INTERVIEW

2012年11月27日

バイオハザード6
発売記念サウンドスタッフインタビュー! Vol.3

『バイオハザード6』発売記念特集Vol.3!
カプコン史上最大規模のサウンド制作現場の裏側に迫る!!
DJサンドウが潜入し、リードコンポーザーに突撃インタビュー!
バイオ6はゴイスー!もちろんサウンドもゴイゴイスー!
第3回目はリードコンポーザー編です

4つのシナリオで音楽性を変える
というのも大きなテーマだったんだぜ!

DJサンドウ :
バイオー!サイコー!オモロー!本作でご担当された業務内容をお教えてくだい!
リードコンポーザー(以下LC)
リードコンポーザーだぜ!BGMの責任者ってやつだね!
仕事内容かい?音楽の方向性の発案、作曲、内外問わず楽曲制作の発注、ミキシングディレクション、BGM回りのシステム設計、ゲームへの組み込み、演出、音楽に関わる業務全般。もうベイビーだろ!ぞくぞくしちゃうだろ!エクスタシーだぜ!
DJサンドウ :
ほへー!色々やられましたね!リードコンポーザーの仕事って、作曲だけじゃないんですね!びっくりくりくり!くりくり! 全くもってベイビースターダスト!ジャーマンポテイト! では!サウンド面での演出やシステム等で特にこだわった部分を教えてガリレオ!
LC
先ずは、テンションに呼応したBGMの「展開」の切り替えという点かな。
DJサンドウ :
ほよよ!? テンションに呼応!? はて?? テンション田口さん?? 小浦さん??
LC
説明しよう! 例えば潜伏中の状況から、一気に激戦に変わるとすれば、そのタイミングで音楽がAメロからBメロに切り替わる。ボイスも囁くような声から、叫ぶような勢いのある語調へと変化させることで、プレイヤーのシナリオとゲームへの没入感を促す仕組みを作ったのさ!しかもBGMは状況でいきなり変化させる場合もあれば、場合によってはAメロのキリの良いところまで再生!そしてBメロに移行するってこともやっているぜ! 音楽っていうのは4小節や8小節単位でキリの良い部分がくることが多いんだぜ!ベイビーだろ!
DJサンドウ :
ほほ~!あまりにも自然に変化しているので気付いていないユーザーさんもいるかもですね!皆様!状況に応じたBGMの変化をよーく聞いてみましょ~!
LC
結果、ゲーム全体を一つの大きなカットシーン(ムービー)に見立てたような 作曲方法をとっていくことになったんだけどね!
DJサンドウ :
ひえ~!バイオ6には沢山のBGMがありますが、もしかしたら全部合わせて壮大な1曲!って感じかもですね! ここで一句!SOかもね!かもねぎ!カモナ!マイハウス!
LC
4つのシナリオで音楽性を変える、というのも大きなテーマだったんだぜ!
ベイベー!ここにおいては、言いたい放題のアタイの「やりたい」という部分をサブで付いてくれたコンポーザースタッフが作曲で実現してくれたのが本当にありがたかったねえ。 レオン、クリス、ジェイク編はコンポーザーAさんが、エイダ編はコンポーザーBさんが作風をリードしてくれたんだよ!

マジ!リスペクトだっつーの!

ちょっと乱暴だけど、すごく簡潔に説明するならば! 「レオン編はゴシックホラー」、「クリス編はハリウッド系アクション映画」、「ジェイク編は寒空の似合うヨーロッパ映画」、そして「エイダ編はデジタル+オケ」という曲調になるかねえ。それらシナリオがクロスオーバーするシーンでは、メインテーマフレーズをそのシナリオの曲調にアレンジすることで、統一感を出す!といった工夫もしているんだよ!
DJサンドウ :
なぬっ!なんと!もう一回プレイしてクロスオーバーのシーンよーーーく聞いてみまっす!
LC
ベイビーだぜ!よろしく!

ディレクターがカッコイイ!と叫んでいるのを見て
成功を確信したんだ!

DJサンドウ :
本作ではオーケストラ、ボーカルレコーディングを行ったとの事ですが、楽団や収録場所等を決定した経緯やそれぞれで良かった点、苦労した点等を教えてください~!
LC
今回はオーストラリアにて90人という大編成でオーケストラ収録を行ったのだよ!もちろん収録場所の候補は色々上げたんだけど様々な理由を考慮した結果、今回に関してはオーストラリアがベストだろうとね!
日本との時差が殆ど無いのは、スムーズに仕事が運んだ理由の1つになったね。というのもオーケストラ収録は、1分1秒が問われる収録現場なので、どの部分を優先的に収録していけばベストかというのを常に配慮しなければならないんだよね!もう緊張しっぱなしだよ! 作曲にも携わっていた外部協力会社さんがオーケストレーターとして動いてくれたのも大きな助けになったね。結果、こちらが欲しかった壮大で「ザ・ハリウッド」って感じの音が収録できて、ゲームの重要なシーンを盛り上げるのに一役買ったと思うよ!

ボーカル収録については、ジェイク編の最後のカットシーンを見た時に「ここでボーカル曲を入れたい」という思いつきから、もう間に合わないんじゃないの?という開発終盤に無理矢理詰め込んだ楽曲なんだよ!
アタイの方で作曲を行い、外部協力会社さんの手配して下さった海外在住のアーティストがアレンジし、彼がプライベートスタジオに友人のプレイヤーを呼んで、バンド演奏してカラオケ部分を制作してくれたんだよね。ボーカルトラックは東京にて収録したので立ち会ってディレクションもしたよ! 「英語にした時に良いメロディーになる」というコンセプトのもと作曲を行ったのだけど、外部協力会社さんを始め、本当に様々な人々の尽力でそれを実現することが出来たんだよね!是非ゲームをプレイして聴いて欲しいな!
※※収録の様子を見守るコンポーザーチーム
DJサンドウ :
わー!そんなお話を聞くとまたゲームプレイして聴きたくなります! さて、本作作曲家として外部作曲家がクレジットされておりますが、彼らとコラボレー ションする事になった経緯や、コラボレーションして良かった点等教えてください~!
LC
開発当初「より良い物を生み出すために社内外でコンペをしたい」という意向がプロデューサーにあったんだ。そのことがきっかけでアタイらが色々調査して出会った外部協力会社さんと一緒に仕事ができたことは最高のコラボレーションになったと言えるね!

近年「タレントプール」という言葉があるのだけど、まさにそれの原形のような仕事ができたんじゃないかな。 例えば、メインテーマはカプコンのディレクションのもと、外部協力会社さんが作曲してくれたんだ! そして、このテーマフレーズを使ってメインメニューの曲をアタイが作った! 更に! キャラクター選択画面で各キャラクターを選択すると、そのテーマフレーズが重なってくる仕組みになっているのだけど、レオン選択時は、サブで付いてくれたコンポーザースタッフAさんが作ったレオンのテーマフレーズが、ジェイクおよびエイダ選択時はコンポーザースタッフBさん作曲のテーマフレーズが重なってくる。まさにこういう制作方法って究極のコラボレーションだと思うんだよね! 今回のアタイの仕事は「アタイがリーダーだからアタイが最良のものを作る」のではなく「社内外問わず作曲家各々の一番秀でた部分を、どのように組み合わせたら、作品全体が最高になるのかを考えて、指令を送る」ことだったんだ!バイオ6BGMの司令塔というワケだね。エクスタシー!
DJサンドウ :
ほへー!なんだかかっこいいです!グッドルッキングガイズです! ではCAP’STONEをご覧の皆様だけにこっそり教える制作秘話、等ございましたら教えてくださいましー!ましまーし!
LC
ゲームの冒頭、プレリュードのワンシーンのことなんだけど、当時まだゲームが出来上がっていなかったのに、どうしてもオケの曲を使いたくて(笑)、苦労したんだよね! ディレクターや企画の方々を始め、インゲーム班、エフェクト班など、様々なスタッフと打ち合わせをして確定要素を決めて、ギリギリまで「こーゆー風に音楽の展開を分けておけば、ゲームがどのように転んでも大丈夫」という作戦を練って、作曲、収録に臨んだんだよ! ドキドキしながらの収録だったけど、データを持ち帰り、ゲームに組み込んでディレクターがカッコイイ!と叫んでいるのを見て、成功を確信したんだ!クリエーターとしての喜びの瞬間かな!ベイビーだぜ!って感じだね。
DJサンドウ :
確かにベイビー!ですね!
では!本作でのおススメ曲をお教えくださいな~!な~!ななな!ななな!
LC
メインテーマを始めどれもオススメなんだけど、ここではマニアックなシーンでのオススメな曲をご紹介しちゃおうかな!えーっと、レオン編のミサイル飛来後、ゾンビガスの充満するターチィの街をクワッドタワーへと急ぐレオンとヘレナ、緊迫感のある曲調からジープに乗って惨劇の街をゆっくりと進むときのレクイエムのような曲調は、映画的な演出も相まってめちゃくちゃカッコイイ!と思うので是非じっくりと聴いてみて欲しいな!実はこれメインメニューの一部のフレーズのアレンジになっているんだよ!ベイビーだぜ!!!
DJサンドウ :
はい!ベイビーです!最後に本作をプレイして頂いているユーザーの皆様へ向けて一言お願いしまっす!
LC
買ってくレオン! 面白いにちがいねエイダ!
ベイビー!エクスタシー!サンキュー!ベリーマッチョ!

ありがとうございました!
次回はサウンドデザイナー編をお届けします!