ミステリークイズ

2016/02/25

[成歩堂龍一のミステリークイズ] 第36回:「15年越しの殺意」

ある館で殺人事件が発生。成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)はその事件の容疑者の無罪を信じ、弁護を引き受けることとなった‥‥。

事件の概要は以下の通り。

殺されたのはその館の主人の妻。死亡推定時刻は午前5時前後ということが分かっている。死因は毒殺。現場は妻の寝室で遺体はベッドの上に横たわっており、また、争った形跡がないことから、ハンニンは被害者の常備薬に毒を仕込んでおいたと思われる。

通報者は、通いの家政婦。彼女はいつもどおり、朝の8時に館にやってきた。チャイムを押して何の応答も無かったが、今までにも何度かあったことなので特に気にもせず、合鍵を使って館内に入った。ちなみにこの館の門前には監視カメラが置かれており、家政婦の姿も録画されている。

妻が自室でこときれているのにも気付かず、家政婦は仕事を始めた。 午前9時には、館の主人の主治医が訪ねてきており、主人の容態を確認した後は家政婦と談笑をしていたようだ。 「今日はまだ奥様を見ていない」という言葉に心配なった主治医が、家政婦とともに妻の部屋に入り、妻の遺体を発見している。



家政婦の通報を受け警察が急行したところ、違う部屋で意識を失っていた住み込みの執事が発見された。この執事の服のポケットには犯行に使われたとみられる毒入りのカプセルが発見されており、机の上からは本人が服用したと思われる睡眠薬が置かれていた。犯行後に自殺を図ったと判断した警察は、この執事を病院に搬送、意識を取り戻したところで緊急逮捕している。

‥‥そしてこの執事こそが、今回の依頼者である。

以下、執事の証言

執事「弁護士さん、私は何もやってないんです。私は前日、主治医の先生と館でお酒を飲んでいました。今思うと、あのお酒に何かが入っていたに違いないんです。はめられたとしか思えません! もちろん、自分で睡眠薬を飲んだりなんかしていませんよ。確かに、私は奥様に対してあまり良い感情を持っていませんでしたが、それが原因で殺すなんて‥‥」

ナルホド「(あの執事さんの言っていることは、きっと本当だ。それに、アヤシイ人物は他にもいるじゃないか!)」

しかし、この事件の容疑者として執事が逮捕されたのには、他にも理由があった。それは、監視カメラの存在である。監視カメラは門前の他に、塀の上にも何箇所かに設置されており、その死角を突いて誰かが館の敷地内に忍び込むのは、部外者には不可能である。そして、その監視カメラの映像からの情報は、以下のとおりである。

・犯行前日の夜7時、家政婦が館から帰宅
・前日の夜8時、主治医が館に来訪
・当日夜2時、主治医が館から帰宅
・当日朝8時、家政婦が館に来訪
・この他に館を出入りした人物はいない

死亡推定時刻は朝の5時前後であり、この時間にハンコウが可能なのは、執事だけという結論だった。

しかし、ハンコウが行える可能性のある人物がもう一人存在する。それはこの館の主人だ。この館の主人は15年間、意識不明で寝たきりだったのに、ハンコウが行われた日の午後、急に意識を取り戻している。成歩堂はこの主人がアヤシイと踏んでいた。つまり、あの時間、館には執事だけでなく、この主人もいたのだ。
主治医の証言によれば、主人が犯行後まで意識を取り戻さなかったのは確実とのことだが、ハンニンである主人が主治医と口裏を合わせれば何とでも偽証が可能であり、植物状態でないことがばれる前に、意識を取り戻したフリをしたのではないかとも考えられる。

その後の裁判では、この主人がもっと前から意識を取り戻していたのではないか? 意識のないフリをしていたのではないか? というところが最大の争点となった。

ナルホド「(今日こそは決着をつけてやるぞ‥‥!)」

以下、主治医の証言

主治医「ええ、確かにあの日、私は執事さんの部屋で、執事さんと一緒に遅くまで飲みましたよ。執事さん、何やら奥様に不満があるようでしてね。その不満を遅くまで聞いて、いやはや私も辟易しましたね。次の日の朝にも私はご主人の検診をする予定でしたのでね。執事さんがいつの間にかうとうととされたので、おいとましました。 翌朝、再び館にお邪魔して、ご主人の様子を見て‥‥ええ、前日と何も変わりありませんでしたよ。私が保証します。何せ、もしご主人が目を覚まされたら、その脳波を察知して私の持つ端末にそれを知らせる通知が来るんですからねえ。それで、家政婦さんにお茶を入れてもらって、奥様がこんな時間まで起きてこないってのは、さすがにおかしいんじゃないかってことでお部屋をのぞいて‥‥まさかあんなことになるなんてねえ。奥様も可哀想に。 それで警察に家の中を捜索してもらったら、別室で眠っていた執事の方を発見したってわけです。それで家の中が大騒動になったからですかねえ、ご主人が意識を取り戻したのは。私の端末がピーピーと鳴りましてね。いやあ、たまげました。とんでもないことが一日に二回もあるなんてねえ」

以下、主人の証言

主人「弁護士さん、勘弁してくださいよ‥‥15年も寝たきりだった私にひどい仕打ちじゃないですか。目覚めたその日に妻が殺されたことを聞かされ、あげく、まさかあんたがハンニンじゃないかって疑われてるんですからね。 そりゃあ、15年以上も前から献身的に妻を支えてくれた執事をムショ送りにしたくはありませんがね。 監視カメラの不具合ってこともあるんじゃないですか? あれは私が子供の時分からついてましたしね。ああ、でも、私が寝たきりになっているときに替えたかもしれませんね。まだ、そこらへんは何も聞いていませんが。 私は何もやってませんよ! だいたい、難しいことは私には解りませんが、私が目覚めたら、医療機がそれを察知するって話じゃないですか。そしたらその医療機に繋げたスマホがお医者先生にそれを伝えるってんだから、まったく便利な世の中になったもんですよ。意識がまだはっきりしていないときも、先生のスマホの電子音がはっきりと聞こえていましたからね。 とにかく、私は妻を殺されたわけなんだから‥‥しかも毒を盛られるなんて‥‥あんなに年老いた妻に、むごたらしい」

ナルホド「(‥‥あの主治医が医療機に何らかの仕掛けを施していたとして、その立件は難しいかもしれない。けれど、今の証言、ムジュンを見つけたぞ‥‥)」

ムジュンした証言をしたのは?

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