『モンスターハンタークロス』デザイナーインタビュー
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タイトル

モンハン部、モンハンプレイヤーの皆さん、あけましておめでとうございます!

さて、『モンスターハンタークロス』のイラストのひみつを解き明かす、イラストレーターインタビュー「『モンハンクロス』は毛先が命!?」、読んでいただけましたか?

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前回ご好評をいただいた「イラストレーターインタビュー」。今回はその続編として、最新作『モンスターハンタークロス』のモンスターと装備&武器、アイルーなどキャラクターのデザインに関して、開発者にインタビューを行いました!
『モンスターハンター』のモンスター、その防具と武器は、どのようにデザインされているのか?
そして、アイルーのカワイサの源はどこに!?

超貴重な開発者インタビューです。
どうぞ!

▼開発者:詳細プロフィール

モンハンデザインのひみつ!?

――今回の『モンスターハンタークロス』、モンハンシリーズでありながらナンバリング作品ではない“過去作の集大成”的な部分と、“新作”という部分でバランスを取ることが要求されたと思うのですが、どういったコンセプトでスタートしたのでしょう?

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“完全新作”、“シリーズ集大成”という、二つの側面を持つ『モンスターハンタークロス』。
そのデザインコンセプトは、どのように考えられたのでしょう?

佐藤:大きな部分では、『モンスターハンター』世界のコンセプトは変わらずに制作しました。基本的なスタンスはナンバリングタイトルと同じで、『モンスターハンター』の世界は継続しつつ、モンスターで個性を出していく、というところでデザインを行なってもらっています。ゲーム中は、村の装備といった部分で『クロス』なりの個性はちゃんと出していけば、新しさは感じてもらえるかな、と考えて進めました。そこで、防具はSASAさん、武器は嶋津さん、という役割で初期のデザインを進めてもらい、そこをえだやんさんに監修してもらって、全体のデザインを固めていきました。

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新モンスター、ニャンターなど新規要素を取り入れつつ、“モンハンらしさ”が伝わるゲーム画面。

――『モンスターハンター』では、モンスターやプレイヤーキャラのデザインの行程として“モンスター”と“装備”のデザイン共通性を出していく必要があると思うのですが、順序として、モンスターデザインが先になるのでしょうか。それとも、装備が先だったり、同時に詰めて行ったりするのでしょうか?
佐藤:最初はモンスターが先ですね。
えだやん:基本的には“一応”、先にモンスターデザインがあることが大前提なんですが…
―― “一応”ということは…?
えだやん:さまざまな理由から、装備デザインに入るまでにモンスターデザインが完成しないことは、良くあります。そういう場合は、装備のデザインを先に進めたりすることもあります。それでも、モンスターデザインの大ラフやイメージが先にあることは必要で、モンスター由来ではない武器装備のデザイン等を進めたりしつつ、なんとか時間を稼いだり(笑)。
――“時間稼ぎ”が必要になるんですね(笑)。
嶋津:武器に関しても、メインモンスターは一番かっこ良くなるようにデザインするのですが、今作は4体いるので、単純に手間が4倍かかって大変でした(笑)。
――あ、たしかに。そうならざるを得ないですよね(笑)。

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『モンスターハンタークロス』発売告知ポスター。
「4大モンスター」が入ると、たしかに手間は4倍ですね!

MHX新モンスター創生秘話!


――では、今回の新型モンスターと装備・武器のデザインに関して伺えればと思います。序盤に登場する『ドスマッカォ』に関しては、いかがでしょう?

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序盤登場のモンスター、ドスマッカォ。
普段見かける姿は、緑がかっています。


犬塚:ドスマッカォは…“カンガ竜”ですね(笑)。カンガルーのようにシッポで立ち上がるという、これまでとは違う動きを取り入れつつ、そこをベースに要素を加えていった形です。デザイン的には大きなトサカが生えているんですが、始祖鳥のイメージにネイティブアメリカンの羽飾り的な部分を加えて、頭部に入れ込んでいます。カンガルーのように尻尾で立ち上がるとき、お腹をよく見せることになるので、そこに警戒色の赤を大きく入れ込んで、普段のときと印象を大きく変えるデザインにしています。

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尻尾で立っているドスマッカォ。
腹から脚、尻尾へのピンクがかった赤が、印象の変化を際立たせています。


――装備、武器に関してはいかがですか?
えだやん:ドスマッカォはかなり序盤のモンスターなので、ジャギィ的な立ち位置で、武器や装備に濃いモチーフを使わないようにしています。そこにベルナ村の文化やデザインのエッセンス、あと、スイスやチロル地方のような高原地帯の服飾イメージも掛け合わせてデザインしました。

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ドスマッカォ装備(モンハンフェスタ’16にて展示予定)。
スイスのような雰囲気、“高原の戦士”的なデザインですね!

嶋津:武器も同じく、初期は素材が潤沢に手に入らないだろうという想定で、あえて“モンスターの素材を使用している範囲を狭く”デザインしています。

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こちらは、ゲーム中のドスマッカォ装備とボウガン。
飛び道具を持つと、ウィリアム・テル的な印象も加わりますね。

初の鳥型モンスター!?

――新モンスター『ホロロホルル』のデザインに関しては、いかがだったでしょう? 見た感じ、非常にヨーロッパっぽさ、イタリアっぽさを感じるのですが(笑)。

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鳥型のモンスター、ホロロホルル。
ヨーロピアンな上品さ(?)を感じますね!

犬塚:見てのとおり、ホロロホルルは最初から“フクロウ”というキーワードがあって、翼をちゃんとたためるデザインだったり、首が360度回ったり、胸まわりがふくらむ形であったり、ちゃんと“フクロウらしさ”を落とし込むことにしたので、そこが大変でした。

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“フクロウ”としての構造を、しっかりと実現したホロロホルル。
これまでに無い新しさが組み込まれたデザインです!

佐藤:『モンスターハンター』の飛竜や古竜は、翼を完全にたたむ表現はほぼ無いんですが、今回は“フクロウ”というところで、構造的に特殊な骨構造にしなければ、たためない。それを実現することで、これまでの『モンスターハンター』のモンスターには無い可愛さが出てきたのではないかと思います。フクロウのカワイイ部分を落とし込むことを意識しました。

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MHシリーズを代表する飛竜、リオレウス。
たしかに飛竜は、鳥のようには翼をたたみません。

犬塚:デザインのヨーロッパ的な雰囲気も落とし込まなければいけない。世間に発表するまでは受け入れられるのかドキドキしていたのですが、ちゃんと人気が出たので、ホッとしました。やはり、カワイイは正義かと(笑)。
――(笑)“翼をきちんとたたむ”というのは、やはり実現が大変だったのでしょうか?
犬塚:そうですね。翼をきっちりたたむ構造は思った以上に大変でした。鳥の関節構造を調べたり、何度も検証や相談をしたうえでやっとできた形です。ほかにも、翼の表現に関しては、翼の内側と外側の色味・質感をデザインで変えることで、翼を開いたときと閉じたときの印象を大きく変えて、強調するようにしています。

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ホロロホルルデザイン画(モンハンフェスタ’16にて展示予定)。
大きな青い翼と三本の爪が、特徴となっています。

――ホロロホルル装備のデザインに関しては、かなりヨーロピアンな印象を受けますね。
えだやん:そうですね。ホロロホルルもモンスターデザインが先にあって、一目見てピエロやベネチアの仮装のような、華やかだけど怪しい雰囲気を感じたので、そこからストレートにイメージを膨らませた装備デザインになりました。担当デザイナーがそういった路線に明るかったのか、出してもらったラフの雰囲気が良くて、その方向性を広げてもらっています。パッと見たときに、ちゃんとホロロホルルの特徴を出しつつ、うまく装備として落とし込まれているかと思います。

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ホロロホルル装備デザイン画(モンハンフェスタ’16にて展示予定)。
仮面舞踏会的な雰囲気を持った、ベネチア風味の装備です!

嶋津:ホロロ武器に関しては、デザインのラインが二通りありまして。まず、ホロロホルルは翼を広げたときに三本爪になるんですが、その特徴を活かして、何かの状況に合わせて、三本爪に見える部分を作りました。

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ホロロホルルのチャージアックスデザイン画(モンハンフェスタ’16にて展示予定)。
両翼を広げ、三つの爪を開いた様子がデザインに反映されています。

嶋津:また、もう一つのデザインラインとして、ヨーロッパ調のイメージも取り入れて、ヘビィボウガンのデザインはベネチアングラスの双眼鏡風にしようだとか、笛だったらハープ風にしようとか、ホロロホルルの装備と組み合わせることでより魅力が増すよう、意識してデザインしています。

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ゲーム中のホロロホルル狩猟笛。
ハープ的形状に、ヨーロッパ的な装飾が織り込まれたデザインです。

さて、今回はここまで!
次回からは、いよいよ4大モンスターのデザイン、そして装備と武器のナゾに迫ります!
1月14日公開予定。
お楽しみに!

そして、今週末1月10日(日)には、「モンスターハンターフェスタ2016」東京大会が開催!
今回掲載された、数十倍の数のデザイン画も公開!!
ぜひ、ご来場ください!!!

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開発者:詳細プロフィール

犬塚和久
MHXでは、モンスターモデルの制作と管理を担当。2008年カプコン入社。キャラクターデザイン室所属。『ラストランカー』『バイオハザード6』参加。MHシリーズは『モンスターハンタートライ』以来2作目の参加。影響を受けたクリエイターは、竹谷隆之氏、東工房氏。

佐藤博詞
MHXでは、モデル・デザインチームを統括。2000年カプコン入社。第三開発所属。『鬼武者』『バイオハザード6』 『宝島Z』『ドラゴンズドグマ』に参加。影響を受けたクリエイターはあきまん氏、西村キヌ氏、BENGUS氏、イケノ氏、えだやん氏などカプコンデザイン室系イラストレーター全般。

嶋津徹治
MHXでは、武器のデザイン、モデリングの制作管理、また『ドスマッカォ』のモデル制作も担当。2003年カプコン入社。第一制作部キャラクターデザイン室所属。『ロックマンX』シリーズ参加後、『モンスターハンターポータブル2nd』からMHシリーズ開発に参加。影響を受けたクリエイターはえだやん氏を含め、カプコンデザイン室全般。現在の注目作品はマーベルヒーローや『ワンパンマン』などヒーローもの全般。

SASA
MHXでは、装備、NPC、オトモなどのデザインを担当。2008年カプコン入社。キャラクターデザイン室所属。『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS』でパプティマス・シロッコを描いた後、『モンスターハンターポータブル3rd』よりMHシリーズに参加。好きなクリエイター、影響を受けた人は吉田明彦氏、西村キヌ氏、竹谷隆之氏、えだやん氏。

えだやん
MHXでは、プレイヤー、オトモのデザイン統括と、装備、武器デザインも担当。第三開発所属。1995年カプコン入社。2000年まではカプコン対戦格闘ゲーム『ストリートファイターII』シリーズや『ジャスティス学園』開発に参加後、MHシリーズに初代開発から10年以上関わる。影響を受けたクリエイターは入社前は藤子・F・不二雄氏、入社後はBENGUS氏やカプコンデザイン室全般。