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六十三回 ~バイオ最恐の遺伝子~ バイオハザード1×7開発者対談③



さて皆さん、最恐のバイオハザードとして絶賛発売中、『バイオハザード7 レジデント イービル』、遊ばれてますか?
今回は、PS VRへの完全対応も果たした『バイオハザード7』、その“リアルさ”と“恐怖”の関係性について、VRに反映する苦労や、歴代の『バイオ』の話も含めバイオディレクター安保氏、中西氏両氏にお伺いできればと思います。
どうぞ!


リアルの力
――今回はフォトリアルな描写を前提に各キャラクターが作られていて、「Not A Hero」(今春無料配信予定のDLC)に登場するクリス・レッドフィールドも、かなりシュッとした印象を受けます



▲『7』でのクリス・レッドフィールド。
より実写的でリアルな造形になりました。


中西:ゲームというものは、いわゆる“疑似体験”なのに“リアルに恐怖を感じてしまう”。ある意味、“脳がだまされている”んですよね。脳をだますために、ぼくらは努力するわけですが、フォトリアル表現もそのひとつです。クリスをこれまでのCG造形を前提にしたデザインのまま入れ込むと、とたんに世界観の違うキャラクターが入ってくる感じになるわけです。

――『6』でもかなりリアル寄りの印象でしたが、それでもディフォルメされていたんですね。



▲『6』でのクリス。
かなりリアルな印象ですが、これでも『7』のキャラに混じると、違和感が出てしまうそうです。


中西:そうです。頭身も現実の人間とは違いますし、データの作り方がまったく違うので。それで、モデルさんを探してフォトスキャンからやり直し、『7』のクリスが生まれました。

安保: “リアル”という意味では、今回は“グロテスクさ”もかなり振り切ってるじゃないですか。その辺の反応はどうでしたか?



▲ 回復を行うプレイヤーキャラ。
これも、「虫さされ」や「切り傷」などで、見た目も変化します。


中西:「やり過ぎ」という人は、当然いらっしゃいますね。「怖いと言うよりもグロい」という意見は、ネガポジどちらの意味でもいただきます。

安保: その辺も『バイオ』をやる上で避けては通れないところで。そのさじ加減は毎回苦労するところなんです。『7』はかなり攻めましたね。

中西:今回グロは、ブレーキを踏まずに逃げずにやろう、という方針でした。

――そうだったんですね。かなりのインパクトを感じました。

中西:チームメンバーには、過去にシリーズに関わっている人間も多いわけですが、グロ表現をする場合に、レーティングのことを気にしてしまいます。レーティング審査は「商品」として世に出すには必要なもので、ゲームの完成直前に審査を受けます。これまで審査の結果で急遽修正することになったことも多いため、アイディアの段階で「これ審査通らないリスクがあるから、遠慮気味にしよう」という意識が働きます。でも、今回に関してはブレーキ無しで作って、竹内さんと審査機関に土下座してでも理解してもらおうと覚悟を決めて、制作を進めました(笑)。最終的には、結局修正する箇所は出たのですが、日本でも、今回初めて作ったZ版の『グロテスクVer.』では、これまでと比べて修正は最低限のものになりました。
グロ表現は、“ショック”や“サスペンス”などと並んで「ホラー表現」のひとつにすぎないのですが、今回の『7』のように没入感を重視した場合、例えばVRモードでのプレイ時に腕を斬られると、本当に喪失感を感じますから、インパクトのある恐怖体験には効果的です。

安保:必要だと思う表現で真正面からぶつける、クリエイターとして正しい姿勢だと思います。…そういえば、『バイオハザード2』のときに、すっごくリアルにゴキブリを作って。

――ほうほう。



▲ 『バイオハザード2』の“ゴキブリ”、ラージローチ。
とても…リアルです。


安保: リアルにしようと嬉々として作っていて。で、ちょうど通りがかった竹内さんに「どうです、このゴキブリ!」って見せたら、「うわっ! お前っ何作ってんねんッ!!」って、すっごく怒られました。どうやら竹内さん、虫が苦手だったようで(笑)。

――(笑)。

安保: それで『7』を見たときに、「竹内さん、虫が苦手なのに今回はすごく攻めたなあ」と思って(笑)。

中西:実は旧館の虫は、試作段階ではもっと強烈でしたね。

――リアルだったんですか?

中西:試作段階なので見た目は別にリアルではないんですが、例えばツブツブ感とか、そういった背筋がぞわぞわする表現が出来てましたね。竹内さんは「マジで無理!」って言ってました。そこもグロと一緒で、まずは目いっぱいやってみようという方針でした。

安保: やり過ぎると、コントローラーを投げてしまいますよね。オプションで“虫レーティング”とかも作ったほうが良いですよね(笑)。

中西: またはオプションで設定できるとか。結局、本開発に入るときに、それなりになるよう調整をかけました。



▲ おなじみの台所、机の上には、“ヤツ”が見えますね。
鍋のフタを開けると、もちろん…?



時代が追い付いたVR
――今作ではVRへの対応も大変だったと思いますが、実際に全編対応してみて、いかがでしたか?

中西:開発開始の「アイソレートビュー」にすることに決まった時点で、「これでVRにも対応できるじゃん」と考えたんですが、当時のVRの社内認知度の低さったら無かったです。企画書のVR対応しますというページも「へー」ぐらいに流されてました。

――(笑)。

中西:いずれにしろ、VR専用にするわけでもないし、チームに対しても「『バイオ5』のPSmoveのような位置づけ」と説明していました。具体的に動きだしたのは、2015年E3に“VRで何か出展しよう”と決まったときです。それが「KITCHEN」です。以降、社内でも注目をあびて、本格的な対応にむけて動き始めました。

安保: 時代が追い付いてきた感じで。



▲2016年10月13日、PS VR専用コンテンツとして配信された「KITCHEN」
身動きできない状況が、恐怖感をよりかき立てます。


中西:ただ、チーム内にも新しいモノ好きがいて、彼らは、個人でさまざまなVRデバイスを持ってたりしてました。バイオ7の試作はUNITYを使ってたので、彼らに機材を借りて、検証として試したりはしていました。

――社内の研究チームが、自ら進んで検証していたと。

中西:研究チーム…というか、ただのガジェットおたくです(笑)。

――(笑)。

中西:ただ、そういうギークたちは開発には大切で。彼らは情報も持っていますし、PCではすでにVRタイトルが出てたので、正式にチームに機材が届くまでは、彼らの機材でそれらタイトルを遊んでました。

安保: それでチームのモチベーションが上がった部分も大きかったんじゃないですか? モノを見たら、「おお、やりたい!」となりますよね。

中西:それはありましたね。VRは実際に遊んでみないと、なかなか伝わりにくいじゃないですか。チーム内の認知向上には一役買ってくれましたね。さらに「KITCEHN」をE3で出した反応の良さもあって、VRに対する意識が上がってきましたね。

――「KITCHEN」は、部署の近くにちょうどVR機器が設置されていて、体験された人がフロア中に響き渡る声で絶叫していましたね。また、VR担当の人がイタズラで、ラストにボールペンで体をつつくんです(笑)。

安保: それは、イタズラとして度を超してますね(笑)。

中西:KITCHENの後から、本編のVRでの検証を進めて、最終的に全編通してVRモードで遊べる「PS VR完全対応」が決まりましたね。



▲ 「KITCHEN」でのラスト近く。
カプコン社内のVR試遊コーナーでは、この直後に絶叫が響き渡ることが多かったです。

――今回、VR完全対応、というカプコン初の試みで、苦労した部分はありますか?

中西:2016年のE3にVR対応の「ビギニングアワー」を出したのですが、メディアの反応は、内容に対してはポジティブだったのですが、VRの快適性に関してはネガティブな声がありました。そこで、もっと徹底的にやらないとマズいな、と、取組みを強化しました。当時は、まだまだVRでの実例や検証データも多くはなかったので、とにかく可能性のあるさまざまな対応を片っ端から試していきました。

――なるほど。

中西:「鼻を表示すると酔わない」というので、鼻を表示したり。

――あ、“鼻”の話はよく聞きますね。

中西:鼻よりもっと面積があればさらに良い?と、車を表示できるようにしたりしました。レースゲームの車内視点みたいな感じで。

――ええ! 館の中を車で走り回るんですか!?

中西:それで実際、安定度が上がるんですよね(笑)。画面の中に動かないものがあることが有効なようです。製品版のオプションで、「VRモード用基準ライン」を表示できるのですが、あれも人によってはすごく効果が高いようです。ちなみに名前が覚えにくいので、開発中は「ハットリ・バンパー」と呼んでました。作った担当者の“ハットリくん”の名前を取ってるだけなのですが、忍者っぽくてカッコイイ(笑)。試しにいれた仕様は、品室管理チームや社内の人も総動員して、プレイテストを繰り返しました。

――そんなトライ&エラーがあったんですね!

中西:中には、むしろ気持ち悪くなる仕様もあったりして、テストにご協力いただいた皆様には感謝しています。VRでの酔いの原因については、業界としても現在まだ確実な情報は無いのですが、今回テストをしててひとつ気付いたことがあります。それはVRでの鬼門のひとつである”移動”についてです。現実で歩いたときの速度や、体の揺れにともなう視界のゆれと、VRの中で歩いたときの“それ”が違っているので、そのギャップに脳が違和感を覚えるのが、酔いの原因となる人が見られます。逆に言うと、VRの中での歩く感覚、速度や揺れを覚えて、イメージできるようになると、動いたときのギャップが無くなるんですよ。実は、VR担当プログラマは、最初はVRに弱かったのですが、終わるころには全然平気になりました。ちょっとしたコツで対応できるようになるケースもあるんですよね。

――なるほど、そういうものなんですね。

安保: 逆に、VRを外して現実に戻った瞬間に“現実酔い”するとか(笑)。

中西:あ、それは本当にあります。VR担当は朝から晩までVRを付けているので、外した瞬間に感覚が追い付かなくて、廊下でフラついてるのを見たことがあります(笑)

――それはそれでマズいのでは。



▲ VRモードでのマーガレットは、ものすごい存在感で話しかけてきます。




さて、今回はここまで!
次回は、『バイオハザード』シリーズに関わり続けてきたお二人の今だから話せるエピソードと、「バイオハザード観」について伺います。
3月23日(木)公開予定。
お楽しみに!!

そして、『バイオハザード』シリーズといえば、昨日3月15日より『バイオ』シリーズ作品を大幅割引したダウンロードセールを開催中!





(インタビュアー:キタさん、ウッチー)

【プロフィール】
安保康弘
1994年カプコン入社。
『バイオハザード』『バイオハザード2』にプログラマーとして参加し、続けて『鬼武者』、『鬼武者3』、『シャドウ・オブ・ローマ』を制作、その後ディレクターとして『バイオハザード5』から再び『バイオハザード』シリーズに参加。
『バイオハザード リベレーションズ』プランナー、『バイオハザード リベレーションズ2』ディレクター、『エクストルーパーズ』ディレクター。

中西晃史
2007年カプコン入社。
『バイオハザード5』ゲームデザインで参加。その後、『バイオハザード リベレーションズ』ディレクター、『バイオハザード7』ディレクターを担当。











 

パッケージ




商品名
BIOHAZARD 7 resident evil
(バイオハザード7 レジデント イービル)
対応ハード
PlayStation®4(PlayStation®VR対応/HDR対応、PlayStation®4 Pro 4K/HDR対応)、
Xbox One(Xbox One S HDR対応)
PC(STEAM/Windows 10 UWP)※Xbox Play Anywhere対応
希望小売価格
○通常版
【パッケージ版】7,990円+税
【ダウンロード版】
(PS4)7,398円+税 / (XboxOne)7,400円+税 /
(Steam)7,398円+税 / (Windows 10 UWP)7,407円+税
○デラックスエディション
ゲーム本編と2つのダウンロードコンテンツ 『Banned Footage Vol.1』『Banned Footage Vol.2』が含まれます。
Banned Footageの詳細はこちらから

【ダウンロード版】
(PS4)9,250円+税 / (XboxOne)9,280円+税 /
(Steam)9,250円+税 / (Windows 10 UWP)9,259円+税
※ダウンロード版のみの販売となります。
発売日
好評発売中
ゲームジャンル
サバイバルホラー
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