ミステリークイズ

2016/05/26

[成歩堂龍一のミステリークイズ] 第39回:「死者の告白」

深夜3時。ビジネスホテルに泊まっていた弁護士の成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)は、聞き覚えのある声に叩き起こされた。

??「‥‥ンタ‥‥アンタ! 起きるッス!」
ナルホド「うーん‥‥?」
??「起きないとタイホするッスよ!」
ナルホド「タイホ!?」

危ない単語にすっかり目を覚ました成歩堂は、ガバッと身をベッドから起こした。起きぬけの頭では、いまいち状況がつかめなかったが、すぐに認識したことがひとつあった。それは、自分が宿泊している部屋に糸鋸刑事(いとのこぎり けいじ)が立っているということだった。

ナルホド「‥‥なんでここに、イトノコ刑事が?」
イトノコ「それはこっちのセリフッス。アンタ、家というものがありながら、なんでお金を払ってまでホテルに泊まってるンスか?」
ナルホド「今、担当している事件の調査が深夜に及んでしまって‥‥。明日も早くから動かなきゃいけないんで、ここに泊まったんですけど、イトノコ刑事はここで何してるんですか?」
イトノコ「ここの隣の部屋で、人が死んでいたッス」
ナルホド「ええ!?」
イトノコ「その通報を受けて到着したンスが、フロントで聞いたら、なんと現場の隣部屋の宿泊客が、アンタの名前になってるじゃないスか。どっちみちアンタには話を聞かなきゃいけないんで、せっかくだから鍵を借りて、アンタをびっくりさせようとしたッス。びっくりしたッスか? 本当にタイホされると思ったッスか?」
ナルホド「(とんでもないことをサラッと‥‥しかも満面の笑みで言ってるよ)」
イトノコ「で、アンタ、何か不審な物音に気付いたりはしなかったッスか?」
ナルホド「うーん、部屋に着いたとたんベッドに入ったんで、特に気付いたってことはないですね‥‥」
イトノコ「そッスか。ま、今回のヤマは事件性がなさそうッスけどね」
ナルホド「え?」
イトノコ「自殺の可能性が高いってことッス」

糸鋸刑事が語った事件の概要は、以下の通り。

被害者は、このホテルに長期滞在している作家だったという。そして第一発見者は、その被害者の恋人だった。彼女は今夜、被害者とホテルの部屋で落ち合う約束をしていたのだが、仕事上のトラブルが起こり、時間通りにホテルへ行けなくなった。被害者にその旨を電話をすると、「今日は来なくても大丈夫だよ」と言われたという。その言い方に不審なものを感じた彼女は、やっと仕事から解放された深夜に、ホテルへと向かった。

彼女が宿泊している部屋に入ると、そこには恋人の変わり果てた姿があったのだという。



ナルホド「それは‥‥なんとも気の毒な話ですね。それにしても、自殺の可能性が高いというのは?」
イトノコ「被害者は遺書がわりに、ICレコーダーに声を吹き込んでいたッス」

ICレコーダーの内容は以下の通り。

「生きていくのがツラい。これ以上この世界にとどまることは苦痛でしかないのだ。私は運良く拳銃を手に入れることができた。わがままな私を許して欲しい‥‥‥‥(しばらく沈黙があり、録音が終了する)」

イトノコ「第一発見者がハンニンという線もないッス。まだちゃんと解剖にかけてないから厳密には言えないッスが、鑑識の見たところ被害者が死んだのは日付が変わる前。その頃、第一発見者は、同僚と上司と一緒に仕事をしていたッス。証言も取れてるッス」

以下、第一発見者の女性の証言。

「電話の声が、本当に、なんだか気になって‥‥。生気がないというか‥‥。あんなことになるなら仕事なんて放っといて、あの人と一緒にいれば良かった‥‥。え? ああ、これは‥‥あの人の血です。だって‥‥倒れてはいたけれど、死んでるだなんて思わなくて。必死で肩を揺すりながらあの人の名前を呼んで‥‥。右手に拳銃が握られてるのもそのときに気付きました。そしてそれで自分の左胸を撃ったということにも‥‥。それで、やっと、警察と救急車を呼んだんです。‥‥あの人の血と、ICレコーダーのランプの赤が、今でも頭から離れないんです‥‥」

ナルホド「イトノコ刑事‥‥なんだか話に、おかしい点がありますよ」

おかしいのは?

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