INTERVIEW

2017年2月28日

モンスターハンター ストーリーズ 発売記念特集 vol.3
~SE編~

いよいよ最終回!
MHSTのサウンドデザインの裏側をたっぷりお届けします!
モンスターハンター ストーリーズ(以下MHST)のサウンドについて、タンタンが突撃インタビュー!
最終回は効果音編!!SE担当の浜さん、五十嵐さん、宮田さん、小村さん、武井さんの登場です!

それぞれの担当箇所への熱いこだわり

タンタン
さっそくですが、それぞれの担当を教えてください!
僕は、モンスター関連と絆技の効果音を担当しましたー!
五十嵐
環境音や特技のエフェクトなどを担当しています。
宮田
僕は、主人公やナビルーなど登場人物の動作音やボイスなどを主に担当致しました!
小村
ワタクシはイベントシーン・ムービーシーンのMAです。
武井
バトル中の音量バランス調整、ドラマデモのミックス、コラボオトモンの制作などですね。
いろいろやりました(笑)
タンタン
わぁー、SEの方って担当が細分化されていて凄いですね!
それぞれこだわりも多そうです!みなさんのこだわりをひとつずつ聞かせてください。
モンスターハンター(以下、MH)の世界観やおなじみの部分は残しつつ、アニメ的な誇張やカッコよさ、ユーモアなどストーリーズとしてのサウンド表現を示すところですー。
モンスターがいて、オトモンがいて、属性のバリエーションがあって、みたいな。
それぞれの音をどう表現するか、気を使いましたー。
五十嵐
通称「ネコ部屋」です。
各ダンジョンにはアイルーが住んでいる部屋があるんですが、その部屋の環境音はこだわって、ダンジョンごとの特徴を盛り込んだ不思議な雰囲気を作りました。
なかなかこれだ!というものにならなくて、何度も試行錯誤しました。
五十嵐
「ネコ部屋」だけでなく環境音には、雰囲気を演出するためにプラグインのシンセサイザーを使ったステージもあります。
NativeInstruments社のAbsynthとかMassiveとかよく使いました。
ちょうど制作している時に、メインで使用しているDAWのProToolsが12にバージョンアップしたんです。
そして「コミット」っていう新しい機能も増えて。
そのコミット機能が非常に便利で、環境音用にファーっと打ち込んだMIDIクリップをオーディオトラックにドラッグアンドドロップするだけで波形にしてくれるんです。
捗りました。音色変えてはピコっと。重宝しました。
タンタン
五十嵐さん、使った機材の話までありがとうございます!
他の人のこだわりはどんな所ですか?
宮田
僕が一番こだわったところはナビルーの声と動作音です!
見た目にかなりインパクトがあるキャラクターなので、音でよりナビルーのうざったい(笑)ところを逆に愛おしく思ってもらえるように工夫をしました。
ゲームを放置していると、ナビルーがかわいい声を喋ったりしますよ!
小村
ワタクシが初めてMHシリーズに関わってから10年ほど経ちますが、今回も新たに効果音を収録しています。
フォーリー収録を行う事で、映像の速度に合わせて音をつけるので手早く音を付けることができます。
小村
モンスターが何気ない動作をする時の音を作る際、沢山の野菜や肉を切ったり叩いたりした音を録音しました。
それから、キャラクターが走ったりジャンプしたりする時の音は、できるだけ自分で走ったり砂の上を滑ったりして、その足音を録音しました。
場面によって8種類の靴を使い分けています。
キャラクターによって服を変える事で、動作の音を変えていますが、各キャラクターの体型や装備品を考慮して服を選ぶのは楽しいです。
見た目のイメージではなく、服の音のイメージで選ぶので、普段着の服選びとは違った楽しさがあります。
武井
ジャンルは違えどMHだな、って思える音作りです。
プレイヤーは当然主役なんですけど、MHシリーズはモンスターも同じくらい大切なので、やっぱりモンスターの特徴をちゃんと活かしたものにしたいなーと。
一番苦労したのは、バトル中の音量調整ですねー。
従来MHはプレイヤー自身がカメラを操作するので、カメラに対してリアルタイムに音量変化させてましたがストーリーズでは演出によってカメラが動いているため、今までの方法ではうまく聞こえなかったんです。
なんせ登場するモンスターの数は100体近くいる上、技も豊富なのでチェックが大変でした(笑)

MHシリーズならではのコラボとそのサウンド

タンタン
さすが、みなさんのこだわりも半端ないですねー。作り方の参考になりそうなお話まで聞けちゃいました!
…おまけついでに、開発中、楽しかった事や裏話なんかありますか?
武井
「ゼルダの伝説」コラボのオトモン「エポナ」ですね。
もともと原作が好きで、コラボが決まった時に「ぜひ!SEやらせてください!」とお願いした記憶があります(笑)
原作のイメージを壊さずにMH風にするのは大変でしたが、やりごたえはありました。
オトモンなので当然、絆技もあって原作らしさを追求している時が楽しくて!ぜひ、ゲットして絆技を見てみてください!
あと、同コラボのナビルーコーデ「ムジュラの仮面」をつけた時に立ち止まってじっくり周りを見渡してみてください。
原作を知っている人はニヤっとするかもしれません。
宮田
武井さんがコラボの話をするなら…。
僕は本当に楽しいことばかりでしたが、「パズドラX」とコラボさせていただいた「クレナイゴウカミ」のSE制作は特にやりがいがあり、楽しかったです!
「パズドラX」の「クレナイゴウカミ」の声を聞いて、「これがモンスターハンター ストーリーズの世界にいたら、どんな鳴き声に聞こえるんだろう!?」と想像して、自分で声真似をしつつ作ってみました。
タンタン
「ゼルダの伝説」と「パズドラX」コラボは東京ゲームショーで発表されてましたね。
ナビルーコーデでニヤッとするのは、なんでしょうか、ドキドキしちゃいます!
そして、クレナイゴウカミの声真似をして制作をしていたなんて、サウンドデザイナーさんってホントになんでもできるんですね。
他に裏話みたいなのってありませんか?
五十嵐
僕は、チームに雑談掲示板があって、そこにちょっとしたデザイナーさん制作のスクリーンショットが貼られていて和みました。
開発最終日にサウンド担当のプログラマさんに、ちょっとしたサプライズをしたのがいい思い出ですねー
サプライズの内容は秘密ですー!
タンタン
わぁー、本当に和気あいあいと仕事されているのが伝わってきます!
それでは最後に、このゲームをプレイしていただく方にメッセージをお願いします。
小村
ゲームをプレイする時に音も楽しんで頂ければ制作者として幸せです!
どうぞよろしくお願い致します!
五十嵐
僕の担当ではないけれど、絵も音もかっこいい絆技!
とにかくかっこいいのでぜひ全部見て欲しいです!
どんどんと話を進めていくのもいいですしー、じっくりクエストこなしたり、武器やモンスターを収集するのもいいですし。
自分のペースやプレイスタイルで楽しめますので、最後まで楽しく遊んでくださいねー。
宮田
とにかくモンスターハンター ストーリーズには発見がいっぱいあります!
ゲーム自体も普段通らなさそうな場所に行ってみたりすれば、きっと驚きや発見があるはずですし、サウンドも本当に多くの面白い仕掛けを入れています!
MHシリーズの世界観をなくさずに、RPGならではの可愛らしさや、ライダーならではの特別感を混ぜていますので従来のモンハンシリーズとの違いや、逆に同じところを探してみてください!

今回インタビューに答えて頂いたMHSTサウンド担当のみなさん!

みなさんのアツイ思いがいっぱい伝わってきました!
3回にわたってモンスターハンターストーリーズの開発者インタビューを
お送りいたしました!
みなさん、「明日に向かってライドオーン」ですよー♪