2018年7月4日
ロックマンX アニバーサリーコレクション 発売記念特集!~サウンド制作秘話~
- 2018年7月26日発売!
「ロックマンX アニバーサリーコレクション」
サウンド制作の現場に迫る! - 「ロックマンX アニバーサリーコレクション」のサウンドスタッフに突撃インタビュー!
先行して発売するサウンドトラックについても聞いちゃいました!
ロックマンX アニバーサリーコレクション サウンドトラックが本編ゲームより先行して7月18日発売!
ただの移植ではない!
- タンタン
- 早速ですが!自己紹介をお願いします!
- 辻野
- サウンドディレクターの辻野泰之です。
- 北川
- 本作の音楽全般を担当しましたコンポーザーの北川保昌です。
- 坂口
- サウンドデザイナー兼ボーカルの「ERICA」もとい坂口恵里香です。
- 藤澤
- サウンドデザイナー兼ギタリストの「TAISUKE」もとい藤澤鯛介です。
※(写真左から藤澤、北川、坂口、辻野)
- タンタン
- 「ロックマンX」シリーズ8作品を同時移植とのことですが、移植するにあたってのサウンド制作秘話などありましたら教えてください!
- 辻野
- 今回、本タイトルを移植するにあたって、サウンドはそのまま持ってくるのではなく元波形から現在のサウンドエンジンのフォーマットに合わせて、一から構築し直す必要がありました。
当然、パラメータも、波形のピッチも、単位までもが違いますから、一つ一つ確認する必要がありました。原作により近く、違和感の無いように。
- タンタン
- 一つ一つ確認ですか!?移植って簡単なことではないのですね…。
- 坂口
- 原作の音と違えばユーザーの方はやはり気づいてしまうというか、違和感になりますよね。
何度も何度もオリジナルタイトルをプレイし、そういったことが無いように心がけながらサウンドを再現していきました。
- 藤澤
- また、今回は当時の圧縮された音声ファイルではなく、非圧縮の元波形から起こしていますので、音質が良くなっています!
- タンタン
- わぁー!ただの移植ではない訳ですね!
- 藤澤
- そうです!そして今回は新モード「Xチャレンジ」もあります!
- タンタン
- なんと!?新モード「Xチャレンジ」のサウンド制作秘話も教えてください!
- 辻野
- 今回「Xチャレンジ」という、ボス2体と同時にエックスが戦うとんでもないモードがあるのですが、ここではオリジナルSEモードと、アレンジSEモード(新規SEモード)を作成しました。この経緯というのが、自分自身、エックスシリーズを遊んでいましたので、ここに音があったらいいなとか、新しい音にするならこういうイメージだよね…とか、想像が膨らんだというのがきっかけでして…。
元々BGMのみ新規って話だったのですが、SEもアレンジしちゃいました。
もちろん、オリジナルを尊重するために、オリジナルの再現にも力を入れています! - タンタン
- おおー!アレンジSEモードですか!?タンタン気になります!
- 藤澤
- エックスのSE、引いてはこの時代のSEって、一つ一つがものすごく重要で、攻略の為の大きな情報でもあるのですよね。一つ一つがキーサウンドなわけです。
なので、現在の最新のタイトルのようなリッチな感じではありませんが、一筆入魂的に作られていて、新規でもそういったところに配慮しました。
「このSEが鳴ったら、この攻撃が!」とか。アレンジSEでも楽しめると思います! - 坂口
- 昔懐かしいエックスサウンド、新しくも懐かしい雰囲気を持ったエックスサウンド。
聴き比べたりしながら楽しめる内容になっています! - タンタン
- アレンジSEに対しての力の入れようが凄いです!早くプレイして聞いてみたいです!
先人の残した名曲と、今考えるエックスのニュアンス!
- タンタン
- 北川さん、アレンジBGMの方についてはいかがでしょうか?
- 北川
- アレンジBGMに関してですが、今回特に意識したことはやはり、原曲の尊重です。
私自身がプレイしていた経緯もありますので、やはりメロディーラインや雰囲気などはオリジナルを強く意識しています。
その上でエックスの音、エックスのイメージということで、90年台の音色を取り入れてみたり、ダンス調にすることで疾走感や、プレイテンションを意識したものに仕上げました。
楽曲の中には(EXTENDED)いわゆる拡張アレンジをした楽曲が数曲あります。
これは先人の残した名曲と、今考えるエックスのニュアンスを私なりに作成した部分を併せ持った、いわば合作ともいえるものに仕上がっています。
こちらも聴きごたえがあるかなと思います。 - タンタン
- 今考えるエックスのニュアンスですか!すごく気になります!
早くプレイして聞いてみたいです!
アレンジBGMの他に新規楽曲があると聞いているのですが…!? - 北川
- あります!新規楽曲に関してですが、これはかなりプレッシャーでしたね…。
エックスっぽい曲、これからのエックスの曲として非常に悩ましい部分でもありました。
エックスといえばやはりヒーロー感、ゲームとしてプレイした時に耳に残り、口ずさむことのできる感じ。こういった考えの答えとして、今回の楽曲だと思います。 - タンタン
- 北川さんは「ROCK-MEN」のメンバーでしたよね?
- 北川
- 私は「ROCK-MEN」のメンバーであることもあり、ロックマン愛には溢れております。
エックスの新曲を作るにあたってワクワクしかありませんでした!
しかしですね。30曲近く書きましたよ!移植ベースにも関わらずにですよ! - タンタン
- 30曲もですか!?盛りだくさんですね!そういえば…。
今回、藤澤さんがギターで数曲参加しているとお聞きしましたが…? - 藤澤
- はい!今回楽曲で数曲ギターを弾いています!
普段はサウンドデザイナーとして、エックスの音制作、調整、管理を行っていたのですが、ある日「弾いてみない?」の北川さんの一言で弾くことになりました! - タンタン
- ギターを弾くことになった心境っていかがでしたか?
- 藤澤
- 元々「ROCK-MEN」に強く憧れていたこともあり、テンション上がりっぱなしでしたね!
ギターの収録時は北川さんと「ロックマンらしいギターサウンド」について、何度も何度も話し合って自分なりに落とし込みました。
最終的にイイカンジにロックマンの音になったかなと思っています。 これを機にマジで「ROCK-MEN」二代目ギタリスト狙っています!ピロピロピロー!(笑) - タンタン
- そして!今回は歌の新規楽曲があるとか!?
- 北川
- はい!あります。辻野さんの無茶な要求に見事応えましたということで!(笑)
- タンタン
- しかも!坂口さんが歌っているとか!?
- 坂口
- そうです、今回エックスの曲を歌わせて頂き、さらに歌詞も書かせて頂きました。
- タンタン
- 作詞もですか!?歌や作詞をすることになった心境はいかがでしたか?
- 坂口
- エックスの曲を歌うということは…。
世界が愛するエックスの歴史に名を刻むということであり、大変光栄に思っております!
辻野さんのわがままから、北川さんの無茶振りで私に白羽の矢が当たったわけですが…。
とにかく収録が楽しかったです!
楽曲「RE;FUTURE」の歌詞はエックスの世界感を描いたものなのですが、北川さんの楽曲と私的にはすごく合っていると思っています。
ぜひぜひ、聴いてみてください。一つだけ文句があるとすれば…。
キーが高い!でも下げると雰囲気が違う!そこだけです。苦労しました!(笑) - タンタン
- それは大変でしたね…。しかし苦労の先には幸せがあるとよく聞きます!
- 北川
- まぁ…色々と苦労もありましけど…!
おかげでサウンドトラックも発売できるようになったので良しとしましょう!(笑)
全曲ロックマン愛溢れる楽曲となっていますのでぜひとも聴いて踊ってみてください!
本編ゲームより先行して2018年7月18日にサントラ発売します!
- タンタン
- なんと!?サウンドトラックが発売するのですか!?
- 辻野
- はい!発売します!
一般的には移植タイトルでは新規楽曲ばかりのサウンドトラックは出しません。
新規楽曲がサウンドトラックに見合う数を制作されないことが多いためです。
今回のタイトルではなんと、30曲前後のアレンジ曲を含めた新曲があります!
これはサウンドトラックを出すしかないでしょう! - タンタン
- おおー!それは出すしかないですね!!
- 辻野
- コンポーザー北川さんにはずいぶんと無茶苦茶なオーダーを出してしまいましたが、サウンドトラック化決定で、報われたかと思います…。よね…?北川さん…?
- 北川
- …はい。報われました!(笑)
- 辻野
- 歌アリ、名曲のアレンジアリ、新曲アリ!自分用にもちゃんと買いますよ!(笑)
そして!本編ゲームより先行して2018年7月18日にサントラ発売します!
- タンタン
- サウンドトラック楽しみです!タンタンも絶対買います!
それでは最後にサウンドディレクターの辻野さんから、「ロックマンX」シリーズのファンの皆様に向けてコメントをお願いします! - 辻野
- 今回は移植というか、私の中ではほぼ新規タイトルです。
ホント開発チームの皆、シグマプロデューサー、来るもの拒まずのディレクター、UIデザイナの方々や、プログラマの方々、昭和な師弟コンビの企画マンなど(笑)全員がそんな気持ちで取り組んで出来た素晴らしいタイトルだと思っています。
その結果が「Xチャレンジ」という新規要素であったり、水野大先生の書下ろしであったりします。私個人的にはUIがものすごく好みだったりします。わかりやすいし、SEの作り甲斐がありました!サウンドトラックもその中の一つで、皆がやりたかったことをカタチにすることができました。本当に細かい部分までよく再現され、かつ痒いところに手が届く良い作品に仕上がっています。カプコンサウンドの一員として、このタイトルに関われたことはとても幸せなことだと感じています。
ぜひぜひ、「ロックマンX アニバーサリーコレクション」をプレイしてみてください!
公式サイト:https://www.capcom-games.com/product/ja-jp/megamanx-legacycollection12/

今回インタビューに答えて頂いたサウンドスタッフのみなさん!
みなさんのロックマン愛がいっぱい伝わってきました!
サウンドスタッフのみなさん!ありがとうございました!