逆転通信presents 『逆転裁判6』開発座談会

2016/07/21

第2回『逆転裁判6』開発座談会

『逆転裁判6』の開発チーム6人による、座談会第2回をお届けします。
前回に引き続き、語っていただいたのはこの方々。

プロデューサー:江城元秀(えしろ もとひで)
ディレクター:山﨑 剛(やまざき たけし)
アートディレクター兼coディレクター:布施拓郎(ふせ たくろう)
企画メイン:醍醐頼希(だいご よりき)
メインプログラマー:野田尚孝(のだ なおたか)
サウンドディレクター:堀山俊彦(ほりやま としひこ)

それでは、逆転通信presents 『逆転裁判6』開発座談会Part2をお楽しみください。

――皆さんの、思い入れのあるシーンをお聞かせください。

山﨑:僕は第2話でマジックをやるシーンが気に入っています。モーションキャプチャーも使いましたし、ちゃんと謎解きにも関わっていますし、個人的には結構攻めたところだなと思っています。

江城:そうですね。確かに攻めたシーンも多いですね。攻めた部分といえば、個人的には霊媒ビジョンの映像を見たときに、本当にこれはすごく苦労するだろうなと思ったんです。この映像にトリックを紐づけないといけないので、プレイヤーの脳内補完には頼れないですよね。開発チームは自分で自分の首を絞めていたわけです。だから苦労した分、印象深いですね。

布施:僕は全体的な話になっちゃうんですけど、ブレイクモーション(※1)は毎度アイデア出しが一番大変なので、思い入れがありますね。どのキャラクターもデザインと設定をうまく活かせたものになったと思います。各話の真犯人以外にもありますので、ぜひ楽しんでもらいたいです。
(※1 犯人や証人が追いつめられて自我を失ったり、犯行などを認めるシーンのこと。派手な演出が見どころ)

醍醐:僕としては3D上面図で解説する場面ですね。現場の状況が3Dで描かれているので、グオーッて視点が動くことで構造や空間が立体的に分かるんですよ。特に第2話なんかは、それで位置関係も分かりやすくなって。

江城:位置関係が重要な事件なのに、それが分かりにくかったらダメですよね。それが立体的になることで非常に分かりやすくなりましたね。

――平面図として見ていたものが、ググッと動き出したときはびっくりしました。では、堀山さんの思い出深いシーンはどこですか?

堀山:僕は前回、いち押しのキャラクターとしてサーラを挙げたんですけど、彼女の夫への想いが分かる最後のシーンが感動的でしたね。

――あの場面は私もジーンときました。続いて、野田さんはいかがですか?

野田:画面上に“その他大勢”なキャラクターがいっぱい出てくるシーンがあるんですよ。今まで、そういう立ち位置としては法廷の係官などがいましたけど、後ろにいるだけでそんなに動いたりもしませんでしたよね。でも、今回は“その他大勢”がワーッと出てきて、ワーッと吹っ飛んだりもするんです。あれは結構衝撃でしたね。

山﨑:どうしても処理が重くなるから、大変なシーンですよね。

野田:それもそうなんですけどね。最初は「なんてえげつないものを作るんだ」と思ったんです(笑)。でも、これまでになかったシーンですから新鮮でした。あと、冒頭のアニメパートでレイファが逮捕されるボクトを見下す目をしている場面があるんですよ。完成したアニメでは、その目つきも少しマイルドになっているんですけど、絵コンテのときはもっとキツくて最高でした。あれはすごく好きです!

江城:若い子好きに、未亡人好み……。なんて恐ろしいチームだ……。

――キャラクターの好みといえば『逆転裁判6』でマヨイちゃんが復活しましたが、そろそろこの子も再登場させたいという人物はいますか?

江城:冥ちゃん(※2)かなあ。次回作を作るとしたら、冥をどうにか……。今、どうしてるのかな?たしか、『逆転3』でアメリカに帰ったはずなんだよね。
(※2 狩魔 冥(かるま めい)『逆転裁判2』のライバルにして若き女性検事。狩魔豪の娘)

醍醐:年齢もマヨイの1つ下くらいだったはず。

山﨑:となると、ココネのアメリカ時代の話で冥が出てくるとか……。

一同:ああー!

江城:ニアミスはしていそうやね。

布施:実は、アメリカでナルホドくんがココネを助けた事件があって、その時の検事が冥だったとか?

山﨑:色々と妄想を膨らませると、そういうこともありそうですよね。

江城:冥ちゃんは服装も違ってアメリカンチックになっていたり? 髪型とかも変わっているのかもしれないね。仮面を着けていたりとか。

山﨑:仮面は、やだなあ(笑)。

野田:僕は『検事1』のときの冥ちゃんがいいです!

江城:ブレないなあ(笑)。その頃だと、冥って14歳くらいになるの?

山﨑:13歳ですね。飛び級して検事になる直前です。

江城:飛び級で13歳で検事かあ。アメリカ無茶苦茶やなあ(笑)。

野田:ということで山﨑さん、時空をゆがめてでも、なんとか冥ちゃんをお願いします。

江城:オバちゃん(※4)みたいにね(笑)。
(※4 『逆転裁判』1作目に登場した警備員のご婦人で、シリーズの名物キャラクター。本名は大場カオル。気になる人は追加DLコンテンツ紹介用の映像「完成披露会 特別法廷」をチェック!)

山﨑:時空を超えてね(笑)。『検事』シリーズのキャラクターだったら、ユミヒコ(※5)もいいですね。
(※5 一柳弓彦(いちやなぎ ゆみひこ) 『逆転検事2』に登場。若干17歳の新人検事)

江城:ユミヒコさんはちゃんとしていますよ、きっと。でも、検事局長のミツルギに怒られているんだろうな。

山﨑:ちなみにユミヒコの声を担当したのが野田なんですよ。「異議あり!」の声をね。まだあの頃はスタッフで声を当てていたので。

――そうだったんですか!

布施:それなのに、当人が推すのは冥ちゃんっていうのがね(笑)。

醍醐:僕としては、「ユミヒコ」対「静矢 零(※6)」が見たいですね。
(※6 しずや れい。『逆転裁判5』の舞台、私立テミス法律学園・弁護士クラスの生徒)

山﨑:それで牙琉検事を絡めたりとかね。お客さんの間でもたまにそんな話で盛り上ったりするみたいですよ。テミス法律学園に通っていたキャラクターどうしだから、彼らもニアミスしているに違いないと。

江城:ということはチシオ(※7)も出るわけやな。「うおおおおーって」(笑)。
(※7 厚井知潮(あつい ちしお)『逆転裁判5』に登場する、テミス法律学園・検事クラスの生徒)

山﨑:時代が違うかもしれませんけど(笑)。

醍醐:法廷に検事が3人になっちゃう(笑)。

布施:醍醐さんは、復活させたいキャラクターって誰ですか。

醍醐:僕はイトノコ刑事(※8)がいいなあ。
(※8 糸鋸圭介(いとのこぎり けいすけ)。『逆転裁判』1作目から登場。初動捜査担当の刑事)

山﨑:そういえば、彼もまだ出ていないメインキャラクターでしたね。

江城:イトノコはどうしているんだろう?

醍醐:40歳超えているのかな? 案外バドウ刑事(※9)みたいになっているかもしれないですよ。
(※9 馬堂一徹(ばどう いってつ)『逆転検事』に登場したベテラン刑事)

江城:渋いオジサンになっているかもしれないね。イトノコと、場合によっては彼に新しい部下をつけてあげるとかね。イトノコを尊敬しているような……。

醍醐:それで、その部下が真犯人だったり(笑)。

山﨑:あははは(笑)。

――ええと、では布施さんはいかがですか。

布施:僕は、『逆転6』に出ていないということで選ぶなら『逆転5』の番 轟三(※10)ですね。愛着のあるキャラクターなので、復活させてあげたいなあと。
(※10 ばん ごうぞう。『逆転裁判5』に登場した刑事。合言葉はジャスティス!)

江城:出た! ジャスティス!! それなら番 轟二(ばん ごうじ)とか、番 轟一(ばん ごういち)とかも出そう。うん、3つ子とかね。某アニメみたいに6つ子にしても。

山﨑:やだ……。あれが6人いるのはキツいわあ……。

江城:轟一兄さんがすごい悪いねん、きっと。ジャスティスじゃないのよ。「ギルティ」とか言ってそう。

山﨑:あはは。それじゃあ、堀山さんはどうですか。誰か復活させたいキャラクターはいますか。

堀山:あえていうなら、いないんですよ。新しいキャラクターでどんどん行ってほしいなと。新しい『逆転裁判』を作ってほしいなと思っているので。

一同:おおー。なるほど。

――お話は変わりますが、皆さんがもしクライン王国に滞在することになったら何をしてみたいですか?

江城:クライン王国と言えば絶対食べ物でしょ。食べ物がね、美味いのかマズいのかわからないんですよ。

山﨑:ギンギルは食べてみたいですねー。

江城:ギンギルは、僕はあんまり……。ハッカとニンニクっていう時点でもうダメ。ハッカて。

山﨑:僕はパクチーとか大好きだからいけそうな気がします。

江城:あー。そこが美味しいと感じられるかどうかの分かれ目なのかな。あと食べ物なら、“まがたまん”かな。きっと、ギンギルに使っているような野菜は入れていないはず。

山﨑:まがたまんは観光客向けなんで、食べやすいと思います。

江城:中華まんっぽいイメージかな。甘くはないと僕は思ってます。具は牛と豚の合いびき肉とかジューシーなものが入っているんじゃないかな。

山﨑:僕も中に何が入っているのかという話が出たときに、いろいろ考えたり、調べてみたんですけど、アニメパートだと中に何も入っていなかったんです……。

江城:ああー! しまったー!! じゃあ蒸しパンだ。たぶん、生地に何とも言えない味がついているんだ。

山﨑:きっと味のバリエーションがいろいろあるんだと思います。アニメではプレーンのまがたまんで(笑)。ほかにもカスタードクリームとか。

江城:僕はあんこがいいなあ。

――クライン王国に、あんこってあるんですか?

布施:あんこって思いっきり“和”だよね。

山﨑:さっきからクライン王国感がまるでない(笑)。

江城:観光客向けだから、形だけクラインぽくて、中身は食べやすいあんことか、中華味とか(笑)。

山﨑:それはそれでイヤですね(笑)。僕は滞在するなら、クライン王国らしさを求めて、奉納の舞を見に行きたいですね。

布施:観光客の目玉になるような行事が少ないですからね(笑)。

山﨑:いやいやいやいや、霊媒と神秘の国ですよ?(笑)

江城:クラインは風光明媚な国ですよ。断崖絶壁とか、いろんなものがあるわけですから(笑)。

山﨑:クライン王国に行くのだって大変なんですよ。たぶん、飛行機を2回くらい乗り継いで。

江城:空港から都市部に行くのだって、変な生き物に引かれて行くんじゃない?

醍醐:ヤクに揺られて3~4時間とかね。

江城:そもそもクルマ走っているのかな?

醍醐:作中にはクルマは出ていないですね。人々はバイクのスーパーカブで走ってたりするのかな。

江城:坂が多いはずなんだよね。高地にあるっていう設定だから。道が悪いからマウンテンバイクとかかもね。ボクトとか、休みの日なんかオフロード系でブンブン言わせているかもわからんね。(笑)

山﨑:やめてくださいー。ボクトくんのイメージが! 

――想像が膨らみますね。では、布施さんはいかがでしょう。

布施:僕はちょっと真面目に……。観光に行くなら民族衣装が好きなので、そういうの見て回ったり、買ったりしたいですね。

山﨑:「これ、俺がデザインしたヤツやー」って(笑)。

江城:なんかおかしなことになってるぞ(笑)。他のみんなはどう? 

山﨑:醍醐さん、第3話に出てきた、3日3晩祈る儀式を体験してみたら?

醍醐:イヤです。腰をいわすんで(笑)。腰を痛めて、気絶してまでやりたくないです。

江城:3日間飲まず食わずだし。痩せるぞ?

醍醐:僕の体型はアイデンティティーなので、大丈夫です。

――あの儀式のハードさは、作中でもよく話題になっていましたね。では、堀山さんはいかがですか。

堀山:僕は、レイファに代わって御魂の託宣を僕自身がやりたいですね。法廷に立って、内心は「冤罪かも」って思いつつ。

江城:「冤罪かも」って(笑)。そもそも、霊力あるんかいな。もしかしたら託宣体験コーナーみたいなのがあるのかもね。

野田:じゃあ僕は、傍聴席で「有罪! 有罪!」とか言いたいです(笑)。

山﨑:もうそんな黒い法廷じゃないですよー。ナルホドやオドロキたちの活躍で、クライン王国はクリーンな国になりましたから!

江城:クライン王国ってあれだけ風光明媚なところなのに、なんで開発のみんなは観光に行きたがらないのかな。クライン王国のツアーを作ったら、観光客は集まりそうなのにね。

野田:高い所、あんまり得意じゃないので。それにクラインの背景は遠景まで作りこまれてる分、処理が重くて大変だったので(笑)。

江城:そこ!? 夢がないわ……。

山﨑:それじゃあ、堀山さん、ダマランを習ってきてくださいよ。

堀山:ああ、ダマラン、ポットディーノの楽器ですね。

江城:俺が騙されたヤツね。あれ、実際にあると思ってたんですよ。

醍醐:ダマランは山﨑オリジナルの楽器なんですよね。

山﨑:デザインは布施さんが考えてくれて。

――確かにダマランは現実にありそうですよね。では、音楽のお話が出たところで、皆さんのお気に入りの曲や効果音などについても語っていただきたいと思います。

山﨑:アカネの曲のアレンジバージョンが好きですね。カッコイイし、かわいくて。単純に僕の好みなんですけど。効果音としては第4話でおもしろい音がいろいろとあるんですよ。あ、それとナユタが手をパァンと叩くところの音で苦労した思い出が……。

醍醐:何十回もリテイクしましたよね。

山﨑:実際に録音したわけではないんですけど、音を作っていただくときに「こういう音です」って叩きながら説明したり。そうやって作り上げたものなので、思い出深いですね。

醍醐:ナユタのテーマもいいですよね。壮大な感じが出ていて好きです。あとは後半に和風の曲があるんですけど、そこら辺も好きです。

江城:日本編の曲は、過去のシリーズ作品の楽曲をかっこよくアレンジしてくれているんですよ。その中でもオドロキのテーマ『王泥喜 法介 ~新章開廷!~2016』が好きですね。テンポ的にも盛り上がるので。PVとかにも途中であの曲が入ると、雰囲気も切り替わって盛り上がっていくんです。

布施:僕は、BGMですと探偵パートでレイファと調査するところで使われる曲ですね。ずっと聴いていても飽きないなと。作業しながら聴いていたこともあります。

野田:SEなら、しゃべるときの効果音、ポポポ音は死ぬほど聴きましたね。たぶん、僕が一番聴いているんじゃないかなと。

醍醐:今回、ポポポ音も何種類もありますからね。

布施:歌っていたりね。

野田:プログラム的には大変でした。

――それでは、シメは堀山さんお願いします。!

堀山:僕は1曲挙げるとすると、あまり目立たない曲かもしれませんが、『おかしな人々』という曲です。これは一見あやしい感じの人たちが出てきたときに使われる曲なんです。第2話だったら、最初にヤマシノPが登場したときとか、第3話ではナナシーノ・ゴンビェ(仮)が現れたときですね。この曲がずっと頭の中で鳴っていましたね。

山﨑:堀山さん的にSEはどうですか。

江城:やっぱりもうあれしかないよね。ポットディーノの。

堀山:ああ、ダマランを弾いて歌うところですね。

醍醐:あのポポポ音はもう、SEと言うより……。

堀山:どっちかというと曲ですね。

江城:あれはテストプレイするときずっと聴かされてて、もうね……。

山﨑:そこは僕が謝るところですね(笑)。

堀山:うーん、SEだとクライン王国の証言開始とか尋問開始のところですね。日本編とは変えていて、エスニックな雰囲気にしています。

江城:デンデンデデデデーンって、ちょっと怖い感じがするんだよね、あそこ。

山﨑:その雰囲気も、異国の法廷に合っていてよかったと思います。

座談会第2回はここまで! いかがでしたでしょうか?

第3回は、今だから話せる開発チームのアレコレを聞いちゃいます!
秘蔵イラストも飛び出すかも!? お楽しみに!

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