INTERVIEW

2012年12月10日

バイオハザード6
発売記念サウンドスタッフインタビュー! Vol.5

『バイオハザード6』発売記念特集Vol.5!
カプコン史上最大規模のサウンド制作現場の裏側に迫る!!
DJサンドウが潜入し、コンポーザーに突撃インタビュー!
バイオ6はゴイスー!もちろんサウンドもゴイゴイスー!
第5回目はコンポーザー編です

私達コンポーザーが作った音楽のパーツを使って
ユーザーさんが編曲しているとも言えますね!

DJサンドウ :
バイオー!サイコー!オモロー!本作でご担当された業務内容を教えてください!
コンポーザー
はい!私ですか?では!お答えします! 肩書きは、コンポーザーです! ゲーム内の音楽の作曲と、作曲したデータをゲームに組み込む業務を行いました! 一生懸命頑張りましたです!
DJサンドウ :
素晴らしい!楽曲制作に集中された感じですね!  では!サウンド面での演出やシステム等で特にこだわった部分を教えてくりくり!
コンポーザー
リードコンポーザーからもお話があったと思いますが、今回は新しいBGMの鳴らし方のシステムを導入することによって、音楽の演出にかなりこだわることが出来たんです! 説明が重複してすみませんが、簡単に説明しますと! BGM1曲の中の展開、例えば Aメロ、Bメロ、Cメロ を別々のデータに分けて持たせ、 ゲームの進行に合わせてAメロから次の展開のBメロに、いきなり切り替えることも出来れば、音楽として美しく成り立つように4小節や8小節などのキリのよいタイミングでBメロからCメロにスムーズに移り替えることが出来るシステムなんです!
例1:不自然なつながり(0:09辺り)
例2:自然なつながり (0:10辺り)
コンポーザー
だからプレイするユーザーさんによってAメロが長くなったり、Bメロが短くなったりするんです!つまり私達コンポーザーが作った音楽のパーツを使ってユーザーさんが編曲しているとも言えますね!ゲームというメディア最大の魅力であるインタラクティブってやつです!
DJサンドウ :
なるほど!ユーザーさんが編曲者!面白いですね!もちろんユーザーさんのバイオ6という世界への没入感にも繋がるというワケですね!
コンポーザー
はい!そうです!没入感です! 個人的にはクリス編のラストでは、「ストーリー」や「状況の展開」を強く意識しながら音楽を付けて上手く演出することが出来たと思います!是非聴いて欲しいです! また、作曲する時点でどのように演出したいか!?というビジョンをある程度組み上げている状態にしておくことを心掛けました!シナリオの流れやキャラクターの状態など、様々な情報を頭に入れて作業しなければならず大変な面もありますが、ゲーム上でいい感じに組みあがった時は大変嬉しい瞬間ですよ! インタラクティブ性を意識して作曲するところが、ゲーム音楽という特殊なジャンルのコンポーザーの醍醐味です!
DJサンドウ :
確かに様々なジャンルのコンポーザー(作曲家)という仕事はありますが、ゲーム音楽のコンポーザーほどインタラクティブ性を意識することは少ないでしょうね! はい!続きまして! 本作ではオーストラリアにてオーケストラレコーディングを行ったとの事ですが、 良かった点、苦労した点等教えてください!さい!
オケ収録の様子
金管楽器部隊
ドラムセット
オペラハウス
コンポーザー
はい!先ずオーストラリアにはコアラやカンガルーがいて楽しかったです!私自身、オーケストラ収録には今回初めて立ち会ったのですが、やはり限られた時間の中で最大限のクオリティを出すという部分が一番重要なことであり、一番勉強させられたことです! 時間は無情に経っていくため、とにかく瞬間的な判断力が求められます。当日の段取りをしっかり把握し、オーケストレーターや指揮者とのコンセンサスを確実に取っておかなければ、いざ始まってからでは迷っている時間は全く無いということを実感しました! 実際に現場に足を踏み入れてみて感じるスピード感や緊張感はとてもよい刺激になりました! 経験豊富なオーケストレーターやスタジオの方々の多大な協力もあり、大変素晴らしい楽曲を収録することができましたよ! もちろんコアラも可愛かったです!
眠たいコアラ?
DJサンドウ :
良いですね!コアラ!
コアラにユーカリ! 猫に小判! ゲームは1日1時間!

作曲家同士がコラボレーションすることにより
自分に無い感性に触れることができて
お互いに刺激を与えあうことが出来たと思います

ごろごろカンガルー様
DJサンドウ :
本作作曲家として、外部作曲家が多数クレジットされておりますが、 彼らとコラボレーションして良かった点を教えてください~?
コンポーザー
バイオ6には社内外合わせて総勢8名の作曲家が関わっています! それぞれの作曲家が持つオリジナリティが存分に発揮され、また作曲家同士がコラボレーションすることにより自分に無い感性に触れることができてお互いに刺激を与えあうことが出来たと思います! 8名の作曲家をまとめ上げたリードコンポーザーはとても大変だったと思います!
DJサンドウ :
さて!CAP’STONEをご覧の皆様だけにこっそり教える制作秘話等ございましたら! 聞かせてください!話してください!
コンポーザー
ここだけの話ですが、レオン編オープニングの冒頭に入るピアノのフレーズはレオン編の「テーマフレーズ」なのですが、最初はとあるカットシーン用に作曲した曲のフレーズの一部に過ぎませんでした。「このフレーズ、いいやん」というノリでいろんな場面に使っていった結果、テーマフレーズへと出世したんですよ!愛おしいフレーズです!
見事出世を果たしたフレーズ
ショッピングモールにて
DJサンドウ :
めんこいの~!って感じですね! では!本作でのおススメ曲を教えてください!
コンポーザー
1番思い入れのある楽曲でいえばクリス編の冒頭のメインストリートで流れる曲です。実は私がチームに入って一番初めに作曲した曲で、バイオ6のファーストインプレッションなんです!そして、ゲームの進行によって展開していく演出が分かりやすいところでもありますので、是非そこも聴いてください!
コンポーザーのお気に入り(自薦)
コンポーザー
あと、私の曲ではありませんがジープ戦のBGM。 直前のカットシーンからの流れがしびれます!是非、シナリオを追いながら聴いて欲しいです!チョーカッコイイ!!
コンポーザーのお気に入り(他薦)
DJサンドウ :
チョー気持イイ!何も言えねえ! 最後に!本作をプレイして頂いているユーザーの皆様へ向けて一言!
コンポーザー
先ず、ありがとうございます!ホントに嬉しいです!皆様もうクリアはされましたか? そんなあなたは!是非、 サウンドを意識しながら何度も何度もプレイしてみてください! 音楽面でもいろいろなヒントが各所に隠れています。 二回目にプレイしてみて「あれ?このメロディーってそういうことだったの!?」 と気が付くこともあるかもしれませんよ!

ありがとうございました! 次回、最終回リードサウンドデザイナー編をお届けします!