IRトップページ > 開発者インタビュー2008 > vol06.徳丸 敏弘

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

開発者インタビュー2008

06.キャラクター・コンテンツ事業統括 執行役員 / 徳丸 敏弘

映画ビジネスの主体、それはゲームと同じ「コンテンツ」を扱いながら、全く別の産業のノウハウを身に着けることです

広報  はじめに、フィルムコンテンツ室の業務について教えてください。
徳丸  ゲームメーカーである当社は、創出したオリジナルコンテンツの多メディア活用を進めています。その中で今後のデジタル化時代を見据えると、やはり「映像」は外すことが出来ないジャンルです。そこで、自社コンテンツを映画・映像市場へただ単にライセンスアウトするのではなく、当社の中核的な取り組みとして戦略的に展開していこうという流れの中で出来上がった組織です。
広報  映像化に関して、過去はどのようなスタイルでしたか。
徳丸  例えば『バイオハザード』については、ドイツのコンスタンティンフィルムという会社に映画化権をライセンスアウトし、製作していただきました。この場合、映画の著作権はコンスタンティン社に帰属します。結果的には非常に良い映画が完成し、世界的なヒット作となったことでゲームやその他の関連商品も売れる、という連鎖ができました。ただ、映画は当社の著作物ではないので、完成した作品を当社の自由には扱えません。やはりそれはもったいないということで、当社の著作物となる映像作品を作っていきたいという方針へと繋がって行きました。
広報  主体的に映像作品に取り組むということは、いわゆる合弁会社の形式になるのでしょうか?
徳丸  LLC(有限会社。以下LLC)を組成しています。100%の出資で映画を製作した場合、当社が日本の企業であることがリスクとなります。映画の本場はやはりハリウッドなので、先方との契約書は英文であり、法律もカリフォルニア州法に準じます。従って日本の企業が映画を製作する際には法務的・会計的に海外業務に精通している人間がいなければリスクが高いわけです。そこで、当社と同じ方向性を持った会社をパートナーとしてLLCを組成し、共同で取り組みを進めた方が効率的であるということで、出資比率50対50のパートナーシップ契約を結びました。
広報  そのパートナーが、ハイドパーク社ということですね?
徳丸  はい、そうです。それから、映画を撮影したものの公開できないという事態は避けたかったので、同社を選んだという側面もあります。ハイドパーク社は配給会社である20世紀フォックス社にアウトプットディールを持っています。アウトプットディールとは「こういう映画を作るので配給しませんか」と直接提案できる権利のことで、年に1作品だけは20世紀フォックス社に確約で映画を配給してもらうこともできます。20世紀フォックス社やワーナーブラザーズ社などのメジャースタジオと組む選択肢もありましたが、その場合権利関係が厳しく、当社が主導的にビジネスを進めにくくなる可能性もあったため、最終的にはハイドパーク社と提携しました。
広報  カプコンとパートナーシップを組むにあたって、条件の整った会社であったということですね。
徳丸  その通りです。ハイドパーク社は経営者が誠実な方であり、また予算を守って映画製作を行うことで、業界内でも評判の高い会社でした。当初の予算が40億円にも関わらず、実際には60億円掛かったという事例を映画業界ではよく聞きますので、そういったリスクは排除したいと考えていました。
広報  LLCが設立されたのはいつですか。
徳丸  設立されたのは2007年の初頭で、会社名は『ストリートファイターフィルムLLC』といいます。
広報  LLC設立のメリットは何ですか。
徳丸  LLCは、通常映画作品一つに対して組成します。『ストリートファイター』の映画が作られ、公開され、続編を作るとなると、また別のLLCが組成されていくわけです。この方式によって、作品ごとの興行成績と収益分配方式が透明化されます。
広報  ストリートファイターフィルムLLCの設立以降も、さまざまなプロセスを経ているかと思います。映画完成までのビジネスについて教えていただけますか。
徳丸  まず初めに、一番重要なのは、ベーシックストーリーラインといって、この映画をどういう映画にするか、どういう物語にするのか、という映画の本質を定義する点です。
広報  映画『ストリートファイター』のストーリーラインは、どのように決定されたのですか?
徳丸  2006年当時は洋画が弱く、邦画が強くなり始めていた時期でした。私自身、一般の視聴者として映画を見たとき、洋画のストーリーは弱いというか、シナリオがしっかりしてない印象を受けていました。もっとヒューマンドラマの要素を強くしなければ、映画を見に行きたいという気持ちにならないのでは?と疑問を持ちました。それを『ストリートファイター』に当てはめるとどうかと考えたわけです。そんな思いをめぐらせていた時、春麗というキャラクターがふと浮かんできました。彼女の父親はインターポールに勤務しており、家庭としては裕福なはずですが、そんな幸せな家庭の娘が何故ストリートファイターになったのかを描けば面白いのではないかと考えたのです。春麗は悪の集団に誘拐され、父親を探し求めて戦うためにストリートファイターになっていきます。つまりこのキャラクターのバックには娘から父親への愛と、父親から娘への愛が内在しているわけです。このポイントを描ききれれば、単なるアクション映画でなくヒューマンドラマになるのではないかと思い、これを当社のプロデューサーと協議してハイドパーク社に提案したところ、ハイドパーク社側も非常に興味を持ってくれました。製作にかかわる関係者のコンセンサスを取ることが一番大事であると言えるでしょう。
広報  まずはヒューマンドラマという視点が映画作りの根底にあって、そこから製作の話が進行していったのですね。
徳丸  はい、そうです。CGを多用したアクションでは限界があります。例えば『マトリックス』という映画では、誰もが今まで見たことのないアクションシーンが魅力となっていましたが、以降の映画における新しいアクションというのは相当な変化がないと感動しないようになってしまいました。それならばむしろヒューマンドラマを掘り下げた方が、より新しい感動が生み出せると考えたわけです。
開発者インタビュー2008トップへ
  1. 07.オンライン開発部 部長 / 小野 義徳
  2. 08.店舗開発部 副部長 / 青木 純也
  3. 05.カプコン・インタラクティブ,INC.プレジデント / 湯浅
  4. 06.キャラクター・コンテンツ事業統括 執行役員 / 徳丸 敏弘
  5. 03.編成室 / プロデューサー ベン・ジャッド
  6. 04.MC開発部 / 部長 手塚武
  7. 01.編成部 部長 / バイオハザード5 プロデューサー 竹内潤
  8. 02.編成室 / モンスターハンターポータブル セカンド G プロデューサー 辻本良三

開発者インタビューアーカイブ

  • 2018年
  • 2017年
  • 2016年
  • 2015年
  • 2014年
  • 2013年
  • 2012年
  • 2011年
  • 2010年
  • 2009年
  • 2008年
  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

  • IRカレンダー
  • 最新IR資料ダウンロード
  • 資料請求
  • カプコンIRメール
  • IRアンケート
  • 用語集
  • サイトの使い方
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ
  • 経営者の視点
  • カプコン検定
  • 開発者インタビュー