ミステリークイズ

2017/11/30

[成歩堂龍ノ介のミステリークイズ] 第14回:「複数の目撃者」

成歩堂「倫敦で暮らすようになってしばらくたつけど、冬の寒さには、まだ慣れないな」
何気なくつぶやいたあと、部屋の空気を入れ替えるために窓を開ける。そこにはいつもと同じく、もやがかかった白い世界が広がっている。

成歩堂「“早起きは三文の得”ってことわざもあるぐらいだし、たまには近くを散歩してみようかな」
部屋を出て外の空気を大きく吸い込んだ成歩堂が、背筋を伸ばして歩き出そうとした瞬間、どこからともなく声が聞こえてきた。

ジーナ「‥‥て、‥‥こを‥‥くな」
ジーナ「‥‥て、そこを‥‥くな! 待て、そこを動くな!」
声はどんどん近づいてきている。
成歩堂「えっ、えっえっ!!」
いきなり体当たりをされたぼくは、その場に倒れこんだ。

成歩堂「た、たしかに早起きはしたけど、三文はまだ拾ってないぞ。襲うなら別のお金もちを‥‥」
ジーナ「ん、その声は‥‥!? なんだ、ナルホドーが犯人だったのか‥‥」
成歩堂「ジーナさんじゃないですか。どうしたんですか、こんな早朝から? ‥‥って今、犯人って言いました?」
ジーナ「うん、言ったよ。“犯人は現場に戻る”‥‥まさにボスの教えの通り。とりあえずタイホするね」
成歩堂「ちょっと! とりあえずでタイホしないでください! 少しは状況を説明してください。あと、今ポケットに入れた3シリングは返してください!!」
ジーナ「しかたないな‥‥今回だけ特別に、犯人タイホに至った経緯を説明してあげるよ」
成歩堂「(そこは譲らないのか‥‥)お、お願いします」

ジーナさんは、連続ひったくり事件を捜査していたようだ。事件が起こった現場、発生時刻が近いことから、同一犯の犯行であると断定。グレグソン警部の命令で、ここ数日張り込みをしていたらしい。

成歩堂「えっー! それだけで、タイホするんですか?」
ジーナ「フフン、それだけじゃないんだな。こっちは複数の目撃証言も得てるんだからね」



●証言者A(目の前を通り過ぎて行った犯人を目撃)
「なんだか、慌てて走っていったね。少しサイズの大きい茶色のコートをはためかしていたんで、印象に残っているよ。大通りを突きっていったよ」

●証言者B(現場付近で後ろから追い抜かされる)
「パブで飲みすぎて、朝帰りした日さ。母ちゃんになんて言い訳しようか考えているときに見かけたんだ。確かにハンチングをかぶっていたね。顔を伏せて、一本先の路地に入っていったよ」

●証言者C(3階の部屋の窓から目撃)
「その日はなぜか早くに目が覚めてね。何気なく窓の外を眺めていたら、一目散に走っていく犯人を見たんだ。首に巻いていたマフラーを途中で外して路地のほうに入っていったよ。マフラーの柄? 確か‥‥ギンガムチェックだったね」

●証言者D(手荷物をひったくられた被害者)
「急なことだったんで、荷物を守るのに必死で、相手の手しか見てないんだ‥‥。こっちも必死だったからね、思い切り手の甲を引っかいてやったよ。だけどワタシも転んでしまってね。交差点を左に曲がっていく犯人の後姿を見送るしかなかったんだ。無念だったね」

成歩堂「(‥‥‥‥‥‥)ジーナさん‥‥ぼくと犯人にまったく共通点がないんですけど」
ジーナ「そう? でもここはひとつ、手柄を立てさせると思ってさ」
成歩堂「じょ、冗談じゃないですよ。わかりました。手柄を立てさせますから‥‥。これから言う人物を調べてみてください」

犯人は誰?


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