『モンスターハンタークロス』デザイナーインタビュー
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タイトル

さて、前回の「モンハン流 世界の作り方 第3回」、読んでいただけましたか?
今回も、MHXの世界がどのように作られたのか、“古代林”や“ベルナ村”の作り方から隠しキャラ(?)まで、さまざまな話を開発担当の方々にうかがいたいと思います。
どうぞ!!

▼開発者:詳細プロフィール

キノコの山…というか足場!?

――古代林のエリアの設定について、もう少しおうかがいできればと思います。エリア8の足場は、巨大なキノコなんでしょうか?

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エリア8の黄土色の地面。
実は…!?

末吉:おっしゃるとおりです! 足場自体が巨大なキノコになっているエリアがあってもいいんじゃないか、という発想で作られたエリアですね。中央が少し窪んだ形になっているのも、キノコの形状をイメージしたものです。

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こちらがエリア8全体のイメージ図です!
崩れ落ちることは無いのか、ヒヤヒヤしますね(笑)。

――エリア7の床に転がっているのは、リモセトスの幼体ですか? それと、あそこにある巣と卵はディノバルドのものですかね?

末吉:転がっている死骸はリモセトスです。ただ、その他に白骨化している動物に関しては、リモセトス以外の動物も食い散らかされているというイメージですね。巣と卵については、ディノバルドのものだとは断定できません。いまだ調査中です!(笑)。

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転がるリモセトスの死骸。
まわりの骨も含め、強烈なイメージが残ります。

――エリア10にある骨は、シェンガオレンの骨ですかね?

寺井:シェンガオレンの脱皮殻(?)です。『MHX』ではシェンガオレンは登場しませんが、古代林も、『MHP2ndG』と同じ世界の中に存在しているということを匂わせたかったので、意図的に登場させました。


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シェンガオレンの殻。
手前を登るハンターと比較すると、その大きさが分かります!

――エリア9~11は、古代林のエリアの中でもエリア8からしか入れない、独立したエリアになっていますよね? これはどういう意図で作られたものなんでしょうか。

末吉:古代林はベースキャンプに近い「平野」のほか、「少しだけ林に踏み込んだところ」と、「深部」という3段階のエリアに分かれています。同じフィールドの中でも、「モンスターが未開の地へ逃げ込んだ」といった雰囲気を出すために、意図的に独立させたんです。

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エリア8から“のみ"入ることができる、エリア9~11。
モンスターハンター世界の“深み"を感じることができます!

――奥地へ行くほど、だんだん暗くなっているんですね。

末吉:エリア5とか8辺りから、段々と背景のオブジェクトが大きくなっていることにお気づきになりましたか? たとえばエリア5には巨大なアロエのような植物。エリア8では巨大なキノコというように、平野付近とは違う、デザインとしてのグラデーションを付けています。エリア11には巨大なゼンマイもありますしね。

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古代林の巨大植物群。
非常に生命力を感じるフィールドです!

寺井:手前のエリアは、恐竜図鑑や恐竜映画などで見たことがある景色だったものが、先に進むにつれてファンタジー要素が入ってくる…というような感じです。

――エリア9にある、植物のカーテンのようなオブジェクトも印象的ですよね。過去の『MH』シリーズでも、あまり例がなかったと思います。

末吉:これも各エリアごとに個性を付けたいと考えたうちの一つで、ゲーム性としても特徴を持たせたかった仕掛けです。見通しが悪いカーテンの向こう側に何かいる…というようなドキドキ感といいますか。

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エリア9にあるカーテン状の膜。
何が飛び出すか分からない、お化け屋敷のドキドキ感があります。

変わっていないようで変わった、それぞれの村グラフィック

――次にベルナ村に関しては、作るときに苦労などありましたか?

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今作の新しい拠点である“ベルナ村"。
高原のさわやかさを感じます。

末吉:基本的にはデザインをした寺井さんに苦労話をしてもらいたいと思ってるのですが…、ベルナ村に関しては一瀬ディレクターの趣味趣向が強烈に反映されています!

――(一同笑)

寺井:イメージしていたのは、空気の綺麗なヨーロッパ…アルプス山脈です。

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ベルナ村の自室イメージイラストと、実際のゲーム画面。
“アルプスらしさ"と“モンハンらしさ"、この融合の最適解が“ベルナ村"です!

――過去作に登場した村を『MHX』に登場させるにあたって、何か手を入れられましたか?

末吉:見た目が変わるほどアレンジしてしまうと「僕の好きなポッケ村と違う」と言われてしまいますが、『MHP3rd』やそれ以前の村のグラフィックをそのまま『MHX』へ持ちこんだだけでは、色合いやグラフィッククオリティ的にもバラつきが出てしまいます。それらのグラフィックを『MHX』クオリティへ引き上げるという、リマスター作業を行いました。

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ココット村、ポッケ村、ユクモ村など、シリーズファンには懐かしい村々。
全体のクオリティを上げているため、“懐かしくも新しい村"として出現します!!

古代林のエリア1に生息する、謎のUMA

――背景担当者として、隠れたポイントなどがあれば教えていただきたいのですが。

末吉:古代林のエリア1に、オオサンショウウオ…もどきっぽいのがいること、ご存知ですか? ノタノタと結構な距離を横断してるんですよ。どこかにいるんで、ぜひ探してみてください。気付いている人もいるらしく、ネットで「エリア1に、両生類のような生き物がウネウネしながら歩いていた」という書き込みを見たことがあります。

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プレイヤーの右を移動するオオサンショウウオ。
皆さん、気付かれました?

――そういう仕様だったんですか?

末吉:あくまで、担当者の遊び心です(笑)。そのほかにも、ベースキャンプからエリア1へ入ってすぐ右を向いたところにある湖に、黒い謎のものが動いているんです。

寺井:よく観察してみてくださいね!(笑)。

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沼に見える謎の物体…。
沼でUMA(未確認動物)とは、これいかに!?

末吉:見つけやすいところでは、エリア8に巨大なトンボが飛んでいることとか。

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エリア8のトンボ。
ちょっと大きすぎて怖いですね…。

末吉:同じエリア8でも、夜になるとコウモリの群れが出てくるとか、地味にいろいろ盛り込んでいます。その他、もしかしたら僕が気付いていないけれども、担当者が盛り込んだ遊びが他にもあるかもしれません。いろいろ見ていただければ嬉しいです。

――それでは、最後にプレイヤーに一言お願いいたします。

寺井:「これ以上は無理」と思えるくらい、ニンテンドー3DSのスペックをギリギリまで使った背景を作りました。プレイヤーやモンスターだけじゃなく、たまには背景も眺めてくれると嬉しいです。そして、ベルナ村や古代林が好きになってもらえると、もっと嬉しいな。

末吉:ガン見してください(笑)。

――本日はお忙しい中、ありがとうございました!

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さて、いかがだったでしょう?
『モンスターハンター』歴代の世界を再構築し、そして「古代林」「ベルナ村」という最新の世界を組み込み、『MHX』という最先端のMH世界に落とし込む。
その苦労の一端が伝わったかと思います。
皆さんもそのディテールを、実際に歩いて確認してみてください!

そして、開発インタビューは続きます。
次回「モンハンの“空気"の作り方(仮)」、近日公開予定です。
お楽しみに!!


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開発者:詳細プロフィール

末吉英了
『MHX』では、背景チームのリーダー(ステージ制作の管理・監督)を担当。
1995年入社。『MHP2ndG』でステージ制作に関わったほか、『MHP3rd』からは背景リーダーとなる。
制作に関わったタイトルは、『ロックマンDASH』シリーズ、『鬼武者』シリーズなど。

使用武器:片手剣(ストライカースタイル)
狩技 :昇竜撃
「昇竜撃で討伐クリアが決まると気持ちいいので(笑)。」

寺井正文
『MHX』では、背景チームのサブリーダーであり、背景のデザインおよび制作を担当。
2008年入社。『MH』シリーズでは、『MH4』の背景を制作したのが最初。
入社直後は、ドット絵デザイナーとして活躍。

使用武器:チャージアックス(ストライカースタイル)
狩技 :絶対回避、エネルギーブレイド、ヒールゲイン
「エネルギーブレイドが使いたいだけなんです(笑)」