MH4G開発者インタビュー
MH4G開発者インタビュー 目次
タイトル

モンハンラジオのスペシャルコーナーとして配信が予定されている”モンハン開発陣になんでも聞いちゃうぞスペシャル”。
モンハン部ではラジオ配信前にその一部をまとめ、「MH4G開発者インタビュー」として皆様にお届けしちゃいます。

モンハンラジオMC日笠陽子さんのインタビューで敢行される本企画、普段のゲーム誌では聴けない話も飛び出すかも?

では第5回目の開発者は、サウンド編です。


第5回はサウンド編! おなじみ藤岡ディレクターと、サウンドスタッフのお二人、そして見慣れないあるモノが登場……!?

日笠陽子(以下、日笠) :さて、今回のゲストはどなたでしょうか?

藤岡要ディレクター(以下、藤岡) :はい、今回はサウンド編ということで、この二人に来てもらいました。

小玉光俊(以下、小玉) :サウンドディレクターの小玉です。

茅根美和子(以下、茅根):コンポーザーの茅根美和子です。よろしくお願いします。

日笠:初の女子ですよ!!お二人は、音楽に関わられているということですが、どのような役割なんでしょうか?

小玉:サウンドディレクターというのは、サウンドの最終的なクオリティーの責任者であり、チームメンバーを無事にゴールまで導く、船で言うと船長のような役割ですね。

茅根:私は、今回メインコンポーザーを担当したのですが、曲制作の他にも、BGMの演出やそれにともなうシステムを考案しました。後は、全体のスケジュールを調整したり。今回はBGMチームが4人いるんですが、その取りまとめを担当させていただきました。

藤岡:小玉くんの方は、ディレクターでもありSE……、効果音の担当もしています。シュッというような武器を振ったときの音や、モンスターの鳴き声とかですね。それをやりつつも、サウンド全体の運営をやっていましたね。どういうサウンドのシステムで、誰が何をいつまでにやるかとかを、プログラマーや企画チームと話し合いながらやっています。そこから、「こういうBGMを作ってください」と茅根さんにオファーすると。

日笠:茅根さんが作曲されて、アレンジされるんですね。

茅根:そうですね。私と、他のメンバーとで曲を作っています。

小玉:そしてまた茅根さんからも「こういう音楽はどうですか」とか、「こういう鳴らせ方をしたいんですけど」というのを返してもらったり。そういうやりとりをしていきました。

日笠:お二方は、『モンハン』シリーズに関わられてどのくらいになりますか?

小玉:僕は『MH4』からSEのスタッフとして関わらせてもらっています。

茅根:私も小玉さんと一緒で『MH4』からメンバーとして入らせていただいて、『4G』も担当させていただきました。

日笠:『4G』の演出で特にこだわった点はありますか?

小玉:SEとしては、『MH4』の頃から立てていたコンセプトなんですけど、モンスターが「ギャー!」と吠えたりとか、強烈な攻撃を出してきたときに、ユーザーさんが思わずひるんでしまうような演出を目指して作っています。怖くて逃げ出したくなるような……。モンスターが吠えたときに、「コイツ本当に倒せるのかな?」と思わせて、何とか討伐したときの達成感を感じてほしいなと。

日笠:鳴き声といえば、私たち、モンスターの鳴き声クイズをやったりもするんですよ。モンスターの鳴き声を決めるときは、「こういう声にしてくれ」って依頼されるんですか? それともモンスターを見たインスピレーションで決めるんですか?

小玉:まずはサウンドチーム側がインスピレーションで作ってみるんです。それを藤岡Dに聴いてもらって。でも最初は大概、ダメなんですけどね(笑)。

藤岡:もちろん、ベースとしてはよく出来ているんですよ。そこへさらに個性をどう出すかということですね。モンスターっていろんなアクションをするじゃないですか。でも全部に同じように声を入れると、どれも同じようにしか聴こえないので……。よく言っているのは、攻撃前の声だよね。

小玉:そうですね、予兆ボイスですね。

藤岡:セルレギオスだったら、飛んでいるのでなかなか視界に入ってきにくいですよね。でも鳴き声がすると、そっちに意識が向きますよね。そこで印象的な声を出して攻撃してきたら、「この声がしたら、攻撃来るんだな」と予測ができます。そういう印象的なところには、個性のある声を入れたいなと。そういう部分もモンスターを形作る特徴になるので。

日笠:鳴き声って、どうやって音を作っているんですか?

小玉:イメージというところでは、そのモンスターがどんな声帯を持っていて、どういう声が出るのか、というところから発想しています。実際に録るときは、担当者が自分の声で1回吠えてから、エフェクトをかけたりして……。

日笠:えっ! 人ですか!?

小玉:基本は人です(笑)。あとは、波形の頭に爆発音を入れたりしてモンスターボイスっぽくしたりしています。「グルグルグル……」って声なんかは、実は女性の声だったりするんですよ。

藤岡:動物の声とかも入れたりはするんですけど、イントネーションというかインパクトを作るのには、どうしても演技が必要になるので……。だから最近はよく人でやってるよね。

小玉:そうですね、昔よりも意識してやっているところですね。そういえば、セルレギオスと、前回のメインモンスターのゴアマガラって、同じ担当者が作っていまして。どこかしら、似ているんですよね(笑)。

日笠:聴き比べたらおもしろそうですね。でも、モンスターまで人の声だったとは知りませんでした。

藤岡:サウンドの人たちね、結構上手なんですよ。職業柄かもしれませんけど。

小玉:でも、だいぶ練習していますよ(笑)。

日笠:武器の音はどうやって作られるんですか? 実際に物を使って音を出したり?

小玉:そうです、トンカチをカーンってやったり、木をバキッって折ったり、金属などを擦り合わせたり。ほとんどがそうやって作られています。後は、モンスターの特徴的な音をその武器に埋め込んで作ったりとか。中にはモンスターのボイスが鳴っている武器があったりします。

藤岡:チームの部屋は、サウンド室とは思えないモノが沢山置いてあるよね。

茅根:さっきゴボウがありましたし。

小玉:ええ。先輩がゴボウを持って「イエーイ!」ってやって来ました(笑)。

日笠:楽しい会社ですね(笑)。さて、今度は茅根さんにもお伺いしたいのですが、今回のセルレギオスのテーマ曲、すごく迫力がありますね。

茅根:ありがとうございます。かなり紆余曲折があった曲なんですよ。最初に作ったのが2013年の春頃ですね。

藤岡:よく覚えてるね(笑)。……いろいろ根に持ってますか!?

茅根:いえ、持ってないですよ(笑)。曲が完成する頃には秋が深まっていたので、まだ記憶が鮮明だからかもしれません。最初は、セルレギオスの方も制作を始めたような段階でしたけど。ポリポリというか……。

日笠:ポリポリ!? ポリゴンポリゴンって事ですか?

小玉:専門用語すぎて誰も分からないと思います(笑)。

藤岡:まあ、まだ着手したばかりでモンスターとかも粗い状態だったわけです。

茅根:そうでしたね。イメージボードとかはあったんですけど。その絵と、実際に動いている様子と、後は藤岡さんから聞いていた”セルレギオスはリオレウスのライバル的な存在”というキーワードをもとに作曲していきました。ダークヒーローっぽいとか、砂漠を拠点にしていることもある、というのも伺っていましたね。

藤岡:初登場するステージが砂漠というのは決まっていたんですけど、まだどこに棲んでいるのかというのは決めきれていなかった頃なんです。

茅根:最初は「砂漠か~」と、かなり安直に砂漠に寄せた曲にしていたんです。それで聴いていただいたんですけど、あまりに砂漠に寄り過ぎていたので「コレはちょっと違うな」ということで。

藤岡:メインモンスターですから、ユーザーさんが長く遊べるモンスターにしたいと。そうなると、曲自体の個性が強すぎると、ずっと聴くにはなじまないという感覚があって。それで、もうちょっとセルレギオスというモンスターに寄せていきたいという話をしました。

茅根:はい、そうやってやり取りをさせていただきながら作っていきました。

日笠:他にもいろいろ作曲されていると思うんですけど、何曲ぐらい作られたんですか?

茅根:デモシーンを含めると50~60曲くらいですね。全て私が作ったわけではなく、みんなで分担しながら作りました。

藤岡:復活したステージもありますから、昔の曲のデータを持ち込んだものもありましたね。新しく足さないと演出できないものもあったので、その分を作ってもらったり。あとは、昔の曲をリメイクとしてアレンジしてもらったり。

小玉:『MH4』と合わせると、160曲くらいになりますかね……。

藤岡:村や拠点も多いですからね。ストーリーでもシリアスなところがありますし。村がにぎやかな曲だと合わないってことで、そういうシリアスな曲も欲しいと。またシリアスにもいろいろあるじゃないですか。ちょっと勇ましいパターンとか。そこでさらに曲をお願いするので、どんどん増えていくんです(笑)。

茅根:その分、ユーザーさんにより没入感を味わっていただけると思います。

藤岡:逆に、提案もいただきましたね。実際にゲームを触って、「ここはこういう曲の方がいいと思います」とか。

日笠:BGMの他にも、『4G』だと、アリーナで歌姫の歌が聴けますよね。

茅根:はい。特定の条件を満たすことで、これまでのシリーズで登場した歌姫の曲が全て、コンサートとして聴けるようになるんです。

藤岡:『MH2』から歌姫というキャラクターを作ったんですが、そこから僕が関わったタイトル……ナンバリングって言われている作品は必ず歌を1曲でも入れるようにしています。歌姫が出ないときもあるけれど、歌は絶対作ると決めています。

茅根:『4G』の歌も含めると、十数曲はありますね。

藤岡:今回、ドンドルマが復活して、初めて歌姫が登場した施設もあるので、彼女も出そうというのは早々に決めていました。だから、今まで歌姫が歌った曲は全部聴けるようにしたいと。それで今までのデータを全部見てもらったり……。

茅根:ちなみに、元の歌詞は藤岡さんが作られたんですよ。

藤岡:そのまま歌ってもらっているわけではなくて、歌詞のもとになる言葉の羅列ですよ。それをお渡しして、別の言語に翻訳してもらったものをさらに造語にしています。その歌詞と、歌詞の意味を歌手のIkukoさんにお渡しして、気持ちを込めて歌っていただいています。

日笠:そうやって作られているんですか。……で、そろそろ、今日お持ちいただいた”デカい貝”みたいなものが何なのか教えていただきたいんですが!

小玉:これは天然のホラ貝です。40センチぐらいありますかね。『4G』のドンドルマで村人に危険が迫っているのを知らせる笛があるんですが、その音をコレで収録したんです。

藤岡:デモシーンで、角笛みたいな音が欲しいということで。でも、サンプル音源でいいものがないので、録るしかないと。そこでどんな音かって聞かれたときに「ホラ貝みたいな音かな」って言ったら、「知り合いに吹ける人がいますよ」って言うから……。

小玉:それで収録することになったんですが、どうせなら自分で吹いた方がいいかなということで、それから練習の日々でした。で、吹けるようになっちゃいました。

藤岡:そうなんですよ。ある日突然、ホラ貝持ってきたんですよ、「借りてきた」って。そんで「自分で吹きます」って(笑)。

日笠:すごい! やっぱり難しいんですか?

小玉:難しかったですね。ホラ貝って音が裏返るところがあるじゃないですか。あれがなかなかできなくて。

藤岡:そこまでは多分、できなくてもよかったですけどね(笑)。ブォーだけで。

日笠:じゃあ、小玉さん、せっかくですから披露をお願いします。

小玉:まだまだ素人なのですが、では。

ホラ貝 ♪~~ブォーオオーオオーオオーオオー~~

日笠:すごい! 現代人で吹ける人ってそうそういないですよね。

小玉:僕の友だちは大体吹けます(笑)。

日笠:吹けそうなヤツは大体友だち!?この後、お二方にハンターとしてのお話も聞こうと思ったんですけど、もうこのホラ貝でプライベートも全て伺ったような気になりました。

茅根:音で全てを表現する仕事ですからね(笑)。

日笠:さすがですね! 今日は本当にありがとうございました、最後に皆さんへメッセージをお願いします。

小玉:『MH4G』では過去の村の復活、そしてモンスターのさらなる進化と、『MH4』とはひと味違った遊びが詰まっています。サウンド面でもさらなる進化を目指して、スタッフ一丸となって制作を行いましたので、ぜひお手に取って遊んでいただければと思います。他社さんとのコラボクエストで得られる報酬には、サウンドもいろいろ仕掛けを用意していますので、その辺りも楽しんでください。

茅根:『MH4G』では、『MH4』の世界観を引き継ぎながらも、没入感を深めるような細かな演出や仕掛けをたくさん盛り込んでおりますので、ボリュームを上げて楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

日笠:ありがとうございました!


“モンハン開発陣になんでも聞いちゃうぞスペシャル”サウンド編いかがでしたでしょうか。
実はここでは書けない話も隔週配信中のモンハンラジオで配信予定!
Youtubeやpodcastで無料配信中!是非お楽しみに!

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