INTERVIEW

2015年6月25日

デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション発売記念特集 vol.2

追加要素も盛り沢山の『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』が遂に発売!

開発スタッフに突撃インタビュー!vol.2!

同じ技のキメセリフでも、2倍楽しんで頂けると思います!

DJサンドウ
デビルメイクライ 4 スペシャルエディション(以下『DMC4SE』)発売記念サウンドインタビュー第2段!今回はサウンド開発スタッフの西田さん、茅根さん、和田さんと、前回に引き続き渥美サウンドディレクター(以下「渥美SD」)をお呼びしてお話を伺います!
DJサンドウ
それでは、日本語化!という事で、まずは日本語担当の西田さんお願いします!ボイス周りをゲームに入れるお仕事との事ですが、どういう事をされるのですか?
西田
サウンドデザイナーとして参加致しました。西田です。主にゲーム中の日本語ボイスの調整を行いました。
渥美SD
英語と日本語どちらでプレイしても、プレイ感に違和感が無いように調整してね!とお願いしました!
西田
具体的には、ベースとなる英語ボイスと日本語ボイスを比較して、音量・音圧・イントネーションや言葉の間など聞き心地を整える仕事で
DJサンドウ
なるほど!今作では日本語と英語が切り替えられますが、特にどういう部分に気を付けて制作されたのでしょうか?
西田
そうですね。このゲームはシビアなアクションを、ユーザーの皆様に楽しんで頂くゲームだと考えております。アクション部分のボイスひとつを取っても、その微妙な調整具合で、キャラクターのさわり心地が、まったくと言って良いほど変わって参ります。

例えば、「レッツロック!」というボイスは、文字でみると日本語、英語共に同じ文面を発声する事になりますが、これを違う声優さんが演技されると、カレーとラーメンぐらい、全く別物の音声になります。それをそのまま使用いたしますと、ボイスを切り替えた時に、台詞の尺、トーンや張り具合、張っている部分などが微妙に違う為、同じ技を出しても、アクションのキメ対してに言葉が決まらず、アクションがダラッとした印象になり、プレイに違和感がでてしまいます。

ですので、声の鳴るタイミング等を調整して、ユーザー様が「おや?」と、違和感を感じられないようにする事を、とても大事にして取り組みました。

渥美SD
大変だったのが、日本語と英語では反響等のエフェクトを同じ設定にしていても印象が違うんですよ。声が違うので当然といえば当然なのですが。声の悪魔加工の際にも、英語版と同じ設定の加工だとまったく違う印象になってしまうので、かなりの数のパラメーターを調整し直して、音色は違っても印象だけは絶対に変えないように頑張ってもらいましたよ!
西田
頑張りました!
DJサンドウ
アクションに紐づくボイスはゲームに直結する重要な要素ですからね! それでは、西田さんが選ぶサウンド面でのお勧めポイントを教えて下さい。
西田
日本語と英語はセリフの言い回しが違いますので、同じ技のキメセリフでも、2倍楽しんで頂けると思います。前作からのネロ、ダンテに関しましても、日本語でプレイ頂けますと、全く違った一面を体験頂けます。もちろん新プレイヤブルキャラの3名に関しても、それぞれの言語でプレイ頂けますと、楽しみが倍増することは間違いありません!

DJサンドウ
それでは、新規カットシーンの音楽に関して、担当の茅根さんお願いします。
茅根
『DMC4SE』の新規カットシーンやPV等のBGM作成・編集を担当させて頂きました、コンポーザーの茅根です。
DJサンドウ
バージルのOPカットシーンに関して、どのようなポイントを意識して楽曲を制作されましたか?
茅根
「クールでロックしてるメタル、且つデビル4の世界観を引き継ぎつつ新しさも感じさせる楽曲」というオーダーを受けて、かなり試行錯誤を繰り返しながら制作を進めました。精神性の部分が強かったので、当初コンセプトを伺った際は、分かったような分からないような状態でしたが(笑)渥美SDや伊津野ディレクター(以下「伊津野D」)と話し合いを重ねつつ、イメージを固めていったという感じです。
渥美SD
“振り返ってみると、簡単に無責任なお願いしてしまいましたね・・・。
デビル4の世界観から逸脱せずに、新しさを出すのは前提として、「クール」っていうのは渥美がデビルシリーズの音楽に一貫して感じている部分。 まじめな音楽からおふざけの音楽まで、全てどこか共通してクールなんですよ。

「ロックしてる」っていうのはジャンルの事では無く普通の尺度に納まらない音楽という、どちらかというと精神的な意味合いでした。あえて定石から外す事で聞いた時の印象を強く残したいという思いですね。

「メタル」っていうのはロック系の音楽ジャンルをキャラクターの年齢と行動にあてはめると、ネロはやんちゃなパンク青年、ダンテはロックなおじさん、バージルは冷酷なメタルお兄さん、という印象があったので、メタルにしよう!と。まったく理屈では無いですね(笑)

で一発目に筋肉ムキムキの悪役プロレスラー入場曲風の重厚なメタルが出来て大笑いしてました。バージルは悪でも筋肉ムキムキでも無いので、余計にギャップがあって(笑)「メタル」って一口に言っても凄く広いジャンルなので、難しかったですね。”

茅根
ですね~。最初はEDM要素の強い極悪メタル曲で挑んでみたのですが、度が過ぎてしまっていたようです。(笑)その後、渥美SDにギターを弾いて貰いながら、あーでもないこーでもない、と夜な夜な議論を繰り広げ完成に至りました。
渥美SD
あとは、『デビルメイクライ3』のテーマは片鱗だけでも絶対入れたかったので、楽曲中にねじ込んでもらいました。シリーズファンの方々に「おっ!」って思ってもらえれば嬉しいです。
DJサンドウ
サウンドはなかなか言葉では表現し辛い所がありますが、そういったハードルを乗り越えて1つのゲームを作り上げていく、というのもチーム制作の醍醐味ですね!
続いて、レディ、トリッシュのOPカットシーンに関して、 どのようなポイントを意識して楽曲を制作されましたか?
茅根
戦闘シーンの楽曲ではありますが、レディやトリッシュのしなやかな美しさや、そこはかとなく漂う気怠さを演出として盛り込みたかったのでスローなテンポ感で、音の「隙間」を大事にしながら制作しました。
渥美SD
おねぇさんを感じるノリのイイ音楽がイイなぁって、簡単に無責任なお願いをしました(笑)また、伊津野Dからの提案で、「ハモンドオルガンの音って入れられへんかな?デビルの音楽でも今までに無いパターンやから、うまく混ざったら面白くなるかも?でもやってみて無理やったら無しでもいいよ~!」と。で、イイようにやってもらったら、「夜の」おねぇさんを感じるノリのイイ音楽が出来てびっくり!天才だと思いました。
茅根
作り出してみると、提案のあった「ハモンドオルガンの使用」と舞台設定の「夜」との相性が非常に良かったので、ディレイをかけたハモンドオルガンの音色を「夜」の雰囲気を演出する為の要素として潜ませました。
DJサンドウ
レディ&トリッシュのOPシーンも必見・必聴ですね!
それでは渥美SD、ズバリ、カットシーンの全体的なサウンドの出来栄えはいかがでしたか?
渥美SD
映像に対して音を付ける時に、
①ダイアログ(声)
②BGM
③効果音
の3つの要素で映像を演出していく事になるのですが、3要素それぞれがお互いのうま味を引き出すように絡み合った演出が非常に高いレベルで出来ました。それぞれが独立した存在では無く、全部ひっくるめて「音」として表現出来た・・・という感じです。どこまでが音楽でどこまでが効果音か?の境界を取っ払う、、、というか、、、言葉にしにくいです。。。ややこしい事は抜きで、カットシーンを見た方が「うぉ!カッコイイ!」と感じてくれていれば大成功です!

バージル、レディ、トリッシュ効果音の秘密に迫る!

DJサンドウ
続いては新キャラクターの効果音について担当の和田さん!お願いします!

和田
ヨッシー和田です!ヨッシー!今回は、バージル、レディ、トリッシュの効果音を作りました。クールなバージル、クレージーなレディ、ホットなトリッシュのサウンドを堪能してくださいヨッシー!
DJサンドウ
ハイテンションですね~!そんな和田さんが制作された、バージルの効果音って凄くクールです!どういうアプローチで組み立てたのですか?
和田
バージルってスカシていてめちゃクールなキャラですよね~!目指した方向はその名も ”スカシクール” 「スカシテいてクールな音!」 こちらを念頭に置いて作りました。
渥美SD
バージルはクールなのですがクールだけを意識すると難しかったのが、ベオウルフ装備時の攻撃音ですね。どこか荒々しさを出せないかなぁ?と。
和田
そこでクール且つアグレッシブ!ベオウルフのジャスト溜め攻撃が成功すると、「ガオー」というちょっとモンスター系のSEをさり気なく鳴らしてるんだけど、気づいてくれるかな~。 けっこうタイミングがシビアなんですよ、でも成功すると音の方でも聞いて嬉しい「ガオー」って音が鳴るので、がんばって聞いてみてください。もちろんデビルメイクライ3のボスキャラ!ベオウルフをイメージした音です!
渥美SD
そうそう!あとは、DevilMayCry3のバージルの音が超絶Coolだったので、いくつかの象徴的な音はDevilMayCry4の音の世界に溶け込むようにアレンジしていれてますね!
和田
Cool, cooler, coolest,  クールでなければバージルじゃない。これからの暑い季節、バージルをプレイして ギンギンに冷えてくれれば良いな~。
DJサンドウ
暑い夏にもぴったりですね!クールなバージルサウンド、皆様是非お楽しみください! そして、レディの効果音も凄くクレイジー!どういうアプローチで組み立てたのですか?

和田
レディって可愛い顔してるのに、かなり危ない人ですよね。まず、恰好がセクシーすぎてやばいですよね。それでいてあの武器の数。いったいどこから出してくるんだ・・・。
渥美SD
他のキャラクターの武器と違い、レディの武器は人間の武器なので、現実世界に存在しそうな音にデザインしましょ~!と決めました。なので、他のキャラクターの銃とはちょっと違う感じ、あえてデビルっぽくない感じの音でつくり始めてもらいました!ただ、単純に現実にありそうな音にすると地味になってしまいがちなので、 「気持ち良さ!」だけは絶対に外さないようにつくってもらいました。現実にありそうだけどクレイジーな音に!
和田
レディのコンセプトはクレイジー!レディの効果音は、とにかく派手に!!あらゆる武器をぶっ放して爽快感を感じましょう!というのがテーマでした。

あとは武器音の差別化ですよ! よくあるじゃないですか!見た目は違うのに音は同じっていう武器! あーいうのは個人的に許せないんですよ。だから、レディの武器はもちろん、武器毎に音を変えてましたよ!そんなの当たり前だの…!!え!?年がばれる? ばれて悪いか!!

クラッカーといえばレディの「ヒステリック」という技。あれはもう完全に中国のお祭りをイメージしました。プレーヤー担当企画マンからも「爆竹の弾けるイメージ」というリクエストがあったので「ババババ、バパッバパッバパッバパッバパッバンバンバンババンがバンバンバン!!全員集合!!」ってな感じにしました。 そのヒステリックの爆発音は爆竹の音をベースに作っているんですが、その爆竹の音は、昔私が自分で録音した音なんですよ!

そうそレディの武器って困ったことに、各武器が3段階にパワーアップするおまけつき。あ~あ~本当に困りましたよ。(えっ!嬉しそうですか?)そしてそのパワーアップした武器毎に音をパワーアップさせていくのが、これまた熟練職人の成せる業ですね! だてに1?年カプコンでサウンドデザイナーしてないですよ。3段階なんて中途半端なこといわずに10段階ぐらいまでパワーアップしても良かったんですけどね~。

DJサンドウ
なかなかパンチのあるエピソードです!また、レディもさることながら、トリッシュの効果音はとてもセクシーですね~!これはどういったアプローチで組み立てたのでしょうか?
和田
トリッシュってちょっとS入ってますよね~。ちょっと危ないSっ気のあるお姉さん。そこでトリッシュは 「私に近づいたらビリビリしちゃうわよ!」 がテーマです。「ひえ~っビリビリビリビリ!!」って感じがにじみ出るキャラを目指しました。””S””っ気かつSEXY!, 名付けて その名も Super Sexy Sound Effect !! SSSE!!

渥美SD
そのSSSEを作り始めた頃の話で、「トリッシュはダンテ丸移植でオッケーですよ!(伊津野D談)(笑)」って事なので、それほど専用の効果音はいらないです!上手くダンテの音を使いまわして、追加で気持ち良い電気ビリビリ音をいくつかつくってくださいね!って、結果ウソになるお願いをしてしまいました(笑)
和田
そう!最初は楽ちんポン! のはずだったんだけど、結局トリッシュ専用の新技がたくさん追加されたんですよね!ありがとう!そんなこんなで、トリッシュ用にも新しいSEを用意しないといけない羽目になりました!!
具体的にいうと見た目が結構電気バリバリの派手なお姉さんなんで、電気系の音はたくさん使いました。でも終始バリバリ鳴ってるとうるさいんで、ここぞ!という時に雷の「ドーン!」とか雷落としたりして通常技との差別化を図りましたよ。そうそう、私は最初の「デビルメイクライ」の制作にも関わっていて、そのときもトリッシュの電気の音たくさん作ったので、その時の電気の音をちょっと使ってみたりもしました。とても懐かしい気持ちになりました。
DJサンドウ
“数年ぶりのトリッシュとあれば想いもひとしおですね! 制作期間を振り返ってみて、何か思うところはありますか?”
和田
きっと楽すれば楽できたんでしょうけど、「苦労は買ってでもしろ! ゲームは買ってしろ!」 というのが僕の婆ちゃんの遺言だったので、なるべく使い回しはしないで、新規に専用の音を作りました。そんなこんなで、もう私的には”Special Edition”ではなくて”Spectacular Edition” ですね~。
DJサンドウ
“「苦労は買ってでもしろ! ゲームは買ってしろ!」 !名言ですね~! それでは最後にユーザーの皆様に向けて一言お願いします!”
西田
新プレイヤブルキャラと、日本語ボイスの追加となりました本作を、是非、隅々までご堪能頂けますと、本作に携わりました1スタッフとしましても、この上ない喜びです!また、デビルのアクションは本当に奥深く、私も担当になった際、久しぶりにプレイ致しましたが、新しい発見も有り、何年もかけて楽しめますので、本当にオススメの1本です!
茅根
プレイヤーキャラクターの追加や新規のカットシーン、日本語ボイス・・・等、『DMC4SE』には新たな魅力が(サウンド面においても)沢山詰まっていますので、是非スピーカーのボリュームを少し上げてお楽しみ頂ければ幸いです!
和田
デビル4を遊んだことのある人も、今回初めての人も絶対めちゃくちゃ楽しめるゲームになっているので、絶対遊んでくださいね!
渥美SD
気持ちよくてカッコイイ音をいっぱい入れる事が出来ました!これから凄くカッコイイコンボが沢山開発されていき、こちらが考えてもいなかったような組み合わせで音が鳴り始めるのが楽しみです!何百時間やっても飽きないゲームに仕上がっているので、是非遊んでみてください!
DJサンドウ
“渥美SD、西田さん、茅根さん、和田さん、ありがとうございました! 『DMC4SE』是非ともお楽しみくださいね~!”

『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』
公式サイトはこちら!→

http://www.capcom.co.jp/devil4se/ja/