INTERVIEW

2015年6月18日

デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション発売記念特集 vol.1

追加要素も盛り沢山の『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』
が遂に発売!
開発スタッフに突撃インタビュー!


デビルメイクライ 4 スペシャルエディションの魅力に迫る!

DJサンドウ
デビルメイクライ 4 スペシャルエディション(以下「DMC4SE」)発売記念 サウンドインタビュー!という事で、今回はディレクターやプロデューサーもお招きして、皆様にお話を伺います!それでは、まずは自己紹介をお願いします。
※画像左から・・・藤井プロデューサー/伊津野ディレクター/DJサンドウ/渥美サウンドディレクター/小池マネージャー
伊津野D
本作品ディレクターの伊津野(以下、「伊津野D」)です。 ゲームの中身全体を見る、監督のような仕事をしています。
藤井P
プロデューサーの藤井(以下、「藤井P」)です。 以前はモバイル系のタイトルを数作担当していました。 その後、コンソールタイトルの部署に来て現在は『DMC4SE』を担当しています。 また、業務内容としてはスケジュールの取りまとめや予算関連、 そしてゲームの魅力をユーザーの皆様に「お伝えする」部分を主に担当しています。
渥美SD
サウンドディレクターの渥美(以下、「渥美SD」)です。 伊津野Dが描く「デビルメイクライの音」のイメージを受け取り どうやって具現化していくか?という事を考えつつ、 サウンド全体の取りまとめをしています。
DJサンドウ
渥美SDは7年前の「デビルメイクライ4(以下「DMC4」)」 のメンバーでもあったのですよね?
渥美SD
そうですね。当時は全くの新人でした。 そんな当時の経験や、それまでの7年間で得た知識を活かしたいと思いまして、 今回「是非やらせてください!」と手を挙げました。
伊津野D
長年の経験があったので、サウンドチームとは阿吽の呼吸で 制作を進める事が出来ましたね。
DJサンドウ
シリーズ作品ならではのエピソードですね! では、小池さん、自己紹介をお願いします。
小池
サウンドマネージャーの小池です。 渥美SDの全体的なサポートですとか、今回行った日本語収録のお手伝い、 また契約・予算周り等のサポートをさせて頂きました。
DJサンドウ
まさに開発の立役者ですね! では、そもそもどういった経緯で本作を作られたのでしょうか?
伊津野D
まずはPS4やXbox One向けのタイトルを早くユーザーの皆様に お届けしたいという思いがあり、また、『DMC4SE』リリースの要望も 沢山頂いていたので、本作を制作しよう!という運びとなりました。
DJサンドウ
ユーザーの皆様のご要望と、開発の想いが合致したという事ですね! それでは、今回のゲームにおける一番の目玉を教えて下さい。
藤井P
今回の目玉の一つとして、プレイヤーキャラクターの追加があります。 バージル・レディ・トリッシュの3名が プレイヤーキャラクターとして操作可能です。
渥美SD
当初、レディとトリッシュの追加は想定されていなかったんですよね?
伊津野D
そうそう、開発初期は 「レディもトリッシュも、ネロとダンテのコンパチブルでなんとかなるから!」 という感じで進めていたのですが…。 ※コンパチブル…互換性があるという事。この場合は、 内部プログラムをレディやトリッシュに流用する事を指す。
渥美SD
こちらも「コンパチブルだったらスケジュール的にも余裕を持って進められるな」 と 考えていたんです。ところが、開発が進むにつれてどんどん新技が増え、 モーションが増え…結果的に新規分と同程度の物量になりました。(笑)
伊津野D
正直、バージルだけ追加したゲームをユーザーの皆様が買いたいと思ってくれるか? と考えると疑問がありました。 レディとトリッシュの追加は、 ゲームをより魅力的なものにする為に必要な要素だったんです。
DJサンドウ
ユーザー目線を忘れない。大切な事ですね!

日本語ボイスで新たな魅力を発見!

DJサンドウ
その他の目玉ポイントはありますか?
藤井P
レジェンダリーダークナイトモード(以下「LDKモード」)ですね。
伊津野D
『DMC4』発売当時のハードスペック的に 搭載が難しかったのですが、 今回満を持して実装する事ができました。 ユーザーの皆様からのご要望も多かったので、 LDKモードを追加出来た事はとても嬉しく思います。
DJサンドウ
LDKモードも是非お楽しみ下さい! という事で、サウンド面での目玉、 日本語ボイスについてお話を伺いたいと思います!
藤井P
僕としては是非日本語ボイスを入れたい!と思っていたのですが、 実は、当初伊津野Dは前向きではなかったんです。
伊津野D
そうなんです。僕の中で、「デビルメイクライシリーズといえば英語ボイス」 というイメージが強くて、日本語化されたゲームは中々想像し辛い所がありました。 ですが、実際に(日本語ボイスの)収録を終えると、その考えは一変しましたね。 声優さんのボイス収録には藤井P、渥美SD、小池、僕が立ち会ったんですが、 その際渥美SDに「この部分って、キャラクターはこんな感情で喋っていたん ですね!」と言われたんですよ。
渥美SD
日本語化されて、キャラクターの気持ちがやっとストレートに 細部まで伝わってきたんです。
伊津野D
僕は脚本を作っていた為、キャラクターの感情はそもそも分かっていたので、 きっと他の人にも伝わっているんだろうな、と勝手に思っていたんです けれど、実は雰囲気しか伝わってなかった、という事にその時気付きました。 字幕で表示される字面しか伝わっていなかったというか…。 ですので、今回日本語ボイスを搭載した事で、 本当の意味でデビルメイクライの世界を日本人ユーザーの方々にお伝えできる、 とても良い機会になったと思います。
DJサンドウ
なるほど、アクションの面白さは勿論ありますが、 ストーリーの面でも更なる進化を遂げているという事ですね!
渥美SD
既にDMC4をプレイされていた方も、今回DMC4SEをプレイして頂く事で 更なる発見が沢山あるかと思います! ベリアル目茶目茶カッコイイです!
DJサンドウ
小池マネージャーは今回日本語ボイス収録における キャスティングを行ったとの事ですがいかがでしたか?
小池
声優さんのキャスティングは非常に重要な部分ですので、かなり時間をかけました。 今だからこそお話できる事ですが…、 ネロ役の石川さんの他にも沢山の候補者の方がいらっしゃったのですが、 伊津野Dと隈部プランナーを初めとし、藤井P、開発メンバーと揉みに揉んで、 「石川さんにお願いしよう!」と決定しました。今回のキャスティングは 本当に大成功だったと自負しております!
DJサンドウ
収録中はどのような様子でしたか?
小池
伊津野Dや渥美SDのディレクションとしては、 「あまり作りこみ過ぎず、素のまま、自然体で」というものが多かったですね。
伊津野D
自然体でいける人を選定させて頂いた、というのが正しいところですね。 さすがにモンスターボイスは素のままだと困りますが。(笑) ネロとネロ役の石川さんの実年齢が近いという事もあり、 「ご自身の年齢くらいの、少しはっちゃけた素に近い演技」をお願いしました。
渥美SD
声優陣の技術力も素晴らしかったですね!
伊津野D
素晴らしかった!教皇の演説なんて、テスト段階で キャラクターアニメーションの口パクにぴったりと 言葉を合わせていて鳥肌が立ちました。 外国映画の吹き替えをご担当されている声優さんも多かったので、 その辺りのノウハウが凄まじいなと。

「Let's Rock!」は「Let's Rock!」

DJサンドウ
台詞を英語から日本語訳するにあたって、苦労した点はありますか?
伊津野D
デビルシリーズの台詞自体が「アメリカの悪ノリ」的な所に 寄せてる部分が大きいので、日本語に直訳すると 「ちょっとニュアンスが違うかな…?」となる箇所が多いんですよね。 「Let's Rock!」なんかは特に迷ったので、日本語で4つの候補台詞を 実際に声優さんに喋って頂いて判断する事になりました。
渥美SD
「じゃあやるか!」「さあ始めようぜ!」「ロックの時間だ!」「Let's Rock!」 の四択ですね。で、全パターン収録した所、 やっぱり「Let's Rock!」が一番やなという事になりました。(笑) 他にも、ネロの「Hell Yeah!」という英語台詞なんかは 具体的に日本語にあてはまる言葉も無く、直訳しても「地獄最高!」 になってしまうので、日本語版では「ヒャッホー!」としています。
藤井P
その他にデビルシリーズならでは、という所で行くと、 今回日本語ボイスを収録するにあたって、放送禁止用語をどうするか? という部分も悩みましたね。 特にダンテなのですが、かなり過激な台詞を喋るシーンが存在したので どう表現するか、試行錯誤しました。 結局、とても公衆の面前で言えないような日本語訳のセリフを を収録前に何パターンか用意して、声優さんにすべて読んで頂いたんです。
伊津野D
その収録後のセリフに、わかる人にはわかる、というギリギリのライン にピー音を被せたパターンとピー音を被せなくても成立するような パターンを用意してプロデューサーに聞いてもらいました。 サウンドと僕はピー音有りの過激な台詞でいく気マンマンだったんですが、 最終的にプロデューサーNGが出まして(笑)ダンテはピー音無しの パターンに決定しました。
藤井P
ごめんなさい!(笑)
渥美SD
ちなみに、台本は声優さんやチームメンバー以外にも様々な方が目を通すので、 「なんじゃこりゃ!?」とビックリされない為にも過激な台詞は別で台本を作り、 声優さんにお渡ししました。 元の台本には該当欄に「別紙参照」と記載してあります。(笑)
DJサンドウ
デビルメイクライならではの興味深いエピソードですね! では、最後にユーザーの皆様に向けて一言よろしくお願いします。
藤井P
PS4、XboxONE、PCの3本柱で皆様にお届けする事ができましたので、 是非お楽しみ頂ければと思います。 また、先日発売記念トークショウを行った、 Gibson Brands Showroom TOKYOにて、引き続き7/17(金)までの間、『DMC4SE』とONKYO社とのコラボレーション企画を開催しております!ハイレゾリューション音源のサウンドトラック試聴等体験できますので、是非足をお運びください! (※イベント詳細はコチラよりご確認頂けます。)
伊津野D
今回、制作期間は驚く程短かかったのですが、 その中でも最大限のクオリティを出す事が出来たと感じています。 是非、お楽しみ頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。
渥美SD
今回新ハードになって、初めて7.1ch出力 にも対応していますので、 再生環境をお持ちの方は是非7.1chサラウンド環境でお楽しみください!
小池
『DMC4』を既にプレイした方も、新たに収録された日本語ボイスで 是非もう一度プレイしてみてください。 また、新規収録された英語ボイスにもご注目頂けたら嬉しいです。
DJサンドウ
藤井プロデューサー、伊津野ディレクター、渥美サウンドディレクター、小池マネージャー、どうもありがとうございました! 次回vol.2ではSEやBGMにスポットを当ててお話伺いたいと思います!お楽しみに!