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オンライン統合報告書2019

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CFOが語る財務戦略

取締役専務執行役員
最高財務責任者(CFO)

野村 謙吉

安定した財務基盤のもと、
変化する市場で成長戦略を推進する機動的な投資を実現します。

2年連続で過去最高益を達成し、現預金残高は530億円に達しています。
財務戦略に変化はありますか
「資本効率の向上」と「ネットキャッシュの改善」の基本方針を継続し、成長戦略を支えます

当社は中長期的な企業価値の向上を目指す成長戦略を遂行しており、中核となるデジタルコンテンツ事業において毎期300億円規模の開発投資を行っています。売上比で約30%に及ぶ投資を可能にする強固かつ柔軟な財務基盤を構築するために、私はCFOとして「資本効率の向上」と「ネットキャッシュの改善」の2つに取り組んでいます。

2019年3月期は、成長戦略のための投資がコンシューマ事業で歴代最高の販売本数として結実し、過去最高益を更新してネットキャッシュは79億円増加しました。デジタル販売の拡大など市場環境は足元で大きく変化しています。さらに新技術や新サービスの登場でこれから数年はさらに変化が加速すると見込まれます。そうした中、当社の収益構造も変化しはじめており、成長戦略のための投資の選択肢は広がっています。

私は引き続き成長戦略に沿った投資の選択と集中に努めるとともに、原価・販管費などのコストを継続的に見直し、一層筋肉質な財務基盤の構築を図ります。蓄積したキャッシュにより大型タイトルの開発や成長分野であるeスポーツなど戦略的に優先度が高い案件への機動的な投資を実現し、IPの価値向上による更なる高収益体質の確立を目指します。

資本効率向上の成果を教えてください
成長戦略の進捗とともに、ROEは安定的に向上しています

資本効率性の指標として重視しているROE(自己資本利益率)は、業績成長とともに安定的に向上しています。ROEの3要素のうち、重点項目とする当期純利益率は、成長戦略の進捗に伴い一段の上昇を果たしました。なお、直近ではROEとROAをバランス良く改善させることへも注目しており、ROAは10.1%まで向上しています。

2017/3 2018/3 2019/3 2020/3(計画)
ROE(%) 11.6 13.4 14.4 14.9
当期純利益率(%) 10.2 11.6 12.5 16.5
ROA(%) 7.7 8.9 10.1 -
財務レバレッジ(倍) 1.53 1.46 1.39 -

次期のROEは14.9%への上昇を見込んでいます。期中においてPL(連結損益計算書)の売上比、計画比、前期比での複眼的なチェックやBSマネジメントを意識することにより、引き続きROEおよびROAの改善を図ります。

ネットキャッシュをどのように創出しリスクを管理しているのか教えてください
タイトル別ROI管理をはじめ生産性の向上と、運転資本効率の可視化に取り組んでいます

当社は、ネットキャッシュを効率的に創出するため、2つの管理手法を採用しています。1つ目は、「投資回収管理の徹底」として、タイトル別投資回収状況(ROI)をデータベース化し、投資収益をプロセス管理しています。タイトルの進捗が順調であれば当初想定の投資を継続しますが、問題がある場合は、問題点の早期発見と対応にあたります。2つ目は、「運転資本効率化の徹底」として仕掛資産を継続的にチェックし、回転日数や回転率など可視化の仕組みづくりに取り組んでいます。

なお、当期末のネットキャッシュは446億円と大幅に増加しました。更に当業界特有の、下期での大型タイトル投入に伴う売上債権および債務の期末残高を加減した「正味のネットキャッシュ」も535億円へと増加しました。

正味ネットキャッシュの推移 535億円

キャッシュの適正水準と資金調達について教えてください
ゲーム開発の大規模化や販売期間の長期化に対応できる水準を確保しています

コンシューマゲームソフトの開発費用は、高性能かつ多機能な現行機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルの開発期間は2年以上を要することに加え、デジタル販売の浸透により長期販売が可能となった結果、投資資金の回収期間も長期化しています。

このような状況下、当社は運転資本変動の際の資金調達手段をコミットメントラインと位置づけ、主にタイトル開発の投資計画とリスク対応の留保分を考慮して保有しておくべき現預金水準を年間開発投資額の1~2年分程度と設定しています。

成長戦略のための投資とは、具体的にどのようなものでしょうか
主力のデジタルコンテンツ事業に経営資源の87%を投資しています

中長期的な成長の実現のためには、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠です。具体的には、タイトルラインナップの拡充や新たな技術への対応に加え、開発者の増員や開発環境の整備に向けた投資が必要です。2020年3月期は当社の投資額全体(開発投資額および設備投資額を合わせた金額335億円)の87%に相当する約290億円をデジタルコンテンツ事業に投資していきます。なお、投資水準の妥当性を計る指標として、開発仕掛資産の回転率(売上高÷ゲームソフト仕掛品残高)を用いています。当期の開発仕掛資産回転率は5.9回であり、前期の3.7回から向上しています。

開発仕掛資産回転率 4.7回

カプコン統合報告書 2019

全文PDF (PDF:12.9MB/104ページ)

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