DISCOGRAPHY

2012年11月21日

エクストルーパーズ ザ・バウンデッド サウンドトラック

豪華声優陣によるボーカル曲全4曲も収録☆
マンガチック爽快アクション『エクストルーパーズ』のサントラ登場!
作曲者による全曲紹介も!


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INTRODUCTION 作品紹介

爽快なアクションとまるでマンガのような独特な演出が話題の本作。
コンポーザー・北川保昌によって作り出されたこれらの音楽は、無機質なシンセサイザーサウンドでありながらも、
どこか心地よさと温かさを感じさせてくれる仕上がりとなっています。
「E.X.TROOPERS The Bounded Soundtrack」と銘打たれた本CDは、作中で使用される音楽のほか、
豪華声優陣によるボーカル曲4曲も収録された豪華な1枚です。
ニューヨークの世界的なマスタリングスタジオ「Sterling Sound」のJay FrancoによってCDマスタリングされ、
さらに輝きを増した「E.X.TROOPERS The Bounded Soundtrack」を、存分にお楽しみください。

– Jayからのメッセージ –

「E.X.TROOPERS The Bounded Soundtrack」のマスタリングはとても楽しかったです。
曲そのものが雄弁にストーリーを語ってくれましたし、
アクションの様子を思い浮かべながら作業することが出来ました。

実際の作業を始める前に楽曲を聴いてみましたが、
どの曲もハイ・クオリティーで、マスタリングに向けて気持ちが高揚しました。
サブ・ベースを上げすぎることで、曲が持つ長所をかき消さないよう注意すると同時に、
それぞれの曲が持つインパクトとクリアさを際立たせることに力を注ぎ、
同時に温かみも表現しています。

またこれらの楽曲が、iPodやパソコン、ハイエンド・オーディオなど、
どのようなシステムで再生されても、曲のニュアンスが正確に再現され、
リスナーの皆様の心に届く音になるように心がけました。

■スターリング・サウンド Sterling Sound

http://sterling-sound.com/

ニューヨーク・マンハッタンのチェルシーにある、1969年創立のマスタリングスタジオ。
Ted Jensen、Tom Coyne、Greg Calbi 、Chris Gehringer等、著名なエンジニアを擁し、
アメリカ、ヨーロッパ、日本はもとより、世界中のアーティストのヒット作品を数多く手がけている。

■ジェイ・フランコ  Jay Franco

http://sterling-sound.com/engineers/jay-franco/

ニューヨーク生まれ。
2001年にSterling Soundでマスタリング・エンジニアとしてのキャリアをスタートさせる。
著名なエンジニア、Chris Athensに師事。これまでにColdplay、Erykah Badu、Johnny Cash、The Beastie Boys、
Ben Folds、Chris Brown、Usher等の作品を手がけ、彼自身のミュージシャンとしてのセンスと、
卓越した職人的技工を駆使して、素晴らしくダイナミックなサウンドを生み出してきた。

REVIEWスタッフからのレビュー

北川 保昌

全曲ご紹介いたします!

ある意味カプコンっぽくない『エクストルーパーズ』の音楽は、全ての曲を僕が担当しました。
担当者として、責任を持ってCDに収録された全曲をご紹介いたします。


01. The Shooting Star (Short Version)
初めてブレンがギンギラに乗り、出撃するという象徴的なシーンで流れるこの曲は、
ブレンのテーマとも言える曲で、ゲーム後半の重要なシーンでもこれのロングバージョンを
使用しています。
できあがったゲームの尺と展開に合わせて作っているため、曲にノリながらプレイすると
チョー気持ちいいかも知れません。

02. Starry Conversation - Triangle mix(ウィズ:CV小林ゆう)
W.I.Z役の小林ゆうさんに歌っていただいたこの曲は、エクストルーパーズにおいて
とても重要なポジションの曲で、『エクストルーパーズ』の劇中テーマと呼べる曲です。
僕がこのゲームで感じたことを、たくさんこの曲に込めました。
曲中のフレーズを、ゲームの至るところにちりばめていますので、見つけてみてくださいね。

03. Extreme Condition
対大型AK戦の曲なのですが、実は最初に完成した曲です。
「このゲームはこんな曲が流れます!」という感じで、これで音楽の方向性が決まったと
言っても過言ではないと思います。大型AKの荒々しさを、音色と曲調で表現しています。

04. Advancement Base
「Extreme Condition」と同時期に完成したこの曲は、各ベースで流れる曲の「原曲」の
役割を持っています。この曲をアレンジして、各ベースの世界観・コンセプトに合うよう
アレンジを変えて行きます。
アドバンスベースは、文字通り発達した未来感を感じる雰囲気になっていますので、
曲のほうもオシャレで未来を感じるような曲調を目指しました。

05. Starry Conversation - Bunny mix(ジュリィ:CV沢城みゆき)
小林ゆうさんが歌った「Starry Conversation - Triangle mix」のジュリィバージョンです。
歌っていただいたジュリィ役の沢城みゆきさんですが、とてもキュートな歌声で、
- Bunny mix -のポップなアレンジにもいい感じにフィットしていますね。
僕も気に入っているのですが、体験版で耳にしたユーザーの方にも結構好評だったようで、
とても嬉しいです。

06. Protect from Threats --> Rumble
こちらも体験版に入っていましたね、ジュリィを守る時に流れていた曲です。
前半と後半があるのですが、後半の荒々しいエフェクトが掛かっている部分、
実はジュリィがダメージを受けると、前半部分からこの後半部分の曲にスムーズに
入れ替わる仕組みになっています。気付いた方いますか~?
このゲームでは、こんな仕掛けをいくつも用意していますので、耳を澄ませてみてください。

07. Big Iron
「Extreme Condition」はAKで、この曲は対VS戦の曲です。
つまり生き物が「Extreme Condition」、機械が「Big Iron」という訳です。
「Extreme Condition」のフレーズを使って構成していますが、
良く聴いてみると、音色やアレンジが機械っぽく感じませんか?

08. Frontier Base
フロンティアベースの曲です。使っているのはシンセサイザーの音ばかりですが、
オーガニックなアレンジと展開にして、フロンティアベースの世界観に合うよう
温かみを感じるようにしました。

09. Here and There
文字通りあちこちから出てくる敵対勢力に対し、ブレン達が戦っていくシーンの曲です。
この辺りからネタバレとなってきますので、徐々に情報がボンヤリしていきますが、
どうかご容赦ください。
この曲は、制作チームの中にも気に入ってくれているスタッフが何人かいたのですが、
制作中に「この曲いいね!」とか言われると、めっちゃモチベーション上がるんですよね~。
そういうの、モノづくりの現場ではとても大切です。

10. Rising
とある重要なミッションで流れるこの曲は、プレイヤーを上へ上へと押し上げるかのように、
ハイテンションで乗ってプレイできるような曲になるよう心掛けました。
イントロで流れる16分刻みのフレーズが、この曲のアイデンティティです。

11. Heavily Loaded
この荒々しい曲は、、、おっとこれは言えないかも。。。
曲的には、エレクトロ的なサウンドアプローチをメインとし、対峙している相手の風貌を
表現したシンセサイザーサウンドで固めています。

12. Destiny Troopers
タイトル曲なのですが、このCDのインターバルということで、この位置に入れてみました。
よーく聴くと(よーく聴かなくても?)、何か気付きませんか?
そう、この曲には「Starry Conversation」のフレーズがいくつも入っているんです。
初めてゲームを起動して、タイトルなのに、これからゲームやるぞ!の場面なのに、
何故かこのしっとりした曲が流れます。その意味するところは、、、?

13. Tech Base
第3のベース「テックベース」で流れる曲です。高い科学力を有するという設定で、
デザインもかなりメカニカルですので、曲もインダストリアルな雰囲気に仕上げています。
ダブステップのビート感とインダストリアルなFXが融合して、テックベースの世界観を
作り出しています。

14. Mecha Battle
各ベースがプライドをかけてVSで戦う、戦技大会で流れる曲です。
凛としたタイトなイントロと、中盤のキメ連発が印象的な曲ですが、攻撃をばっちりキメて
VSを確実に倒していく雰囲気、ちゃんと出ているでしょうか?

15. 解放レゾナンス(ティキ:CV早見沙織)
ここぞという盛り上がりのシーンで使うこの曲、最初はインスト曲かと思いきや、
実はボーカル曲だったという構成になっていますが、歌が来るまでの待ち時間が
ゲーム中ですごく効果的なのです。こちらは、実際にプレイして確認してみてくださいね。
ヒロイン・ティキ役の早見沙織さんに歌っていただきましたが、その澄み切った歌声に
レコーディングの時ビックリしたのを良く憶えています。

16. Discipline Rev.D
少し落ち着いたテンポのこの曲は、VRミッションで使用している曲です。
VRミッションの曲は4段階あり、これが最終形態となっています。
エピソードを進めていく内に、徐々にVRミッションの曲が変化していきますので、
ゲーム中で聴いてみてくださいね。

17. Heat Island
安保ディレクターもお気に入りのこの曲には、中盤でストーリーが盛り上がってくる時に流れて
プレイヤーのテンションを上げる重要な任務を負っています。テンション、上がりますか??
色んな意味で熱いシーンで流れる曲なのですが、作ったのは2月、真冬です。。。

18. Perfect Surrender
後半の盛り上がりや、イケイケなミッションで使っている曲です。
結構クライマックスなシーンで流れる割に、明るいとまでは行かないが比較的前向きな曲調に
しているのは、周囲の状況よりもブレンの心の中を表現したかったからです。

19. Melancholy Circle
最初は「無音でいいんじゃない?」という話になっていたこのシーン、
僕が「ここは曲が必要なんです、入れさせてください!」とお願いして音楽が付きました。
どこで流れるか今は言えませんが、是非実際にプレイして確認してみてくださいね。
良く聴いてみると、色んなフレーズが見えてくると思います。

20. The Sanctuary --> Suggestions
ゲーム中ではこの曲、前半のハーフテンポ部分と後半の速い部分とが別のシチュエーションで
流れるのですが、元々はこのように一曲に繋がっていました。
こういうことはたまにやるのですが、あるシーンに対して象徴的な曲を一曲マルっと作り、
後からバラしていく方法です。
やはり元々一曲のため、世界観がブレないという強みがありますね。

21. Nihilism
今回、サントラの構成に合わせてアウトロ部分を付け足したりしているのですが、
この曲に関してはサビ的な部分を丸ごと新たに付け加えましたので、
一番手が掛かっているかも知れませんね。
その付け加えた部分は、「ゲームで鳴っちゃうとちょっと場面に合わないかも知れないけど、
気持ち的には入れたかった」というイメージで作りました。

22. Re@union (Full Version)(ティキ:CV早見沙織)
しっとりとしたこの曲は、「解放レゾナンス」に続き早見沙織さんに歌っていただきました。
ゲームでは尺の都合上、短いショートバージョンが流れますが、せっかくの機会ですので、
CDにはこのフルバージョンを収録しました。
開発前半にデモ音源は完成していたのですが、その時はテンポが今より15ぐらい速くて、
大分イメージが違っていました。どこで流れるかは。。。大体わかりますよね??

23. E.X.TROOPERS Trailer Ver.1.5
カプコンサマージャムで公開されたPVで使用した曲です。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、前半部分が「14. Mecha Battle」のアレンジで
構成されています。中間のキメ部分をイントロに持ってきて、出だしにインパクトを
持たせています。後半は「01. The Shooting Star」を少し変えたものです。
「22. Re@union」でしっとりCDが終わるのも良かったのですが、
やはりここは「マンガチック爽快アクション」。ノリノリで終わりたいと思い、
この曲を最後に持ってきた次第です。


という訳で、出来るだけネタバレなしで全曲ご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
この「E.X.TROOPERS The Bounded Soundtrack」に収録された23曲以外にも、
ゲーム本編にはあと約80曲の音楽が物語を演出しています。
マンガデモの曲も必聴ですので、是非『エクストルーパーズ』の世界にどっぷり入り込んで、
音楽に耳を傾けながらゲームをプレイしてみてくださいね。

                          2012.11.21 Yasumasa Kitagawa