『モンスターハンタークロス』デザイナーインタビュー
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タイトル

モンハンファンの皆さん、こんにちは!
さて、前回の「モンハン流 モンスターの作り方」、皆さん、読んでいただけましたか?
今回もMHXのモンスターの作り方、そして、MHX全体の開発秘話を中心に、開発陣にうかがいます。
どうぞ!

▼開発者:詳細プロフィール

「面白い攻略要素を生むための調整」
~モンスターの攻撃と難易度

――モンスターが攻撃に使うそれぞれの技は、ただモンスターの設定や見栄えだけではなく、ゲームとしてプレイヤーが遊んだ時に「楽しい」と感じてもらえるように調整されているのでしょうか?

江口: モンスターの技を決めていく順番としては、先ほど出たように、最初にモンスターごとの“テーマ"から決めます。ディノバルドなら尻尾を使う、とか、ライゼクスならば電撃、など。その次に、“プレイヤーをけん制する目的の技"だとか、“間合いを離させるための技"など、技ごとの“役割"を決めます。ディノバルドの場合、そうやって尻尾を回転させる攻撃も作られていったわけですが、あの攻撃は非常に強力です。でも、強力である分、前兆モーションとして尻尾を口で咥える時間をしっかり作りました。強力な攻撃が来ることがちゃんと分かって、その間に避ける準備をしたり、攻撃して中断を狙うなどの対応ができるようにするためです。尻尾を研ぐ動作も口で尻尾を咥えるというものですが、尻尾を研ぐ時と、尻尾を回転させる前とでは身体を捻る方向が逆なので、よく見ればどちらの前兆なのかが分かるようになっています。

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ディノバルドが体を捻った!
次の行動は!?

――攻略的な要素も考えて、動作を作られているんですね。

江口: 強力な攻撃の前には専用のSE(効果音)を鳴らそう、とか、プレイヤーとの駆け引きの部分をきっちり作りたい、という気持ちがあるんですよ。それらは、「これからこういう技を出すので、対応してください」という、開発からのメッセージなんです(笑)。

――画面に映して、ハンターに狩らせてみたりもするのは、早い段階からやられているのですか?

江口: 最初にラフ的な動きを作った段階で、企画とモーションなど担当者が集まって、皆に見てもらいます。“この前兆はもう少し長い方がいい"とか、“ここにエフェクトが欲しい"とか、自由に意見を出し合い、モンスターの攻撃をブラッシュアップしていきます。

「アイルーの表情はモンハン史上最高の作りこみ」 ~ここには気付いてほしい開発者のこだわり


――『MHX』では、攻撃ヒット時のエフェクトが相当変わりましたよね?

栗山: プレイヤーはヒットマークを見て攻撃の結果を認識するわけですから、視認性が最も重要な要素です。『MHX』の世界観で、情報を正確に伝達するにはどうすれば良いか、ビジュアル表現、ゲーム的機能を整理しながら、一瀬ディレクターに判断してもらいました。

――ヒットマークのサイズは、何種類あるのですか?

栗山: “大"“中"“小"と、“弾かれた時の火花"があるので、4段階です。

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ヒットマークの違い。
明確に、与えたダメージ量の違いが見てとれます!

――『MHX』では、新アクション「イェーイ!」が追加されていますね?

朝倉: あれは、ゲーム開始時に「CONTINUE」を選ぶとランダムでハンターが取るポーズの一つを、アクションとして採用したものなんです。

江川:エフェクト担当さんが指先の光を付けて下さったり、サウンド担当さんが「キラーン」みたいな音を付けて下さったりと、みんなノリが良かったです。

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イェーイ!
皆さんもご一緒に!!

江川:僕が言うことじゃないのかもしれませんが、ニャンコックのチーズフォンデュをハンターがむしゃむしゃ食べているモーションと、完全調合など狩技でパワーアップするモーションは、朝倉さんの動きをモーションキャプチャしたものです(笑)。

朝倉: 今のは聞かなかったことに…。『MHX』は、前回のデザインインタビューで出られた嶋津さんが作った、抜刀時や納刀時に細かく変形している武器がいっぱいあります。あのギミックはぜひ見てほしいです。抜刀時にトゲが出るとか、溜めていると膨らむ大剣やハンマーがあったり。その武器専用の変形など、凄く苦労して作っているんですけど、なかなか気付いてもらえないものも多くて。

――そういう開発裏話、楽しいですね。

朝倉: じゃあ、ムーファの話を。ベルナ村にいるムーファを撫でるモーションを作る時、当然モーションキャプチャスタジオにはムーファどころか、モデルとなったアルパカもいるわけがありません。ムーファサイズの筒にクッションを付けただけのものを、新人の男の子が撫でまわしているモーションをキャプチャしました。しかも、なかなかいいモーションが撮れなくて、「もっと頬を近づけて」とか指示を出して(笑)。

――ゲーム中で、あんなに愛おしそうに撫でているのに、実際に撫でていたのは無機物ですか(笑)。最後にキスまでするのに。

江川:キスしている相手も、当然無機物ですからね。

――(一同笑)。


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かわいいムーファですが、制作にはさまざまな苦労があったようです。
(出演:中野さすけ氏、佐々木浩哉氏)

長谷川: アイルーも見てほしいところがあります。今回アイルーは、全部の行動ごとに個別の表情を作っているんですよ!

――ニャンターの時なんて、顔はずっと画面の奥を向いているので、気付きませんでした!

長谷川: 目をギュってつぶったり、ベッドで寝た時も目を閉じたりとか、きっちり作りこんでいるんです。自分でニャンターを操作して手前を向けたり、自分以外のニャンターを追いかけて見てほしいくらいです。あんなにアイルーの表情を作りこんだのは『モンハン』史上初というくらいです。あと、ニャンターでムーファをモフモフするモーションがカワイイので、ぜひ撫でていただきたいです!

――モンスターのモーションですと、やはりガムートの毛ですか(笑)?

大坪: それもそうなんですが(笑)、細かいところではタマミツネの手の爪に注目してほしいです。タマミツネは身体がツルツル滑るので、方向転換する時には爪で地面を引っかいてドリフトするようにしているんです。見えるかどうかはわかりませんが(笑)。あとはライゼクスが翼を震わせて帯電するモーションのスピード。遅いと電気が起きそうもないですし、速過ぎて残像が残らないようでは、演出として失敗です。このスピード調整が難しかったです。

――演出面では、何かありますか?

栗山: 『MHP2nd(G)』に登場するポッケ村のマイルームには、窓辺に青い鳥がとまるという演出がありました。『MHX』でも再現しているんですが、動きをつけているのはエフェクト担当者なんです。さらに今作では、ユクモのマイルームにも鳥が飛んできます。場所は、部屋の奥に置いてあるアイルーダルマの頭の上です。

――“細かすぎて伝わらないネタ"ですね(笑)。

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こちらがユクモの青い鳥。
中央部に写っております!

――では最後に、企画の江口さんからユーザーの皆さんに、メッセージなどあればお願いします。

江口: 『MHX』は、非常に新しいことにいろいろと挑戦したタイトルです。スタイルや狩技を組み込んだことで、同じ武器でもスタイルや狩技を変えることで「こんなことができるんだ!」と、新しい発見が次々あるようなタイトルになっていると思っています。ぜひ、いろいろチャレンジしてみてください!

――本日はお忙しい中、ありがとうございました!!

さて、いかがだったでしょう?
新システムの「狩技」や、新モンスターの作り込みにも、さまざまな想いや工夫の積み重ねの果てに、今回の『モンスターハンタークロス』が出来たことがお分かりいただけたかと思います。

そして、開発インタビューは、続きます。
次回「モンスターハンター世界の歩き方(仮)」、近日登場予定!
お楽しみに!!

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開発者:詳細プロフィール

大坪智也
『MHX』では、主にモンスターのモーション(動作)を担当。1998年入社。『デビルメイクライ』『戦国BASARA』参加。

江川浩一
『MHX』では、『MH4』『MH4G』から引き続き、プレイヤーのモーションを担当。2000年入社。『鬼武者(1~3)』『デッドライジング』『ロストプラネット(1~2)』のほか、『MH』シリーズでは『MH4』『MH4G』に参加。

朝倉朋子
『MHX』では、プレイヤーのモーションを担当。2004年入社。『戦国BASARA』『デビルメイクライ』。『MH』シリーズでは『MH4』『MH4G』に参加。

長谷川容子
『MHX』では、アイルーとドスマッカォ、NPC(村の人々など)などのモーションを担当。2008年入社。『ドラゴンズドグマ』のほか、『MH』シリーズでは『MH3tri』以降『MHP3rd』『MH4』に参加。

栗山圭吾
『MHX』では、エフェクト(ヒットマークなどの効果)のメインを担当。自身ではプレイヤー関係のエフェクトを制作。2001年入社。『アウトモデリスタ』『機動戦士ガンダムvs.シリーズ』のほか、『MH』シリーズでは『MHP3rd』『MH4』『MHエクスプロア』に参加。

江口勝博
『MHX』では企画を担当。1995年入社。『MH』シリーズでは『MH』『MHG』『MHP』シリーズに参加。