巧 舟 スペシャルインタビュー!

ひそかにカプコンの歴史を紹介するマイカプコンコラム「カプコン伝説」。
その第34回での巧さんインタビュー「海をも越える大逆転」は、実は序章だった!?
今回ここに、完全バージョンを公開です!
巧ディレクターのカプコン入社から『ディノクライシス』を経ての『逆転裁判』の立ち上げ、
そして、カプコン伝説で語られた『大逆転裁判』の開発秘話に加え、
なんと『逆転裁判』ナンバーシリーズを踏まえたうえでの『大逆転裁判』のキャラクター創りに言及!
超ボリューム、1万字越えのインタビューです!!

――御琴羽寿沙都に関しては、『逆転裁判』シリーズの新ヒロインとしての部分も含めて、いかがでしたか?

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『大逆転裁判』のヒロイン、寿沙都。
はかま姿が特徴的な“大和撫子”です。

巧:いつも主人公の横にいる『逆転裁判』の“ヒロイン”は、“相棒”、“理想のパートナー”、“一緒にいて楽しいキャラクター”という部分が重要ですね。それは、初代の真宵ちゃんから変わらない部分です。

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『逆転裁判』初代ヒロインの真宵ちゃん。
相棒として、非常に楽しいキャラクターでした。

巧:寿沙都さんも、同じコンセプトで生まれたキャラクターです。
それに加えて、“明治時代”というところで“大和撫子”というキーワードが加わりました。
彼女は“法務助士”なのですが、明治時代に“職業婦人”という自立した生き方をしているというのは、ものすごく先進的なことだと思うんです。そういう凛としたたたずまいのキャラクターですね。今回は、あえて“霊媒”や“手品”などの特殊な能力を持たせず、シンプルな“相棒”という位置づけにしました。

――今回のライバル検事であり、オールドベイリー最強の強敵、バロック・バンジークスに関してはいかがでしょう?過去の『逆転裁判』のライバル、御剣検事やゴドーと比べて、キャラ作りのとき意識した部分はありますか??

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今回の最強の“死神”検事、バンジークス。
外見からも、非常に冷徹な雰囲気がうかがえます。

巧:『逆転裁判』の御剣怜侍は、 『逆転裁判』一作目での登場ということで、ぼくの中の“理想のライバル”として、自由に作れました

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『逆転裁判』の検事、御剣怜侍。非常に個性的なライバルキャラでした!

巧:“検事局始まって以来の天才”というのも、初代だから使える設定で、毎度まいど“天才”というわけにもいかず、2作目以降、検事の設定はいつも、苦労していますね。
いろいろ考えて、狩魔冥は“狩魔豪の娘として天才でなければならない努力家”であったり、ゴドーさんは“新人なのに大物”だったり、ライバル検事の設定は、毎回悩みぬいています(笑)。

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ライバル検事である『2』の狩魔冥、『3』のゴドー。
それぞれに、立ちすぎるほどキャラが立った、敵(ライバル)の検事です!

巧:そして、今回のバンジークスに関しては、現代が舞台である『逆転裁判』とは時代が違うというところから、“時代性”という部分も含めて、キャラクターを考えていきました。
19世紀の裁判といえば、“陪審員制度”という部分も含めて、民衆のエネルギーが今よりも強く法廷に影響していたようなイメージがあります。

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今作の新システムでもある“陪審バトル”。
それは、この時代の民衆の“雑多なエネルギー”の象徴でもあります。

巧:いくら検察側の立証が完全でも、民衆のエネルギーや気まぐれの部分で判決が覆ることがあったり、そういった“能力”だけではどうにもならない部分が、当時の裁判にはあったんじゃないかと。
陪審員は法律のシロートで、善悪の判断が法律だけでは決まらない、そういった不確定要素のある法廷においても、決して被告人が助からないとしたら、どんな検事だろう…というのが、バンジークスというキャラクターの出発点でした。
どんな判決が下されても、決して被告人が助からない…そこから“死神”というキーワードが浮かんで、バロック・バンジークスというキャラクターが生まれました。

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今回のライバル検事、“死神”バンジークス。
その背後の“闇”からの威圧感は、すさまじいです。

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彼の“異議あり!”には、ある意味、荘厳さすら感じられます。

――なるほど。時代性を含めた部分でのキャラクター造形だったんですね。
では、ホームズに関してはいかがでしょう?ある意味、原作から大きく飛躍したキャラクター造形ではありますが、ここは最初から決まっていたのでしょうか?

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今作の重要人物、シャーロック・ホームズ。
時代の先端と、切れすぎる雰囲気を合わせ持っています。

巧:今回のゲームのルールとして、“名探偵のズレた推理を修正する”という部分は、最初から決まっていたんですね。だから、もうしわけないとは思いながらも、『大逆転裁判』のホームズさんは、正しいことが言えない“宿命”を背負うことになったわけです。

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キレすぎるがゆえに、“真実の向こう側”に着地してしまうホームズ。
その推理の暴走も、今作で楽しめる部分です。

巧:じつは、コナン・ドイルの書いた「シャーロック・ホームズ」の物語の連載が始まった数か月後には、すでにその“パロディ”が生まれていたんですね。そういったパスティーシュ(本編設定の模倣を基本としたパロディ小説)の歴史は本編と同じぐらい長くて、ぼく自身も、そういう作品の中にも好きなものがあって、そうした愛情に満ちた“パロディ”のひとつとして、今作のホームズが生まれました。

――ワトソンに関しては、いかがでしょう? これまた、思い切った変更だと思いますが?

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ホームズの事件を小説として連載する少女、アイリス・ワトソン。
カワイイ相棒ですね!

巧:そうですね。
今作はホームズに対して、龍ノ介という相棒がいるので、そこでドクター・ワトソンという英国紳士がもう一人いるよりは、まったく違うタイプのキャラクターのほうが面白いのではないか、と思いました。
これも、パスティーシュの世界では“おなじみ”の手法で、ドクター・ワトソンは“少年”になったり“女性”になったり、いろんなバリエーションが生み出されているんですね。だからある意味、王道の変更かな、と思います。

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かわいいは正義!です!!

ファンへの感謝も含めた『大逆転裁判』

――『逆転裁判』は、海外での反響も大きく、そのため『アルティメット マーヴルvs.カプコン3』に登場した部分などありましたが、そういった海外での反響の大きさを、巧さん自身が感じられることはありますか?

巧:正直なところ、日本にいる限り、海外の方の反響を直接、感じることは少ないですね。
数年前に一度、『ゴースト トリック』のときにコミコン(コミック・コンベンション)の視察や海外でプロモーションをする機会があって、そのときの海外の学生さんやマスメディアの方々と話す機会があって、多くの方から「面白かったよ!」と直接言われたのは、本当にうれしかったですね。
そういえば、海外のインタビュアーの方は、日本ではあまり聞かれることのないような細かい、マニアックなことを熱く前のめりに質問してくれるので、答えるこちらも刺激的で楽しいですね。

『アルティメット マーヴルvs.カプコン3』は、なるほどくんのセリフを監修させていただいたのですが、参戦が決まったことを海外で発表した動画を見せてもらったんですね。そこで会場で大きな歓声が上がったのを見たときは、胸が熱くなりました。

――では最後に、ファン、プレイヤーのみなさまに一言、お願いします。

巧:最初の『逆転裁判』開発から、そろそろ15年が経つのですが、多くのみなさんがここまで遊び継いできてくれたからこそ、今回『大逆転裁判』を作ることができたのだと思います。
第1作から遊んでくれた人も、きのうから遊び始めた人もいて、そういう無数の遊び継いでくれた歴史の果てに生まれたタイトルだと思うと、本当に感謝の言葉しかありません。
ぼく自身、シリーズを作りつづけることで少しずつ成長しながら、ここまで来ることができました。
よかったらぜひ、手にとって遊んでいただければと思います。

――ありがとうございました!

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