチの技術は、どのようにモンハンクロスのCGに活かされたのか?
それではどうぞ!

■プロフィール
北島サブミッション
2001年カプコン入社。UXデザイン室デザインスペシャリスト。歴代モンスターハンターのメインビジュアル、CGイラストを担当。「北島“サブミッション”」なのは、格闘ゲームの使用キャラが関節技使いだったため?

森気楼
UXデザイン室デザインスペシャリスト。かつてSNKのイラストレーターとして有名で、カプコン移籍後も『カプコン ファイティングジャム』のイラストなどを担当。『モンスターハンター』も、実はかなり前からの関わりが…?

SHOEI
UXデザイン室ライセンスクリエイティブディレクター。『ストリートファイターII』などのイラストや、カプコンのビジュアルイメージディレクションを行う。モンスターハンターシリーズでは歴代ロゴデザインを担当。


――今回の『モンスターハンタークロス』のビジュアルに関しては、ディノバルドのパッケージビジュアルをはじめ、これまでのシリーズビジュアルから少し印象が変わった気がするのですが、どういった行程で作られたのでしょうか?
北島サブミッション(以下「 北島」):そうですね。 今回は数も多いということもあり、一瀬ディレクターから、具体的なラフ入りで「こういう絵が欲しい」「この辺にモンスター、ここにニャンター」という構成案・構図案を出してもらい、進めました。
まず、ディノバルドのイラストから着手して、それを基本コンセプトに固めて、次のイラストを作っていきました。
作り方も、イマジカのムービー用ハイエンドモデルをベースに、実際のゲームのモーション担当者が動きをつけて構図を作り、それを監修していく形を取っています。
この形を取ることで、ポーズをよりゲームの動きに近い形で作成して、ゲームをやったときのイメージとイラストとのリンクを強固にすることが出来ました。
また、ゲーム中のモデリングの担当者が、ムービー用のハイエンドモデルにさらにディテールをつけて描き起こしたモデルを、イマジカさんに送って配置してもらい、イラストに落とし込んでいます。
ディノバルドをまず参考用に作って、それ以降のモンスターに関しては、同じクオリティに仕上がるように、各モデル担当者にブラッシュアップしてもらいました。
構図、ポーズの完成度は、これまで制作した中で最高クオリティかと思います。
――これまでは北島さんが構図からキャラ、モンスターの動きまで決めることが多かったと思いますが、今回はこの方式を取ったのはナゼですか?
北:やはり、4大モンスターそれぞれにイラストをつける、ということで点数が多かったことがありますね。
また、すべてのイラストに一瀬ディレクターの大ラフがあったことが、効果的に作業を進められた形になったと思います。
それを元に作業を進め、全体を私が監修する形で調整していきました。

4大モンスターのイラスト表現

――では、それぞれのイラストについてお伺いできますか?

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ディノバルド

北島:一瀬ディレクターがおおまかに要素を提示して、それをまとめていった形ですね。
パッケージイラストになるので、今回の『モンスターハンタークロス』の新要素をすべて入れ込んだ形です。
入れ込む要素が多かったので、それをいかにスッキリ収めるかがテーマでした。
――絵の中の要素として、プレイヤー三人に対してアイルーが一匹いて、“ニャンター”の存在を知らないと、「え、今回はアイルーを一緒に連れていけるの?」とミスリードするイラストになっていると思うんですが、その辺も織り込み済みだったのでしょうか?
北島:そうですね。そういったミスリードも込みで、新要素を詰め込んだ形になります。
よく見ると、ガンナーがジャンプしていたり、ハンマーや大剣を持ったハンターが見たことのない動きをしていたりします。
今回、そういった新情報を大量に詰め込んだので、情報を整理するのが大変でした。
通常、そういうイラストはガチャガチャと雑多なものになりやすいんですが、なんとか整理できたので、印象として落ち着いた感じ、トータルとしてはまとまりのあるイラストになったかと思います。
――これまで北島さんは、背景には実写を取り込む形が多く、前回の『MH4G』メインイラストでは和歌山県の千畳敷の岩をスキャンして使われていましたが、今回も同じ形は取られたのですか?
北島:いえ、今回はムービーを担当していたイマジカ社作の背景のCGのクオリティも高いものだったので、ムービーの森のビジュアルを使っています。
――え! この森は写真の背景ではないんですか!?
北島:はい、ムービーで使われたものをベースにしています。
今回のイラストは、全体的にムービーのものがクオリティも高く活用できたので、実写は一部ムービー中の素材として使われたぐらいですね。
――それでこのクオリティとは、驚きました!

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タマミツネ

――次に、タマミツネ。
かなり構図のインパクトが強い印象の絵ですが、これはどういった形で制作をされたのでしょう?

北島:これは、一瀬ディレクターの構図の指定を元に、モデルの方で全体の絵を組まれて、森気楼さんがレタッチして仕上げていった形ですね。
森気楼:最初のモデルで構図を組むときに、いろいろ指摘はしましたね。
この絵も含めて、たくさんの人が関わって作りあげていった形です。
気になったところを修正していく形だったんですが。
――手前の草とかCG素材だと思うんですが、どのぐらい手を入れられたんですか?
森気楼:手前の草は、ほとんど手描きです
――えええええええええっ!
森気楼:あと、タマミツネの毛も、ほとんど描き足しています。
CGだと、毛先がとがった形にならないので、そこがどうしても気になって描き直しています。
――え! この毛も、手描きなんですか!?
北島“森気楼レンダー”と言われてますね(笑)。
SHOEI:モンハンのCGは、実は手描きとのハイブリッドですからね。
『バイオハザード0 HDリマスター』の絵も森気楼さんがレタッチしているんですが、アレはかなり手を入れてます。

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『バイオハザード0 HDリマスター』のメインビジュアルです。
これも、森気楼氏の手描き部分が!?

森気楼:タマミツネのしぶきも普通のものではないので、これも半分くらいレタッチしてます。
――あ、これもCGの水ではないんですね!?
森気楼:手前にシャボンも、勝手に配置や数を増やして。
チェックで何も言われなかったので、これでOKだろうと通しました(笑)。
どうしても気になったところだけ、描いて直すんですが…。
北島:その“気になる部分”が、森気楼さんはすごい面積を占めるんです(笑)。

 

さて、今回はここまで。
次回は11月19日(木)公開!
ガムートとライゼクス制作のナゾに迫ります!

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