2015年1月20日
バイオハザード HDリマスター 発売記念特集
- “サラウンド化へのエピソードや、バイオハザードに対するスタッフの熱い想いに注目!”
- 待望のバイオハザードHD化!
リアルになった映像を極限まで引き立てるサウンドの拘りとは!?
- インタビュアー
- はい!それでは、バイオハザード HDリマスターのサウンドスタッフインタビューを始めたいと思います。皆さま、よろしくお願いします(^ω^)
- 一同
- よろしくお願いします!
- インタビュアー
- ではまず、サウンドディレクターのほうから、スタッフ紹介と業務内容を教えていただけますか?
- サウンドディレクター
- 一言にサウンドディレクターといってもタイトルによってやることは違ってきます。今回は、ゲームのバックアップやサウンドのシステム構築、またサウンド全体の作業段取りやPV作業、そして移植回りを担当しました。
- 和田
- サウンドデザイナーの和田です。主にカットシーンの差し替えやムービーシーン回りの作業を行いました。主に2chのステレオ音源を、5.1chのサラウンドにする作業です。また英語から日本語への差し替え等ボイス回りの作業も担当しています。
- 小池
- サウンドマネージャーの小池です。サウンドディレクターの制作面以外のサポートを担当しました。工数管理、外注契約、ボイス収録の制作進行などですね。
- サウンドデザイナーI
- 私はインゲームデモ(ムービーではないイベントシーン)全般を担当しました。また、調べもの等の雑務も行っています。
- インタビュアー
- はい、ではサウンド面の演出や、こだわった部分を教えていただけますか?
- サウンドディレクター
- まず、クオリティラインを決めるところから始まりました。近年HD化タイトルが増えていますが、今回グラフィック面の進化が素晴らしいものでしたので、これはサウンドも是非5.1chのサラウンドに対応しようと思いました。初代バイオハザードがサラウンド化されたのは、本作が初となります。実際にサラウンド化したところ、こんなに効果があるのかと驚きました!ゾンビの呻き等、空間の表現力が格段にアップし、没入感がすごいことになりました。
- 和田
- そういう感じでインゲームがサラウンドになっているわけですから、カットシーンもサラウンドでないとダメだろう!ということで、5.1chサラウンドに対応しました。当時のバックアップの関係上、音の素材がバラバラのデータで残っておらず、2chのステレオミックスしかありませんでしたので、全て0から組み直しました。
- インタビュアー
- ゴイスー(^ω^) それは大変な作業ですね!
- 和田
- ボイスのほうも、今までは英語バージョンしかなかったため日本語版を作る際に0から組み直しています。
- インタビュアー
- サラウンド関連以外に何かのエピソードはありますか?
- サウンドディレクター
- 今回は音質も向上しています。バックアップにある非圧縮高音質のオリジナル素材を探してきて、再度構築しています。
- インタビュアー
- そこも「HD化」への拘りなんですね!
- サウンドディレクター
- そうです。やはりサラウンド化とアップコンバート(高音質化)は外せないだろうと。48kHzになるとやはりリアルです。質感が綺麗に出ますね。
- サウンドデザイナーI
- 今回ゲームをプレイしていて、その違いを一番感じたのは「扉」です。
- インタビュアー
- 一般のユーザーさんでも違いがわかりますか?
- 和田
- 並べて聴くとわかります。例えば、ドアの残響成分が全然違うことに気付くと思います。ドアを開けて部屋の中に入る時と外に出る時で全然音が違うのですが、これが48kHz化ですごく生きてきました。先輩方の本当に出したかった音、その拘りと熱い想いが今ここに蘇りました!あと、前回リメイクされたバイオハザードはハリウッドの音効会社に協力をいただいています。
- サウンドディレクター
- この時代は、リミッターで波形をパンパンにするのが流行りだったんですが、当時のソースを見てみると、すごくレンジが広いんです。使いやすい波形でした。当時からハリウッドではこれが常識だったということです。さすがのクオリティですね!僕たちは、いい時代にゲーム作りができていると思います。当時のソースを見て、先人の気合いと根性を感じました。
- インタビュアー
- 何か苦労された点はありますか?
- サウンドディレクター
- サンプリングレートを上げることによって各音の距離感が変わってしまうため、全てバランスを取りなおしました。
- インタビュアー
- ハイ(高音)をカットすると距離感が遠くなる、とか?
- サウンドディレクター
- そうです。近年TVの大画面化が進み、今回は映像もHD化にされた事によって映像の奥行き感等が変化しています。そういった映像の変化に伴って欲しくなる音のバランスも変わってくるため、様々な調整が必要でした。
従来の英語に加え、日本語にも対応!
- インタビュアー
- 今回、日本語対応することになったということですが?
- サウンドディレクター
- 元々プロデューサーからの希望だったのですが、僕たちもそれには大賛成でした。
日本語対応にあたり、色々な苦労は予想されましたが、HD化だけではない今回ならではのスペシャル感も欲しいですし。 - インタビュアー
- ボイス収録は、どのように進行しましたか?
- 小池
- わかりやすく言いますと、最初から洋画の完成品があるような感じですので、その吹き替えのようなイメージとなります。
- サウンドディレクター
- プレスコアリングではなく、完全に後録りですね。
- 小池
- 声優の方々も、初代バイオハザードということで皆さまかなり楽しんで収録現場にいらっしゃいましたよ。日本語では、翻訳時に当時の言い回しなど雰囲気は残しつつも、現代的にアレンジしています。
- サウンドディレクター
- 今回のクリスは「初めてゾンビに遭遇した時の若かりしクリス」ということで、少しだけ初々しく演じてもらっています。
- 小池
- ちなみに、ジルにも少し初々しい演技に変えてもらっています。
- サウンドディレクター
- 英語と日本語を切り替えることができますので、是非両方の雰囲気を楽しんでください。
- インタビュアー
- 英語の勉強にもなりますね(^ω^) 好きなゲームで勉強すれば、身につくのも早そうです。
- サウンドデザイナーI
- 私はバイオハザードで英検二級合格しました。
- 一同
- お~(笑)
- インタビュアー
- なるほど、今の時代にそった多角的なクオリティアップが図られているんですね!そんな拘りをもって臨んだ開発ですが、やはり皆さんバイオハザードに特別な思い入れがあったりするのでしょうか?
- サウンドディレクター
- HDリマスターを作るにあたり、サウンドのバイオ好きを集めた最強の布陣で臨んでいますよ。
- 和田
- バイオハザード4、5、6を担当しましたが、やはりそれらの原点はこのバイオハザードです。担当できてめちゃくちゃ嬉しかったです!
- サウンドデザイナーI
- 前回のリメイク版を当時プレイしていたのですが、それもあって担当が決まった時はとても嬉しかったです。アイテムの位置なども全て覚えているぐらいやり込んだゲームでしたので、開発の際すごく重宝されました(笑)
- サウンドディレクター
- 大学生の時遊んだのが、初代バイオハザードでした。それが巡り巡って、今回この「バイオハザード HDリマスター」という夢の懸け橋の一助になれたことを、大変光栄に思います!
- インタビュアー
- 前回のリメイク版が2002年、そして最初のバイオハザードが1996年ですので、かなりの年月が経っていますね。歴史を感じます。ここからサバイバルホラーが始まったといっても過言ではないですよね。昨今、リマスターが多くリリースされていますが、このようにゲームも歴史が長くなってきて、文化に近づいてきたのかなと思います。
- サウンドデザイナーI
- 音とは関係ありませんが、ラジコン操作とアレンジ操作が選べるようになったのもポイントですね。
- サウンドディレクター
- そうなんです。それに加えて、HD化された事によって敵との距離感もつかみやすくなっています。これによってナイフプレイが遊びやすくなりました。ナイフだけで遊んでみると、まるで別のゲームを遊んでいるかのような新鮮な感覚で遊べます。ナイフからロケランまで、更に幅広く遊べるようになったのがこの「バイオハザード HDリマスター」です。
- インタビュアー
- 一句できました。「一粒で 何度もおいしい バイオハザード」(^ω^)
- 一同
- お~(笑)
- 小池
- ゾンビを倒す楽しさもありますが、何といっても洋館を探索する楽しさがたまりません。
- 和田
- そこにいる恐怖、味わってほしいですね。
- サウンドディレクター
- 「バイオハザード HDリマスター」は、5つのプラットフォームで発売されます。PlayStation®3版、Xbox 360版は昨年発売済みで、
PlayStation®4版、Xbox One版、PC版(Steamで配信)は、本日1月20日発売です!是非、プレイしてみてください。
詳しくは、公式サイトへ!みんなゾンビになれる(?)”ゾンビ ジェネレーター”も公開中です。