アニメ『逆転裁判』のひみつ

2016/03/31

渡辺歩監督×巧ゲームディレクター対談 ~前編~

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いよいよ放送直前!
4月2日土曜夕方17時半より放送開始のテレビアニメ「逆転裁判 ~その『真実』、異議あり!~」(読売テレビ・日本テレビ系)の放送を前に、アニメの監督をされる渡辺歩監督と、ゲーム『逆転裁判』シリーズの生みの親であり、今回のアニメに原作監修として参加した巧舟ディレクターの対談を行いました!
4月2日(土)の第1話放送をはさみ、前後編でお送りいたします。
非常に熱いトーク、ご覧ください。
どうぞ!!

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■渡辺 歩監督(左)
(わたなべ あゆむ)
数々の作品を手掛けるアニメ監督。代表作は『ドラえもん』、『宇宙兄弟』、『団地ともお』など。

■巧 舟(右)
(たくみ しゅう)
『逆転裁判』シリーズの生みの親。『ゴースト トリック』、『大逆転裁判』なども手掛ける。

キーワードは“ゲキアツ”! アニメ「逆転裁判」の作り方

――渡辺監督は、“すこしふしぎ”なSFモノからハードなSFモノ、日常モノやライトノベル原作モノなど、多彩なジャンルのアニメを手がけられてきました。今回は『逆転裁判』という、アニメでも珍しい“裁判モノ”というジャンルを手がけられることになって、意識したことはありますか?

渡辺:そうですね。どのジャンルでも僕のなかではアプローチの仕方は同じで、“分かりやすさ”“親切さ”、そういう部分を意識しています。今回は“法廷モノ”ということで、“法廷”“ミステリー”要素は大事にしつつ、伝わりやすさに重きを置くべきかと思っています。また、特別大きな意識というわけではないですが、僕のなかで描きたいものを見つけられれば、それに向かっていく作業のなかで、力を帯びた良いものにできるんじゃないかとも思っています。

:監督は最初のころから、アニメ化のキーワードとして“ゲキアツ”というキーワードを挙げていらっしゃいましたね。

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▲アニメのなるほどくん “異議あり!”ポーズ!
逆転ファンにはなじみがありつつ、目に新しいビジュアルですね!!

渡辺:そうですね。やはりゲームをやってみて、“これは熱いな!”という感想を持ったんです。“ゲキアツ”なゲームだと。ここがポイントだな、と思いました。

:うれしいです。ジャンルが「ミステリー」なので、事件やトリックに関しては多少ひねっていますけど、それ以外のところは、なるほどくんと御剣検事の熱い友情だったり、物語の中心はシンプルなほうが良いと思ってシナリオを書きました。監督も、それを感じていただいたのかな、と。

渡辺:そうですね。まず、成歩堂というキャラクターのあらまし、“彼はどういう人物なのか”ということですね。どういった活躍をして、どの方向に行くのか。それを探っていくと、彼の性格、存在に大きく影響を与えた人物“御剣怜侍”が現れる。この二人の友情と対立が、『逆転裁判』の大きな柱になります。ライバルであり、その奥底では、非常に深い信頼と友情で結ばれている、それを包括的に一言で言うと、“これは熱い!”という言葉になる。ゲームでは、分かりやすさ、楽しませる工夫というものを、すごくしっかり考えて作られているので、ゲームから受ける温度、ワクワクドキドキ感を“ゲキアツ”に伝えていければと思っています。

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▲なるほどくんや御剣検事とも深い関係がある矢張。
アニメでも「事件の影にヤッパリ矢張」!?

巧ディレクターお墨付き、アニメ版“逆転裁判”!!

――実際にシナリオを見ると、ゲームと違う部分、“このセリフをここに入れるんだ!”というような、驚きつつも納得の変更がいろいろ見られます。シナリオ作成には、巧さんはどのぐらい関わっているのですか?

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▲裁判所での千尋さんとなるほどくん。
さまざまな場面で、ゲームのイメージを損なうことなく会話などが追加されています。

:実際に脚本チームと監督と一緒に、去年から多いときは週に一回のペースで、直接お話をしていました。脚本チームが作った構成をもとに、かなり細かく詰めていますね。最初は、ぼくもどこまで関わってよいのか分からなくて控えめだったのですが、監督のやさしい笑顔を見ているうちに、「スミマセン、ここもいいですか」と、少しずつ“お願い”が増えていったような(笑)。

渡辺:シナリオライターのシナリオを固めるときに、メールでも非常に熱いやりとりがあったりしました。見ていて非常に熱い、まるで検事と弁護士の会話のようでした(笑)。

:やはり、現場の熱量って大事ですよね。

渡辺:(笑)ボクとしては、なるべく濃度の高い“逆転裁判”感が欲しかったんです。もしかしたら、巧さんがゲームで描ききれなかった部分があったり、やむなく裏設定になってしまったもの、もともとゲームの中に設定として眠っているものとかがあるのではないか。ゲームの表面だけでは見えない、そういったものがボクは欲しかった。巧さんも他のお仕事で忙しい中、来ていただいて、本当にありがたかったです。

:ぼくのほうこそ、参加させていただいて感謝しています。この半年は、日常の業務が終わったら家に帰ってアニメのシナリオの調整、今年に入ってからは土日もアニメのシナリオ、という感じでしたね(笑)。そのシナリオを元に絵コンテ、台本が作られるので、その過程で変更されたりカットされる部分もあるのですが、基本的に“すみからすみまで逆転裁判”と言えるものになっていると思います。そういえば、シナリオの制作に関しては、監督とのホットラインがありましたね。頻繁に電話させていただきました。

渡辺:そうですね(笑)。つい長電話をしてしまったり。

:二時間ぐらいしゃべっているときがあったり(笑)。その時に、監督に「今回のエピソードのポイントはどこでしょう」とうかがうと、「それはココとココですね」と返答が来る。そこで、ゲーム版には無いけれど、こんなやりとりを追加しましょうか‥‥という感じで、ドラマが目の前でふくらんでいくのは、すごく楽しかったです。

渡辺:ボクとしては、巧さんのお話についていくのがやっとでしたけど(笑)。

:そんなことなかったですよ(笑)。監督はいつも“キャラクター”に焦点を当ててシッカリ考えていらっしゃるので、アニメは全体として、人間ドラマの描写が厚くなっていますね。

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▲矢張に尋問する亜内検事。
原作の物語を踏襲しつつ、アニメではドラマをより厚く(熱く)描いています。

渡辺:『逆転裁判』はキャラクターが詳細に作られていて、ミステリーの重要な部分や、作り込みと骨太感、ふところの深さを感じました。制作に入る前は、どのぐらいの深さなのだろう?と思っていたのですが、巧さんの中では裏の裏までキャラクターが掘り下げてある。それを少しでも引き出したい、というのが、ボクの中でも欲求として高まってくる感じでした。成歩堂たちの子供時代はどうだったのか、とか、そういう生い立ちの細かい部分も含めてですね。「まだゲームには出てないけれども、ボクの中にはあります」なんて言葉を聞くと、「それは書かねば!」と思いますよね(笑)。

――そういった子供時代の描写も、少しずつ、本当に少しずつすり込まれるように、アニメの1話の中から描かれているのが、スゴイと思いました。

:そういう見せ方が心憎いですよね。

渡辺:それは、ゲームの中にも、近い描写がありましたから。『逆転裁判』というゲーム自体が、非常に映像的に作られているのだと思います。

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▲アニメの証人尋問画面。
証人のポーズなどに、ゲームへの愛情が感じられて、うれしくなります。

“総合芸術”としての“音”による化学変化!

:ぼくはまだ聴いてないのですが、“音楽”に関しては、いかがですか?

渡辺:音楽は‥‥良いですよ!

:おお! そうですか!

渡辺:映像というのは“総合芸術”という部分もあり、“絵”“声”“音楽”が合わさって全体の深みが増していくのですが、今回はとくに“音楽”が入ることによって、大きな化学変化が起きています。なかなかこういった変化は無いのではないか、というぐらい、大きく変わりましたね。

:それは楽しみです!

渡辺:ゲームでは常に音楽がかかっていて、ボクもゲーム『逆転裁判』の音楽が好きなので、ああいう感じをアニメでも再現できたら、と思っていたんですが‥‥自分で言うのもナニですが、かなり良いですよ(笑)。

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▲ゲームでのなるほどくん。
ゲームでは、音楽や音声によって独特のリズムが作られています。

:今のところ毎回、アフレコの現場に立ち会わせていただいているのですが、音声の収録用に流れる制作途中の映像を見ていても、アニメならではのカット、アングルの見せ方が目に浮かんでワクワクします。やはり、映像として楽しいですね。

渡辺:ゲームと同じ場面でも、図々しいところにカメラが入っていたりします。「そこかよ」っていうような(笑)。ゲームの画面は、良い意味でムダの無い、必要な情報が凝縮・洗練された画面なので、その完成度の高さは、我々アニメスタッフにとって恩恵であり、指標とさせていただいてます。とくに法廷の中は、カメラを置くのが難しくて。

――今回は、法廷をCGで作られているということで、そういったところで、ゲームとは違う見せ方もありそうですね。

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▲裁判長が木槌を叩くカット。
背景を見ると、裁判所の中がCGで描かれていることがうかがえます。

渡辺:そうですね。法廷内を3Dの空間としてCGで作らせていただいて、その中で、カメラが配置され、移動したりしています。昨今、こういったCGは当たり前の技術ではあるのですが、そこにシチュエーション、ドラマ性のあるシーンを加えることで、“熱い”絵が撮れないかな、と思っています。

4月2日の放送前に一言!

――いよいよ一話放送直前となりますが、手ごたえなど、いかがでしょう?

渡辺:一話に関しては、チュートリアル回的な要素ではあるんですけれども、『逆転裁判』の全部がそこに入っていると言っても、過言ではないと思います。ゲームファンの方も、楽しみにしていただければと思います。

:一話の放送、本当に楽しみにしています!

――では放送前に、ゲームファンに一言、お願いいたします。

:今回、思いのほか深く関わることになっていて、普通ならオツにすまして“楽しみですね~”で済むところかもしれませんが(笑)、とてもそんな心境ではなく、ホントに我がことのようにドキドキしながら放送を待っています。『逆転裁判』に、ここまで高い密度と熱量で向き合って下さっているアニメ制作のスタッフ、声優のみなさんには、心から感謝しています。『逆転裁判』第一作から15年の節目に、ぜひみなさんも、ぼくたちと一緒にアニメ版の“目撃者”になっていただければと思います。自信をもってオススメしますので、4月2日をどうぞお楽しみに!

渡辺:巧さんからそう言っていただけると、アニメチームとしても非常にありがたいというか、心強いですね。やはり、ゲームファンの方にも、アニメ『逆転裁判』が『逆転裁判』の一部である、と言っていただけるぐらいのものにしていきたいですね。それを目指して、最後まで走っていきますので、温かい目で見守っていただければと思います。ゲームファンの方に、もう一度ゲームをやりたくなる、と思わせる、そんなアニメになれたらな、と思います。土曜日の夕方17時半にはゲーム機を持って、皆さんのご家庭の“受像機”の前に、座っていただければと思います(笑)。

――読者の皆さんも、4月2日(土)夕方17時半放送開始、アニメ『逆転裁判』をよろしくお願いいたします!

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さて、今回はここまで! 来週は、アニメ『逆転裁判』1話の放送後ということで、よりアツい対談の続きをお届けします。
4月7日(木)公開予定!
お楽しみに!!

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※ゲームのダウンロードには3DS本体および無線でインターネット接続できる環境が必要です。

アニメを見たら、ゲームもプレイしたくなる!
ぜひ、この機会にゲームもチェックしてください!!

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