逆転通信presents 『逆転裁判6』開発座談会

2016/07/14

第1回『逆転裁判6』開発座談会

『逆転裁判6』の開発チーム6人による、座談会の模様をお届けします。発売後だから話せる、開発秘話などが飛び出すかも……? なお、公開されている以上のネタバレはないので、これからプレイされる方も安心してくださいね。

それでは、逆転通信presents『逆転裁判6』開発座談会をお楽しみください。

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▲今回の座談会の参加メンバーはこの面々です。

――まずは、読者の皆さんに向けて自己紹介をお願いします。『逆転裁判6』で担当されたお仕事と、『逆転裁判』シリーズに関わった経歴もお聞かせください。

江城:『逆転』シリーズのプロデューサーをやっています、江城元秀(えしろ もとひで)です。『逆転裁判2』のニンテンドーDSのベストプライス版から『逆転検事』、『逆転検事2』、『逆転裁判5』、『逆転裁判6』とプロデューサーを務めています。

山﨑:『逆転裁判6』のディレクターをしております、山﨑 剛(やまざき たけし)です。『逆転』歴はかれこれ12年くらいで、最初は『逆転裁判 蘇る逆転』のときにプランナーとして関わりまして、その後『逆転裁判4』でもプランナーを担当しました。そして『逆転検事』シリーズでディレクター、『逆転5』ではシナリオディレクターもやっております。

布施布施拓郎(ふせ たくろう)です。今回の『逆転6』はアートディレクターと、coディレクターという肩書で参加しています。僕は『逆転検事2』から参加していまして、『逆転5』にも参加しています。

醍醐:企画の醍醐頼希(だいご よりき)です。『逆転裁判6』では、企画のリーダーをやらせていただきました。『逆転裁判5』にも携わっています。

野田野田尚孝(のだ なおたか)です。『逆転6』はメインプログラマーをやっています。『逆転』歴は、『逆転検事2』でシステムを担当で、『逆転5』ではメインプログラマー、そして『大逆転裁判』は最初の立ち上げのとき手伝っていました。その後『逆転6』に参加しました。

堀山:サウンド担当の堀山俊彦(ほりやま としひこ)です。『逆転』歴は、『逆転4』から入りまして、『5』、『6』と続けてサウンドを担当しています。ちょうど王泥喜が登場した初めからですね。

――皆さん、長らく『逆転』シリーズに関わっていらっしゃるんですね。では、『逆転裁判6』でのイチ押しポイントを挙げてください。

醍醐:僕はシステムの企画も担当させていただいたのですが、演出がどれも凝っていますね。とくに霊媒ビジョンやカンガエルートなどのエフェクトですね。今回は、エフェクト担当にガッツリ入ってもらったので、『5』のときよりも派手になっています!是非、その辺も見ていただけるとうれしいなと思っています。

山﨑:あれ? 自分の作ったシステムを推すのかと思ったら……。

江城:そこは謙虚やな。

山﨑:醍醐は霊媒ビジョンを企画したんですよ。自画自賛してもいいのに(笑)。

――そうだったんですね。霊媒ビジョンも演出が素敵です。プログラムも大変だったかと思うのですが、野田さんとしてはいかがですか。

野田:今回は、『5』があったうえでの『6』だったので、正直に言うと『5』よりすごくハードだったということもなくてですね……。『5』の土台の上に霊媒ビジョンなどを時間かけて入れたので、それら新しい要素を見ていただければと思います。あとは、ダウンロードコンテンツはギリギリまでがんばって作りましたので、皆さんぜひダウンロードしていただければうれしいです。

江城:あとは、スクリプトツール(※1)を改良してたよね?
(※1 キャラクターの表情パターンなどを指定する簡易プログラム 公式サイト開発者ブログ参照)

野田:そうですね、それもやっていました。

山﨑:おかげで、かなり使いやすい形になったんですよ。

江城:スクリプトは開発の肝やからね。

醍醐:いやあ、使いやすかったと今、改めて思っています。

山﨑:『逆転検事』のときから比べると、すごい進歩しているんですよ。当時は、ほぼただの表計算ソフトだったんですけど。毎回、だんだんと進歩していって、完全に新しいスクリプトツールにしてくれて。そのおかげで凝った演出ができたというのもあります。

江城:その進化を上回るリクエストが、山﨑からいろいろと行っていたわけですけどね(笑)。ポットディーノとかね。

――彼の証言シーンは衝撃ですよね。ポットディーノと言えば音楽ですけれど、堀山さんにとってのイチ押しポイントはどこですか?

堀山:僕としては『6』のイチ押しポイントは、とにかくシナリオが熱くてドラマティックだということです。

山﨑:おっ、みんな自分が担当したところは言わないなあ(笑)。

堀山:いや、本当にストーリーが濃厚で、逆転につぐ逆転で、第1話から最後まで止め時がわからないんですよ。シナリオがとにかくよくできていて、おもしろいので。

江城:堀山はね、けっこう辛口なんですよ。この堀山がここまで言うってなかなかないですよ。

堀山:ははは(笑)。あとは、霊媒ビジョンが絶妙な難しさでした。難しいんだけど、慣れたらすごくおもしろくて。しかも、霊媒ビジョンとシナリオとが密接に関わっているんですよね。システムとシナリオが一体となっていて、非常におもしろいです。

江城:そういえば今回、堀山も結構曲を作っているんです。シリーズで作曲をお願いすることの多い作曲家の岩垂徳行(いわだれ のりゆき)さんにメインどころの曲をお願いしたのですが、それとはまた別に、堀山の曲もあって。

堀山:そうですね。サウンドについては、曲のほかにも効果音がポイントで。今回アジアの異国・クライン王国編と日本編ということで、舞台がふたつあります。音楽ももちろんですが、効果音もクラインと日本で作り分けているんです。それぞれ差別化できるように工夫しながら作っていきました。そこもしっかり聴いていただけたらうれしいです。

――効果音も異なっているのですか! これはよく聴いてみないといけませんね。そして、布施さんのイチ押しはどんなところでしょうか。

醍醐:布施さんはレイファでしょ? 雑誌で見ましたよ。

布施:プロデューサーとディレクターが僕のいないところで、よくそんなことを言ってますね(笑)。キャラクターはみんな好きですよ。

江城:布施も『5』のときは苦労していたんですよね。僕からもダメ出ししましたし。でも、その時の経験もあってか『6』はラフデザインの段階でもクオリティーはだいぶ高かったですね。キャラクターイラストってPRでも使うこともあって、山﨑Dと布施とである程度こういう感じにしようと決めてから見せに来てくれるんですけど。それをチェックしていくなかでも、そんなに大きな変更ってなかったよね。

布施:そうですね。とくに一番時間がかかるライバル検事のナユタだったり、ヒロインポジションのレイファでも、やることは自分の中やシナリオの中で明確になっていたので。シナリオと一緒に作っていく感じで、時間こそかかってはいますが、大きな“ハマリ”みたいなものはなかったですね。

山﨑:そうですね。もちろん“苦労”はありつつも、“迷走”みたいのはなかったですね。あとは、僕らのなかで江城さんの転がし方がだんだん分かってきたということも大きかったのかも(笑)。

江城:僕のツボを捉えてきているっぽいんですよ。デザインを見たときに「これはアカンな」とか、「これじゃお客さんに刺さらない」とか、何かそう思うことがあるんですけど、僕がパッて見たときの印象って、いわばお客さんの第一印象と一緒なわけですよね。いつもその絵を初めて見るお客さんの感覚で見ているんですが、そこで刺さらなかったら、刺さらないんですよ、誰にも。今回、お客さんからもキャラクターの個性が立ってると言っていただけていますし。キャラクターに対する評判は非常にいいですね

布施:そこは本当によかったなと。メインキャラクターだけでなく、各話のサブキャラクターも偏りなくそれぞれ人気が出ていますね。

――なるほど。ちなみに皆さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?

山﨑:どのキャラクターもいいので、選ぶのは難しいですけど……。

江城:僕は第3話のある被害者の別名が好きですね。ストレート過ぎて笑えます(笑)。僕、『逆転裁判』シリーズってキャラクターのネーミングがすごく重要だと思っているんです。これまでインタビューなどではキャラクターの好きなデザインについては語っていましたけど、名前としては、この人物がいいなと思っていて。キャラクターの名前のつけかたも、各話のシナリオ担当でそれぞれセンスが違うんですよ。第3話のシナリオをやっていたスタッフのセンスが僕、結構好きなんですよ。ナナシーノ・ゴンビェ(仮)とか、マルメル・アータムとかも。

――被害者の司祭・マルメルさんは“丸める・頭”ですもんね。では、山﨑さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?

山﨑:僕はよくポットディーノを挙げていたんですけど、レイファもいいですね。第1話で最初に彼女を書いたときに、“主人公の敵”としてキビしく立ち向かってくる姿と、追い詰めたときに見える素の部分を書いたときに、「ああ、結構かわいくできたな」と思いまして。そういう意味でもお気に入りですね。第3話以降も、彼女についてはいろいろあるんですが、それはぜひプレイして確かめていただきたいなと思います。

――レイファの素の一面はかわいらしいですよね。布施さんもレイファ好きということですが……?

布施:今回は前作にも増して女性キャラクター全般に幅を持たせられたなと思っています。10代の女の子から、40代の女性まで。そこは自分の中でも気に入っている部分ですね。

醍醐:僕はある意味ギャルゲーだと思っていますよ(笑)。リケジョ(理系女子)がいて、未亡人がいて、マジシャンがいて、ね?

布施:自分のストライクゾーンの広さを活かせましたね。もう、好き嫌いなく。

江城:広いね、ストライクゾーン(笑)。

――では、醍醐さんの好きなキャラクターとは?

醍醐:僕は本性を隠し持っているキャラクターの本性が好きなんです。今回は本性を隠しているキャラクターがすごく多いんですよ。シナリオ、キャラクターのチームも皆がんばってくれたので、実現できたと思うんですけど。『5』の時よりも多くて、しかも絵がちょっと変わるだけじゃなくて、圧倒的に変わっているキャラクターがいっぱいいるんです。

布施:犯人じゃなくてもね。そこまで変わるキャラクターって昔だったら犯人くらいでしたけど。

醍醐:「ええー!? コイツこんなキャラなのー?」と、どんどん明らかになっていくとすごくおもしろいですよ。ぜひ、暴いてみてほしいですね。ちなみに、公開されているなかで僕が好きなのはクライン王国を牛耳っている大臣・インガですね。大物感があって、ザ・悪役って感じで。

江城:狩魔 豪(※2)的なね。インガの「あまり、おイタをしないことをおススメするよ」なんて、なかなか言えないセリフだよね。おイタってアンタ(笑)。
(※2 『逆転裁判』1作目などに登場した歴戦の検事で、御剣怜侍の師匠)

山﨑:あのスピード感で死刑を宣告していくっていうのがね。考えた人はちょっとヒドいと思いますよ。キャラデザの(笑)。

――インガのあのモーションは、布施さんのアイデアなんですか。

江城:そうです。布施の内面がすごいことになっているんでしょうね。女子から男子からもう。

醍醐:布施さん、オッサンキャラも好きなんですよね。

布施:ええ、もう分け隔てなく(笑)。

――素晴らしいですね(笑)。では、野田さんのお気に入りキャラクターは?

野田:ええっと、○○○○○ちゃんしか出てこない……。あの最高のあざとさ。いいですね。メインキャラクターだったら、レイファが好きです。レイファは舞のときに見える腋がいいですね。

醍醐:なかなかきわどいですね(笑)。

江城:大丈夫か、このチーム(笑)。

――でも○○○○○ちゃんがかわいいのは確かですよね。さて、堀山さんの好きなキャラクターは?

堀山:僕もひとりを挙げるのは難しいんですけど、あえて言うと第3話のサーラですね。

一同:おおおお!

堀山:彼女もね、天然ボケっぽいのかなって思いきや、‥‥おっと、これ以上は言えませんね! 夫・マルメルの顔イラストを掲げて、紙芝居みたいにして証言したりしていますけど……。

布施:サーラさんはいろんな意味でギリギリのラインをうまいこと突けたかなと思っています。

さて、座談会第1回はここまで!いかがでしたでしょうか?
第2回は『逆転通信』だから話せる、もっとツッコんだエピソードをお届けします。 お楽しみに!

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