幼少期に海外で生活していた際、言語の壁を越えて友人と日本のゲームをたくさん遊んだ経験から、日本のゲーム業界の中でも"世界へ発信する力を持ったコンテンツ"を数多く持っているカプコンへの入社を志望することにしました。
入社当時、新人の同期5~6人のグループでスマートフォン用アプリゲームを月1本作るというプロジェクトがありました。そこでサウンド制作業務だけではなく、ゲーム企画のアイデア出しなど幅広い業務を担当。
初めての実務だったので右も左も分からず、先輩クリエイターに助けてもらいながらとにかく体当たりで色々なことにチャレンジしました。普段、当たり前に聴いているゲームのサウンドを構築することが、いかに大変なことであるかを実感した毎日だったことをよく覚えています。
無事にリリースされて自分のスマートフォンでクレジットを見た時には、大きな喜びと責任感を強く感じました。上下関係やセクションの垣根を超えたこのプロジェクトでは"モノを作る楽しさや難しさ"を教えてくれました。
モンスターハンターシリーズの新規派生タイトルであり、RPGジャンルの作品です。開発の中盤あたりから合流し、主にキャラクターまわりのサウンドデザインを担当。
もっとも印象に残っているのが「ナビルー」というとても個性的なキャラクターのサウンドデザインをまかせてもらった時のこと。コミカルで小憎らしいキャラクターですが、どこか可愛らしくてきらいになれないナビルーをどうやってサウンドデザインで色づけていくか、でとても悩みました。
色々な先輩に相談したり、かわいいと言われている他社キャラクターの音を研究したりと何とか自分が思うキャラクター像をサウンドデザインで引き立てることができました。またリリース後にポジティブなレビューを見かけた時は大きなやりがいを感じました。
このタイトルでは、開発の序盤から主に敵キャラクターなどのサウンドデザインを担当。
もともとオリジナルのバイオハザード2のファンだったこともあり、自分の手でゾンビやリッカーなどのサウンドを制作できることに対して、とてもモチベーションを感じたのと同時にプレッシャーも感じました。開発規模も今までのタイトルに比べてかなり大型で、開発環境もREエンジンを使用していたためワークフローが大きく変わり、驚いた記憶があります。
原作で人気の敵キャラクターたちのサウンドデザインをどうアップデートさせるか。セクションリーダーに相談していた際に「原作を強く意識することはないよ」とアドバイスをいただきました。私は「アップデートするのではなくもう一度クリエイターとしてそれぞれのキャラクターに対して0からサウンドデザインをしよう」と考え、新しい恐怖体験をユーザーに与える気持ちでサウンドデザインを行いました。 また没入感を高めるために、「リアルタイムバイノーラル」というイヤホンでも音の方向を強く感じる仕組みなどを検証・導入し、魅力的な敵キャラクターたちのサウンドを再定義できたと感じています。